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北海道自転車ツーリング 5日目
女満別〜弟子屈〜シラルトロ湖 −サングラス−
2010年08月10日

5日目の走行地図

5日目の速度グラフ
速度
5日目の高度グラフ
高度

 3時50分に起床。まだ少し早かったのでもう一眠りする。次に目覚めたのは4時30分だった。このキャンプ場はシジミ取りの漁師さんが朝の4時30分から漁船のエンジン音を響かせてくれるので目覚ましはいらない。テントの入口を開けると今日の空は曇りで、残念ながら日の出は見られそうになかった。
 朝食にラーメンを自炊し出発の準備を整えていく。昨夜は雨も降っていなかったが、あいにくサイクリングジャージーは乾いていなかった。それでも今日も雨は降っていなかったので濡れたままのサイクリングジャージーを着る。もうこれが日課となってしまった。冷たくて気持ちいいので病みつきになる。
撮影日時:2010/08/10 05:18:32 シャッター速度:1/250 絞り:F4.5 焦点距離:46mm
女満別湖畔キャンプ場でのキャンプ風景
撮影日時:2010/08/10 05:35:26 シャッター速度:1/250 絞り:F4.5 焦点距離:56mm
今日は朝から曇り空だ
 炊事場で洗面を済ませてテントに戻る途中、昨日話をしていたカブのライダーとすれ違ったので挨拶をしたけど無視された。おかしいなと思っていたら、上下ともまったく同じ服を着て同じ体型の人がもう一人現れて私に挨拶してきた。どうやらキャンプ場にはそっくりの別人がいたようだ。
 テントは今回の北海道自転車ツーリングで4泊目のキャンプにて初めてフライシートが乾いていたので撤収は楽だった。出発間際に昨夜なくしたお箸のキャップを再度捜してみる。あたりが明るけれは見つかるかとも思ったがダメだった。やはり新しいお箸を購入しないとダメなようだ。カブのライダーは先に出発してしまい私も6時ちょうどに女満別湖畔キャンプ場を出発する。
撮影日時:2010/08/10 05:36:21 シャッター速度:1/640 絞り:F5.6 焦点距離:24mm
曇り空で朝日は見ることができなかった
撮影日時:2010/08/10 05:59:27 シャッター速度:1/250 絞り:F5.6 焦点距離:24mm
網走湖をバックに自転車を撮影
 キャンプ場を出発するとコンビニにも寄らずにそのまま美幌目指して国道39号線を南下する。今日は朝から曇っていたが、国道39号線を走り初めてすぐに太陽が顔を出しやがて晴れとなった。これだったら国道を少し逆走してでもメルヘンの丘に行っておけばと思ったが、まあメルヘンの丘は毎回行っていることだし先を急ぐことにする。
 この国道39号線の女満別から美幌までは直線が延々と続き、昨日走った時には追い風で楽だったが今日は向かい風となっており、なかなか自転車が前に進まない。それでも朝一番という事もあって自転車を順調に走らせ、7時ちょうどに美幌の街中にあるコンビニに到着した。
撮影日時:2010/08/10 06:17:58 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
国道39号線のどこまでも続く直線を走る
撮影日時:2010/08/10 07:07:03 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
美幌峠まであと24km
 コンビニで凍らせたペットボトルを探すと見事に売っていた。どうやらセブンイレブンやローソンは今年から凍らせたペットボトルをどこでも取り扱うようになったようだ。昨年までは地域によってあったりなかったりだったのに、いい時代になったものだ。これであとセイコーマートが取り扱ってくれれば言うことないのだが。私はこれまでずっとセイコーマートのファンだったが、セブンイレブンやローソンがどこでも凍らせたペットボトルを取り扱うようになった事とEdyでの支払いが可能なので、私はすっかりとセブンイレブンやローソンのファンになってしまいセイコーマートを利用する機会がめっきりと減ってしまった。
 コンビニで凍らせたペットボトルとパンとおにぎり、さらに500ccの牛乳を購入。店の前で2回目の朝食としてパンを食べながら牛乳を飲む。牛乳を500cc飲むのはかなり辛かったが、紙パックでは持ち歩くこともできないし、他に入れる場所もなかったので無理して全部飲む。まだ気温の上がらない朝一番にこれだけの牛乳を飲むのはなかなか大変だ。
 7時10分に美幌のコンビニを出発し国道243号線を走る。私は今回で美幌峠に登るのは4回目になる。そのうち美幌側から登るのは3回目になるが、過去2回はいずれも荷物を積んでいない状態だったので、荷物をフル装備の状態で美幌側から登るのは初めてだ。ところがこの国道243号線は若干の登りと向かい風でなかなか前に進まず苦しむことになった。しかしそんな時にもライダーからの声援は励みになる。この区間はツーリングマップルのお勧めの道になっており、ライダーは多いし何より道の両側に白樺が延々と植えられている中を走るのは気持ちのいいものだ。
撮影日時:2010/08/10 07:50:17 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
白樺並木の中を走る
撮影日時:2010/08/10 07:51:37 シャッター速度:1/640 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
周りはずっと牧草地が続く
 8時20分に美幌峠の坂の始まる手前にあるパーキングに到着。ここで旅の日記を書きながら20分ほど休憩する。歩道の段差に座って旅の日記を書こうとするが、段差はアリだらけだったので仕方なくアスファルトの地べたに座って書く。地べたに座ってポメラを打ち込むのははっきり言ってやりにくかったが、その後、地べたに座って膝の内側でポメラを入力するのが標準的なスタイルになる。今日は走行距離も短いことだし、しっかりと休憩をとることにしよう。
 8時40分にパーキングを出発。ここからは急な登りが延々と続く。ここまではずっと晴れていたが、美幌峠の登りが始まると曇り始めた。ありがたいことだ。おまけに向かい風なので暑さからはずいぶん救われた。ギアを落として無心でひたすらペダルを回す。あとどれくらいあるのだろうなどと考えてはいけない、ひたすらロボットのようにペダルを回すだけだ。
 美幌峠の上り坂を一定の調子で登っていると、途中でお尻が痛くなってきたので、9時30分から5分だけ休憩してエネルギーの補給にチョコを食べて再び出発。するとお尻の痛みは嘘のように消えていた。肩こりもそうだが、わずかな時間休憩しただけでも一瞬で痛みは消えてしまう事が多い。その頃から曇り空が一段と濃さを増し、だんだんと雲行きが怪しくなってきた。
撮影日時:2010/08/10 09:32:12 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:98mm
登ってきた急坂を振り返る
撮影日時:2010/08/10 09:48:37 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:91mm
霧が深くて視界が50mくらいまで落ちた
 頂上まであと2kmの標識付近から急に霧が発生し視界は50mくらいまで落ちた。私は後ろから車に追突されないようにリアのフラッシングライトを点滅させたが、車のテールライトでさえ見えにくいのに自転車のフラッシングライトがどの程度効果があるかは疑問だ。しかしないよりはマシだと点滅させて走る。いつもだったらこのあたりから景色がきれいに見えるようになるはずだが霧で何も見えず、しかも気づいたらいつの間にか頂上にある道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」の駐車場の入り口に来ていた。あまりに霧が深くて危うく道の駅に気付かずに通り過ぎるところだった。
 10時ちょうどにようやく標高490mの美幌峠の頂上に到着。しかし駐車場に入ってもどこが道の駅の建物なのかもわからないほどの深い霧で、どう考えても展望台から屈斜路湖が見えるとは思えず、展望台に行くのは断念する。まるで美空ひばりさんの名曲「美幌峠」の歌詞にある「何も見えない峠に立てば… ああ最果ての美幌峠に霧が降る」そのものだった。北海道自転車ツーリングで美幌峠に登るのはこれで4回目だが、展望台に行かなかったのはこれが初めてだ。
 その代わりに道の駅の外にあるトイレで給水しようとしたら、洗面台に「この水は飲めません」と書かれていた。道の駅の建物の中なら大丈夫だろうと考え、建物の中のトイレで給水し少し水を飲んだが、何か味が変だった。飲めないとは書かれていなかったが大丈夫だろうか?
撮影日時:2010/08/10 10:05:26 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
霧に包まれた道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」
撮影日時:2010/08/10 10:07:22 シャッター速度:1/60 絞り:F5.6 焦点距離:24mm
道の駅の二階には広い休憩室がある
 道の駅「くるっとパノラマ美幌峠」の建物の中に入るのは初めてだったので、展望台に行く代わりに中を探索すると二階に展望室があることを発見。もちろん展望室からも霧で何も見えないが中には大きな休憩室があり、しかも一般観光客には休憩室の存在があまり知られていないようで利用者もほとんどおらず穴場のように感じてしまった。私はここで旅の日記を書こうかと考えたが道の駅の休憩室ではあまり書きたくなかったので退散する。
 休憩もせずに10時10分に道の駅を出発。深い霧の中を下っていくが、霧で視界が悪く正直言って怖かった。10分ほど下ったところにあるパーキングで休憩。パンを食べながらアスファルトの地べたに座って旅の日記を書き10時40分に出発する。このパーキングは屈斜路湖が見えそうで見えず、私が旅の日記を書いている間も何台かの車が屈斜路湖見たさにやって来ては屈斜路湖が見えないとわかるとすぐに立ち去っていった。
 このパーキングから先は霧がなくなっていたが、やたらと寒くて凍えながら下ってきた。下に着いたら暖かいことを期待して下ったが、なかなか暖かくはならず、もう少し下りが続いていたら凍死してしまうのではないかと思ってしまうほど寒かった。おそらく15℃は下回っていただろう。15℃以下で峠を下る時にはウインドブレーカーかレインスーツを着る必要があることを実感する。
 下まで降りてくると20℃くらいまで気温は回復し、ようやく生き返った。美幌峠を下り終えて和琴半島へ走る途中で、道道588号線への分岐が見えてきた。この道道588号線の先にある津別峠を見上げると中腹から上には雲が懸かっており、とても展望が望めそうにはなかった。昨日チミケップ湖に行っていたら今日はこの津別峠を越えていたはずだ。しかしこの天気だったら何も見えないだろうし行かなくてよかったと言うべきだろう。
 今日は天気が良ければ和琴半島湖畔キャンプ場にテントを張って荷物を下ろし、軽量化した自転車で摩周湖に行くつもりだった。しかしどう見ても摩周湖方面の空は曇っており、摩周湖を取り囲む外輪山の上の方も雲で隠れて見えない。この様子だと摩周湖が霧で見えないのは明らかだ。そこで私は摩周湖に行くのを断念し、このまま南下してシラルトロ湖まで走ることにした。
撮影日時:2010/08/10 11:21:16 シャッター速度:1/640 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
晴れていた屈斜路湖の和琴半島
撮影日時:2010/08/10 11:29:34 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
和琴半島の混浴露天風呂
 11時20分に屈斜路湖の和琴半島に到着。美幌峠は曇りや霧だったが、なぜか屈斜路湖周辺は晴れていた。ここの湖畔にある「和琴半島」と書かれた標識の前で記念撮影した後、無料の和琴半島露天風呂に行く。露天風呂には男の人が一人裸で入っており自分も入ろうかと考えたが、まわりでは親子連れが水遊びしていたのと、今日宿泊予定のシラルトロ湖キャンプ場には隣に温泉があるので今日のところは写真だけ撮影して入浴はやめておく。ここの混浴露天風呂は非常に開放的でいいのだが、家族連れが水着を着てプール代わりに遊びに来るのが問題だ。
撮影日時:2010/08/10 11:33:50 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:80mm
奥に見えるのは摩周湖の外輪山
どう見ても頂上には雲がかかっている
撮影日時:2010/08/10 11:34:20 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
和琴半島の遊歩道を走る。
美幌峠と違って屈斜路湖はよく晴れていた
 和琴半島を一周する遊歩道をしばらく自転車で走って写真撮影した後、美幌峠の道の駅で汲んだ水を捨てて和琴半島のトイレで再び給水し、11時40分に和琴半島を出発。国道243号線、通称クッシー街道を南下する。ところがこの頃から向かい風がひどくなり、南に下るのが苦しめられる。途中屈斜路郵便局という名の小さな郵便局があったので、おもしろ半分にお金を下ろしてみた。
 昨年の北海道自転車ツーリングからEdyを導入しており、ローソンやセブンイレブンでは現金が必要なくなっていたが、今年はEdyへのチャージも現金ではなくカード払いにしたので、なおさら現金が必要なくなってしまった。今回の北海道自転車ツーリングでも1万円ちょっとしか持ってきていないが、それでもまだ全然減っていない。現金を使う場所と言えば温泉とキャンプ場、そしてセイコーマートくらいだろう。
 太陽の日差しがきつかったので、お金を下ろしたついでにタオルをほっかむりに被って日除けにして走り始めたが、すぐに太陽は雲に隠れてしまった。しかも和琴半島ではあれだけ晴れていた空が弟子屈に近づく頃には今にも雨が降り出しそうになった。私は雨が降り出す前に食事と休憩を済ませようと考え、休憩できる場所を探しながら国道243号線を走ったが北海道にそんな場所があるはずもなく、結局弟子屈近くまで国道243号線を10kmほど走ることとなってしまった。
撮影日時:2010/08/10 11:44:54 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
屈斜路湖沿いの国道243号線と
道道52号線はクッシー街道という
撮影日時:2010/08/10 13:01:31 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:74mm
弟子屈近くの道ばたで休憩
この写真にはサドルにサングラスがかけられているが
 弟子屈から5kmほど北の国道243号線の道ばたで12時40分からアスファルトの上に座って休憩。普段休憩する時にはサングラスを外さないのだが、今にも雨の降り出しそうな薄暗い天気だったので、サングラスを外していつものようにサングラスのツルをサドルの穴に刺しておく。そしておにぎりを食べ旅の日記を書き13時に出発する。
 それからも雨の降りそうな弟子屈を目指して走り、13時15分に弟子屈に入る。弟子屈は2年前にも2回通ったがいずれも雨だった。この町は妖怪雨降らしでも住んでいるのだろうか? 弟子屈にはコンビニがあったが、まだサイドバッグに食料はあったし、この先シラルトロ湖までには磯分内と標茶にコンビニがあることを知っていたのでここはパスする。
 国道243号線から国道391号線に入ろうとして、うっかり間違って道道53号線に入ってしまい、釧網本線の陸橋を越えたところで気づいてすぐにUターンする。今度は間違えないように慎重に走って国道391号線に入る。国道391号線に入ってすぐに目にゴミが入った。いつもだったらサングラスをしているので目にゴミが入ることはないので、なぜだろうと思ってよく見ると、自分はサングラスをしていないことに気付いた。サングラスをどこにやったのだろうと記憶を探るが、サドルの穴に刺した以外に記憶がない。しかしそのサドルには自分が座っており、サングラスはない。私はすぐに自転車を止めて、サイドバッグのどこかにしまったのではないかと探したが無駄だった。
 私はすぐに先ほどの休憩場所まで引き返そうかと考えた。しかし先ほどの休憩場所から既に7kmほど走っており、おまけに先ほどの休憩場所に置き忘れたのが確定しているわけではない。どこに落としたかもわからないのに往復14kmも戻る気にならず、しかも走行中に落としていたら、今頃牧草地に落ちているか車に踏まれているかもしれない。結局サングラスは断念することにした。
 後で休憩時に自転車を撮影した写真を拡大して調べたら、先程休憩した場所で撮影した写真にはしっかりとサドルにサングラスが刺さっており、休憩場所に置き忘れたのでないことは間違いない。きっと走行中にどこかに落としたのだろう。だとすれば、もしこの時、引き返していたとしてもサングラスが見つかる可能性は極めて低かったと思われる。
 私はすごくショックだった。あのサングラスは山本光学製の自分にぴったり合ったお気に入りの偏光サングラスで15000円以上するのだ。値段だけの問題ではない。この北海道自転車ツーリングでサングラスなしで走ると目にゴミが入りまくるのだ。この先どうしようかといろいろ考えるうちに、せっかく国道391号線の景色のいい牧草地帯を走っているのに周りの景色も見ないでひたすら自転車を走らせていた。
 いったいどこで落としたのだろう? 昨日のお箸のキャップといい、今日のサングラスといい、自分の不注意でこんな事になるのだ。しかしいくら悔やんだところでこぼれた水はコップには戻らないし、せっかく北海道を自転車で走っているのだからくよくよ考えるのはやめて走りを楽しむことにした。お金で解決できるものはお金で解決すればいいのだ。カメラやメモリーカードなどお金で買えないものをなくした方がもっとショックだったろう。
 さて、気を取り直して走り始めたが、サングラスがないと眩しいし目にゴミが入るので、代わりのサングラスだけはどこかで調達したい。そこで私は磯分内のセイコーマートに入りサングラスを探した。が、あいにくセイコーマートにはサングラスは売っていなかった。仕方なく牛乳とパンを買い店の前で食べた。
 セイコーマートに売っていなくてもローソンかセブンイレブンならあるかもしれない。確かこの先の標茶にはセブンイレブンがあったはずなので、そこで探すことにして再び国道243号線を走り始めた。この頃になると再び太陽が顔を出し、写真撮影する心の余裕も生まれたことから周りの景色を楽しみながら走る。
撮影日時:2010/08/10 13:55:21 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
北海道には珍しく肉牛が放牧されていた
撮影日時:2010/08/10 14:36:14 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
釧路川の上流側は曇っていた
 サングラスのないまま国道243号線を走り続け、15時ちょうどに標茶に到着。標茶の町でサッポロドラッグストアという日用品も扱う大きな薬局を見つけた。もしかしたらここにサングラスを売っているかもしれない。そう考えた私はすぐにサッポロドラッグストアに行き近くにいた店員にサングラスを売っていないか尋ねたところ、レジ近くの一角に100種類くらいのサングラスが並んでおり、値段はすべて880円だった。私はその中で一番スポーツタイプのサングラスを選んでレジに持っていくと、レジで丁寧にタグまで外してすぐに使えるようにしてくれた。
 買ったばかりのサングラスをすぐに使い始めると、これが案外よかった。もちろんこれまで使っていたサングラスに比べると色々と不満点はある。かなりサングラスが濃くて晴れの日ならいいが、曇りや雨の日には暗すぎて見にくかったり、妙に紫色に色が付いていたり、レンズの上と下でサングラスの濃さが違うので自転車が振動すると視界の明るさが変わるのだ。しかし880円という、これまで使用していたサングラスの1/20の価格差を考えるとこれで十分だ。
撮影日時:2010/08/10 15:26:14 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
標茶を過ぎると晴れてきた
撮影日時:2010/08/10 15:44:21 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
国道391号線のどこまでも続く直線を走る
 無事にサングラスも入手し、あとはシラルトロ湖目指して走るだけだ。太陽の日差しがきつく再びタオルをほっかむりに巻いての走行だ。シラルトロ湖の手前に30m程度の丘が2つばかりあり、それを越えるのに苦労した。最近走行距離が伸びると右肩が肩こりでとても痛むようになってきた。昨日は夕方まで走りすぎたのが原因で肩こりになったのだと思っていたが、今日はまだそんなに走っていないしなぜ痛むのかよくわからなかったが、自転車に乗りながら肩をぐるぐると回して血行をよくしながら走る。
 途中の道沿いにあるパーキングで写真を撮ったりしながら16時30分にようやくシラルトロ湖キャンプ場に到着した。憩いの家かや沼のロビーで受け付けを済ませてフリーサイトに行くと、ファミリーテントは1つもなくライダーのテントばかり6〜7つ張られているだけだった。ここはそんなにライダーに人気のキャンプ場だったっけ?
撮影日時:2010/08/10 16:52:30 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
シラルトロ湖キャンプ場でのキャンプ風景
撮影日時:2010/08/10 16:55:37 シャッター速度:1/20 絞り:F5.6 焦点距離:24mm
蝶の森を走る
 今夜は雨は降りそうになかったが、ここは風を遮るものがなかったので4日ぶりにペグをすべて使ってテントを設営する。そして明日の朝食分も含めて米を1.5合分、水に浸す。ここの憩いの家かや沼は日帰り温泉が23時まで開いているので、昨日と同様温泉の前に先に食事をすることにした。
 しかし17時前では食事もまだ早いので、その前にキャンプ場奥にある蝶の森のさらに奥にあるシラルトロ歩道に行くことにした。自転車に乗って17時ちょうどに出発。蝶の森に乗り込むが、シラルトロ歩道がどこにあるのかわからない。展望台はあったが、ここの展望台は周りの木々が邪魔をして視界があまりよくない。それでもとりあえず展望台に登って写真を撮るが、やはり眺めはいまいちだった。おそらくここの展望台は木々がまだ葉を付けていない雪解け直後でないと眺めを楽しむことはできないだろう。
撮影日時:2010/08/10 17:00:06 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
蝶の森の奥にある展望台
撮影日時:2010/08/10 17:01:52 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:74mm
展望台からの眺め
 私はぜひともシラルトロ歩道に行きたかった。蝶の森を1周してもシラルトロ歩道を見つけられなかったので、もう1周回ってみると、展望台の横からシラルトロ歩道に入ることがわかった。どうやら展望台に目を引かれてシラルトロ歩道の入口に気付かなかったようだ。私は展望台脇に自転車を止めてシラルトロ歩道に入っていった。
 シラルトロ歩道は釧路湿原の脇をかすめるように作られた全長600mの遊歩道で、前半の250mは見通しの悪い湿原の上を歩く木道で、木道の脇には所々に釧路湿原の自然を説明する看板がある。残り350mはハイキングコースのような山道が続く。そしてその先には展望台があった。
撮影日時:2010/08/10 17:12:14 シャッター速度:1/30 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
シラルトロ歩道の入口の標識
撮影日時:2010/08/10 17:48:18 シャッター速度:1/15 絞り:F5.6 焦点距離:26mm
シラルトロ歩道の木道
 このシラルトロ歩道の一番先にある展望台からの眺めは、釧路湿原周辺の展望台の中でも一位か二位を争うほどのすばらしい場所だ。それほど眺めのいい場所でありながらキャンプ場から往復4kmも歩かなければならないので、ほとんど観光客も訪れることはない。まるで自分だけの特等席を見つけたような気分で嬉しかった。しかも今日はもう夕方で曇っているとは言え、時折かろうじて地平線近くから太陽も出ている。この霧と雨の多い釧路湿原を見渡す展望台で太陽が見られたことに感謝しつつ写真を撮り続けた。
撮影日時:2010/08/10 17:32:18 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
晴れた釧路湿原が見られた
撮影日時:2010/08/10 17:34:24 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:50mm
釧網本線がすぐ横を走る
 この展望台のすぐそばに釧網本線があり、ここは鉄道を撮影するポイントとしても優れている。私はここで列車が来ないものかと20分ばかり待っていたが、こんな単線非電化のローカル線に頻繁に列車が来るはずもない。次第に雲行きが怪しくなってきたのと、もう太陽が沈みそうだったので、いくら自転車にライトがあるとは言え夜の真っ暗な森の中を自転車で走りたくなかったので、列車を撮影するのは断念し暗くなる前にテントに戻る事にした。
 この展望台の近くには野鳥観察舎もあったが、穴の開いた壁があるだけで私にはよくわからなかった。私が展望台を立ち去ってから10分後くらいに釧網本線を列車が走っていったが、こればかりは仕方がないだろう。ここから列車を入れた写真を撮影するには、あらかじめ時刻表で列車の通過時刻を調べておく必要がありそうだ。
撮影日時:2010/08/10 17:23:15 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
シラルトロ歩道の先の展望台から見た釧路湿原のパノラマ写真
 もう薄暗くなってきた蝶の森を抜けて18時ちょうどにテントに戻り、早速炊飯をスタートする。今日の夕食は中華丼とわかめの味噌汁。炊飯しているとキャンプ場に餌を求めて鹿が降りてきており、何人かのライダーたちが鹿を追いかけて写真を撮っていた。鹿は10mくらいまでは人間が接近しても平気で餌を食べているが、それ以上近づくと一定の距離を保とうと場所を移動していた。しかしライダー達はシカを見ながら追いかけているのでシカも警戒してライダーとの距離を開けている。こういう時はシカの方向に顔を向けずシカのことなどまったく気にしていない振りをしながら距離を詰めて、シカの方を見ないようにしながら写真を撮るのが一番なのだが、ライダー達はその事を知らないようだ。
 北海道自転車ツーリングでは毎回レジャーシートを持ってきていたが、今回はこれまで使うのを忘れていたので今日初めてレジャーシートを広げてその上に座って自炊を行う。レジャーシートがあると確かに便利ではあるが、これまで初日以外は夕食時ずっと雨が多かったのでなかなか使う機会がなかったのだ。
 18時30分から食事を開始。今日は米も上手に炊け、また中華丼がおいしかったことからたくさん食べることができた。ついでにデザートとしてヨーグルトも食べる。ヨーグルトは4個パックのものを買ったので、たくさん食べないとなくならない。すぐに後片づけを済ませ18時40分から温泉に入りにキャンプ場隣の憩いの家かや沼に歩いて行く。
 この茅沼の玄関前には小学校高学年から中学生くらいの野球少年が監督と思われる大人に引率されて大挙して集まっており、玄関前で監督から野球の指導を受けていた。この野球少年達は見知らぬ私や他の観光客にも自ら進んで挨拶していたので、指導が行き届いていると思ってしまった。
 この憩いの家かや沼は良心的だ。日帰り入浴は400円という低価格でありながらシャンプーや石鹸があり、しかも湯船の数は多く露天風呂は見晴らしはそれほどでもないが塀で囲まれておらず開放感があってすばらしいのだ。私はどうしてもここの露天風呂の写真が撮りたくて、あらかじめカメラを露天風呂に持ち込んでおき、露天風呂から人がいなくなるのを見計らってすかさず写真を撮った。小さなコンパクトデジカメなら風呂場に持ち込むのも簡単だが、大きな一眼レフだと持ち込むのも大変だ。
 それにずっと露天風呂に浸かって待っていると熱いので、時々ベンチに座って涼むが、ここの露天風呂にはブヨがたくさん飛び交っており、露天風呂から人がいなくなるのを待っているうちに足を何ヶ所かブヨに刺されてしまう。蚊と違ってブヨに刺されると大変だ。かなり大きく腫れるしきっと1週間は跡が残ることだろう。
撮影日時:2010/08/10 16:25:07 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:27mm
茅沼温泉「憩いの家かや沼」
撮影日時:2010/08/10 19:15:22 シャッター速度:1/8 絞り:F4.0 焦点距離:13mm
憩いの家かや沼の露天風呂
 露天風呂でのんびり過ごし19時20分から休憩室でジュースを飲みながら旅の日記を書く。今日は昼間にあまり旅の日記を書いてこなかったので書くことが多く、書き終わった時には21時40分になっていた。休憩室を出るとすぐにテントに戻り、今まで着ていた服を炊事場で洗濯し自転車に干しておく。ここの炊事場が恐ろしいほどの蛾と昆虫だらけだった。どうせ朝までには乾かないだろうから、明日雨が降っていなければまた濡れたままを着ることになるだろう。
 22時から明日の予定を考える。明日はサルボ展望台サルルン展望台に行った後、細岡展望台、そしてダートの山越えで岩保木山展望台岩保木水門をまわり、釧路の和商市場に行って勝手丼を食べ、釧路阿寒自転車道を走って釧路市湿原展望台の遊歩道の先にあるサテライト展望台に行き、鶴居村のキャンプ場に行く予定だ。距離が短い場合は阿寒湖まで走ってもいいかもしれない。
 今日は美幌峠こそ越えたが、120kmしか走っていないのにずいぶん疲れたような気がする。やはり旅の日記を書きながら100km以上走るのは無理があるのだろうか? それにしても今日はサングラスをなくしたことでとてもブルーな気分になり、一時はどうなることかと思ったが、神のご加護かすぐに代わりのサングラスも入手することができ助かった。帰宅したらまた新しいのを買うことにして、今回のところはこのサングラスで旅を楽しむことにしよう。
 今日は昨日と同程度の寒さなので、ジャージの上は着ずにシュラフから片足だけ出して寝る。寒くなったらシュラフを着込んでいることだろう。22時30分に就寝する。隣のテントのいびきがかなりひどいが、きっと人のことは言えないだろう。

走行データ
走行距離   120.6km
走行時間   7時間45分
ペダリング数   18400回
平均時速   15.4km/h
最大速度   40.0km/h
平均ペダリング数   39rpm
総走行距離   646.4km
天候   晴れ時々曇り
最高気温/最低気温   23℃/22℃

食事
昼食   おにぎり、パン
夕食   カレー、ワカメの味噌汁

出費
朝(コンビニ)   おにぎり、パン、牛乳、凍らせたペットボトル   477円
昼(コンビニ)   パン、牛乳   196円
ドラッグストア   サングラス   880円
夕(コンビニ)   パン、おにぎり、ヨーグルト、寝酒   538円
キャンプ場   シラルトロ湖キャンプ場   360円
温泉   憩いの家かや沼   400円
温泉   ジュース   130円
合計   2981円

キャンプ場
名称   シラルトロ湖キャンプ場
場所   シラルトロ湖西側
  北緯43度11分27秒、東経144度29分54秒
費用   360円
設備   トイレ、炊事場
風呂   隣に憩いの家かや沼
ゴミ   ゴミ箱あり
行きやすさ   憩いの家かや沼の奥
乗り入れ   テントまでバイク・車の乗り入れ不可
特徴   シラルトロ湖にあるキャンプ場
  広い芝生とテント床まであるのでテントを張る場所には困らない
  遊歩道があり奥に行くと展望台もある
  シラルトロ湖の湖岸にあるがシラルトロ湖に降りる事はできない
  横を釧網本線が走っているので列車が通るとうるさい
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