昨夜は21時30分に寝たのだが、北海道に来たことで気持ちが高ぶってか目がさえてほとんど寝ることができずに朝を迎えてしまった。今朝の最低気温は11℃だったが、さすがに冬用のシュラフは暖かく夜中は汗ばむほどだった。それでも朝方はちょうどくらいだったので、寒くなるであろう今夜はもう一枚着ることにしよう。 目覚ましを4時にセットしていたこともあって4時に起きることにした。起きる前に体温だけ測定しておく。会社から体温は毎日測定せよと命じられているので、この北海道自転車ツーリングにも体温計は持参した。測定すると35.9度だった。問題なし。今日の日の出は5時18分なのでまだ辺りは真っ暗ではあるが、今日は145kmも走らなければならないので遅くとも6時には出発したい。その為に真っ暗な中、撤収作業を始めることにした。 さすがに外はまだ真っ暗だったのでテントの中の撤収を先に進める。今回から冬用のシュラフを持参したが、これがかなりの体積がある。付属していたスタッフバッグに入れただけだととてもではないがサイドバッグには入りきらないので付属のスタッフバッグに入れた後、コンプレッションサックで圧縮して小さくしている。こうすることでサイドバッグに入る大きさまで小さくなるのだが、そこまで圧縮するのが大変でシュラフを片付けるのに10分はかかるようになってしまった。 さらに大変なのが着替えだ。夏と違って秋は着ている服が多いので着替えるのにも時間がかかる。しかも脱いだ服はすべて圧縮袋に入れて圧縮しなければサイドバッグには入りきらなくなる。テントの中で着替えを済ませると4時30分から洗濯する事にした。明日から2〜3日雨とのことなので晴れている今日洗濯して荷台に干しながら走るしかないように思われた。
それからも撤収作業を続ける。5時30分頃に日の出を迎えたので写真撮影。これまで皆楽公園キャンプ場には何度も泊まったことがあるがまともに朝日を撮るのは初めてではないだろうか。これまで私が設営していた管理棟の横では朝日と夕陽を見ることはできないが、場所を変えれば撮影可能だという事がわかった。
出発したのは目標の6時ちょうどだったがテントを張った中島から道に出るまでに時間がかかり結局キャンプ場を出たのは6時5分になっていた。出発時の気温は12℃。半袖のサイクリングジャージーに長袖のサイクリングジャージーを重ね着したくらいがちょうどいい。 今日は145km走る予定にしているのであらかじめタイムスケジュールを考えておいた。6時にキャンプ場出発、7時10分に浦臼の道の駅、8時45分に滝川の道の駅、9時40分にライスランド深川、12時に旭川層雲峡自転車道に入り14時30分まで自転車道を走り16時30分に層雲峡オートキャンプ場着が目標だ。
国道275号線を月形皆楽公園から北に走るのはこれで5回目になる。それぞれ向かった先は2007年と2011年は小平まで、2008年は上富良野まで、2010年は朱鞠内まで走っている。滝川までは一緒だが国道12号線で旭川に向かうのは初めてになる。ただし2009年には美瑛から旭川経由で月形まで逆方向に走ったことがあるので初めての道ではない。 今日は晴れていて天気がいい。天気予報は晴れだったが午後から雲が広がるようだ。早朝の石狩川沿いは景色もよくてそこかしこで写真を撮るのでなかなか前に進まない。おまけにInsta360 ONE Xまで手に入れたこともあっていつもの自転車を止めての写真だけでなく走りながらの写真撮影も繰り返してしまう。そして月形から4kmも走ると石狩川沿いにも景色の良さそうな道があったので写真撮影の為にそちらにも入っていく。
今回の自転車ツーリングからはサイクリングジャージーを一新した。私の自転車関係のウェアやシューズ、ヘルメットは14年前に買ったのをそのまま使い続けている。ちょうど2006年に東京勤務となり東京タワーの200mほど南に1年ほど住んでいた。この時期には毎週末のように皇居外苑にあるパレスサイクリングに走りに行き、その足でY’sRoad赤坂店やなるしまフレンドまで行ってウェア等を買い漁っていた。私の持つ自転車関係のアパレルはその当時に購入した物がほとんどだ。 しかし14年も経過するとさすがにレーパンはパッドが破れてボロボロになり、ジャージも長年の紫外線に色あせファスナーも壊れた。昨年までデュラエースとパナソニックの2着のジャージを14年間使い回していたが、今年は新しくガーミンとディスカバリーチャンネルのジャージを用意した。パッド付きのインナーパンツや靴下もこの当時に買った物だがこれらは北海道自転車ツーリングでしか使わないのでまだ使えそうだ。 ヘルメットもなるしまフレンドで14年前に買った物だ。ヘルメットは通常3年程度で買い換えと言われるが、物持ちの良い私は14年も使い続けている。私は頭が大きいので頭に合ったサイズのヘルメットに巡り会う事が少なく、なかなか買い換える事ができない。 さらに14年前に買った物は他にもSPDシューズやグローブ、アームカバーなどがあったが、SPDシューズは13年の使用で底に大きな穴が開き昨年買い換えた。グローブは3年に1回買い換え、アームカバーも6年に1回は交換し今年はジャージの変更の合わせてアームカバーもCW−Xの白色からパールイズミの黒色に変更した。考えてみれは私は使えなくなるまで使い続けることを基本としているので、こうしたアイテムの買い換え頻度は極端に長くなりがちだ。 今年の北海道自転車ツーリングは夏ではなく秋になったので何を着て走るかずいぶん悩んだ。半袖ジャージー2着は基本としてそれだけでは朝寒すぎる。おそらく朝キャンプ場を出発する時は10℃を少し越えるくらいだから半袖1枚では寒すぎる。半袖1枚で耐えられるのは17〜18℃以上くらいだが、10〜11時にならないとその気温にならないので、それまでは何か着る必要がある。昨年までは寒いときはレインスーツを防寒着代わりに着ていた。緊急時ならレインスーツでも仕方がないが、毎朝寒くなるのがわかっているのに防寒着を何も用意しないのはよろしくないと考え、上着を持って行くことにした。 考えたのは半袖ジャージーの下にシャツを着ること。これは装備も軽量で済むので楽ではあるのだが、昼になって気温が上がってきたときシャツを脱ぐのはなかなか難しいのであまり避けたい。半袖ジャージーの上に羽織るだけなら容易に脱げるのでウインドブレーカー、もしくは長袖ジャージを持って行くのもありだ。ウインドブレーカーは軽くて嵩張らないのでいいのだがあまりかっこよくない。それに単なる風よけならレインスーツで代用できる。 それよりも長袖ジャージーならデュラエースの格好いいがある。これも14年前のものだが今年はInsta360 ONE Xを導入し自撮りの機会も多いと考え、嵩張りはするが夏の装備に加えて朝方は長袖のジャージも持って行くことにした。今のような10℃ちょっとの気温だと半袖のサイクリングジャージーの上に長袖のサイクリングジャージーを着るのがちょうど良い。 今日は南からの3〜4m/sの風。今日の進行方向は東北東になるので昨日と同様に若干の追い風となる。昨日は西からの風、今日は南からの風だったが、これが逆だったらなおさら走りやすかったのにと思ってしまうが、向かい風でない分よかったと思うべきだろう。
コロナで外出自粛となって以降、私はロングツーリングに目覚め、そのロングツーリングの勲章というか証しとも言えるブルベに参加して完走したいと考えるようになっていた。しかしブルベというのは順位を争う必要がないとは言え、最短距離でも200kmとハードルが高く、しかも制限時間があって13.5時間以内、つまり休憩も含めた平均時速は15km/h以上で走らなければならない。しかもブルベは一般的に平地だけ走るというのはほとんど存在せず、峠も含んだタイムとなる。 私はこれまで北海道自転車ツーリングではカメ作戦と称して休憩も含めた平均時速12.5km/hを基本としていた。しかしこれではブルベで制限時間内に完走することはできない。どうすれば速く走る事ができるのか? 私はAmazon Kindleで読み放題となった過去の自転車雑誌を読み尽くしてロングツーリングで速く走る方法について研究した。 正直言うとペダリングやポジションは雑誌や取材した人によって書いていることが異なり、どれを参考にしていいのかよくわからない状態。ただし1つわかったのはペダルは足の筋力で回すのではなく体重を利用したペダリングが速くてかつ持続可能である事がわかってきた。その為には私の今のポジションはサドルが一番後ろになっていて体重を利用したペダリングが難しかったことからサドルを標準位置に戻し、かつペダルを踏み始める位置を今までは3時くらいだったのを1時くらいから踏み始めることで、無風状態の平地であれば30km/h巡航を10分は継続できるようになってきた。 しかしこれだけではまだダメだった。もう1つは休憩時間を短く効率的に行う事を考えた。私のこれまでの休憩は補給するわけでもないのに10分くらいダラダラと休憩する。それを多い時には1時間に1回くらい行っていた。しかしブルベでは一般的に50〜60km毎にしかPC(ポイント・オブ・コントロール、正しく走っているかタイムをチェックするためのチェックポイント。コンビニなど補給できる場所が選定されることが多い)がない。この距離を休憩なしで走り続けるのは辛いが50〜60km毎に10〜15分程度で食糧を補給し、あとは20km毎くらいに体をストレッチするための休憩を設ける。この時の休憩時間は1〜2分程度。この程度の時間であればタイムに大きく影響はしない。 私は毎週のロングツーリングでこの方法を実践し100kmオーバーを走っても休憩含めて平均時速20km/h弱で走れるようになった。今回の秋の北海道自転車ツーリングは夏に比べて明るい時間が2時間ほど短く自転車で走れる時間が短くなってしまったことに気付き、改めてブルベを目指した練習に倣ってできるだけ休憩時間を減らして走る事にした。 道の駅つるぬまからはあまり景色もよくなくなってただの直線道路が続くようになる。このあたりのJR札沼線はつい5ヶ月前に廃線になったばかりで線路も敷かれたまま踏切だけが線路への立ち入り禁止になっていた。私はここで立ち入り禁止となった踏切の写真を撮ろうとするが、あいにくその機会を逃してしまった。 ちなみにこのJR札沼線は2020年5月7日に廃線が予定されていたが、全国から鉄道マニアが殺到することが予想されたため、三密を避けるために廃線を急遽19日前倒しにして4月17日に廃線にしたものだ。鉄道マニアはさぞ悔やんだことだろう。それにしてもこの廃線跡をサイクリングロードにしてくれないものだろうか。 キャンプ場から30km走って7時40分に新十津川町のセイコーマートに到着した。ここで今日初めてとなる補給としておにぎりとパンを購入する。今日は暑くなりそうだったので粉末のポカリスエットを取り出してボトルの水に投入して作り、パンを食べて15分休憩して出発する。
ここから先の国道12号線は走っていてあまり楽しい道ではない。信号は多いし交通量も多いし景色もそれほど良いというわけではない。しかしこの道を走らないと旭川にはたどり着かないので頑張ってペースをあげて走る。今日は若干の追い風なのがありがたい。 キャンプ場から42km走って8時30分に道の駅たきかわに到着した。パンを食べて15分休憩。重ね着していた長袖のサイクリングジャージーを脱ぎ半袖のサイクリングジャージー1枚になる。さらに荷台で干していた洗濯物も裏返しにする。この時の気温は19℃。これくらいになると半袖のサイクリングジャージーが走りやすい。
国道12号線を走り続けキャンプ場から55km走って9時30分に道の駅ライスランドふかがわに到着した。パンを食べて15分休憩する。本来であれば食べている時間以外は屈伸運動をして1分ほどで出発するつもりでいた。しかし予想外に北海道自転車ツーリングでは休憩時間にやることが多い。 休憩時間にやることと言えばまず基本はエネルギー補給。パンを食べたりおにぎりを食べたり。これだけなら5分もかからない。しかしこれ以外に携行食のチョコを食べたりポカリスウェットの粉末をボトルに溶かしたり、長袖ジャージーを脱いだりキャリアに干している洗濯物を裏返したり取り込んだりしているとあっという間に時間は経過していく。 もちろん上記のすべての作業を毎回の休憩で実施するわけではない。しかし今回の北海道自転車ツーリングでは休憩として1分ほど屈伸運動や腕と肩を回したらすぐに出発しようと考えていたが、実際にはそんなに早く準備できるはずはなく10〜15分ほどかかってしまうことが多かった。北海道自転車ツーリングにおいて休憩時間を短縮することはなかなか難しいことを実感する。
本来ならこの神威古譚から旭川まで旭川サイクリングロードが続いているはずだった。しかし11年前にここを走った時も旭川サイクリングロードは落石による工事で通行止めとなっていたが、11年経っても状況は変わらず通行止めのままだった。ここはずっと通行止めが続いているようだ。もう復旧させるつもりもないのだろう。
本来の旭川サイクリングロードは石狩川の対岸にあるのだが落石で長く通行止めが続いており走れない。しかし春志内トンネルは狭い上に交通量も多く自転車や歩行者の通行が危険なことからトンネルができる前の旧道を自転車道として使っているのだ。だから自転車道になっても国道だった当時の標識がそのまま残っており高さ制限4.5mもそのままになっている。
旧道の自転車道は予想以上に長く全長6kmほどあったが、やがてサイクリングロードは国道12号線と合流してなくなった。そして国道に入るとすぐにセイコーマートがあった。私は久しぶりのセイコーマートにここで11時ちょうどから休憩することにした。ここから先は旭川の町中に入るのでコンビニには困らないのだが、これから河川敷を走る旭川層雲峡サイクリングロードに入るので河川敷にはコンビニがないのだ。この先は上川まで50kmほどコンビニがないのでペペロンチーノを買って店の前で食べて携行食を補給しておく。
11時35分から旭川層雲峡サイクリングロードに入る。この先旭川層雲峡サイクリングロードは愛別までの35kmを石狩川沿いを走る。今日はそこからさらに27km先にある層雲峡オートキャンプ場まで走る予定だ。旭川層雲峡サイクリングロードに入るとすぐに常盤公園があった。しかし先ほどコンビニで休憩したばかりだったのでパスする。 旭川層雲峡サイクリングロードは基本的に石狩川の堤防の内側の河川敷を走る自転車道だが残念な事に石狩川が直接見える場所は少ない。サイクリングロードに入ってすぐは河川敷の中にグランドや公園、ゲートボール場などがあり、なかなか賑やかなサイクリングロードだった。この頃は太陽の陽射しも強く気持ちよく走る事ができた。 旭川層雲峡サイクリングロードを走りながら12時を迎えた。今日は午前中だけで92kmを走った。午前中だけでこれだけの距離を走るのはこれまでの北海道自転車ツーリングの中でも新記録に近いのではないかと思う。峠がなかったとは言え昨日に続いて今日も激走だ。
いよいよ本当の旭川層雲峡サイクリングロードを走り始める。ここまでは比較的町中の河川敷のサイクリングロードと言った感じで周りには人の気配もたくさんあったが、ここから先は人家もなくなり、人通りの少ない寂しいサイクリングロードとなる。またここまではよく晴れていたが、ここから先は雲が多くなってきて陽が差さないことが多くなってきた。 私はせっかくなのでこの旭川層雲峡サイクリングロードでもInsta360 ONE Xを使って自分が走っている姿の撮影を始めた。ここでは写真だけでなく動画でも自分が走っている姿を撮影した。さすがにホームページに動画を掲載することは容量の関係でできないが、そのうちに動画を編集してYouTubeにアップロードしようかと考えている。 それからも旭川層雲峡サイクリングロードを走るがここは休憩場所の案内がわかりにくく石狩川百景休憩施設も気付かない間に通り過ぎてしまう。途中の河川敷でラジコン飛行機を並べて談笑しているおじさんたちがいた。きっとこの河川敷でラジコン飛行機を飛ばして遊んでいるのだろう。これだけ広い河川敷なら飛行機を飛ばしても問題ないはずだ。
イチイ公園を出発すると河川敷に空港が見えた。これは当麻滑空場でグライダーが2機置かれていた。ただグライダーは自力では飛び立てないのでセスナ機か何かに引っ張ってもらうのだろう。このイチイ公園辺りからは前方東側の空が厚い雲で真っ暗になってきた。後方西側はまだ晴れているが雲行きは怪しそうだ。
ただ不思議なことに旭川の町中ではほとんど見かけなかったサイクリストが、この辺りに来ると何人も見かけるようになってきた。残念な事にチャリダーは見かけないがサイクリストでも見かけると嬉しくなるものだ。ただみんな私よりも速いスピードで走るので私は次々と追い抜かれていった。
旭川層雲峡サイクリングロードの終点の近くの堤防の上から石狩川を見下ろす景色のいい場所があったので、ここで自撮りをすることにした。いつものようにInsta360 ONE Xを自撮り棒の先に付けてそれを持ちながら走ったのでは同じような写真しか撮れないので、今回はその自撮り棒を三脚に取り付けて三脚の横を自転車で通過する。360度カメラなのでフレーミングの必要がなく、ただそばを通過すればいいだけなので撮影が楽だし幅が広がる。
ここからは国道39号線を走る。国道39号線と言えば4日後に訪れる予定にしている女満別湖畔キャンプ場のすぐ横を走る国道で、網走〜女満別〜美幌間は何度も走った国道だ。この国道39号線がこんな所まで続いているとは感慨深いものがある。ただし今日もここから先のGPSのログは途切れてしまった。残念なところだ。 この国道39号線は隣に無料の旭川紋別自動車道が並行して走っているので交通量が少なくて走りやすい。しかしここを走る頃には空は完全に雲で覆われて真っ暗になり今にも雨が降りそうな天気になってきた。何だか昨日と同じような天気だ。まだ14時台だというのにこんなに暗くなると、走るのも落ち着かなくなってしまう。 上川の町には国道39号線沿いにセブンイレブンがある。そしてこのコンビニが層雲峡オートキャンプ場までの最後のコンビニとなる。昨日もキャンプ場近くにセイコーマートがなくてずいぶん手前で買い出しをしたが、今日もセイコーマートには寄りたい。しかしよくよく調べてみると、ここから500mほど離れたJR上川駅前にセイコーマートがあるのを見つけ、国道を離れて駅前のセイコーマートを目指した。私にとってはそれほどまでにセイコーマートは大切なものだ。 国道から上川駅までは500mほどだったが結構な登りがあって簡単に立ち寄ると言うわけには行かなかった。駅前まで行くとセイコーマートはあったが上川駅に行くのは初めてだったので駅に立ち寄って写真を撮ることにした。そしてセイコーマートに行くが隣にビレッジストアいろはというスーパーがあった。私はセイコーマートではなく惣菜の多いスーパーに行こうかとも考えたが、ここまで食べてきた補給食のゴミを捨てたかったのでセイコーマートにする。
休憩しているうちに雨が止んできたので15時5分に出発し再び国道39号線を走り始める。しかし国道に戻ると再び雨が降り始めた。まだ傘を差さなくていい程度の雨だったので濡れながら走ることにした。この程度の雨なら濡れるスピードよりも乾くスピードの方が早いだろう。 本日の走行距離は145kmくらいだと計算していた。それでいくと上川からキャンプ場まではあと10kmほど。上川の町が標高340mほどなのに対してキャンプ場は標高500mほどなので160mほど登らなければならない。勾配は1〜2%と坂とは気付かないほどだが登りである事は変わりない。小雨も降っているし私は早くキャンプ場に着きたくてペースを上げて自転車を走らせた。 本日の走行距離が145kmに達しそろそろキャンプ場が見えてくるはずだと思っていたがいっこうに見えてこない。予定の場所から2km走っても3km走っても見えてこず、気付かないまま通り過ぎたかと心配になるほどだった。雨はますます降り出すようになり、もうすぐ着くはずだと我慢してレインスーツも着ずに雨の中を走ってきたがすっかり濡れてしまった。 予想よりも5km多く走ったところでようやく16時ちょうどに層雲峡オートキャンプ場に到着した。正直言うとホッとした。月形皆楽公園キャンプ場を6時ちょうどに出発してから150km走った。休憩を含まない平均スピードは19.6km/hと昨日よりも速かった。まさに2日連続の激走だった。そして休憩時間も含めた平均時速は15km/hだった。カメ作戦よりはずいぶん早いが、ブルベに備えて休憩時間を短くした割には2時間20分も休憩していたことになる。今日は8回休憩したので1回あたりの平均時間は17分ほど。そんなにダラダラと休憩した覚えはないが北海道自転車ツーリングではどうしてもそれくらいはかかってしまうということだろう。
今日は本当はこの層雲峡オートキャンプ場の8km先にある層雲峡野営場に泊まりたかった。層雲峡オートキャンプ場は既に2回宿泊したことがあったが層雲峡野営場には泊まったことがなかった。しかも層雲峡野営場は層雲峡のホテル街に近くキャンプ場から歩いてコンビニや温泉にも行けてしまうのだ。しかし昨年は給水設備の故障で閉鎖されていたというのを聞いていたので今年はどうだろうと心配していたら、案の定今年も閉鎖だった。仕方がない、あきらめよう。 キャンプ場に着いた頃には雨は止んでしまったので受付を行う。昨日に続いてキャンプ場はいっぱいでフリースペースにはもうテントを張る場所がないと言う。しかし管理人さんは気の利いた人で「いっぱいだから空いてるスペースがあればどこでも張っていいよ」と言ってくれたので、とりあえず自転車でキャンプ場を一周することにした。 確かに管理人さんの言う通り本来のフリースペースにはテントがあふれかえりチャリダーの小さなテントを張る場所もなかった。しかしそれ以外の場所ならまだまだ場所はありそうだ。最初は一番奥の駐車場の脇にテントを張ろうかと自転車を止めたが、やはり駐車場の横だと車の出入りがうるさそうだったので断念して、入口近くの通路から少し入ったところにある高台の上に陣取った。ここは今から考えるとトイレや水場に近くて、かつ人気が少ないという素晴らしい立地条件だった。 場所を決めたはいいが、テントは昨日の月形での設営時に雨に降られて床まで濡れて昨夜はすごい不快な思いをした。私は何とかここでテントを張る前にせめて床だけでも乾かないものかとテントを逆さまにして床を乾かそうとするが、その瞬間に雨が降り出してしまいあきらめるしかなかった。今夜も濡れたままのテント床で過ごすのかと思うと気が滅入ってくる。
層雲峡オートキャンプ場はかつて層雲峡青少年旅行村という名前で呼ばれていたが、2003年に層雲峡オートキャンプ場に名前を変更した。しかしオートキャンプは可能ではあるがオートキャンプ場という名前からイメージするキャンプ場にはほど遠く、フリーサイトの周囲に周回通路があってその通路に車を止めればオートキャンプができます的な簡易なものだった。しかし私にとっては変に設営場所まで決められた規格化されたキャンプ場よりもこうした野営場のようなキャンプ場の方がありがたい。 このキャンプ場は2004年と2010年に宿泊しているので今回は10年ぶりの訪問となる。昔はオートキャンプ場と名乗る割には設備も何もない野営場のようなキャンプ場だった。今はオートキャンプ場にありがちな区画の区切りこそないものの、入口には建てられたばかりと思われる立派な調理場とトイレ、ランドリー、シャワールームがあってびっくりしてしまう。
しかしテントに戻っても雨は止む気配がない。このままでは自炊もできないので私は炊事場に自転車を乗り付けて炊事場で夕食を作ることにした。幸いなことに炊事場にはテーブルがあったのでこのテーブルを有効に使わせてもらう。今日の夕食は牛丼と味噌汁とカップ野菜。17時20分から炊飯を開始。しかしお腹が空いていたので米を炊いている間にカップ野菜を食べてしまい、さらに米を蒸らしている間に味噌汁まで飲んでしまい、最後に残った牛丼だけ食べることとなった。炊事場で自炊すると後片付けが楽なのがよい。
雨は17時頃から20時くらいまでかなり降り続いた。テントを張った場所は浸水するような場所ではなかったが、17年前のテントではフライシートが全く防水の役目を果たしていないので、それがインナーテントと触れると雨漏りするのだ。案の定、インナーテントのボトムとシートとの縫い目から浸水していた。この浸水はテントを張る場所の見極めでどうにかなるものではない。もう買い換えるしかないだろう。 今日は日曜日なので21時からは半沢直樹が放映されている。私もこのドラマは好きだったのでぜひとも見たかった。その為にスマホでワンセグを見ようとアンテナまで持参してきたが、あいにくここ層雲峡ではワンセグを受信することはできなかった。見たかっただけに残念だ。 そう言えばコロナウイルスがもしなければ、オリンピックは7月24日〜8月9日まて行われていたはずだ。そして私の北海道自転車ツーリングは8月7日〜8月17日を予定していたので3日間は重なっている。ロンドンやリオデジャネイロの時もそうだったがオリンピックでの日本人選手の活躍をキャンプ場のテントの中で聞くととても励まされる。それが東京で開催されるのだからとても楽しみにしていたのだが残念だった。 実は今回の北海道自転車ツーリングで1200km弱走れば、スポーツとして自転車に乗り始めてから18年間の通算走行距離が70000kmに達する。私はぜひともそれを今回の北海道自転車ツーリングで迎えたかったが、さすがに9日、いや最終日は走らないので8日で1200kmを走るには毎日今日と同じだけ走る必要があるが峠も含めるとそれは不可能に近く断念するしかない。 今日は予想以上に暑く、昼間はそれなりに汗をかいた。そして水も自転車で走りながら2リットルほど飲んだ。ポカリスエットを飲んだからまだよかったが、これが単なる水だと体の塩分濃度のバランスが崩れて熱中症になるところだった。心配だったので塩分補給に塩飴もなめておく。 明日の天気予報は午前中曇りで午後からは晴れそうだ。当初の計画では明日は三国峠を越えた後、糠平から幌鹿峠、白樺峠を越えて然別湖と士幌を経由して上士幌に行く予定にしていた。しかし2日連続で無茶な走りをすると無理がたたりそうだったので明日は糠平から上士幌に直接ショートカットして走行距離を90kmくらいに押さえるつもりだ。 昨日は旅の日記を8割ほど書いたところであきらめて寝たが、今日は3時間かかってもまだ3〜4割ほどしか書けていない。このまま今日の分を書き切るまで頑張ると寝るのが間違いなく深夜になってしまうので、あきらめて寝ることにした。今回はボイスレコーダーを多用しているので概要はそこに録音しているし、書く内容は箇条書きにしているので帰宅後に書くしかないだろう。
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