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北海道自転車ツーリング 4日目
層雲峡〜北見〜女満別 −石北峠越え−
2010年08月09日

4日目の走行地図

4日目の速度グラフ
速度
4日目の高度グラフ
高度

 昨日は夜中に一度目が覚めたが、よく眠れた方だ。目が覚めると4時50分だったので起きることにした。夜中は寒いかと思っていたが、ジャージーの上を着てシュラフにくるまっていたら、朝起きたとき汗ばんでいた。テントの中で着替えてシュラフを畳んでテントの外に出ると、空が一部晴れていた。全体的には曇り空だが雨が降りそうな天気ではない。これなら濡れずに峠が越えられそうなので、すぐに支度を開始する。
撮影日時:2010/08/09 05:13:48 シャッター速度:1/13 絞り:F5.6 焦点距離:64mm
層雲峡オートキャンプ場での朝食準備
撮影日時:2010/08/09 05:14:45 シャッター速度:1/40 絞り:F6.3 焦点距離:24mm
今朝は一部空が晴れていた
 朝食は昨日の残りのご飯でおじやを作る。どうも残したご飯の量が少なくて、ちょっとしか作ることができなかったがおいしく頂く。昨夜洗濯したサイクリングジャージーはまたも乾いていなかったが、雨も降っていないし昨日に続いて濡れたまま着る。昨夜の大雨でフライシートは濡れており撤収には時間がかかった。濡れたままのフライシートを畳むとそれだけで重くなるのでこの状態で峠は登りたくないが、乾くまでは待っていられない。6時10分には撤収準備が完了し出発する。
 本来であれば道北から道東に抜けるのに北見峠を越えるはずだった。しかし昨日は調子が悪かったことから層雲峡オートキャンプ場に避難しようと北見峠や浮島峠のある国道273号線ではなく、石北峠や三国峠のある国道39号線に入ってしまった。ここから北見峠に行こうと思えば行けなくはないが、国道273号線との分岐まで標高差で200mも下るのが嫌だったので、そのまま峠を登り続けて石北峠を越えて道東に入るようにしよう。遠軽に抜けるはずが留辺蘂に抜けてしまうが、どうせ当面の目的地はチミケップ湖なので問題はあるまい。
 キャンプ場入り口でゴミを捨てて自転車で走り始めたが、キャンプ場を出たところでカメラを入れたウェストバッグを忘れたことに気づき慌てて戻ってくる。まあ普段からカメラは使っているので忘れてもすぐに気づくが、峠を越えてから気づいていたらとんでもないことになっていただろう。
撮影日時:2010/08/09 06:21:30 シャッター速度:1/60 絞り:F8.0 焦点距離:56mm
朝から空は晴れていた
撮影日時:2010/08/09 06:27:58 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
層雲峡の断崖絶壁が続く
 カメラを取りに戻っていたので出発は6時20分になっていた。ここからは昨日走った層雲峡温泉街に向かって国道39号線をゆっくりと登っていく。いつも登りでペースを上げ過ぎて疲れて体調がおかしくなるので、今日はまだまだ先が長いこともあり朝から体力を温存し写真撮影を繰り返しながらのんびりと登ることにした。
 7時前に昨日発見していた層雲峡温泉街入り口のコンビニに到着。すると店の前に二人のチャリダーがいて、自転車を逆さまにしてパンク修理をしていたので話しかける。彼らは私の自転車を見て、ランドナーに最新のパーツが組んでいると言って感心していた。彼らの自転車はスペシャライズドの自転車だったが、ダボがないのでシートポストキャリアにすべての荷物を積んでおり、衝撃でシートポストが折れてしまいそうだった。彼らが言うには耐荷重9kgのところを6kgに抑えているそうだが、それでも精神的に悪そうだ。
 コンビニに入ると念願の凍らせたペットボトルが売っていたのですかさず購入。今日は暑いかどうかもわからないが、凍らせたペットボトルがないよりあったほうがいい。ついでにパンと牛乳も買って店の前で彼らと話しながら食べる。彼らはパンク修理を終わらせるとこれから峠を下ると言って先に行ってしまい、私もパンを食べて7時10分にコンビニを出発する。
撮影日時:2010/08/09 07:32:05 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
相変わらず通行止めだった小函遊歩道
撮影日時:2010/08/09 07:33:59 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
遠くに銀河の滝が見える
 ここから少し登ると銀河の滝と流星の滝だ。まだ時間も早いので観光客などいないだろうと思っていたが、残念ながらマイカー族が既に押し寄せていた。私は先に小函遊歩道が通行可能かどうかを確かめに行ったが、相変わらず通行止めだった。いつになったら通行可能になるものやら。
 流星の滝には観光客が多く集まっていたが、奥にある銀河の滝にはまだ人が少なかったので、銀河の滝をバックに自転車の勇姿を撮る。残念ながら自分撮りできるほど人が少ないわけではなかったのでそれは断念。今度は流星の滝に行こうとするが、その頃には観光バスが2台もやって来て滝の周りには観光客であふれだし、流星の滝の撮影は自転車なしで遠くからだけ撮影し、逃げるように去っていった。
撮影日時:2010/08/09 07:37:03 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
銀河の滝をバックに自転車を撮影
撮影日時:2010/08/09 07:43:23 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:51mm
こちらは流星の滝
 滝の次は全長3388mもある長い銀河トンネルだ。ここはさすがに車道を走るのは怖いので反対車線の歩道を走るが、歩道も砂利で道が荒れており結構怖かった。銀河トンネルを抜けると今度は全長573mの新大函トンネルだ。このトンネルは短かったのと、これ以上荒れた歩道を走りたくなかったので、この新大函トンネルだけは車道に下りて走る。
 新大函トンネルを抜けるとすぐに大函がある。今から3万年前、かつて大雪山のお鉢平にあった中央火山が巨大噴火を起こし、この噴火で発生した火砕流や熱雲による堆積物が冷え固まる過程で体積を収縮させ、四角形や六方称形となったものが柱状節理と呼ばれる現象で地質的には溶結凝灰岩と呼ばれている。当時の層雲峡一帯はこれらの堆積物に覆われていたが、その後一万年以上もかかって石狩川の浸食を受けるなかで、屏風のような幅広い柱状節理の岩壁が規格正しく石材を並べたような大函の壮大な景観が作り出されたとのことだ。しかし壮大で神秘的な層雲峡を自転車で満喫した私には大函の景色も小さなものに見えた。この大函には休憩所があり、木陰の下にベンチまであったので、私は8時10分から20分だけ旅の日記を書いて休憩し、8時30分に出発した。
撮影日時:2010/08/09 08:08:31 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
大函をバックに自転車を撮影
撮影日時:2010/08/09 08:09:56 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
これが大函だ
 この頃から右膝の調子が悪くなり始めた。まだ自転車で走れないほどではないし、これから石北峠越えが待っているのであまり無理はできない。力をセーブしながら登ることにしよう。それにしてもこの国道39号線は傾斜が比較的緩やかで登りやすい。フロントギアもインナーを使わなくても余裕で登れてしまう。路肩もそこそこ広いし走りやすい。路肩が狭くて交通量の多い日勝峠や傾斜のきついオロフレ峠とは大違いだ。途中ソロのチャリダーとすれ違う。こんな早い時間に彼はどこから走ってきたのだろう?
撮影日時:2010/08/09 08:39:35 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
大雪国道を走る
撮影日時:2010/08/09 08:55:13 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:112mm
国道273号線と国道39号線の分岐で
 9時ちょうどに国道273号線と国道39号線の分岐に到着。ここからはもちろん石北峠を越えるべく国道39号線に入るのだが、大雪ダムが見たくてちょっとだけ国道273号線の坂を登って大雪ダムまで行くことにした。しかしよく考えたら国道273号線に入らなくても、国道39号線からでも大雪湖は見えるのだ。
撮影日時:2010/08/09 08:59:07 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
大雪ダムの上まで登ってきた
撮影日時:2010/08/09 09:01:20 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
こちらは大雪ダムの下流側
 せっかく国道273号線側の大雪湖まで来たのだから、大雪ダムだけでなく少し逆走して樹海トンネルの手前まで行って大雪湖の写真も撮っておく。残念ながら晴れてはいなかったが、大雪湖は無風で湖面が鏡を写したように静寂を保っており思わず何枚も写真を撮った。バイクのライダー達もこの景色を楽しむべく道路脇にバイクを止めて大雪湖の写真を撮っていた。
撮影日時:2010/08/09 09:03:09 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
大雪湖のパノラマ写真
 国道39号線に戻って全長320mの短い大雪トンネルを抜け、大雪湖沿いの国道を走ると2人組のチャリダーが湖畔沿いで休憩していたので挨拶する。反対車線で休憩していたので彼らはきっと既に石北峠を越えてきたのだろう。このあたりの大雪湖沿いの国道は登りだけではなく下りもあり、しかも大雪湖の景色がよかったので写真を撮りながらのんびりと走った。
撮影日時:2010/08/09 09:17:39 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
大雪湖をバックに自転車を撮影
撮影日時:2010/08/09 09:17:47 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:85mm
曇っていても神秘的だった大雪湖
 国道39号線は大雪湖沿いにしばらく走っていたが、やがて大雪湖から離れて登りが始まる。そんな国道を登っていたが、9時30分頃お腹が空いてきたので、道ばたに自転車を止めてパンを食べることにした。パンだけ食べて休憩は取らずにすぐに出発。さらに坂を登り続けると全長1609mの長い武華トンネルがあった。トンネル内では車道の路肩を走るが交通量が少なかったこともあり、それほど怖い思いをすることなくトンネルを抜ける事ができた。武華トンネルを抜けると下りがあったので、またこの下った分を登るのかとがっくりする。
 それからも比較的緩やかな登り坂を登り続け、10時10分にチェーン脱着場で休憩。パンを食べながら今度は20分ほど旅の日記を書く。旅の日記を書いていると先ほど大雪湖ですれ違った2人組のチャリダーが挨拶しながら追い抜いていった。頂上まであとどれくらいか聞かれたが、私だってそんな事は知らない。しかし私の予想ではあと4kmくらいと見込んでいたのでそう言っておく。同方向に進む仲間ができ楽しみだ。
 10時30分にチェーン脱着場を出発して再び石北峠の坂を登る。ここからは登坂車線があって勾配も6%とこれまでの中では一番急になっており、汗を流しながら走り続けた。すると途中の道端で先程のチャリダーが休憩していた。どこまで行くのかと尋ねたら北見まで行くそうだ。途中までは一緒だしまたどこかで逢うだろう。
 さらに坂を登ると10時50分に石北峠の頂上にようやく到着。石北峠と書かれた標識の前で記念撮影を行う。頂上の気温は24℃と表示されていたが、急な坂を登り続けていたせいで暑くてたまらず、峠の茶店でソフトクリームを買って食べた。よく見ると石北峠の駐車場からさらに階段を登ったところに展望台のような場所があるのが目に入った。しかしあそこまで登るのに相当階段を登らないとならないし、眺めが期待できるとは限らないので断念してしまう。
 そもそも層雲峡オートキャンプ場からここまで標高差550mだから、出発から2〜3時間、すなわち9時頃には着くだろうと考えていた。しかし実際には標高差だけでなく距離もかなり離れており、予想の2倍近くの出発から4時間30分もかかってしまった。このペースで本当にチミケップ湖まで行けるのだろうかと心配になり始めた。
 ソフトクリームを食べていたら先程の2人組のチャリダーがやって来た。彼らの自転車はジャイアントのグレートジャーニーとルイガノだった。グレートジャーニーはドロップハンドルでグリップシフトという最新型で、まだ今年の5月に買ったばかりというので、いきなり買ったばかりの自転車でこんな1050mもある峠に来るとは根性があると感心する。
 彼らは今朝、層雲峡のホテルから来たという。しかし彼らの自転車の荷台に積まれた荷物を見ると、どう見てもキャンプ道具を積んでいる。彼らが言うには「軟弱なのでホテルにばかり泊まって、まだキャンプ道具を使ったことがない」そうだ。それだったらキャンプ道具を自転車に積んでも重いだけでしょと言うと、いずれはどこかでキャンプするとのことだった。しかし今日も既にこの段階から北見のホテルに泊まると言っていたので、私には彼らがこの北海道旅行中にテントを張ることはないように思われた。
撮影日時:2010/08/09 10:46:25 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:34mm
石北峠の頂上に到着
撮影日時:2010/08/09 11:01:43 シャッター速度:1/1600 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
石北大橋からの眺め
 石北峠の頂上でソフトクリームを食べながら彼らと10分ほど話し込み、彼らもソフトクリームを食べていたので、頂上で彼らの写真を撮って11時ちょうどに彼らよりも先に出発する。石北峠は北見側に下り始めたところにある石北大橋からの眺めが景色もよくて素晴らしく自転車を止めて写真撮影する。それからはひたすら急坂を下り続けた。この石北峠の東側はとても道が荒れていて危険だったため、ブレーキをかけながらスピードを30kmに押さえて下る。特に右カーブのアウト側にはたくさんの砂利が出ていて、これに乗り上げようものならあっと言う間にコントロールを失って転倒する事だろう。
 急カーブの続く急な下り坂を下ると、今度は緩やかな下りの直線が延々と続く。こうした直線が続くと自転車は何もせずに惰性で25〜30kmくらいのいいスピードで下れるから嬉しい。急な下り坂だとブレーキをかけながら下ることになるので、せっかく苦労して登ったエネルギーを無駄にするようでもったいない。しかしブレーキをかけずにかつ25kmくらいで下り続けると、登りで溜めた位置エネルギーを有効に利用できているようで嬉しい。
 石北峠を越えると天気は晴れになり坂を下る度に気温が上がっていくのが肌で実感でき、既に30℃に達しているだろうことが容易に想像できた。今日の北見地方の天気予報は曇り一時雨のはずなのにどこが雨なのかと言いたくなる。今年は天気予報の雨がまったく当たらない。
 国道39号線の緩やかな下り坂を下っていると国道沿いに「くまがい北きつね牧場」という看板が目に入った。私は立ち寄ろうかどうしようか考えたが、チミケップ湖まではまだまだ先が長かったので先に進むことにした。国道沿いにはキタキツネが鎖につながれて飼われており、このキタキツネを見るだけなら無料らしい。私もキタキツネの写真を撮ろうかと考えたが、外はかなり暑くてキタキツネはみんな粗末な小屋の中でお昼寝していたので撮影は断念する。
撮影日時:シャッター速度:1/100 絞り:F7.1 焦点距離:34mm
くまがい北きつね牧場
撮影日時:シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
北海道きつね村
 ところがそのすぐ先に「北海道きつね村」という看板があった。ここは入場無料と書かれていたが土産物屋の客寄せにキタキツネを使っているだけのような気がしたのと、他に観光客が入っている雰囲気もなかったのでここもパスする。さらにその先の道の駅「おんねゆ温泉」の隣には「北きつね牧場」というのもあった。これだけの限られたエリアの中で一体なぜ同じようなキタキツネ関係の施設が乱立しているのか不思議だった。キタキツネはここにしかいないわけでもないのだし、もっと別の場所で運営すれば集客効果も上がるのにと思ってしまう。単に業者同士で潰し合いをしているだけのように感じてしまう。
 塩別つるつる温泉の手前にパーキングがあったので12時ちょうどから木陰で休憩することにした。おにぎりを食べて旅の日記を書き30分ばかり休憩。層雲峡で買った凍らせたペットボトルがちょうど飲み頃になっており、ぬるくなっていたボトルの水を何杯か詰めてゴクゴクと飲み干す。この頃には気温も相当に高くなっていたので冷たい水はとてもおいしかった。
 時間があったのでちょっと自転車をチェックしてみたところ、後輪タイヤの減りがとても早い事に気付いた。2年前の北海道自転車ツーリングから使用しているタイヤなので新品ではないが、少なくともトレッドの溝はあったはずだ。しかし今確認すると溝がほとんどなくなってしまっている。3日間でこんなに減ってしまうようなら11日間は持たないような気がしてきた。今後後輪タイヤをこまめにチェックして、必要であればタイヤのローテーションを実施しよう。
 12時30分頃、先程のチャリダー2人組がやって来て同じ場所で休憩。彼らはやはり今日は北見のホテルに泊まるという。せっかくキャンプ道具を積んでツーリングしているのだからキャンプ場に泊まればいいのにと思ってしまうが、人のやることには口出しできない。彼らはブログをやっていると言っていたが、どんなブログだろう? 帰宅後に探してみることにしよう。
 出発間際に今日の行き先について考えてみた。ここからチミケップ湖までは、あと60kmほどある。しかもダートの峠を300m以上登らなければならないのだ。おそらく到着は6時間後、19時近くになってしまうことだろう。さすがにそんな遅くまで走っていられないし、ダートの峠でパンクでもしたら目も当てられない。その場で野宿だ。よく考えたら一昨日、もうこんな無茶はすまいと誓ったばかりではないか。今日はおとなしくすぐ近くの温根湯のつつじ公園キャンプ場に泊まり、すぐ近くの温根湯温泉でゆっくりと汗を流し休憩室で旅の日記を書いて時間を潰すとしよう。
 そう考えた私は彼らに別れを告げ、12時40分にパーキングを出発。温根湯目指して走り始めた。しばらく走ると道の駅「おんねゆ温泉」だ。もうキャンプ場もすぐ近くだったので立ち寄る予定はなかったが、生牛乳120円という大きな看板にすい寄せられてしまい気づくと牛乳を飲んでいた。ここの生牛乳は紙コップ一杯120円だが300円払うと飲み放題になる。自転車ツーリングしていると牛乳など1リットルでも飲めるが、つい先程パーキングで冷たい水を大量に飲んだばかりだったので、飲み放題には挑戦せず一杯だけにする。こんなのがあることを知っていたらのどを渇かした状態でやって来て、飲み放題にチャレンジするところだったのに。しかし残念なことにここの牛乳は生牛乳と言っても市販の牛乳と大差ないレベルで期待したほどではなかった。北海道で色々と牛乳を飲んできたが、やはりラワンドライブインの牛乳を上回るおいしさの牛乳に出逢ったことがない。
撮影日時:2010/08/09 12:03:48 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
国道39号線のどこまでも続く下りの直線を走る
撮影日時:シャッター速度:1/200 絞り:F10 焦点距離:34mm
道の駅「おんねゆ温泉」の牛乳飲み放題
 道の駅を出ると13時ちょうどにつづじ公園キャンプ場に到着した。私はつい先程ここに泊まろうと決めたばかりだったが、ここまでの走行距離は71kmしか走っていない。いくらゆっくりすると言っても13時で71kmしか走らずに旅を終えるのは寂しい。やはりもう少し走ることにしよう。
 そう考えた私はツーリングマップルとにらめっこした。留辺蘂の八方台森林公園キャンプ場はここから10kmほどしか離れていないので近すぎるし、美幌のみどりの村森林公園はここから60kmも離れているので逆に遠すぎる。北見にツーリングマップルには載っていないが山のうえ展望広場キャンプ場があり、隣には温泉があることを知っていた。北見だったらここから30kmくらい。2時間もあれば到着だ。そう考えると、私は山のうえ展望広場キャンプ場に泊まる事にして北見を目指して走り始めた。
 石北峠を越えてから晴れていた天気は温根湯を過ぎた頃から曇りとなり、気温も下がって走りやすくなってきた。おまけにこのあたりもまだ緩やかな下り坂が続いており、順調に距離を伸ばした。14時ちょうどに留辺蘂に到着。コンビニでアイスを買って店の前で食べる。さらに走ると北見温泉が見えてきた。ここなら八方台森林公園に近いし、ここに泊まればよかったかなと考えないでもなかった。
 さらに国道39号線を西へと自転車を走らせると、14時40分に道道143号線と分岐する相内の交差点に到着した。ここからチミケップ湖まで30kmほどだが、標高差300mのダートの登りを考えると4時間近くかかるだろう。さすがにそんなに遅くまでダートの山道を走っていられないのでチミケップ湖は断念し、そのまま北見目指して国道39号線を西へと走り続けた。
撮影日時:2010/08/09 14:38:16 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:112mm
チミケップ湖への分岐
シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:35mm
JR北見駅前にて
 ツーリングマップルを見ると、そこから7kmほど走ったところから山のうえ展望公園キャンプ場への入り口があるはずだ。しかしいざ現地に着いても標識がないだけでなく、どこにも国道からキャンプ場に向かうことのできる道がないのだ。私は焦った。時間はもう15時になっており、ここから行ける場所というと30km圏内では美幌のみどりの村森林公園キャンプ場くらいだ。仕方なく私は美幌までさらに30km走ることにした。
 美幌に行くためには北見市街を通り抜けねばならない。私はこうした市街地を走るのが大嫌いだったが、東京に住んでいた時に鍛えた技、メッセンジャー走法を使い自転車で片側二車線のうち完全に一車線占拠して信号が青になったら猛ダッシュで車の流れに乗る走りをしたおかげで、案外信号には引っかからずに北見の市街地を通り抜けることができた。
 しかしその為に体力の消耗も激しく、端野を過ぎたあたりでハンガーノックに襲われた。しかも前方の雲行きが怪しくなってきたので、16時ちょうどから雨が降り出す前に道ばたでパンを食べて休憩する。温根湯の手前のパーキングで休憩してから既に3時間以上が経過し、この頃から右肩が肩こりで痛くて仕方がなくなってきたが走りながら腕を回してごまかす。実際のところ走りながら腕を回しても痛みの解消にはほとんど効果はない。わずか5分だけでも休憩すると劇的に改善するのはわかっているのだが、先を急ぐので休憩することなく自転車を走らせ続けた。
撮影日時:2010/08/09 16:07:15 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
緋牛内付近の農場で自転車を撮影
撮影日時:2010/08/09 16:16:21 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
今にも雨が降りそうな天気だ
 国道39号線の端野から美幌まではツーリングマップルには載っていないが、丘越えが2つある。端野側から走るとまず50m登って30m下り、そして70m登って120m下る。私は6年前にこの道を走った時の経験から、端野と美幌の間に峠があることを知っており、それに備えて体力を温存していたもののさすがにこの頃には疲れきっていたので丘越えは堪えた。それでも2つの丘も無事に乗り切り、長く続く下りを走って美幌のバイパスを越えて17時ちょうどに雨にも降られずに美幌の町に下ってきた。
 当初は美幌のみどりの村森林公園キャンプ場に行くつもりでいた。しかしここは近くに温泉がなく、一番近い温泉「びほろ温泉後楽園」まで片道5km、往復10kmは走らなければならない。よく考えたら温泉に行くのに10kmも走るのだったら、ここから10km先にある女満別湖畔キャンプ場に行った方がいいのではないか。あそこならキャンプ場の隣に温泉があるし、温泉は23時まで営業しているので、夕食を食べてから温泉に行けば狭いテントで旅の日記を書かなくても温泉の休憩室でのんびりと旅の日記を書くことができる。そう考えた私はさらに10km離れた女満別湖畔キャンプ場目指して走り始めた。
撮影日時:2010/08/09 17:18:11 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:80mm
牧草ロールをバックに自転車を撮影
撮影日時:2010/08/09 17:28:08 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
暗くなり始めた国道39号線の直線を走る
 もう雨は降りそうな気配はなく、追い風も手伝って順調に走行距離を伸ばし17時40分に女満別に到着。キャンプ場に行く前に先にコンビニに立ち寄って寝酒とヨーグルトを買い込む。ところがコンビニから出ると雨が降っていた。傘を差すほどの雨ではないが、3日連続で夕方になると雨が降り出すとは奇遇だ。
 17時50分に女満別湖畔キャンプ場に到着。フリーサイトに行く前に観光案内所で受付を済ませようとするが、あいにく既に観光案内所は閉まっており受付をする事ができなかった。そのままフリーサイトにあるいつもの私の指定席に行くが、指定席のすぐそばにファミリーテントが乱立しておりうるさそうだったのと、今日は雨になりそうだったので、内陸側の大きな木の下にテントを張る。
撮影日時:2010/08/09 17:49:49 シャッター速度:1/160 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
ようやく網走湖に到着
撮影日時:2010/08/09 18:13:41 シャッター速度:1/100 絞り:F4.5 焦点距離:24mm
女満別湖畔キャンプ場でのキャンプ風景
 今日も風はなかったのでテントはペグダウンせず、雨に備えてフライにペグを打ち付けただけだ。20分でテントを張って米を水に浸したところで隣にカブに乗ったライダーがテントを張り始めたので声をかける。50ccのカブだったので制限速度は30kmだから大変でしょと言うと、エンジンは49ccでありながらナンバーを72ccで登録しているので50kmまで大丈夫とのことだった。彼の話で驚いたのは、これから函館まで自走してフェリーで大間まで渡り、大間から再び自走で栃木まで帰るとのことだった。大間から栃木までは700kmを14時間ノンストップで走るとか。車で高速道路を使っても大変なのに、一般道を50ccのカブでそれを実行するのだからすごい。
 18時30分から炊飯開始。もう暗くなりかかっていたが、どうにかライトもつけずに米を炊く。何度か網走湖に夕陽を見に行ったが、残念なことに今日は雲が厚くて夕陽は見れそうになかった。今日の夕食は牛丼とワカメの味噌汁。米は相変わらず堅かったが、食べられないほどではない。おそらく火が強すぎるのが原因だろう。味噌汁は汗をかいた後の塩分補給に必要で塩分はとてもおいしく感じる。
撮影日時:2010/08/09 18:36:06 シャッター速度:1/15 絞り:F5.6 焦点距離:24mm
網走湖の夕陽は見えなかった
撮影日時:2010/08/09 18:38:21 シャッター速度:1/15 絞り:F4.5 焦点距離:56mm
キャンプ場での自炊風景
 後片づけをしている最中、お箸のキャップをなくしてしまった。5年前のクッチャロ湖でもキャップをなくして探すのに苦労していたが、またもやってしまった。しかも今回はどこで落としたかさえもわからない。お箸を持っていたらいつの間にかなくなっていたのだ。落としたと思われる付近の芝生をライトをつけて探し回るが、芝生に落ちたキャップを捜すのは砂漠に落ちた針を探すのに等しく5分ほど探して断念する。キャップだけのためにスノーピークの和武器という3000円以上するお箸をまた買わなければ…
 19時10分には後片付けも終わり、着替えの支度をして隣の湯元山水、美肌の湯に行く。ここの温泉はヌルヌルしていて肌がスベスベになる。露天風呂でゆっくりし19時40分からジュースを飲みながら休憩室で旅の日記の続きを書く。今日は午前中までは順調に旅の日記を書いていたので午後の分を休憩室で書いていたが、それでもすべて書き終わるのに1時間30分ほどかかってしまった。
シャッター速度:1/8 絞り:F5.0 焦点距離:14mm
湯元山水、美肌の湯
シャッター速度:1/8 絞り:F4.0 焦点距離:43mm
JR女満別駅
 帰りにJR女満別駅前まで行って写真撮影した後21時にテントに戻り、それまで着ていたサイクリングジャージーをキャンプ場の炊事場でスーパーの袋に入れて洗濯した。このキャンプ場の炊事場は夜になると蚊が雲霞のごとく襲ってくるので手の甲を刺されてしまった。洗濯したサイクリングジャージーはよく絞って自転車に干す。今日はもう雨が降らないような気がするから、朝には乾いていることだろう。
 今日は第一ステージの層雲峡から温根湯までは71kmを6時間40分という超ローペースで走ったが、温根湯から女満別までは73kmを4時間50分という超ハイペースで走った。これも後半は下りが多かったのと追い風だったこと、そして気温がそれほど高くなかったためだろう。それにしても後半にこれだけ走るのだったらチミケップ湖まで行けたように気がしてならないが、まあ私の好きな女満別湖畔までたどり着いたことだしよしとしよう。
 テントに入り22時から明日の予定を考える。明日は美幌峠を越えて屈斜路湖に行き、和琴半島にテントを張って軽量化した自転車で摩周湖に行くか、もしくは屈斜路湖を通り抜けて多和平かシラルトロ湖まで行くとしよう。
 このキャンプ場は北見のワンセグの電波が入るのがありがたい。3日ぶりのニュースを見ると、今年の夏は猛暑で異常気象だと言っていた。ここ北海道も確かに暑いが、暑くても30℃止まりなので自転車で走れないほどではない。今夜はかなり暑いのでジャージーの上を着ずに22時30分に就寝する。このキャンプ場は私のお気に入りのキャンプ場だが、シーズン中はファミリーばかりでうるさいのが難点か。

走行データ
走行距離   144.7km
走行時間   8時間18分
ペダリング数   17700回
平均時速   17.4km/h
最大速度   44.0km/h
平均ペダリング数   35rpm
総走行距離   525.8km
天候   曇り時々晴れ
最高気温/最低気温   30℃/22℃

食事
朝食   おじや、パン
昼食   おにぎり、パン
夕食   牛丼、ワカメの味噌汁

出費
朝(コンビニ)   牛乳、パン、凍らせたペットボトル   364円
茶屋   ソフトクリーム   200円
道の駅   牛乳   120円
昼(コンビニ)   パン、アイス   182円
夕(コンビニ)   寝酒、ヨーグルト   248円
温泉   湯元山水美肌の湯   390円
温泉   ジュース   150円
合計   1654円

キャンプ場
名称   女満別湖畔キャンプ場
場所   女満別駅裏
  北緯43度55分02秒、東経144度10分09秒
費用   300円
設備   トイレ、炊事場
風呂   隣に温泉旅館2軒あり
ゴミ   ゴミ箱なし
行きやすさ   女満別駅を目指せばすぐ
乗り入れ   車、バイクの乗り入れ可
特徴   女満別駅裏のキャンプ場
  とても広くて湖畔沿いで景色もいい
  昼間はしじみ取りの観光客で賑わう
  通路脇にテントを張ればオートキャンプも可能
  蚊も少なくてゆっくりくつろぐには最適
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