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おでかけカトリス40日コンパクトセット
私はこれまでのキャンプ生活ではずっとアース製薬の「蚊に効くおそとでノーマット」を使ってきた。これは単三電池2本で使える電池式の携帯用虫除けで、同様の製品の溢れる現在とは違い2000年においてはこれしか存在しなかった。
電池式の携帯用虫除け各種
しかし発売から10年以上が経過し、徐々に薬剤の入手が難しくなってきたこと、及び発売から10年以上経過した現在においては各社からもっと小型軽量のものが発売されていることから思い切って買い換える事にした。どれにしようかと各社のホームページを色々と調べてみたが、あいにく電池式の携帯用虫除けについてはサイズや重量、使い方などの情報がほとんど掲載されておらず、しかもこれらに関する比較を行った物好きな有志のホームページも見つからず、自転車キャンプ旅に最適な1つを選び出すことができなかった。そこで私は該当しそうな電池式の携帯用虫除けをすべて大人買いし、各社のスペックや特徴を調べ自転車キャンプ旅に最適な携帯用虫除けを選び出しそれをホームページに公開することにした。
購入した携帯用虫除け
購入したのはフマキラーの「どこでもベープNo.1未来セット」、アース製薬の「おそとでノーマットV130」、大日本除虫菊の「おでかけカトリス40日コンパクトセット」の3点。これに参考として大日本除虫菊の「おでかけカトリス40日ブルーセット」と、これまで使用していたアース製薬の「蚊に効くおそとでノーマット」を比較する
どこでもベープNo.1未来セット
かつては「どこでもベーブNo.1NEO」と呼ばれていたがモデルチェンジして未来となった。単四電池2本を使用する携帯虫除けは他社と同じだが、このどこでもベープの特徴は腕に巻くことに特化している点にある。それは裏面の形状が凹形状となっておりバンドを取り付けるバーも横方向ではなく下方向に付いており、すべては腕に巻いた時の装着感を追求していると言ってもよい。その代償として少し厚みがあるが腕に巻いて使うなら問題はないだろう。
ちゃんとファンが付いている
効果の持続時間は120時間と一番短いが1〜2週間程度の自転車ツーリングであればそれで十分だ。主成分はメトフルトリンだが残念な事にこの商品だけ含有量が書かれていない。他の2製品には記載があるだけにここは書くべきだろう。カートリッジの取り付け部を開けると中にはモーターで回るファンが用意されている。ファンがあるのは当たり前だと思っていたが実はファンが入っているのはこの製品だけだった。ファンの効果で揮発した薬剤が四方に拡散してくれることだろう。腕に巻いて使うなら間違いなくこの「どこでもベープNo.1未来セット」をお勧めする。
おそとでノーマットV130
アース製薬の「おそとでノーマットV130」も単四電池2本を使用する携帯虫除けだ。この「おそとでノーマットV130」はどこでも「ベーブNo.1NEO」に極めて類似していることを理由にフマキラーから訴えられた事があるという曰く付きの商品だ。両者を見比べるとよくわかるが確かに類似している。デザイン的には異なっているが、その構成や機能は瓜二つであり、特にパッケージのブリスターの形状と梱包方法やバンドの作りなどはまったく同じで、日本の一流企業がここまで露骨に真似していいものかと思ってしまう。フマキラーが怒るのも無理はないだろう。バンドが入っていることから腕に巻くことを前提にしているようだが、裏面の形状が平面である事、及びバンドを取り付けるバーが横方向に伸びていることからバーの間隔が腕の幅よりも広く腕に巻いた時の装着感はいまいちだ。
ファンではなく十字の仕切りを回す
また揮発した薬剤を拡散するファンも、「どこでもベープ」は扇風機のような羽根が回るようになっているが、「おそとでノーマット」は羽根ではなく十字の仕切りが回るだけなのであまりこれで揮発した薬剤が拡散するようには思えない。主成分は他と同じメトフルトリンで45mg含有しており、効果の持続時間は「どこでもベープ」より少しだけ長い130時間となっている。後発メーカーであるにもかかわらず「どこでもベープ」より完成度は低い。特にバンドを着けていながら腕に巻いた時の装着感を考慮しない設計は疑問に思ってしまう。「おそとでノーマットV130」を購入するのであれば「どこでもベープNo.1未来セット」をお勧めする。
おでかけカトリス40日コンパクトセット
大日本除虫菊の「おでかけカトリス40日コンパクトセット」は同じく単四電池2本で動作する携帯用虫除けだが、先に紹介した2製品とは明らかにコンセプトの異なる商品だ。腕に巻く為のバンドを取り付けるバーが付いているのは同じだが、この製品にはバンドそのものが付属していない。その代わりに吊り下げる為のプラスチック製のフックと首から掛ける為の紐が付属している。設計や作りも他の2製品を参考にしたとは考えにくく、独自の発想で作ったことは明らかで、腕に巻いて使うのではなく首からぶら下げて使うことに主眼を置いているように思える。
ファンではなくカートリッジ自体を回す
そしてこの「おでかけカトリス」の最大の特徴は他の2製品のように薬剤の入ったカートリッジの背面でファンなどを回して気流を発生させて揮発した薬剤を拡散するのではなく、薬剤の入ったカートリッジそのものを回して遠心力で拡散するところにある。ファンを回すのとカートリッジを回すのとどちらが効果があるのかはよくわからないが、おでかけカトリスは他の2製品と比べてカートリッジの周囲が開放的になっており、それなりに効果はあるものと思われる。さらにこの「おでかけカトリス」の利点は、カートリッジが他と共用できることにある。「どこでもベープNo.1未来セット」や「おそとでノーマットV130」はそれぞれカートリッジは専用品となり、同じメーカーの他製品、例えば「蚊に効くおそとでノーマット」ともカートリッジは事なり共用はできない。ところが「おでかけカトリス40日コンパクトセット」だけは同じ大日本除虫菊製の「おでかけカトリス40日スリムタイプ」や「おでかけカトリス40日ブルーセット」とカートリッジが同じで共用できる点も評価できる。主成分は他と同じメトフルトリンで60mg含有しており、効果の持続時間は他の2倍近い240時間となっている。
裏面と付属品に違いが現れる
以上の3製品はいずれも単四電池2本で駆動する携帯型の虫除けだが、製品ごとに特徴がよく出ている。腕に巻いて使うことに特化した「どこでもベープNo.1未来セット」、真似して作ったけどコンセプトまで理解しないまま真似したのでどことなく中途半端な「おそとでノーマットV130」、吊り下げて使うことに特化した「おでかけカトリス40日コンパクトセット」。その特徴は裏面と付属品の違いに現れる。つまり上の写真の右側の「どこでもベープNo.1未来セット」は腕に巻いた時にフィットしやすいように裏面が凹型になっており、バンドを取り付けるバーも下側に向かって付いているが、写真中央の「おそとでノーマットV130」は腕に巻くようにバンドを着けているにもかかわらず裏面はフラットで、かつバンドを取り付けるバーも横方向に付いているので腕に巻いた時のフィット感が悪い。そして写真左側の「おでかけカトリス40日コンパクトセット」は腕に巻くバンドは取り付けることができるようになっているが、そのバンドは付属しておらず、逆に他の2製品には付属しない吊り下げ用のフックと首からぶら下げる紐が付属している。
紐をこのようにすれば腕にも取り付け可能だ
私のキャンプ旅での携帯用虫除けの使い方を考慮した時、腕に巻くか首からぶら下げるかどちらがいいかを色々と検討してみた。腕に巻いた方がスマートであることは間違いないのだが、このバンドを携帯用虫除けに取り付けると重さはほとんど変わらないが意外とかさばり荷物になる事が判明した。しかもこのバンドはゴム紐ではないので取り付けも面倒だ。そこで首からぶら下げて使うこととし、「おでかけカトリス40日コンパクトセット」を選んだ。紐をモンベルのハットストラップに交換して長さを調節できるようにすれば腕に巻いたり首にかけたりもすることが可能になる。これはとても便利なのだが携帯用虫除けの本体価格よりもハットストラップの方が高価なのが問題だ。バンドのかさが気にならないのであれば「どこでもベープNo.1未来セット」を選べば良いだろう。
品名 | 重量 | サイズ | 定価 | メトフル トリン | 持続 時間 |
本体 のみ | 付属品 込み |
どこでもベープ No.1未来セット | 34g | 63g | 57×54 ×28mm | 1180円 | − | 120 時間 |
おそとでノーマット V130 | 32g | 61g | 65×54 ×25mm | 840円 | 45mg | 130 時間 |
おでかけカトリス 40日コンパクトセット | 33g | 65g | 61×60 ×26mm | 1029円 | 60mg | 240 時間 |
おでかけカトリス 40日ブルーセット | 53g | 78g | 78×59 ×35mm | 1207円 | 60mg | 240 時間 |
蚊に効く おそとでノーマット | 71g | 130g | 85×65 ×40mm | 997円 | 120mg | 84 時間 |
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