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ゆめ地創館
幌延町から道道121号線を3km北に走った所、トナカイ観光牧場の北隣にあるのが幌延深地層研究センターPR施設「ゆめ地創館」だ。幌延深地層研究センターとは原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物を最終的に地下深い地層中に処分する為に地層科学研究や地層処分研究開発を目的としており、ゆめ地創館はその為のPR施設として2007年に建設された。ちなみにここはあくまで深地層の研究、及び高レベル放射性廃棄物の処分方法を研究する為の施設で、実際に高レベル放射性廃棄物を処理しているわけではない。ゆめ地層館には地下500mを再現した地下展示室があり、VT−500というエレベーターで2分かけて地下展示室に行く。しかし実際には地下展示室は地上1階にあり、入口のある地上2階から地下展示室のある地上1階までの高さ5mを2分かけて下るという世界一遅いエレベーターとなっている。だがそのエレベーターの内部の完成度と雰囲気が素晴らしいことから、ほとんどの来場者は自分が今、地下500mにいるのだと錯覚してしまうほどだ。地下展示室には実際に地下深くで作業する際の装備やボーリングコアの実物、高レベル放射性廃棄物の処分方法、原子力発電の燃料リサイクルの仕組みなどが展示され、ジオシアターでは深地層の物語も上映している。このゆめ地創館の地下展示室は地層処分実規模試験施設につながっており、ここには高レベル放射性廃棄物を固めたガラス固化体とそれを入れるキャニスターと呼ばれるステンレス容器、さらにそれを入れるオーバーパックと呼ばれる厚さ19cmの金属製容器、そしてオーバーパックを取り囲む緩衝材と呼ばれる厚さ70cmの粘土を固めた巨大な人工バリア、そしてその人工バリアごと地下500mまで下ろす為の緩衝材定置試験装置の巨大な台車が展示されており、色々と仕組みを説明してくれる。さらにゆめ地層館には全高50mの展望室もあり、ここからは幌延のなだらかな地形に広がる牧草地を360度見渡す事ができる。PRの為とは言え、入館が無料の割にはかなりしっかりした展示施設で、お勧めできる場所だ。
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幌延深地層研究センターの外観
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ゆめ地創館の地下500mを模した内部
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地層処分実規模試験施設
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緩衝材定置試験装置
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展望室から見た豊富町の牧草地
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