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オタフンベチャシ跡
浦幌の町から東に16kmほど、JR根室本線の直別駅と厚内駅のちょうど中間付近の道道1038号線沿いのにある海岸を見渡す丘の上にあるのがオタフンベチャシ跡だ。道道1038号線の太平洋岸とは反対側にある標高37mの白糠丘陵の上に、壕で囲まれた21m×7mのチャシ跡があり、付近は原生花園になっていてここから北太平洋を見渡すこともできる。オタ・フンベはアイヌ語で砂・クジラを意味する。このオタフンベチャシ跡は白糠アイヌのチャシとされ、次のような伝説が言い伝えられている。昔、厚岸アイヌが白糠アイヌを攻めたとき、白糠アイヌはこのオタフンベチャシを死守した。厚岸アイヌは攻めきれなかったが、やがて白糠アイヌの食糧が尽きたのを知った厚岸アイヌは夜中に海岸の砂で鯨の形を作っておとりとした。夜明けに白糠アイヌが海岸にクジラが打ち上げられていると近寄ったところを厚岸アイヌが不意討ちして勝利した。しかし戦いに勝った厚岸アイヌが舟に乗ってこの場を立ち去ろうとした時、蜂の大群に襲われてほとんどの厚岸アイヌが蜂に刺し殺されてしまった。こんな血なまぐさい伝説のある場所だが、観光地化されておらず訪れる人のいない、それでいて眺めのよい場所なのでお勧めだ。1981年には国の史跡に指定されている。
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オタフンベチャシ跡
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掘りがわずかにある
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上からの眺めはよい
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太平洋が見渡せる
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