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ツーリングマップル北海道
北海道を自転車でツーリングする場合、必要となるのが地図だ。走る距離が短かったり毎回走る道だから地図を覚えているというのなら必要ないかもしれないが、何日にも渡って何百kmも走る場合には地図は必須となる。
ツーリングマップル北海道2014年度版
私が北海道自転車ツーリングで使用する地図は昭文社のツーリングマップルだ。これはライダー向けの地図だがチャリダーやサイクリスト、果てはトホダーでも十分使用できる。と言うより紙の地図としてチャリダーが使えるのはこれしかないと言っても過言ではないだろう。国土地理院発行の5万分の1の地図を走る場所の分だけ持っていくという手もあるが、走るのが1日2日ならともかく1週間以上になると地図の枚数が多すぎてそれも無理だろう。
最近はGPSの発達でガーミンやソニー、パナソニックなどから自転車用の電子地図やナビーゲータが多数販売されており、またiPHONE等のスマホでも基地局の電波が受信できる限りは現在地の表示やナビが可能なことから、これらを使ってツーリングする人が多くなってきた。
これらの電子地図は紙の地図と違ってGPSの電波が届く限り現在地が確実にわかるので迷子になることがない。しかも近くのコンビニやスーパー、百円ショップ等の検索も容易にできるし目的地をセットしておけばわかりにくい場所にあるキャンプ場でも確実にナビゲーションしてくれる。
2003年、2008年に続いて3冊目の購入になる
電子地図はいいことばかりのようにも思えるが欠点もある。まずバッテリーが持たないこと。車のナビのように常時ナビをし続けたら丸一日は持たない。見たい時だけ地図を見るとしても1日か2日でバッテリーが切れてしまう。毎日ライダーハウスやユースホステルに泊まるという人であればそれも可能だが、毎日キャンプ生活という人にはバッテリーの問題は深刻だ。
電子地図にはもう一つ欠点がある。それは地図には地図しか表示されないことだ。これは一見当たり前のように思えるかもしれないが、ツーリングマップルと電子地図の地図を見比べるとよくわかる。ツーリングマップルには観光地や名所、景色のきれいな場所、お勧めの道などが事細かに記載されている。もちろん電子地図も検索すれば表示することは可能だが、検索しなければ表示されない。
つまり電子地図は目的地が明確に決まっていてその目的地に向かって最短コースをまっしぐらに走る場合にはお勧めできる。しかし計画段階では行くつもりのない観光地などにふらりと立ち寄りたいなどというぶらり旅では、周囲にどのような観光地があるのかがわかりにくい電子地図では見つけだすのも難しいだろう。もちろん検索すれば出てくるのだろうけど、普段地図の表示を消して走る電子地図に比べて走りながらでも地図や観光地情報を見ることのできる紙の地図とでは大違いだ。
キャンプ場や温泉の価格情報などを書き込んでいる
ツーリングマップルの利点はその携帯性だけでなく観光情報の網羅された読み物としてもおもしろい点にある。ツーリングの途中だけでなく家でツーリングマップルを見ていると地図に記載された観光地やお勧めの道の情報を見ているだけで走りたくなってしまう。これが自転車で走りながらだと、ちょっと時間に余裕がある場合などは周囲のこうした情報を確認しつつ「あ、近くにおもしろそうな場所があるから行ってみようかな」とすぐに立ち寄ることができたりと、何かと役立つことが多い。
さらに私の場合はツーリングマップルの購入直後にキャンプ場と温泉の価格やコインランドリーの有無などの情報、及び峠と麓の標高を地図に書き込んでしまうので、私だけの手放すことのできない1冊となってしまいなかなか買い換えることができなくなり、ボロボロのまま使い続けることになる。
ツーリングマップルにも欠点はある。かつては今のような製本ではなくツーリングマップルRのようなリング状の形態で地図を広げるには好都合だった。しかし2000年頃から今のような一般的な製本となりフロントバッグの上に広げて走るには使いにくくなった。また表紙は水に濡れても強いと書かれているが、それほど強いとも思えず表紙は雨に濡れるとすぐにボロボロになってしまう。
三本杉海水浴場や風海鳥の位置が間違っている
さらに地図の記載内容に間違いが多い。昔はサロベツ原野にある宮ノ台展望台が間違った場所に書かれていたのでこれを探すのに周囲を走り回ったし、桂沢湖からシューパロ湖までの国道452号線の区間距離が本来より10km多く書かれていたりと本当に間違いが多かった。ツーリングマップルではこんなのは珍しいことではなく最近でこそ改訂が進んでずいぶん間違いも減ってきたが、それでも2014年度版にも多くの間違いが見られる。
例えば瀬棚の拡大図では三本杉海水浴場は三杉トンネルの南側に存在することになっているが実際には北側に存在する。さらに瀬棚港に浮かぶ洋上風力発電機「風海鳥」は地図の場所ではなく懸島のもっと南南西にあったりと枚挙にいとわない。さらに峠の標高についてはいまだにほとんど改訂されておらず、その差が数m程度であれば問題ないが、朝里峠や釧北峠、広島峠などは記載と実際の標高が30〜50mも異なり、於鬼頭峠に至っては記載と実際の標高が87mも異なる状態のままとなっている。
さらに場所の間違いで追加になったのがある。かみとくツーリストの位置が道道120号線の西側に記載されているが実際には東側にある。このかみとくツーリストは標識が非常に目立ちにくく、よくよく注意しなければ見過ごしてしまうことから、ツーリングマップルの地図を頼りに探すときっと見つけ出すことができないだろう。
かみとくツーリストは実際には道道120号線の東側にある
ツーリングマップルと電子地図、どちらも一長一短があるが仮に電子地図を持っていくとしてもあらかじめ買っておいて事前にお勧めの道や観光地の情報を調べておくのは有効だろう。私の場合はツーリングマップルをフロントバッグに広げたまま走り、今どのあたりを走っているのだろう、周辺はどのようになっているのだろうと地図を見ながら走るのを楽しみの1つにしているので、バッテリーの問題でそれのできない電子地図に乗り換えることは当分ないだろう。
サイズ:210mm×152mm×10mm
重量:325g
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