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鰊御殿とまり
泊村の北の外れにある建物が鰊御殿とまりだ。この地に和人が入植しニシン漁が始まったのは18世紀半ばとされる。当時からニシンは豊富に獲れ明治に入る頃には全盛を迎え、ここ泊村にも50を超える鰊番屋が建ち並んだ。この鰊御殿とまりは1884年に川村慶次郎氏によって建てられた旧川村家番屋と、1916年に武井忠吉氏によって建てられた旧武井邸客殿の2棟からなり、旧武井邸客殿の敷地に旧川村家番屋を移築復元し2001年から一般公開している。旧川村家番屋は鰊番屋らしく内部は多層構造となっており、1階は網元の居宅とニシンの加工場、2階は客間、3階はヤン衆の宿泊場所となっており大正時代まで実際に鰊番屋として使用されていた。親方がいろりで暖まる当時の情景を再現した展示や当時使われていた各種の資料が展示されている。旧武井邸客殿はかつては離れとして冠婚葬祭を中心として使用されたものだ。こちらも当時の豪華な客間が再現されている。旧武井邸客殿の奥には蔵があり、その内部は資料館となっていて展示品が並ぶだけでなく鰊漁の歴史や方法についてパネル展示がある。旧川村家番屋と旧武井邸客殿のいずれも2001年には有形文化財に指定された。また同様に1898年に建てられ泊村に現存していた田中福松氏の鰊御殿は1958年に小樽祝津に移築され小樽鰊御殿となっている。
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鰊御殿とまりの入口
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旧川村家番屋の建屋
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鰊御殿とまりの内部
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蔵内部の資料館
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