昨夜はかなりぐっすりと寝ることができた。21時30分に寝て途中夜中に一度目覚めたが、それ以外はしっかりと寝ることができた。目覚めたら4時前だった、本来ならここで起きて昨日と同じく6時には出発するはずだったが、さすがに2日連続での無理した走りは避けたくて今日は幌鹿峠と白樺峠を断念していたのでもう一眠りする。残念なことに少し雨が降っているようだ。次に目覚めたりは5時10分だった。そろそろ起きるとしよう。 昨日はほとんど寝ることができなかったが、今朝は7時間ほど寝た。これだけ寝れば体力は回復していることだろう。早速体温を測ると36.4℃だった。問題なし。今朝の最低気温は9℃だったが全然寒くなかった。寒いだろうと思って冬用シュラフを持ってきたが、これが思いの外、暖かいようだ。冬用シュラフ恐るべし。 今日の天気予報では三国峠を越えるまでは曇りだが、それ以降は晴れのようだ。最高気温は20℃になりそうだ。今日はもう幌鹿峠と白樺峠を行かないのであれば上士幌に早く着きすぎてしまう。それなら国道273号線沿いにはたくさん観光地があることを知っていたので、それらを順番に訪れながら走ることにしよう。 5時30分から撤収開始。まずはテントの中で自転車で走る服装に着替えて、さらにシュラフを畳む。この2つが重労働で30分かかる上に終わった時には汗までかいている。6時からは明るくなってきたので外に出て朝食にラーメンを作りながらテントの中のものを自転車に積み込んでいく。
6時30分にはラーメンも食べ終えて片づけまで済ませ、後はテントを撤収するだけとなった。朝には雨は止んでおり、既に青空まで見え始めていた。しかしテントはそんなに早く乾くはずもなく、結局2日連続で濡れたままのテントを撤収することとなった。テントに大きなナメクジが2匹もいたので退散してもらう。 テントの撤収が完了し、洗面も済ませて日焼け止めも塗り、7時ちょうどに出発する。やはり朝起きてから出発までに2時間はかかるようだ。このキャンプ場は昨日に続いてゴミが捨てられるようになっているのがうれしい。こういうキャンプ場が増えてくれるといいのだが。 ゴミを捨てていたら出発は7時5分になってしまった。天気予報では曇り後晴れのはずだったが既に朝から晴れていて眺めもいい。出発時の気温は13℃で長袖のジャージを着ているとちょうどくらいだ。今回の北海道自転車ツーリングではこの青いデュラエースの長袖サイクリングジャージーが大活躍だ。
今日は元々のタイムスケジュールでは140kmほど走るのでキャンプ場出発は6時、大雪湖が7時30分、三国峠が9時30分、糠平が11時だった。しかし幌鹿峠と白樺峠に行かないことにしたので時間が余るだろうと出発も1時間遅らせた。なので現在考えているタイムスケジュールは大雪湖が8時30分、三国峠が10時30分、糠平が12時30分、上士幌着が14時だ。 朝早い国道39号線をひたすら登っていく。このあたりはまだ傾斜も緩やかで走りやすい。ところが落石防止のトンネルが多いのだが、反対車線の歩道を走った方がトンネルに入らずに、かつ石狩川の流れを見ながら走れることから、私は反対車線の歩道を走った。途中何ヶ所か層雲峡らしい切り立った岩が見えたので写真を撮っておく。 層雲峡オートキャンプ場を出発して7km走った7時40分、層雲峡の温泉街に到着。ここは2004年に初めて来た時にはコンビニもなかったが今ではセイコーマートとセブンイレブンの2店ができた。ここから先は三国峠を越えて90km先の上士幌までコンビニがないので携行食を補給しておく。
ちなみにこのセブンイレブンは層雲峡の温泉街に近いという事もあってか雰囲気を壊さないように従来のセブンイレブンのグリーンを基調としたコーポレートカラーではなくモノクロの色調になっていてコンビニだと気付かずに通り過ぎてしまうほどだ。ちなみにもう1つのセイコーマートも同様にオレンジのコーポレートカラーではなくこちらもモノクロ調になっている。 セブンイレブンで補給食としてパンを購入し、飲むヨーグルトをその場で飲んで5分休憩して出発する。国道39号線の緩やかな登りを登ると、キャンプ場から10km走った先にある銀河の滝に8時ちょうどに到着した。手前の流星の滝は落差90m、奥の銀河の滝は落差120mのダイナミックな滝で2つセットで日本の滝100選に選ばれている。私はこの2ヶ所の前に自転車を止めて撮影した。今日は朝早いこともあって観光客は少なく、朝から晴れているので写真映りもよくて嬉しい。
実は層雲峡というのはこの銀河トンネルの旧道である小函遊歩道から見る景色が素晴らしいとされ遊歩道からは神削岩など巨大な柱状節理の断崖絶壁を見ることができる。しかし銀河トンネルの完成により国道からは層雲峡の壮大な景色がほとんど見えなくなり、しかも肝心の小函遊歩道も落石により長期間閉鎖されてしまい、こうした自然の造形美を見ることができなくなってしまった。今や層雲峡と言ってもダイナミックな景色はほとんど見ることができず、とても残念に思う。 銀河の滝からは来た道を少し戻って全長3388mの銀河トンネルに入る。今回も私はヘッドライトに加えてリアのフラッシングライトを点滅させながら走ったので車から気づかれないということはないと思うが、それでもこれだけ長いトンネルを無灯火で走る車がいたのには驚かされた。
大函からさらに国道39号線を走ると8時40分にキャンプ場から18km走ったところにある大雪湖に到着した。大雪湖の標高は800mほどなのでキャンプ場からここまで310mほど登ってきたことになるが、ここまで勾配は緩やかだったのでそれほど苦しむことはなかった。2004年は今日より1時間早く出発して7時30分に到着している。今回の方が少し遅いのはコンビニで休憩したり観光地に寄っているからだろう。 大雪湖は眺めがいい。晴れていればの話にはなると思うが、鏡のように空を映し出した湖面と、反対側には山々を見下ろすのだ。ここでしばらく休憩したいところだが、あいにくここには駐車場はあっても東屋などのくつろぐための場所がないので断念して先を急ぐ。ここから三国峠までは19km、標高差で340m。これを覚えておくと頂上まであとどれだけあるか把握できるので峠が楽になる。
今日は三国峠越えだ。三国峠は北海道で最も標高の高い国道だ。私は16年前の2004年に一度三国峠を越えている。道は広くて交通量も少なく私がこれまで越えた峠の中で最も高い標高だったが登るのにそれほど苦労した覚えはない。16年前は6時過ぎにキャンプ場を出発して9時20分には三国峠頂上に到着している。標高1130mと言っても今朝出発したキャンプ場の標高が500mくらいあるのでそれほど多く登ったわけではない。
元々、自転車で坂を登るのは嫌いではなかったのでロングライドで峠を登るうちにヒルクライムの聖地「乗鞍」に行きたいと思うようになってきた。しかし乗鞍エコーラインは全長20.5km、標高差1260m、平均勾配6.1%という日本有数のヒルクライムコースであり、何より標高が2720mもあり日本の舗装道路で一番高い場所と言われる。この標高は富士山の7合目にも相当する高さで高山病にもなる高さでもある。 私はこの乗鞍を登るにあたり練習がてらに前哨戦として奈良の山奥にある大台ヶ原を登ろうと考えた。大台ヶ原だと全長28km、標高差1240m、平均勾配4.7%なので距離は少し長いけど標高差は乗鞍に近いので勾配は緩やかなんだろうと思い込んでいた。その程度の調査しかしないまま大台ヶ原に乗り込んだ私は大台ヶ原の激坂を身をもって思い知らされることとなった。 道の駅「吉野路上北山」を出発すると8kmほどは平坦、もしくは緩やかな登り坂を登る。何だこんなの楽勝だと思っていたら8kmを過ぎたところからいきなり激坂が始まる。私は今回の北海道自転車ツーリングから帰ったら軽量化のためにチェーンリングを交換しようかと考えていた。今はフロントのチェーンリングは56−42−24Tのトリプルだが、日頃のロングツーリングではちょっとギア比がクロスしすぎだ。そこでフロントのチェーンリングを今流行の50−34Tのコンパクトクランクに変えようと考えていた。どうせ地元の峠では空荷でフロント24T、リア34T、ギア比0.7の組み合わせなど使うはずもなく、フロント34T、リア34T、ギア比1.0あれば十分だと考えていた。そしてこの大台ヶ原でもチェーンリングを交換した時に備えてギア比1.0以下は封印して走るつもりでいた。 そころが激坂区間が始まるといきなりギア比1.0はキツくて登れなくなり、0.9や0.8まで使うようになった。「おかしい… 私は空荷であればギア比1.0で勾配10%は登れるはずだ。じゃあこの激坂はいったい勾配何%なんだ?」と考えながら延々と続く激坂を走り続けた。休憩なしで走れるはずもなく何度か休憩しながらも走ると勾配はますます急になり、とうとうフロント24T、リア34T、ギア比0.7を投入することになった。このギア比は荷物を満載した状態で勾配14〜15%の急坂を登るために用意したものだ。それが空荷の状態でこれを使わないと登れない坂とはいったい… どうにか激坂区間を登り切ると残り10kmほどはボーナスステージのようなもので勾配は一気に緩やかになり走りやすくなった。それでも道の駅出発から2時間50分かけて頂上の駐車場に到着。ここのコースレコードは1時間5分だから2.6倍も遅かったことになる。 家に帰ってから大台ヶ原のヒルクライムについて色々と調べてみた。すると大台ヶ原は乗鞍の前哨戦どころかはるかに難易度が高いことがわかった。乗鞍だとキツいところと言っても勾配10%程度の坂が1km弱続く区間が2箇所あるだけでそれ以外は6%前後で安定している。しかし大台ヶ原は最初の8kmこそほとんど平坦な走りやすい道だが、そこから始まる7.5kmの激坂区間は平均勾配が10%を越えている。しかもこの激坂区間は勾配が一定ではなく緩急があり平坦な場所まで含まれて平均勾配が10%を越えているのだ。すると本当の登りの区間だけで言うと12〜15%の勾配が連続し、さらにこの激坂区間の終盤には500mだけ特に勾配のキツい直線区間があり、そこは500mだけとは言え平均勾配18%の激坂があるのだ。私の貧脚ではこの坂はギア比1.0では重すぎて走れない。
乗鞍観光センターの駐車場から畳平まで乗鞍エコーラインを登ったが大台ヶ原のように落石はないし勾配が10%を越えることはなく10日前に登った大台ヶ原と違ってかなり楽に登ることができた。ただ標高が舗装道路標高日本一の2720mと高いだけに残り2kmほどは空気が薄くて苦しんだが、その頃になると森林限界を越えていることもあって景色も良く天気は快晴という事もあって乗鞍を楽しむ事ができた。 ちなみに乗鞍に登った際、頂上でサイクリストに「ブログやってますか?」と声をかけられた。彼いわく、私の特徴ある自転車、特にデュラエースのカーボンホイールと同じくデュラエースのチェーンリングをどこかのネットで見た覚えがあるという。こんな特徴のある自転車はおそらく他に存在しないだろうから、彼の見たブログとやらがこの北海道自転車ツーリングであることは間違いないだろう。ただ彼は結局どこでこの自転車を見たか思い出すことができなかったようだった。 さて国道273号線が大雪湖を離れると緩やかな登りが始まる。といっても勾配は2%程度しかなく交通量も少ないのでので登りやすい。今日はここまでずっと晴れていたが、大雪湖を離れる頃から雲が出だして晴れたり曇ったりを繰り返すようになってきた。途中、銀泉台への入口でマイカー規制をしていた。ここから先は道が細いのでシャトルバスによる輸送になるが、自転車はおそらく大丈夫だろう。今はもう秋なのでさぞかし紅葉がきれいだろう。今日は幌鹿峠と白樺峠をあきらめたことだし銀泉台まで行ってみようかとも考えたが、ダートの登りを15km、標高差で700m近く登るのはあまりにも大変なので断念する。
標高が高いこともあって気温は15℃ないくらいだろう。しかしこの気温でも長袖サイクルジャージーで坂を登ると汗をかいてきたので長袖ジャージーを脱いで半袖ジャージー1枚になって走る。この登りの区間でも時折太陽が顔を出すことはあったが登坂中はほとんどは曇りだった。前方の空も曇っているので峠の頂上からの眺めはあまり期待できないだろう。 たいして苦しむこともなく峠を登りきり、全長1152mの三国トンネル入口に到着。トンネルは長いが交通量が少ないので安全にトンネルを抜けると10時35分に標高1139mの三国峠の頂上にある三国峠展望台に到着した。キャンプ場の出発から3時間30分で39km走って標高も650mほど登っているのでこんなものだろう。2004年よりも10分ほど多くかかっているが観光地に寄っていたのだから仕方がない。
三国峠展望台には三国峠cafeがあり16年前はここでカレーを食べた覚えがある。今も観光客がアイスクリームを買って食べているが、さすがに半袖1枚の私には寒くてアイスクリームを食べる気はおきなかった。代わりにベンチがあったのでおにぎりを食べてボトルに水を詰めて15分休憩する。さすがに寒くなってきたので下りに備えて長袖ジャージーを着込んで10時50分に出発した。 三国峠を下るとすぐに全長330mの松見大橋だ。この橋は少し上から見下ろすと樹海の上に浮かぶS字を描いた橋が美しく思わず見とれてしまう。いろんな角度から撮影したり、ここでもInsta360 ONE Xをを使って撮影するが、あいにくの曇り空であまりいい写真は撮れなかった。それでも色々と撮影を繰り返しここで15分も撮影していた。
三国峠から先の国道273号線は人家も何もない区間が延々と20kmほど続く。基本的には下り基調となるので走るのは楽だが、景色はそれほど望めないし天候はいまいちなので退屈に感じるような区間でもある。ここをのんびりと… いや、下りの勢いに任せて軽快に走った。
第五音更川橋梁のすぐ横に幌加除雪ステーションがあり11時50分からトイレに立ち寄る、このそのすぐ横には旧幌加駅があったので行ってみる事にした。幌加除雪ステーションからは少し距離があったが雰囲気のよい林の中にポツンと駅がたたずんでいてとてもよかった。今から42年前に廃駅となってしまい時代に取り残された場所となってしまったがそれはそれでよい。
今日は午前中で60km走っている。出発から5時間で60kmだから平均時速は12km/hしかないが、三国峠を越えているのだからこんなものだろう。昨日は午前中で92kmを走ったが7時に出発して平均時速15km/hで走ったとすれば午前中で75kmを目標に走りたいところだ。 昨日は途中からGPSの記録が途中から途切れてしまっていたが、今日は三国峠に登って下るまでの記録がスッポリと抜け落ちていた。せっかく北海道一高い峠に登ったのにその記録が取れていないとはショックだったが、その事に気付いたのは帰宅後だった。 幌加除雪ステーションを出発しても天気は晴れたり曇ったり雨がぱらついたりを繰り返した。そしてとうとう路面が濡れるようになってきた。しかも水溜まりができていた。まだ私のいるところは降っていないので、ついさっきまで激しく降っていたようだ。今日の天気予報では午後から晴れ、降水確率は10%のはずなのに当たらないものだ。 しばらく走ると道端に車が路肩にたくさん止まっている場所があった。何だろうと思って見てみると、それはタウシュベツ橋梁展望所への入口だった。昔はタウシュベツ橋梁など一部の廃線マニアだけが面白がって見に行く場所だったが、上士幌町のPRのおかげか今ではすっかりと有名な観光地になったようだ。
タウシュベツ橋梁展望所へ行く途中に北海道自然歩道に指定された糠平湖を巡る道がある。この糠平湖を巡る道は1978年に廃線となった旧国鉄士幌線の廃線跡8.5kmを北海道自然歩道として整備した道だ。この道がとても雰囲気が良く、ここへ来る度に一度この道をスタートの鉄道資料館から終点のメトセップまで歩いてみたいと思わずにはいられない。 タウシュベツ橋梁の次は五の沢橋梁だ。しかしこの五の沢橋梁は私の記憶では大したことなかったような嫌な予感がしたが、時間もあることだしとりあえず行ってみることにした。しかし予想は的中し200m近く歩いた割にはほとんど見るべきもののない橋だった。橋が小さい上に橋の上からしか見えないので、自分が今橋の上にいるのかさえわからず標識がなければ気付かないような橋だった。 この五の沢橋梁から戻ってくると突然雨が降り始めた。これは傘を必要とするレベルだ。私は今回の北海道自転車ツーリングで初めてレインスーツを着て自転車を走らせることとなった。仕方なくレインスーツを着て走り始めるが雨はすぐに止んでしまったが、この先まだまだ降りそうだったのでそのまま着て走ることにした。
ここまでレインスーツは着たままだったが、三の沢橋梁から晴れてきた。しかも目の前には上り坂が見える。私はさすがに暑くなるだろうとあきらめてレインスーツを脱いだ。しかしどうせまた着ることになるだろうと考えレインスーツを畳むことなくサイドバッグに詰め込んだ。 糠平の手前には上り坂と全長270mの三の沢トンネルがあるが、これを過ぎると13時10分にキャンプ場から75km走って糠平の町に入った。当初の目標からは1時間遅れとなるが2004年は12時着だったから出発が1時間遅かったことを考えるとほとんど同じペースということになる。
国道273号線を糠平から4kmほど下ると屏風岩が見えてきた。ここは音更川の国道を挟んだ対岸にまるで層雲峡を思わせるような垂直に切り立った柱状節理の岩肌がある。対岸からでは近すぎて自転車を含めて全景を撮影するのが難しく、超ローアングルからからの撮影となってしまったがなかなか迫力のある写真が撮れたと思う。ここには1918年に十勝監獄の囚人を使って音更山道を拡張工事した際に建てられた音更山道碑もあるが、屏風岩の方が遥かに迫力があるので音更山道碑はパスする。
ここからは上士幌目指してひたすらペダルを回す。下り坂ではあるが向かい風もあってあまり前には進まない。今日はこれまでずっと山の中を走ってきたので風はそれほど感じなかったが、糠平から先は南からの3〜4m/sの風が吹いていた。昨日、一昨日とずっとわずかな追い風だったが、ここで初めて向かい風となった。
しかしその心配は杞憂に終わることとなった。雨はわずか10分ほど降っただけですぐに止んでしまい、それからは空が明るさを取り戻してきた。晴れてこそいないが西の空は雲がかかっていないので、このまま続けば夕陽が見られるかもしれない。そうなるとがぜんやる気が出てきた。 さらに上士幌まで後少しに迫った時、追い抜いていったライダーが手を挙げて挨拶してくれた。これまで1日に1人ずつ挨拶してくれているが、これはとても励みになる。私も追い抜かれた瞬間、絶対にライダーはバックミラーを見ているはずだと信じて手を挙げるが、これはとても嬉しい。明日以降も一日一回は経験したいものだ。 15時ちょうどに上士幌の町に到着。キャンプ場に行く前にまずは上士幌ふれあい温泉がやっていないか確かめに行く。本当は今日ぜひともこの上士幌ふれあい温泉に入りたかったのだが、事前の調査では第三月曜日は休館日となっていたのだ。本当に休館しているかどうか確かめに行くが、残念な事にやはり休館していた。 この上士幌町にはコンセントで充電でき、かつWi-Fiもフリーで、かつ6時から21時まで無料で利用できるというチャリダーにとって夢のような休憩場所があるのを知っていた。今日は夕食を食べたらここで充電しながら旅の日記を書こうと思っていたのであらかじめ下見をしておく。ここに記載したことで今後チャリダーやライダーの利用者が激増して私が使えなくなると困るので場所はあえて書かないが、トイレや自販機もありなかなか居心地のいい場所のように思えた。
15時20分に上士幌航空公園キャンプ場に到着した。ここまでの走行距離は97km、出発から8時間20分かかったので休憩も含めた平均時速は11.6km/hとなってカメ作戦より遅い。これだけ観光地を回って峠まで越えたのだから当然だろう。それでも休憩をのぞいた平均時速は17.3km/hだったので、これは早い方だ。
テーブル近くに設営場所を決めるとテントを組み立ててペグダウンせず逆さまにして底まで乾かす。昨日、一昨日と設営時に雨が降ってテントの床が濡れて2日間気持ち悪い思いをしていたので今日こそはテントを乾かしたいのだ。残念ながら晴れてはいないが雨の降りそうな気配はないし今日は風が少しあったのでグランドシートもフライシートも干していたらあっという間に乾いてくれた。
このキャンプ場は管理人が常駐していないので先にテントを張っておき、夕方に管理人さんが集金に来るシステムだ。集金に来た管理人さんに「今日は人が少ないですね」と言うと、昨日まではテントが600張ってあったそうだ。このキャンプ場は700まで張れるとのことだったが、600もテントが張ってあったら壮観だろう。管理人さんは集金にキャンプ場をまわってもまわっても次々と新しいテントが増えてくるので14時から22時まで8時間歩きっぱなしだったと言っていた。ご苦労なことだ。
夕食を終えると17時、ちょうど夕陽の時間帯だった。あいにく太陽は雲に隠れて夕陽そのものは見ることができなかったが、夕焼けは見ることができたのでキャンプ場入り口近くの音更川にかかる橋の袂に自転車を止めて写真を撮った。テントを絡めることはできなかったがなかなかいい写真が撮れたと思う。
この休憩場所はチャリダーにとってとてもありがたい、コンセントが自由に使えて充電ができるだけでなく、Wi-FiもフリーなのでYouTubeを見てもギガ死しなくて済む。コンセントが自由に使えると言っても道の駅や温泉の休憩場所で盗電するのとは訳が違う。ここはデーブル毎にちゃんと目の前にコンセントが用意されているのだ。建物の中にあるので雨風がしのげるだけでなく冷暖房まで効いていて、トイレや自販機まで完備されている。こんな施設が無料であるのだから利用しない手はないだろう。 こうした施設で長時間休憩する際、心配になるのが自転車の盗難だ。まあ私の自転車のように重くて汚い自転車は誰も盗らないと思うが、それでも放置しておくのは心配だ。しかしこの休憩施設はテーブルが外に面していて、そのすぐ外に自転車を止めておけば目の前に外に止めた自転車を見ながらテーブルで旅の日記を書いたりスマホのチェックができるので安心だ。
17時30分からモバイルバッテリーに充電しながら旅の日記を書いた。3時間ほどですべて充電完了。その間ずっと旅の日記を書いていた。この休憩場所の利用者は私と同じような自転車での旅行者と思われる人が1人と女子高生らしき人、そして携帯電話で喋り続ける女の人が1人。私を含めて4人だけだった。快適に旅の日記を書かせてもらったが充電も完了し終了時刻も迫ってきたので20時30分に休憩施設を出発する。 外はかなり寒かったが市街地からキャンプ場まで街灯のない真っ暗な中を2.5kmライトを頼りに走り、ようやくキャンプ場に戻ってきた。テントに入る前に夜景を撮っておく。今日は空が晴れていて天の川も見える。しかしこのキャンプ場は光害がひどく、かなり明るいので星と一緒に自転車を映すと自転車が露出オーバーになってしまう。仕方なく自転車に露出を合わせて撮影する。1kmほど自転車を走らせて暗いところまで行けばそれなりの写真が撮れたと思われたが、その気力は既になかった。
今日は2010年に宿泊した層雲峡オートキャンプ場を出発して、これまた2010年に宿泊した上士幌航空公園キャンプ場に来た。しかし2010年とコースはまったく異なり2010年は層雲峡オートキャンプ場から上士幌航空公園キャンプ場まで女満別や釧路まで回って4日かけたのに対して今日は1日でここまで来た。 明日は5時に起きて晴れていればテントを残したままナイタイ高原まで登り、曇っていればあきらめてそのまま足寄経由のオンネトーまで行くことにしよう。今日のキャンプ場がこれだけ空いているなら明日のオンネトー野営場は貸し切り状態かもしれない。 昨日頑張って走ったこともあって今日は幌鹿峠と白樺峠を断念した。その為に今日の走行距離は70〜80kmくらいまで減るだろうと思っていたが、予想外に100kmを軽く越えることになった。標高1139mの三国峠を越えてこの距離だから結構走った方だと思うけど、キャンプ場に着いたのも早かったのでかなり余裕があった。これからはこれくらいのスケジュールを目指したいものだ。 今日のキャンプ場は人が少ないせいか22時を過ぎたら完全に静まり返ってしまった。今夜の最低気温は10℃の予報。これなら昨日と同じ長袖シャツ1枚で寝ても大丈夫だろう。明日はそれほど早くないので目覚ましはセットせずに寝る。いつもより30分遅い22時30分に寝ることにした。
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