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ポメラ DM20
私の北海道自転車ツーリングは記録との戦いと言ってもいい。記録とはタイムや距離の記録ではなく、その日一日の起きたことを後日ホームページに記録するための記録だ。もともと自転車での北海道一周をホームページに紹介しようという考えだけで始めたが、やがてそれは毎年の恒例行事となった。
ポメラ DM20
北海道自転車ツーリングを始めた頃は小さなノートにシャープペンシル、もしくはボールペンで書いていた。しかしこの方法だと帰宅後にノートに書いた日記をすべてパソコンで打ち直さなければならない。この作業は予想以上に大変で、旅の日記そのものは現地で一日2〜3時間で書いてしまうが、それをパソコンに打ち込むのに、旅の日記に書ききれなかった話を追加していくと、その2〜3倍程度の時間がかかり、さらに写真を加工したりしていると、1日分の話を書くのに1週間ほどかかってしまうのだ。
それだったら紙のノートに書くのではなく最初から現地でテキストで書いてしまえばいいと常に考えていたのだが、それには色々と問題があった。UMPCやネットブックなどのパソコンを持ち込めば一番楽なのだが、それには電源という問題があった。UMPCやネットブックなどのパソコンはいずれも2〜4時間しかバッテリーが持たず、しかも乾電池が使えない。これはほとんど毎日のようにどこかでコンセントから充電する必要があるが、キャンプをしながら自転車ツーリングする身では充電などできるはずもない。
キーボードを開いたところ
次に考えたのはキーボードを装備した携帯電話やスマートフォンだ。これらは非常に軽くて小さい。しかし小さい故に肝心のテキストを入力しにくいのと、そのほとんどはローマ字入力で、仮名入力はサポートしていない。何を隠そう私は仮名入力なのだ。それにやはりバッテリーの持ちが悪いという問題があった。
なかなかいいアイテムが見つからないままノートにペンで日記を書くのを続けていたが、とうとう画期的な製品が発売された。それは2009年に登場したキングジム製のポメラだ。これは電子メモ帳という新しいジャンルの商品で、テキストを書くという機能しかないが、ノートPC並のフルキーボードを装備しているのでテキストは入力しやすいし、仮名入力も可能でおまけにATOKまで装備している。
広げたキーボードも固定される
そして何よりバッテリーが単四電地2本で20時間も使えるというのがありがたい。これなら一日2〜3時間使ったとしても一週間以上使えるし、電池が切れたらコンビニで買えば済む。電源の問題もすべて解決というわけだ。ただしキーボードから入力を続けていると実際の使用時間は10時間くらいしかなく3日に1回は電池交換が必要となる。
それに電源を入れて2秒で起動するからパソコンのように待たされなくてもいいし、まして私の場合、ノートにペンで文字を書くよりもキーボードで打った方が早いのだ。それを知った私はすぐにポメラのDM10を購入し、2009年の北海道自転車ツーリングから実戦投入した。ノートに比べると重さも体積も増えたので取り扱いは悪くなったが、家に帰ってからの作業の楽さは画期的だった。
単四電池2本で動作する
このDM10で2009年から3年間、北海道自転車ツーリングで旅の日記を書き続けたが、このDM10にも問題があった。それは1ファイルが8000文字までという制約があったため1日の旅の日記を2〜3個のファイルに分割する必要があったが、これが案外面倒だった。さらにディレクトリを切ることができなかったためすべてのファイルをルートフォルダに入れる必要があり、多くのファイルを用意するとファイルを選ぶのも大変な状態だった。
そこで2012年からはその後継機種であるDM20に乗り換えた。この時点で最新機種であるDM100が発売されていたが、DM100はキーボードを折り畳むことができず、横幅の問題で自転車のフロントバッグに入れることができなかったので却下。その代わりにその時点で型落ちとなっていたDM20をヤフオクにて安価で入手し、これまで使っていたDM10を同じくヤフオクで売り飛ばしたので、実質3000円でDM10をDM20にバージョンアップすることができた。
MicroSDカードを使用する
DM20に変わったことにより、本体が3mm厚くなり、重さも30g重くなってしまった。しかしそれ以上に画面解像度は同じだが画面サイズが大きくなった分だけ一画面上に表示できる文字数が多くなり、DM10では最大でも全角で横26文字×17行(442文字)だったのが、DM20では同程度の文字サイズの20ドットを選択する事で、全角で横32文字×21行(672文字)となり、情報量は約1.5倍ととても見やすくなった。
さらに1ファイルの文字数上限がDM10では8000文字だったが、DM20では28000文字に増えたおかげで、これまでは一日の日記を2〜3つのファイルに分割して書いていたが、これからは1つのファイルで書ききれるようになった。さらにファイルをディレクトリに分けて保存できるようになったので、過去の北海道自転車ツーリングの記録をポメラに入れて持ち出せるようになり、過去の参考タイムやコンビニ情報なども参照できるようになった。
そんなものを参照するくらいならiPHONEやアンドロイド携帯を使えと言われそうだが、これらは電池の消耗が早すぎるので、電源の確保の見込みがない自転車キャンプ旅においてはほとんど役に立たない。やはりコンビニでも入手可能な単四電地2本で20時間も駆動するポメラの魅力には勝てないのだ。
2032サイズの補助バッテリーを使用する
充電の見込みのない電源のない環境で使えるテキスト入力できるガシェット。しかもそれは開いて2秒で起動して単四電池2本で20時間使え、かつフルキーボードで仮名入力までできてしまう。メールやインターネットの機能はないのでブログの更新は少々面倒だが、スタンドアロンで長文の文字を入力するならこれほど役に立つ物はないだろう。
画面サイズ:5インチ
電源:単四電池×2本
バックアップ電源:CR2032×1個
サイズ:145mm×100mm×33mm(折りたたみ時)
サイズ:250mm×110mm(使用時)
重量:370g(乾電池別のカタログスペック)
重量:390g(乾電池込みの実測値)
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