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北海道自転車ツーリング11日目
屈斜路湖〜美幌〜浜小清水 −目指すは知床−
2004年08月13日

11日目の走行地図

 3時30分に目覚めるが、もう一度寝て、起きたら4時20分だった。相変わらず波の音は大きかったが1/fゆらぎの影響か、よく眠る事ができた。朝少し雨が降っており、どうしようかと悩んでいたが10分もしないうちに雨はやんでしまった。朝食は昨日の昼に弟子屈のコンビニで買ったおにぎりを1つ食べて撤収開始。抜いたペグが砂まみれだったので、目の前の屈斜路湖でペグを洗うと、予想以上に屈斜路湖の水が暖かかったのでびっくりする。よく考えたら屈斜路湖のまわりには温泉がたくさんあり、和琴半島にも多数の温泉があったので、それで暖まったのだろう。屈斜路湖は湖そのものが温泉だと言われるが、そう言われるゆえんがよくわかった。そういえば昨夜、隣のライダーのタープとポールが波にさらわれないかと心配していたが、どうやら無事だったようだ。
撮影日時:2004/08/13 04:30:37 シャッター速度:1/20 絞り:F2.8 焦点距離:38mm
テントの中から見た屈斜路湖
朝起きて一番に見る景色はこんな感じだ
撮影日時:2004/08/13 05:41:24 シャッター速度:1/60 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
キャンプ場から見た屈斜路湖の全景
 当初の計画では、今日は和琴半島湖畔キャンプ場にテントを張ったまま屈斜路湖を1周し、テントを回収した後、美幌峠を越えて美幌に行くはずだった。しかし屈斜路湖を1周するには22kmのダートを走らなければならない。計画はしたものの、今日は曇っていてあまり屈斜路湖の景色は良くないし、まして22kmのダートを走ると思うと気が引けてしまう。そして何より今日の天気予報では曇り後雨と言っていたので、雨が降り出す前に美幌峠を登ってしまいたい。そこで私は屈斜路湖1周の計画を断念し、朝から美幌峠を越える事にした。
 撤収の準備が完了した時、川崎のチャリダーが起きてきたので挨拶する。彼も今日は美幌峠を越えて美幌のみどりの村森林公園キャンプ場に泊まるらしい。私も当初の予定ではそこに泊まる予定だったが、屈斜路湖を1周しないとなれば、もう少し足を延ばす事になるだろう。彼としばらく立ち話しをした後、6時前に出発する。
 出発しようと自転車にまたがった瞬間、昨日知り合ったもう1人のスペシャライズドのチャリダーが自転車に乗って私の前を走り過ぎて行った。彼はテントを張ったままで荷物をすべておろした軽い自転車で美幌峠を登るとの事だ。私もこれから美幌峠を登るので同行しようと考えたが、彼の太いタイヤはキャンプ場のダートをものともせず走り、国道243号線に出た時には500m近く引き離されてしまっていた。しかしオンロードではこっちのものだ。彼の自転車のギアは完全なマウンテン仕様だが、こちらはフロントがロードでリアがマウンテンという混血児。しかもフロントのアウターは56Tという、とんでもなく大きなチェーンリングをインストールしているので高速巡航に向いている。平地では荷物の重さが気にならないので、逆風だったがキャンプ場を出て国道243号線を北西に6〜7kmも走ると、彼に追いついてしまった。しかしさあ追い抜こうとした時、いきなり急な登り坂が始まり、あっという間に引き離され、彼の姿は見えなくなってしまった。やはり荷物が重いと坂を登るのが大変だという事を実感する。
撮影日時:2004/08/13 06:30:24 シャッター速度:1/180 絞り:F4.7 焦点距離:114mm
美幌も峠を越えればすぐ近くだ
撮影日時:2004/08/13 06:44:47 シャッター速度:1/90 絞り:F4.5 焦点距離:82mm
こんな感じで美幌峠の坂を登る
 この日も自転車で走りはじめた直後に少し足が痛んだが、坂を登りはじめる頃には治ってしまった。どうやら準備運動不足で、走りはじめた直後に足が痛むが少し走ると治るようで、ちょっと安心してしまう。この美幌峠の登りは景色が良かったので、急いでも仕方がないという事で写真を撮りながらゆっくりと登る。美幌峠はそれなりに急だったが、摩周湖への登りよりは傾斜が緩やかだし、まして朝早い時間帯で太陽も雲に隠れていて涼しかったのでそれほど苦しむ事はなかった。それでも屈斜路湖から美幌峠の頂上までは標高差370mほど登らなければならず、途中1回休憩して7時過ぎに美幌峠の頂上に到着する。駐車場に自転車を止めると彼の自転車も止めてあり、彼が展望台から降りてくるところだった。早いですねと声をかけると、自転車が軽かったからとの返事だった。確かに荷物の重さは登りのスピードに大きく影響する。彼はもう帰ると言うので駐車場で別れ、私はそのまま展望台に向かう事にした。
 展望台に行くと屈斜路湖がきれいに見えた、天気は曇っていたが屈斜路湖が太陽の光を反射して輝き幻想的だった。美幌峠からの屈斜路湖の眺めは木や山に邪魔される事なく屈斜路湖を一望できるので、これで晴れていたらさぞかしきれいだったろうと思わずにはいられなかった。展望台と駐車場の間には足場がいくつも置いてあったが、あれは何に使うものだろうと不思議に思った。一見、足場の上に登って写真を撮る為のものにも見えたが、それにしては数が多い。結局何に使う物かはわからなかった。
撮影日時:2004/08/13 07:22:16 シャッター速度:1/350 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
美幌峠から見た屈斜路湖の全景。遮るものがなく眺めはとても良かった
撮影日時:2004/08/13 07:23:25 シャッター速度:1/1000 絞り:F5.6 焦点距離:114mm
天気は曇っていたが
太陽光線が屈斜路湖に反射し
とても幻想的だった
撮影日時:2004/08/13 07:36:40 シャッター速度:1/500 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
標高490mの美幌峠から
屈斜路湖を見下ろす
 展望台で一通り写真を撮り、駐車場まで戻る。登りはさすがに暑かったが、下りは寒そうだったので久しぶりにウィンドブレーカを着て下る。しかしそれでも寒くて震えてしまった。長い直線の下りを下っている途中で小雨が降りだしたので、初日以来のレインスーツの下だけ着込む。ところがレインスーツを着込んでいる時、すぐ近くでサイレンの音が聞こえた。何の音だろうと気になっていたが、どうやらそれは下り坂で自動車がスピードを出し過ぎるのを警告する為のサイレンのようだった。確かにこの道は急な下りの直線道路なので制限速度である60km/hを守っている人はほとんどいなかった。美幌峠の美幌側の下りはほとんど直線ばかりで、ノンブレーキで標高差450mほど下りきったので、とても楽であっという間に下りきってしまった。
 美幌峠を下まで下りきってペダルをまわしはじめた頃、前から2人組のチャリダーがやって来たので手を上げて挨拶する。夫婦のようだったが、女の人の荷物の多さもさることながら、男の人のチャリダーにはトレーラーが引かれていたのには驚かされた。そしてさらに数km走るとソロのチャリダーがやって来た。よく見ると20歳くらいの女の人が、私と同程度の荷物を自転車に積んで走っているではないか。手を上げて挨拶すると、頑張って下さいとの声が返ってきたので、私も頑張ってと返事する。女の人が大量の荷物を積んだ自転車で1人で走っているのは珍しかったので驚かされたが、それよりも彼女があと数kmも走れば、私が先程越えてきたばかりの美幌峠を登らなければならないのかと思うと気の毒に思えてきた。もっとも真のチャリダーであれば、あの程度の峠は気にもならないのだろうけど…
撮影日時:2004/08/13 08:38:26 シャッター速度:1/350 絞り:F4.7 焦点距離:114mm
ツーリングマップルでもお薦めルートに
なっている国道243号線を快適に走る
 それほど苦労する事なく美幌の町に到着。女満別空港から大阪に帰る際、美幌のヤマト運輸の営業所で荷物を宅急便で送る予定にしていたので、途中でヤマト運輸の営業所を探しながら走るが、国道243号線沿いに意外とあっさり見つける事ができた。その隣にあるコンビニでパンと牛乳とヨーグルトを購入し、2度目の朝食として店の前で食べる。店の前で食べている時、ソロのライダーがコンビニにやってきたので声をかけると、彼も地元の横浜では自転車に乗っているという。私は横浜には何度も行った事があったので、横浜は坂が多くて大変でしょうと言うと、そこから横浜談義で花が咲き、磯子駅の周辺は昔は海だったなどと20分ほどコンビニの前で話し込む。彼は網走湖の呼人浦キャンプ場にテントを張ったまま道東をまわっているとの事だった。
 ライダーと別れた後、この先どうするかを考える。当初の計画では今日はこの美幌の町にあるみどりの村森林公園キャンプ場に泊まり、明日はサロマ湖へ、そして明後日は女満別まで戻ってくる予定だった。明日走る予定の美幌からサロマ湖までは国道39号線〜国道333号線〜道道685号線を経由し、山側を走るつもりでいたが、そのコースは美幌からサロマ湖まで60kmも山道を走らなければならないし、しかもその間キャンプ場がない。無理をすれば今日のうちに足を延ばしてサロマ湖までたどり着けない事はないが、今日の天気予報では午後から雨だと言っていたので、雨が降っても駆け込むキャンプ場がないのだ。かと言ってまだ9時30分なので美幌の町にあるみどりの村森林公園キャンプ場に入るにはまだ早い。そこでどこかに観光ポイントがないかと地図を見ると近くにチミケップ湖があった。ここは機会があればぜひとも行こうと思っていた。しかしチミケップ湖への最短コースである道道494号線は通行止で、チミケップ湖に行くには道道51号線か道道27号線を使うしかないが、いずれの道も相当な大回りになるだけでなく、長いダートが待っている。
 それより当初の計画ではもともと1日予備日を設けていたのと、然別湖ナイタイ高原をパスしたので日程は2日も余ってしまっている。余った2日でどこに行こうかと女満別から100km圏内でめぼしい場所を探すと知床半島が目に入った。ここは昨年も行ったが、昨年は台風で景色がまったく楽しめなかったし、昨年お世話になったおじさんにお礼をしたかった。というのもこの1年間、私はずっとあのおじさんにお礼をすべきだったと後悔していたので、機会があれば1年ぶりになってしまうが今年こそはお礼をしようと考えていたのだ。
 それならサロマ湖の前に知床半島に行こうと、そのコースを考える。明日、羅臼に到着する為には今日のうちに浜小清水あたりまで行っておきたい。ここから浜小清水まで55kmほど走らなければならないが、浜小清水まではほとんど平地ばかりだし、まだ時間も9時30分なので時間は十分だ。本当は浜小清水ではなく斜里まで走りたかった。というのは斜里にもキャンプ場があるのだが、それはツーリングマップルの2004年版から記載されており、私の持っている2003年版には記載されておらず、どこにキャンプ場があるかわからなかったので断念する。そこで当初の予定を変更し、今日は浜小清水、明日は羅臼、明後日は網走、4日後はサロマ湖、5日後は女満別というコースを走る事にした。
 さて、浜小清水に行くと決まったが、私は美幌の町で行きたい場所があった。それは美幌航空公園だ。美幌の町から4kmほど南西にある河川敷の公園には、戦闘機やヘリコプターが展示されているのだ。このまま浜小清水まで走っても13時には着いてしまうので、せっかくだから足を延ばして美幌航空公園に行く事にした。美幌の町を抜け、道道217号線を南に走る。私は戦闘機というくらいだから、F−15イーグルは無理としても、F−86セイバーくらいは当然置いてあるだろうし、運が良ければF−4ファントムも置いてあるかもしれないと思って期待して走っていた。しばらく走ると国道から少し離れた河川敷に飛行機が見えてきた。が、どうも予想したよりも規模が小さい。確かに河川敷のちょっとした空きスペースに飛行機が3機とヘリコプターが2機展示されていたが、期待していた戦闘機は1機もなく、飛行機はすべて練習機で、しかもそのうちの2機は時代遅れのレシプロ機。ヘリコプターもたいしたものはなく、ちょっと期待外れだった。あまりにもチャチな航空公園だったので観光客はもちろんの事、河川敷にあるので交通量も皆無に等しく誰もいない。おかげで10時過ぎまでゆっくりと、飛行機や練習機をバックに好きなだけ写真を撮る事ができた。
撮影日時:2004/08/13 09:53:33 シャッター速度:1/350 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
T−6プロペラ練習機
撮影日時:2004/08/13 09:54:22 シャッター速度:1/250 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
T−34Aメンター初等練習機
撮影日時:2004/08/13 09:57:07 シャッター速度:1/350 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
T−33Aジェット練習機
F−80シューティングスターの
練習機版
撮影日時:2004/08/13 09:58:10 シャッター速度:1/250 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
ベルHU−1Bヘリ
撮影日時:2004/08/13 09:59:17 シャッター速度:1/350 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
V−44ヘリコプター
右後方に美幌航空公園の
看板が見える
撮影日時:2004/08/13 10:03:27 シャッター速度:1/180 絞り:F6.7 焦点距離:114mm
T−33Aジェット練習機と自転車
どっちがかっこいい?
 美幌航空公園まで10km弱の寄り道をし、再び美幌の町を抜け女満別、網走に向かうべく国道39号線に入る。ここでも北からの風で完全に逆風になってしまったが、気温は20度ちょっとしかなく、涼しいのであまり苦にならない。しかも天気予報では曇り後雨と言っていたのに、網走方向の空は晴れているではないか。午後から雨だと覚悟していたのに青空に向かって走るのは気持ちのいいものだ。しかも自分の走っている場所は曇っていて涼しい。さらにこの国道39号線は女満別までまっすぐでフラットな直線道路なので走っていて気持ち良かった。途中、女満別空港へ行く道を確認しようと思っていたが、標識を見逃していたようで女満別空港への道を見つける事はできなかった。
撮影日時:2004/08/13 10:33:22 シャッター速度:1/250 絞り:F6.7 焦点距離:114mm
美幌から女満別までの国道39号線は
フラットな直線が続きとても走りやすい
 女満別の市街に入ると少しだけアップダウンがあった。美幌のコンビニで出会ったライダーの話では、美幌から網走までの国道39号線はほとんどが平地だが、女満別に1箇所だけ登りがあると言っていた。実際には1つではなかったが、ライダーの言う坂の情報にしては正確な方だった。女満別の町を少し過ぎたところに、ツーリングマップルには載っていないが、道の駅「メルヘンの丘めまんべつ」があり、その直前でチャリダー4〜5人組みと出逢う。さすがに今日はよくチャリダーに出逢う。道の駅でしばらく休憩した後、網走へ向かって再び国道39号線を北に向かって走る。北海道はどんな町にも郵便局がある事を昨年の旅行で知っており、今年は現金をあまり持ち歩かないようにしていた。しかし北海道に来て11日目となるとさすがに財布の中身が少なくなっていたので、途中の呼人駅のそばにあった呼人郵便局でお金をおろす。
 やがて網走湖が見えてきたが、このあたりの網走湖は湖と言うより湿原のように見える。途中、パーキングがあったので休憩するが、ここにあった網走湖の標識を見てどうもおかしい事に気付いた。網走湖と書かれた下に英語でLake Abashirikoと書いてあるのだが、網走湖を英語にするとLake Abashiriではないだろうか? ko(湖)は余計だと思うのだが。これではまるで富士山を英語でMt. Fujisanと言うようなものだ。
撮影日時:2004/08/13 11:54:07 シャッター速度:1/125 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
Lake Abashirikoはおかしい?
撮影日時:2004/08/13 11:59:51 シャッター速度:1/500 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
呼人浦付近から見た網走湖
 さらに走ると呼人浦キャンプ場が見えてきた。ここは先程、美幌のコンビニで出会ったライダーがベースキャンプにしているキャンプ場だ。このキャンプ場は無料だし湖畔そばの良さそうなキャンプ場に見えたので、明後日、知床からの帰りに泊まる事にしよう。
 やがて博物館網走監獄への道が見えてきた。網走監獄へ行くには坂を登らなければならないのと、今日は小清水原生花園に行きたかったので、網走監獄はパスする。ここから先は昨年通った道だ。釧路でもそうだったが、1年前に1回だけ通った道だがちゃんと覚えていた。やがて自転車は網走市街へと突入する。昨年とは自転車も変わった事だし、再度、網走駅の前で記念撮影をしようと考えていたが、早く網走市街を抜けたいと思うあまり、網走駅に気付かぬまま素通りしてしまった。
撮影日時:2004/08/13 12:46:06 シャッター速度:1/350 絞り:F8.0 焦点距離:114mm
11日目にしてやっとたどり着いたオホーツク海
右後方に見えるのは羅臼岳
 気が付くと海が見えてきた。網走市街を抜け網走港に出たのだ。昨年は海沿いばかりを走っていたので毎日のように海を見ながら走っていたが、今年は山ばかりだったので、今回の北海道自転車ツーリングで海を見るのは11日目にしてこれが初めてだ。やはり海はいい。かすかに感じる潮風を頬に受けながら自転車を走らせると、明日行く予定の羅臼岳や遠音別岳が見える。昨年この道を走った時には雨が降っていたし、時間もなかったので一気に駆け抜けたが、今年は時間もあるし、晴れてはいないものの曇りでも十分によく見える。久しぶりの海辺の走行に私の胸ははずんでいた。
 13時過ぎに北浜駅に到着。この駅はオホーツク海に一番近い駅で、駅の20m先にオホーツク海があり、駅には北浜駅展望台があって、ここからオホーツク海やオホーツク海沿いに走るJR釧網本線、そして羅臼岳を一望できた。不思議な事にこの北浜駅の駅舎には壁だけでなく天井にまで名刺がベタベタと貼ってある。いったい何の為に貼ってあるのか理解できなかったが、おそらく自分が来たという証しに残していったのだろう。私は付き合いのある会社の人がいないかしばらく名刺を探していたが、残念な事に見つける事はできなかった。
 そろそろお腹も空いてきたので、この北浜駅の構内にある喫茶停車場という名前の喫茶店で食事を取る事にした。メニューを見ると、昨年食べそこねたオホーツクラーメンがあったが、どうせ今日は浜小清水前浜キャンプ場に泊まるのだから、隣の道の駅「はなやか小清水」にあるラーメン屋でオホーツクラーメンを食べればいいのだし、メニューをよく見ると停車場ランチというのがあったので、これを注文する。ハンバーグ、目玉焼き、サラダ、味噌汁、ライス、コーヒーがセットになっており、久しぶりの豪勢な食事をおいしく頂く。ちなみにこの喫茶停車場は、ちょっと恐そうな感じのマスターと、ウェイトレスのきれいなお姉さんの2人で営業されていたが、この2人の関係がどんなのかとても興味があった。
撮影日時:2004/08/13 13:53:41 シャッター速度:1/180 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
オホーツク海に一番近い駅
北浜駅と、その駅舎の中にある
軽食&喫茶「停車場」
撮影日時:2004/08/13 13:52:52 シャッター速度:1/45 絞り:F2.8 焦点距離:38mm
駅舎の中は天井まで
名刺がベタベタと貼られていた
撮影日時:2004/08/13 13:55:01 シャッター速度:1/350 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
北浜駅のプラットフォームより撮影
駅の目の前はオホーツク海、写真中央に見えるのは羅臼岳
撮影日時:2004/08/13 13:20:51 シャッター速度:1/500 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
北浜駅展望台から見たオホーツク海
本当に駅の目の前がオホーツク海だった
 北浜駅を出発し、さらに国道244号線を東に走ると、14時過ぎに小清水原生花園に到着。ここは昨年、時間がなくて通り過ぎてしまった場所だ。浜小清水前浜キャンプ場まであと2kmほどだし、今年はまだまだ時間があったので訪れてみる事にした。JRの原生花園駅は小清水原生花園の為だけに作られた駅のようで、乗り降りする人はほとんどいないが、観光客相手にJRの職員2人がオレンジカードなどを売っていた。私もさっそく小清水原生花園に行くが、原生花園は7月頃行くのが良いようで、さすがに8月中旬ではほとんど花は咲いていなかった。それでも数少ない花の写真を撮る。またこの小清水原生花園はオホーツク海や知床連山が一望でき、眺めも良かったので写真を撮りながらゆっくりする。
撮影日時:2004/08/13 14:16:01 シャッター速度:1/125 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
小清水原生花園の前で記念撮影
撮影日時:2004/08/13 14:25:36 シャッター速度:1/350 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
昨年は訪れる事ができなかった
小清水原生花園
撮影日時:2004/08/13 14:26:22 シャッター速度:1/350 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
小清水原生花園の全景。残念な事に花はほとんど咲いていなかった
撮影日時:2004/08/13 14:46:59 シャッター速度:1/90 絞り:F8.0 焦点距離:114mm
小清水原生花園に咲くキク科の花
撮影日時:2004/08/13 15:44:18 シャッター速度:1/45 絞り:F6.7 焦点距離:114mm
小清水原生花園に咲く
エゾガワラナデシコ
 原生花園を出発しようとした時、網走方向からソロのチャリダーがやってきた。京都から来たという彼は、軽装備ではあったが昔ながらのランドナーに乗っていたので、嬉しくなって自転車を見せてもらう。彼は見るからに荷物が少なかったが、テントや自炊道具は持たず、もっぱら野宿かライダーハウスに泊まっているそうだ。私も時間が余っていたので20分ばかり彼と話し込み、小清水原生花園を出発する。浜小清水まで2kmちょっとを走っていると、前方に2人組みのチャリダーが休憩しているのが目に入った。今日はどこまで行くのか尋ねると、何とウトロまで行くと言うではないかっ! ここからウトロまで60km以上、時間にして4時間といったところか。今が15時30分だから日没までに彼らがウトロに到着するのはきっと無理だろう。
 やがて浜小清水前浜キャンプ場に到着。このキャンプ場は昨年も泊まった事があったので、勝手知ったるキャンプ場だ。管理人のおじさんも変わっていなかった。受付を済ませると、いつもならどこにテントを張るか歩き回るところだが今日は違う。このキャンプ場は昨年もそうだったが、海のそばの高台にあるので風が強い。しかも、今は風が弱くても夕方になれば必ず風が強くなると確信していた私は、トイレの横に自転車を止めると夕方になるまでテントを張るのを待つ事にした。
 夕方まで時間があったので、私はキャンプ場の隣にあるフレトイ展望台に行ってみた。昨年はここでオホーツク海に沈む見事な夕陽を見る事ができたが、さすがに今年は曇っていて夕陽は見れそうになかった。それでも昨年はほとんど見る事のできなかった知床連山が今年ははっきりと見えた。展望台のあるキャンプ場などそれほど多くなく、ここは私のお気に入りのキャンプ場の1つだ。
撮影日時:2004/08/13 15:36:56 シャッター速度:1/180 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
フレトイ展望台からの展望。左が濤沸湖、右がオホーツク海
撮影日時:2004/08/13 15:42:16 シャッター速度:1/90 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
浜小清水前浜キャンプ場の隣にあるフレトイ展望台
 展望台で写真を撮った後、再びキャンプ場に戻り管理人のおじさんと話をする。管理人のおじさんの話によると、このキャンプ場には週末になると網走あたりから若者集団がやって来てキャンプ場で騒ぐらしい。私が昨年遭遇した若者も、網走の若者だったのかもしれない。このキャンプ場はすぐそばに道の駅「はなやか小清水」があり、そこに「太郎山」という名のラーメン屋があるのを知っていたので、今日は自炊はやめてラーメン屋でオホーツクラーメンを食べる事にしていたので自炊の準備も必要ない。温泉も実際には歩いて15分のところにあったらしいが、ツーリングマップルには書いていなかったので場所がわからず断念してしまう。あとはテントを張って寝るだけなので時間をもて余してしまい、先に旅の日記を書きはじめる事にした。昨年は私と家族連れが1組だけだったが、今年は家族連れやライダーなどが多くやって来ている。管理人室横の眺めのいい場所は私が来た時にはまだ空いていたが、今では熟年夫婦のキャンピングカーと3人組みのライダーが占拠している。それだけではなく下の海岸にもテントが5つばかり張っており、他のキャンプ場に負けないくらいにぎやかだ。しかしこのキャンプ場の一番いい場所はトイレの横だと確信している私は、とりあえずトイレの横に自転車を止めて場所を確保し、風が変わるのをひたすら待っていた。
 空もずいぶん暗くなりはじめた18時頃、チャリダーの集団がやって来た。どこかの大学のサークルだろうと思い挨拶に向かうと、逆に向こうの方から「あっ!」と声が上がった。よく見ると4日前に双湖台と道の駅「摩周温泉」で2回も出逢った東北学院大学サイクリング部の面々だった。別に待ち合わせしていたわけでもないのに広い北海道で偶然再会した事に驚くと同時にお互い喜びあう。双湖台で出逢った時には1人だったが、道の駅「摩周温泉」では3人となり、今では6人の大所帯となっていた。彼らは4日前に裏摩周の北のJRみどり駅で集合した後、知床半島をまわり、今は知床半島からの帰りとの事だった。彼らの自転車を見せてもらうが1人を除いて5人がロードタイプの自転車に乗っており、マウンテンの自転車が多い中、強者ぞろいである事を思わせる。
撮影日時:2004/08/13 18:53:49 シャッター速度:4 絞り:F4.7 焦点距離:114mm
キャンプ場から見る網走の夜景
撮影日時:2004/08/13 18:55:18 シャッター速度:3 絞り:F3.5 焦点距離:55mm
夕焼けもわずかに見えた
 そろそろ空も暗くなりはじめたのでトイレの横にテントを張っていると、今度はソロのチャリダーがやって来た。彼は外国人のチャリダーで、私のテントのそばにテントを張った。私は常日頃からチャリダーに年齢や性別、国籍は関係ないと信じていたので、さっそく彼に話しかける。彼は半年前に日本に来たばかりで、まだ片言の日本語しか話せなかったが、何とか会話できた内容を総合すると、彼は半年前にチリから来た留学生で現在は大阪に住んでおり、この夏休みに大阪から北海道まで自転車で2000km以上走ってきたそうだ。ところが今日、羅臼側から知床峠を越えていた時、後輪のハブシャフトが折れて走れなくなってしまい、ウトロまで自転車を押して行ったがウトロには自転車屋がなく、仕方なくバスで自転車を輪行して斜里まで行き、斜里の自転車屋で何とか修理して、ここまで走って来たそうだ。片言の日本語しか話せないのに、母国チリから地球の反対側とも言える日本まで来て、自転車が壊れたのだから、さぞかし不安だっただろう。
 しかしそれにしても、このチリからやって来たチャリダーの勇気と根性には敬服される。まだ言葉もうまく話せないのに、たった一人で自転車ツーリングを続けているのだ。日本語が話せたとしてもソロのツーリングは大変なのに、よく地球の反対側の日本までやって来て自転車で旅をしようと考えたものだと感心してしまった。私が仮に外国に留学したとしても、言葉も満足に話せない状態で自転車で一人旅をしようとは思わなかっただろう。
 東北学院大学のチャリダー達は自炊すると言うので、19時過ぎに私は1人で道の駅「はなやか小清水」のラーメン屋「太郎山」まで行く事にした。ところがラーメン屋は19時で閉店しており、念願のオホーツクラーメンはまたしても食べる事ができなかった。仕方なく隣のスーパーで食料品を買い込もうとするが、弁当はすべて売り切れており、簡単に食べられる物と言えばカップ焼きそばしかない。夕食は2日続きのカップ焼きそばとなってしまい悲しかったが、ついでにビールを1パック6本買って東北学院大学のチャリダー達に差し入れする。
 カップ焼きそばと言ってもお湯を沸かさないといけないが、もうあたりは真っ暗で自炊道具を出すのも面倒だったので、彼らに頼んでお湯を沸かしてもらい、ビールで乾杯して彼らと一緒に夕食をともにする。彼らの夕食はカレーと焼肉だった。彼らが飲んでいたジュースが普段見かけないジュースだったので何かと尋ねると、それは北海道限定で売っているガラナエールというジュースだと教えてくれ、おいしいとは言わなかったが、セイコーマートで売っているからと、しきりに薦められた。そんなに薦めるのなら今度コンビニに行った時にでも飲んでみよう。大学のサークルと一緒に食事をするのは初めてだったが、こういった大人数で食事をするのも悪くないものだ。ただ、彼らが陣取っていた場所は3人組みのライダーのテントのすぐそばで、ライダーたちはチャリダーが邪魔で自分たちが自炊できなかったのが少しかわいそうだった。
 彼らと一緒に食事をして大学のサークルの雰囲気を満喫するが、あまり長居しても悪いので20時頃には引き上げ自分のテントに戻る。テントに戻ると驚いた事にテントの中にスイカが2切れ置いてあった。誰が置いていったのだろうと不思議に思っていたら、キャンピングカーで来た熟年夫婦の差し入れである事が判明しお礼を言う。それから旅の日記を書き、22時に就寝。それにしても広い北海道で彼らに3回も出逢うとは、きっとシンクロニシティに違いない。

走行データ
走行距離   102.6km
走行時間   5時間29分
ペダリング数   13200回
平均時速   18.6km/h
最大速度   47.3km/h
平均ペダリング数   40rpm
積算上昇高度   約540m
総走行距離   1063.5km
天候   曇り
最高気温/最低気温   21℃/19℃

食事
朝食   おにぎり
昼食   停車場ランチ(外食)
夕食   焼きそば

出費
昼(コンビニ)   パン、牛乳、ヨーグルト   283円
キャンプ場   浜小清水前浜   300円
夕(スーパー)   カップ焼きそば、缶詰、寝酒、ビール   1368円
合計   1951円

キャンプ場
名称   浜小清水前浜キャンプ場
場所   道の駅「はなやか小清水」の隣
  北緯43度56分5秒、東経144度27分3秒
費用   300円
設備   トイレ、炊事場
風呂   歩いて15分のところに温泉民宿があるらしい
ゴミ   ゴミ箱あり
行きやすさ   道の駅を目指せば簡単
乗り入れ   テントまで車、バイクの乗り入れ可
特徴   道の駅「はなやか小清水」隣のキャンプ場
  キャンプ場隣に展望台があり眺めは最高
  海岸横の高台にあり、風が吹きぬける
  炊事場とトイレ前は狭くてテントは4〜5張が限度
  海岸にもテントが張れるが海岸はかなり不便
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