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GORE−TEX サイクルレイン ジャケット
雨が降りそうな時には出かけない日帰りの自転車ツーリングと違って、長距離の自転車キャンプ旅では雨具が必須となる。もちろん傘を差して自転車で走るのは法律で禁止されているのでレインスーツ、通称カッパを着ての走行となる。
スタッフサックに入れたところ
2003年の初めての北海道自転車ツーリングではホームセンターで買った5000円くらいのレインスーツを持っていった。これでもホームセンターで売っていた中では一番高いのを奮発して買ったのだが結果は燦々たるものだった。雨の中を駅や学校まで10〜20分ママチャリに乗って走るだけならこのレインスーツでもまったく問題ない。しかしこれを着て雨の中、一日中走るとなると浸透圧が低いことからレインスーツのあちこちから雨水が染み込んできて服までずぶ濡れになるし、透湿性がないので内部にこもった水蒸気を外に逃がすことができず、峠でも登ろうものなら全身から汗が噴き出し、それこそ雨で濡れるのと汗で濡れるのと変わらなくなってしまった。
GORE−TEX サイクルレイン ジャケット
ホームセンターのレインスーツでは自転車で丸一日は走れないと悟った私はモンベルのゴアテックス製のレインダンサーを購入し翌年より北海道自転車ツーリングに持っていくようになった。このレインダンサーはさすがにゴアテックスだけあって素晴らしくよかった。雨の中を一日中走っていても快適とまでは言わないが耐水圧が高いので以前のように雨水が染み込んできてずぶ濡れになる事はないし、透湿性もあるので内部にこもった水蒸気も放出してくれた。そして何より一番ありがたかったのはフロントのポケットの内部がメッシュ構造になっており、暑い時はポケットを開けて走るだけで通気性まで確保されるというありがたい機能を備えていた。
目立つリーフグリーンだ
私はこのモンベルのレインダンサーがお気に入りになり10年間使い続けた。さすがに10年も使うと撥水性は完全になくなってしまい、2年に1回くらいニカワックスのLOFTテックウオッシュで洗濯してTXダイレクトに浸けて乾燥させ防水性の回復に努めていたが、特にズボンの裾周りがチェーンの油汚れで汚くなり、ゴアテックスの防水性も限界に来たことから新しいレインスーツを探し始めた。
自転車用のレインウェアなのでツーリングには最適だ
モンベルのレインスーツは私がレインダンサーを購入した10年前から既に2回ほどモデルチェンジを繰り返し、今のレインスーツの機能は私が持っているレインダンサーとは違うものになっていた。それが顕著に表れていたのは通気性だ。私が持っていたレインダンサーは前述の通りフロントのポケットの内部がメッシュ構造になっており、暑い時はポケットを開けて走るだけで通気性まで確保され風が通って涼しかった。
自転車用だがさすがに後ろポケットはない
ところが今のモンベルの山岳用のレインスーツはすべてポケットが防水仕様となって通気性はなくなってしまった。これは私にとって大きな問題だった。雨の暑い日に自転車で峠を登るとどうしても汗をかいてしまう。そんな時に通気性の悪いレインスーツを着ていたら内は汗だくになってしまい、雨で濡れるのと汗で濡れるのと変わらなくなってしまう。
これについて私は大阪と名古屋のモンベルショップで店員に質問してみた。その答えはモンベルとしてはレインスーツは山岳用として開発しており、山での体温低下は命にかかわるので山岳用のレインスーツは通気性を極力なくそうとしているとのことだった。すなわち山岳用と自転車用では用途が異なるため求められる機能が異なるのだ。
モンベルのロゴが入る
そこで私は山岳用のレインスーツではなく自転車用のレインスーツを選ぶことにした。モンベルには自転車用のゴアテックス製レインスーツ「GORE−TEX サイクルレイン ジャケット」がラインナップされている。これはメジャーな山岳用ではなくマイナーな自転車用なので販売数が少ないのかジャケットだけで価格が3万円弱ととても高く、モンベルのレインスーツの中でも最も高いほどだ。
しかしGORE−TEX サイクルレイン ジャケットは自転車用に開発されただけあって通気性に優れており、脇の下にピットジップと呼ばれるジッパーがあり衣服内にこもった熱を素早く換気することができる。またフードが取り外し式になっていてボタンだけで付いているので、ここからも空気が抜けて頭周りの通気性も良い。
脇にあるピットジップは雨の日でも換気を効率的に行う
他にも自転車に乗った前傾姿勢でも背中が出ないロングテールデザインや簡単な操作でフィット感を調節できるトライアクスル・フード、ジッパーを襟先まで上げた際にスライダーが直接あごに当たらない仕様になっていたり、襟取り付け部の縫い目にシームテープ処理を施し防水性を向上させたフルシームシールドカラー、乗車時の姿勢に適した肘の立体裁断、エラスティックテープとベルクロで袖口を調節するアルパインカフ、ジッパーの上に被さる2枚のフラップで雨風の侵入を確実に防ぐデュアルフラップ&レインガーターなどの機能がある。
そして素材にもリーフグリーンの色の付いた身頃部分は表に撥水機能、真ん中に防水透湿性をもつゴアテックスメンブレン、そして裏地に極細繊維の織物を採用することで軽量化とコンパクト化、耐摩耗性などに優れた極薄・超軽量の生地を適用したGoreマイクログリッドバッカーテクノロジーを採用している。そして黒色の部分は表に撥水機能、裏面に特殊な微粒子を固着した防水透湿性をもつゴアテックスメンブレンを適用した伸縮性を備えるパックライトプロダクトテクノロジー採用している。
フードは取り外せるようになっている
こうして購入したGORE−TEX サイクルレイン ジャケットはさすがに自転車用として作られたレインスーツだけあって使用感は高く、特にトライアクスル・フードのできの良さには感心した。これだったら顔に沿ってフードの開口部の形状を自由に変えることができるので一日中雨の中を走っても雨が染み込んでくることはないだろう。またピットジップのおかげで通気性も良くて峠を登っても熱のこもりを最小限に抑えることができ、長距離の自転車ツーリングには欠かせない存在となった。
素材:ゴアテックスファブリクス
サイズ:XL
重量:305g(カタログスペック)
重量:355g(スタッフサック込みの実測値)
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