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手宮洞窟
小樽の町の北の端、小樽市総合博物館の広い駐車場の道道454号線を挟んだ向かい、手宮公園の広がる丘の南側の麓に手宮洞窟がある。ここは1866年に鰊番屋の建設のため小樽軟石の切り出しに来ていた石工が洞窟の壁面にさまざまな文様が刻まれていることを発見した。この洞窟に描かれた彫刻は観察と調査が行われ、1921年にはその価値が認められて国指定史跡となった。しかし発見から120年が経過し、風化、剥落が見られるようになった為、手宮洞窟陰刻面を保存し貴重な文化財である手宮洞窟を後世に伝えるために、近くのフゴッペ洞窟同様にカプセル方式による手宮洞窟保存館が1995年に完成した。洞窟はとても小さく、その小さな洞窟の壁面を覆うように建物が覆い被さっている。さらに内部は薄暗くて雰囲気があり、照明も工夫されていてなかなかよい。ただし肝心の彫刻はフゴッペ洞窟と違ってあまりハッキリと認識できるレベルではない。この洞窟の彫刻は今からおよそ1600年前頃の続縄文時代中頃〜後半の時代で、このような彫刻は日本では北海道余市のフゴッペ洞窟にしか見られないが、同様の彫刻はロシア、中国、朝鮮半島などにも見られ、日本海を囲む大きな文化圏があったと思われる。
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手宮洞窟の外観
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シャーマン等の壁画が描かれている
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