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北海道自転車ツーリング 9日目
羅臼〜斜里〜女満別 −知床峠越え−
2017年08月19日

9日目の走行地図

9日目の速度グラフ
速度
9日目の高度グラフ
高度

 昨夜は23時に寝たが0時過ぎに目が覚めた。しかしそれ以降はぐっすりと寝る事ができ目覚めたのは4時10分だった。この羅臼温泉野営場の隣には露天温泉の熊の湯があり、朝一番ならすいているだろうと、まだ薄暗い中テントを抜け出すと風呂道具を持ってキャンプ場を下り熊の湯まで行ってみた、しかし入口の橋は清掃中と書かれたロープが張られていてクローズドになっていた。いったいいつから開くのだろうか?
 仕方なくテントに戻るとテントの中で旅の日記を書いて時間をつぶした。今朝は一発でポメラが表示した。昨日のおじいさんが起きていたので熊の湯がいつ清掃が終わるかを聞いてみると、3時30分だったらまだ入れるけど今は清掃中だから6時くらいにならないと入れないとの事だった。仕方がない温泉は最後にしよう。
撮影日時:2017/08/19 05:15:13 シャッター速度:1/25 絞り:F5.6 焦点距離:136mm
朝食を自炊する
撮影日時:2017/08/19 05:16:50 シャッター速度:1/50 絞り:F5.0 焦点距離:61mm
マルちゃんのダブルラーメン
 先にテントの撤収準備を進めることにして5時から朝食の支度する。今日の朝食はラーメンだがいつものラ王は食べ尽くしてしまったので、今朝はマルちゃんの北海道限定販売であるダブルラーメンだ。これはこれでおいしかった。4日前の朝食にもアメリカで買ってきたマルちゃんを食べたが麺はほとんど同じ味だ。しかしスープの味はアメリカの方が大味で日本の方が繊細、というか私自身の舌が日本の方に慣れすぎていて日本向けのマルちゃんの方がおいしく感じた。
 そろそろ清掃も終わっているかなと思って熊の湯に5時30分頃にも行ってみたがまだクローズだったので撤収だけ進めておく。天気予報では曇りになっていたが驚いたことに朝から太陽が出て青空まで見えてきた。ちょうどテントに日が射したので私はここぞとばかりにフライシートとグランドシートを干した。
撮影日時:2017/08/19 05:40:48 シャッター速度:1/40 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
羅臼温泉野営場のキャンプ風景
撮影日時:2017/08/19 05:53:36 シャッター速度:1/40 絞り:F8.0 焦点距離:50mm
太陽が出てきたのでテントを干す
 6時過ぎに撤収準備が完了した。これから温泉に入って色々していたら出発は7時を過ぎることだろう。今日は知床峠を越えて女満別まで120kmほど走る予定だ。さすがにこれだけ出発が遅くなるとキャンプ場に着くのが遅くなりそうだったので残念ではあるが熊の湯への入浴は断念する事にした。昨日のおじいさんからは「もう温泉に行ったのかい?」と聞かれたので「遅くなりそうだったので断念しました」と言う。
 私が出発する直前に昨日話していた外国人がバックパックを背負って出発していった。今日はどこに行く予定かと英語で聞いたら基本的には阿寒国立公園に行くと言っていた。ノーマリーという言葉を強調していたので、事と次第によってはどうなるかわかりませんよと言うことだろう。あまり予定を立てずに成り行きに任せて旅をするのだろう。私の旅も似たようなものだ。
撮影日時:2017/08/19 06:25:27 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:32mm
青空が見えてきた
撮影日時:2017/08/19 06:26:10 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
出発直前の自転車
 昨日お世話になった隣のテントの人やおじいさんに別れを告げて羅臼温泉野営場を出発。やはりここに来て良かった。なぜ2008年の訪問以来こんなに間隔を開けてしまったのだろう。やはり羅臼は北海道自転車ツーリングの原点だ。もう少しちょくちょく訪れるようにしよう。
 6時30分にキャンプ場を出発。キャンプ場前の国道で先程の外国人がライダーを捕まえて何やら英語で喋っていた。最初は知り合いかと思っていたが、どうも彼はヒッチハイクをしたいように見えた。しかしライダーにヒッチハイクを依頼しても断られるのはわかるだろうし、結局謎のままだった。
撮影日時:2017/08/19 06:28:59 シャッター速度:1/30 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
羅臼温泉野営場の入口から撮影
撮影日時:2017/08/19 06:31:00 シャッター速度:1/20 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
羅臼温泉野営場
 キャンプ場前の国道334号線は急な登り坂になっていていきなり苦しめられる。しかしこれを乗り越えて、トンネルを過ぎて翔雲橋まで行けば何とかなることを私は知っていた。キャンプ場は晴れていたが1kmも走らないうちに太陽が雲に隠れてしまった。それでも羅臼岳の頂上は見えている。
 翔雲橋まで行くと根室海峡が雲海で隠され。その雲海から国後島の泊山や羅臼山が突き出ている神秘的な光景を見た。雲海越しに見る光景は竹田城跡やトマムの雲海テラスなどが有名だが、この雲海越しに見る国後島もなかなかきれいだ。私はここぞとばかりに写真を撮った。今日はなかなか写真日よりかもしれない。
撮影日時:2017/08/19 06:56:15 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
翔雲橋が見えてきた
撮影日時:2017/08/19 07:05:28 シャッター速度:1/40 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
翔雲橋は眺めがよい
 翔雲橋を過ぎるとカーブが多くなる代わりに傾斜がわずかに緩やかになる。先ほどのおじいさんも言っていたが、私も知床峠はウトロ側よりも羅臼側から登った方が楽な気がする。私の感覚では羅臼側は勾配が一定ではなく、急なところと緩やかなところがあり息継ぎができるのが楽に感じる理由ではないかと思う。さらにウトロ側はひたすら直線で壁のような羅臼岳の山肌を見続けながら走るのに対し、羅臼側は根室海峡越しに国後島を見ながら走る事ができるのも大きいだろう。
撮影日時:2017/08/19 07:22:44 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
知床峠は所々晴れていた
撮影日時:2017/08/19 07:32:13 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
3合目まで登ってきた
 しばらくは急坂を我慢しながら登り、1時間ほど登った標高390m地点で7時25分からパンを食べて休憩する。この頃から再び太陽が顔を出すようになった。とは言っても完全な晴れではなく、雲の切れ間から時々太陽が顔を出す程度だ。さらに羅臼岳も雲に隠れたり顔を出したりを繰り返していた。
撮影日時:2017/08/19 07:43:32 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:34mm
羅臼岳も見えた
撮影日時:2017/08/19 07:49:13 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
雲海の向こうに国後島が見えた
 今日も北海道は涼しいのだが、さすがに知床峠を登るとなると汗が滴り落ちてくる。しかし標高を上げるに従って曇りの割合が多くなり気温も下がって汗をかかなくなってきた。これだけ汗をかかずに知床峠を登ったのは初めてだろう。まだ朝早い事もあって交通量も少なく、かなり楽な登りとなった。
 8時15分に見返り峠に到着。ここからも雲海越しに国後島がよく見えたので何度も自転車を絡めて写真を撮った。しかし残念ながらこの頃には太陽は完全に雲に隠れてしまった。これて晴れていればもう少しいい写真が撮れたのだろうけどこればかりは仕方がない。
撮影日時:2017/08/19 08:00:42 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
5合目まで登ってきた
撮影日時:2017/08/19 08:16:44 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
見返り峠まで登ってきた
 見返り峠からも登り続け知床峠の頂上が近づいた頃、私は自分撮りがしたくなり雲海越しに国後島が見える場所を選んで三脚をセットして自分撮りを行った。しかし何度トライしても写真の構図の中のいい場所で自転車をとらえて撮影する事ができず、時間をかけて撮影しているうちにあたりが霧で包まれ、国後島も雲海も何も見えなくなってしまった。しばらく待っていたが霧が晴れそうになかったのであきらめて撮影は断念する事にした。
撮影日時:2017/08/19 08:14:37 シャッター速度:1/800 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
雲海の向こうに国後島が
撮影日時:2017/08/19 08:44:58 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
雲海バックに自分撮り
 これまで羅臼岳の頂上はわずかに見えていたが今では完全にガスで隠れ、私のいる場所も霧で包まれた。私は仕方なくそのまま頂上まで登り8時55分に標高738mの知床峠に到着した。今回は出発から2時間25分かかっている。過去には2時間で登った記録もあるが景色がよかった事からあっちこっちで自転車を止めて撮影し、おまけに自分撮りまでしていたらこんなものだろう。
 知床峠の頂上には6〜7人組のチャリダーがいた。知床峠の石碑の前に陣取っていたのでちょっと退いてもらって石碑の前に自転車を持ち込んで撮影する。彼らは私の自転車にとても興味があるようで写真を撮らせて下さいと言ってデュラエースのカーボンホイールと同じくデュラエースのチェーンリングの写真を撮りまくっていた。彼らは「すごい、決戦用のディープリムのカーボンホイールをはいてる」とか「俺のホイールと交換したい」とか口々に言っていたが、きっと半分は「こいつキャンプツーリングにこんなホイールはいてバカじゃないの」と思っていたに違いない。彼らには言わなかったがホイールやチェーンリングだけでなくステムやヘッドパーツ、シートポストもデュラエースなんだぜ。ちなみにこの時私の自転車は写真を撮られまくったのでどこかのSNSにアップロードされているかと思って探してみたが見当たらなかった。
撮影日時:2017/08/19 08:57:08 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:34mm
知床峠頂上の石碑
撮影日時:2017/08/19 09:07:14 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
下りは霧が深い
 さすがに下りをジャージー1枚では寒すぎるだろうと知床峠の頂上でレインスーツを着て9時ちょうどからウトロ側に下り始める。ウトロ側は濃い霧で視界が50mもなく、景色を楽しむどころか追突されないようにリアのフラッシングライトを点滅させながら下った。
 しばらく下ると霧はやがて晴れ視界は良くなった。ウトロ側は急な下りの直線が続くのでスピードを出す気になれば60km/h以上は出そうだったが、さすがにそれだけのスピードを出すのは怖いのでブレーキをかけながらスピードを30km/hくらいに抑えて走った。
撮影日時:2017/08/19 09:14:48 シャッター速度:1/60 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
網走まであと87km
撮影日時:2017/08/19 09:21:25 シャッター速度:1/30 絞り:F8.0 焦点距離:112mm
知床峠を下る
 ウトロ側下りのちょうど中間点付近でスピードメーターの距離計が958kmを示していた。私は慌ててブレーキをかけて自転車を止めるとその写真を撮影した。958kmというのは今回の北海道自転車ツーリングで958km走ると、これまでの私の北海道自転車ツーリングでトータル走行距離20000km達成となるのだ!! 20000kmと言えば地球半周に相当する。よくこれだけの距離を北海道の中だけで走ったものだと我ながら感心してしまう。
 スピードメーターの写真を撮影するために自転車を止めた場所から遠くない距離の道端にエゾシカがいた。私は反対車線側にいるエゾシカのすぐ近くまで自転車で近づいたが逃げる素振りを見せなかったので、その場に自転車を止めると自転車と一緒にエゾシカを撮影した。ここ知床のエゾシカは野生でありながら本当に逃げない。奈良公園や宮島の飼い慣らされたシカほどではないが、野生としては人間をほとんど警戒しない。
撮影日時:2017/08/19 09:22:05 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
北海道自転車ツーリングで20000km達成
撮影日時:2017/08/19 09:34:32 シャッター速度:1/40 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
エゾシカがいた
 知床峠を更に下ると霧雨が降り始めた。レインスーツの上は既に着ていたので、レインスーツの下も着てツーリングマップルをフロントバッグにしまって走る。野塚峠や氷山峠に続いて知床峠の下りも雨になってしまいブレーキシューをすり減らしながら走った。この知床峠を下ればこの先もう峠はないが、その知床峠を下りきるまでブレーキシューが持つかどうかが心配になる。
 途中知床自然センターがあったが、雨も降っていたしパスする。さらに下るとプユニ岬だ。ここはウトロの町をオホーツク海を前景に知床山脈を背景に見る事のできる景勝地なのだが、今日のような雨降りだとあまりいい写真は撮れないだろう。私はこのプユニ岬を5回訪れているが、晴れた時に見る事はほとんどない。
撮影日時:2017/08/19 09:40:33 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
プユニ岬から見たウトロ
撮影日時:2017/08/19 09:46:10 シャッター速度:1/60 絞り:F8.0 焦点距離:43mm
知床国立公園
 知床峠の下りを下りきって9時55分にウトロの町まで降りてきた。ウトロの町では雨は降っていなかったが路面は濡れていたので先ほどまで降っていたのだろう。私はセイコーマートに立ち寄ってキャンプ場で出たゴミを捨てカルボナーラを買って店の前で食べた。
 店の前でカルボナーラを食べているとワンボックスの車をコンビニに乗り付けてキャンプ場で出たと思われる大量のゴミをコンビニのゴミ箱に捨てていく集団がいた。コンビニのゴミ箱は投入口が小さいので当然そんな大きなゴミ袋はコンビニのゴミ箱に入らないのだが、彼らはゴミ箱の蓋を取ってゴミ袋をゴミ箱に押し込み、また蓋を閉めていった。こんな事をする輩がいるからコンビニのゴミ箱が撤去されるのだということを実感する。
 10時5分にコンビニを出発する。ウトロの町では天気もよくなかったので素通りするつもりでいたが、ゴジラ岩だけは見ていこうと思い立ち、ウトロ崎に向かって走り始めた。ウトロ崎に向かう途中に見覚えのある岩が見えてきた。これがウトロ名物のゴジラ岩だ。正式名称はローソク岩というが、岩の形がゴジラのように見える事からゴジラ岩と呼ばれている。ただしゴジラに見える角度は限られておりどこから見てもゴジラに見えるわけではない。それでもゴジラっぽく見える場所に自転車を乗り付けて写真を撮った。
撮影日時:2017/08/19 09:59:46 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:91mm
カルボナーラを食べる
撮影日時:2017/08/19 10:10:29 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
ゴジラ岩
 ウトロの町を離れようとしたが、朝キャンプ場でトイレに行き忘れていてこの先当分トイレもなかったことから道の駅「うとろ・シリエトク」に立ち寄った。自転車を止めてトイレに行こうとすると若い女の人が私に声をかけてきた。どうやら自転車で来た人にアンケートしているとのことで協力してほしいと言う。私は単なるアンケートなら協力するつもりはなったが、自転車で来ている人だけにアンケートしていると聞いて答えないわけにはいかないと考え協力することにした。
 アンケートの内容というのはこれまでどこを走ってきたか? 観光地はどこに行ったか? これからどこに行くのか? 走りにくい道はなかったか? などというものだった。その時に見せられた地図は網走から東側、標津から北側の道東の北側の地図を示されたので、昨日から今日にかけてのコースを書いた。しかし昨日も今日もほとんど観光地には寄っていないので、ゴジラ岩とこれから寄るであろう天まで続く道を回答する。
 最後に走りにくい道を聞かれ、私はこれから走る予定にしている国道334号線の日の出から峰浜までの区間を強調して回答した。ここは2003年に初めて北海道自転車ツーリングに来た時からこの国道334号線の日の出から峰浜までの区間が交通量は多いのに路肩がほとんどないに等しいくらい狭くて自転車が走っていると車がすれ違うことができず後続車両が数珠つなぎになることが度々あった。道東自動車道を足寄まで延ばすくらいならこの国道334号線を整備する方がよほど重要なのにと思ってしまうが、14年経っても何も改善されていない。
 アンケートは質問の項目が多く、すべて回答するのに15分ほどかかってしまった。アンケートをしてくれた人に景品があると言われたので私は即座に「荷物になるからいらない」と断ったが、携帯用の地図だからといって有無を言わせず持たされてしまった。そればシーニックドライブマップという定価200円の地図だった。
撮影日時:2017/08/19 10:32:14 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
道の駅「うとろ・シリエトク」
撮影日時:2017/08/19 10:52:17 シャッター速度:1/15 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
三段の滝
 無事にアンケートを終えてトイレに行って用を足し10時40分に出発するがアンケートに引っかかったことでトイレで給水するのをすっかりと忘れていた。道の駅を出発すると新しく作られたパイパスではなく旧道を走ってウトロの町中にある個人名の付いたバス停を探したが、残念ながら見つけることはできなかった。きっと廃線になったのだろう。網走の個人名のバス停も廃線になったのでこうした個人名のバス停は今後も次々と減っていくのだろう。
 ウトロの町を離れ、ようやく国道334号線の海岸線沿いを走るようになった。今日は出発から4時間10分かかってまだ30kmしか走っていない。平均時速にするとわずか7.2km/hだ。知床峠を越えたからと言ってもこれは遅すぎる。もう少しペースをあげて走ることにしよう。
 海岸沿いを少し走ると三段の滝が見えてきた。三段の滝は誰もいなかった事から滝の前に自転車を持ち込み撮影する。三段の滝から少し走るとオシンコシンの滝だ。オシンコシンの滝にも立ち寄ろうと考えていたが、観光バスが何台も止まり観光客で溢れ返っていたのでパスする事にした。そう言えばオシンコシンの滝は北海道自転車ツーリングを始めて最初の何年かは訪れていたが、あまりの観光客の多さに嫌気が差しここ10年以上は訪れる事もなくなり、ただの目印でしかなくなってしまった。
 オシンコシンの滝を過ぎるとここから先はオホーツク海沿いの路肩の広くてフラットな快適な道が日の出まで11kmほど続く。今日は残念な事に今にも雨の降りそうな曇り空だが晴れていれば知床山脈を眺めながら走る事のできるお勧めの道だ。今日はいつものように東からの風ではなく北からの風なのだが、場所によっては逆風になったり追い風になったりとわかりにくい風だった。
撮影日時:2017/08/19 11:03:24 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
オホーツク海沿いを走る
撮影日時:2017/08/19 11:29:56 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
このあたりは走りやすい
 オホーツク海沿いの快適な道もやがて終わりを迎え、先ほどもアンケートの調査員に愚痴を言った国道334号線の日の出と峰浜の間の区間に入った。この区間の何が嫌かというと、とにかく道幅が狭いのだ。路肩はなくて車道も狭い。それでいて世界遺産知床への入口の幹線道路なので交通量も多い。対向車がいなければ反対車線にはみ出て追い越す事は可能だが、対向車が来ていると車が自転車を追い越す事は不可能だ。ましてこの区間はアップダウンがあるので自転車はふらついている。無理に抜こうとすると接触は必死だ。そしてこの区間は前後10km以上にわたって信号がない。信号がないというのは車列ができやすい。だから後続車が自転車を追い抜こうにも対向車が途切れないため、後続車は自転車の坂を登る7〜8km/hくらいのゆっくりしたスピードで何十台もすれ違うまで付き合わされることになる。これを我慢して待ってくれるドライバーであればいいのだが、中には接触覚悟で無理に抜こうとするドライバーがいるので危険きわまりない。その場合はわざと車道の中央よりを走って対向車がいなくならない限り無理に追い越しできないようにした方が安全だ。幸いにも今回は交通量も少なくあまり危険な思いをする事はなかった。しかしこの道、自動車にはねられるチャリダーの犠牲者が何人か出ない限り道幅が広げられる事はないのだろう。
 日の出と峰浜の間の道幅の狭い走りにくい区間を抜けるとようやく峰浜の集落に出た。時間も遅れているので寄り道せずに進みたかったのだが、私は今日どうしても行きたい場所があった。それは天まで続く道だ。これまで天まで続く道は何度か行ったことがあるが天気が良くなかったり自撮りができなかったりでいい写真が撮れなかった。今日これから走る予定の斜里から網走にかけては観光地が多数あるが、私は他の観光地はパスしてもここだけは立ち寄ることにした。
 私は国道334号線を外れて天まで続く道に入っていった。この道は最初のうちこそ勾配はきつくないが、次第にきつくなりやがて10%近くに達する。山の裾野を真っ直ぐに登るので目的地はすぐそこに見えているのだが傾斜がきつくて時速5km/hくらいしか出ずなかなか到着しない。その間も天まで続く道に行くであろう観光客の車に次々と追い抜かれ、彼らが頂上で眺めを楽しんでいるのを自転車で登りながら見ているしかなかった。
 ヘロヘロになりながらも、ようやく12時20分に天まで続く道の頂上に到着。上には2組の観光客がいた。そのうちの1組はすぐに帰っていったので私は道の真ん中に三脚を立ててカメラをセットすると自転車で少し下ってUターンして自撮を開始。しかしなぜか今回は赤外線レリーズの調子が悪く何度トライしても撮影できない。4〜5回くらい繰り返したがどうしてもシャッターは切れなかった。
 その様子を横で見ていた若い女の人2人組が「シャッター切りましょうか?」と提案してくれた。カメラは三脚にセットしてあるので構図は固定してある。あとはシャッターボタンを押してもらうだけだったので私は合図と同時にシャッターボタンを5〜6回押して下さいと依頼した。自転車で坂を少し下るとUターンして登り始めると同時にシャッターを切るように合図を出した。撮影された写真を見るとなかなかよく撮れていた。まあ三脚にセットされたカメラのシャッターボタンを押しただけなのでこんなものだろう。
撮影日時:2017/08/19 12:28:46 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
天まで続く道
撮影日時:2017/08/19 12:51:06 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
名もなき展望台から見た直線道路
 自分の撮影は終えたが今度は彼女たちが撮ってほしいと言う。また撮ってもらったのだからお返しするのは当然だろう。私は彼女たちがポーズをつけて坂の上で並んでいるのを彼女たちのスマートホンで撮影したが、彼女たちはどうしてもインスタ映えする写真を撮りたいらしくお互いのポーズが決まっていないことを理由に何度も取り直しさせられた。どうやら二人のポーズが完全に左右対称になっていないと納得しないようだ。仕方なく私は「右の人、もうちょっと左手を上に」とか言って左右対称になるように指示を出して、10回くらい撮影しなおしてようやくOKが出た。まるで黒澤監督に何度も撮り直しさせられる役者の心境だった。
 どうにか彼女たちに許しをもらい撮影を終えて天まで続く道の坂を下った。天まで続く道を少し下ると今度は名もなき展望台だ。ここにはライダーや観光客らしき人が10人くらいいたが、みんな展望台で景色を楽しんだり芝生で弁当食べていたりしていて27km先まで見下ろす道の上で撮影している人は誰もいなかった。そこで私はこの名もなき展望台の横の道路でも自撮りに挑戦する事にした。
 道の真ん中に三脚をセットしてカメラを固定し赤外線レリーズをトライしてみるが、やはりシャッターが降りない。仕方なくあきらめてセルフタイマーで撮影することにした。何度かトライすることになったものの、これはこれでうまく撮影することができた。「赤外線レリーズなどなくてもいいのでは?」という気がしないでもなかった。
 撮影を終えて名もなき展望台を出発した時には12時50分になっていた。今日は12時過ぎの段階で60kmも走っていない。カメ作戦よりもはるかに遅く平均時速10kmにも達していない。本当にこんなペースで明るいうちに女満別に到着できるのか心配になってきた。ここから先は女満別まで観光地が続くがあまり悠長に立ち寄っている時間はないだろう。
撮影日時:2017/08/19 12:40:59 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
名もなき展望台から見た景色
撮影日時:2017/08/19 13:00:42 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
朱円小学校の花壇
 坂を下って国道334号線に合流し少し西に走ると朱円小学校が見えてきた。ここは国道沿いにある花壇がきれいなのでここを通るたびに毎回のように撮影させてもらっている場所だ。手入れを欠かさない用務員さんに感謝しつつ今回も撮影させてもらう。
 この朱円小学校から先の国道334号線は道幅も広くなり走りやすくなる。この道を8kmほど走れば斜里の町だ。斜里に向かう頃には段々と雲が薄くなり薄日が差すようになってきた。もう雨が降ることはないだろう。私は自転車を止めて顔に日焼け止めをぬった。
 13時25分に斜里に到着。10時にウトロで食事して以来何も食べていなかったので、コンビニで弁当を買って店の前で食べることにした。過去の北海道自転車ツーリングでは昼飯にコンビニ弁当というのはそれほど多くなかったように記憶しているが、今年は毎日そのパターンのような気がする。
撮影日時:2017/08/19 13:04:58 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
国道334号線の直線道路を走る
撮影日時:2017/08/19 13:27:39 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:50mm
コンビニで弁当を食べる
 13時40分にコンビニを出発し再び国道244号線を西に走る。出発から7時間10分でたった67kmとは情けない。この国道244号線も逆風か追い風かよくわからない風の中をひたすら走った。このペースで走ると女満別到着時には日が暮れそうなのでペースをあげて走るしかない。斜里から先の国道244号線は一気に交通量が増える。路肩が広いので危険と言うほどではなく、また斜里を出発した頃から太陽が顔を出し青空まで見えてきた。このあたりは晴れていれば景色もいいので周りを見渡し風景を楽しみながら走った。
 JR止別駅近くの交差点から国道244号線を外れて道道557号線に入る。JR止別駅に立ち寄るとここには駅舎内にラーメンきっさ「えきばしゃ」があった。元々この止別駅は有人駅だったが1984年に簡易委託化されて駅事務室にえきばしゃが入店。それからしばらくはこのラーメン店で切符の販売や改札業務も行っていたが、1992年から簡易委託廃止となり、現在は無人駅となっている。JR釧網本線の止別駅から藻琴駅の間は駅舎を利用した店があり観光地にもなっている。
撮影日時:2017/08/19 13:58:14 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
斜里を出ると晴れてきた
撮影日時:2017/08/19 14:17:38 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:27mm
止別駅のラーメンきっさ「えきばしゃ」
 止別駅を出発するとここから先はオホーツク海岸道路を走る。オホーツク海岸道路とはJR釧網本線の浜小清水駅から止別駅までの5kmほどにわたって、JR釧網本線の線路沿い走る町道の事だ。国道244号線と平行に走っており国道244号線よりも景色がよくて交通量も少なく、チャリダーやライダーにはこの道がお勧めだ。
 このオホーツク海岸道路の止別川河口に架かる北4号橋にパトカーが何台も止まっていた。こんな田舎で何をしているのだろうと見ていると、それはどうやら密漁の取り締まりのようだ。この止別川河口は北海道でも有数の秋鮭の漁場らしく釣り人がたくさん訪れるそうだ。しかし釣りの解禁日は9月に入ってからなので、今鮭を釣ると密漁となる。どうやらそれの取り締まりに来たようで、何人かが取り調べを受けているようだった。
撮影日時:2017/08/19 14:25:20 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
止別川河口で密漁の取り締まりが
撮影日時:2017/08/19 14:28:15 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:112mm
オホーツク海岸道路を走る
 やがてオホーツク海岸道路は終わりを迎え、国道244号線に戻った。国道に合流するとすぐに道の駅「はなやか小清水」だ。14時40分に道の駅に到着。ここまで89km走っている。女満別まであと40kmと言ったところだ。ウトロの道の駅で給水を忘れたままここまで来てしまったので、この小清水の道の駅で給水することにした。よく考えたら私ははなやか小清水のトイレに入るのは初めてのような気がする。あまりに新鮮だったので駅のホームまで出てみた。
 はなやか小清水を出発し再び国道244号線を西に走る。ここから先は女満別まで観光地が次々と続いている。今日は天気もよくなっていたのでぜひともこれら観光地の1つ1つを訪問したいところだが観光地に寄らなかったとしても女満別到着が17時30分頃になりそうだったのであまりのんびりしていられない。泣く泣く観光地は断念することにした。
撮影日時:2017/08/19 14:39:32 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
道の駅「はなやか小清水」
撮影日時:2017/08/19 14:49:58 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
展望牧舎のパーキング
 はなやか小清水を出発してすぐにフレトイ展望台がある。ここはオホーツク海や知床連山を見渡すことのできる景色のよい場所だが、もう行っている時間はない、パスだ。フレトイ展望台の次に見えてくるのは展望牧舎だ。ここは国道と濤沸湖の間に馬の放牧場があり、6月上旬から10月頃までの夏の間、馬が放牧されている。この放牧場の横にはパーキングがあり、そこから100mほど牧草地の中の木道を歩くと、巨大な東屋のような牧舎まで行く事ができる。この牧舎に馬がいたら行ってみようかと考えていたが、あいにく馬は牧草地で餌を食べていたので国道から写真だけ獲って先を急ぐ。
 展望牧舎の次は小清水原生花園だ。北海道には数多くの原生花園が存在するが、おそらくここが一番有名な原生花園だろう。何せ1954年に昭和天皇、そして1958年には現在の天皇陛下も訪問されているくらいなのだから。ただしここものんびりと観光している時間はなかったことからパスする。よく考えたら私はこの小清水原生花園の前を過去10回以上も走っているが、原生花園の中まで足を踏み入れたことはよく考えたら2004年の1回切りのような気がする。
 小清水原生花園の看板の前で写真だけ撮って出発しようとしたらソロの女性のチャリダーがいたので声をかけてみた。するとこの女性のチャリダーは外国人の女の人だった。幸いにも彼女は日本語がペラペラだったので話を聞いてみた。彼女は今日、能取を出発して斜里まで行くらしい。距離的には70kmくらいなので多くは走らないようだ。と言うよりこの区間は観光地も多いので距離を減らしてでもゆっくりと観光していきたいものだ。
撮影日時:2017/08/19 14:54:51 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:34mm
小清水原生花園
撮影日時:2017/08/19 15:07:57 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
濤沸湖のパーキング
 小清水原生花園を出発し再び国道244号線を西に走る。東の空はまだ曇っているが西の空は完全に晴れているので正面に太陽を光を浴びながら走る。今年の北海道自転車ツーリングは曇りばかりでほとんど太陽を見ることはなかったが、ようやく晴れてくれたようだ。途中、濤沸湖のパーキングで自転車を止めて濤沸湖をバックに写真を撮る。
 国道244号線のオホーツク海と濤沸湖の間の区間を抜けるとJR北浜駅だ。この北浜駅には北浜駅展望台がある。時間はあまりなかったが、写真を撮るだけならロスも少ないので立ち寄る事にした。ところが北浜駅まであと200〜300mに迫ったところで観光バスが駅の前の駐車場に入っていくのが見えた。こんな辺鄙な観光地に観光バスが来るとは珍しい。ただ、観光客の集団に駅周辺をウロウロされたら嫌だなと思って観光バスから観光客が吐き出されるよりも早くに駅の前に行って写真撮影しようと考えた。幸いにも観光バスは駐車に手間取ったようで私の方が間一髪先に駅前に到着した。早速、駅舎の前に自転車を止めて撮影しようとしたが、シャッターを切ろうとした瞬間、自転車が倒れてしまった。これを起こし直しているうちに大量の中国人があたりをたむろするようになってしまった。
撮影日時:2017/08/19 15:19:59 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
北浜駅の喫茶「停車場」
撮影日時:2017/08/19 15:21:28 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
北浜駅展望台から見たオホーツク海
 この北浜駅は2008年に中国でヒットした映画「狙った恋の落とし方」(中国名「非誠勿擾」)の舞台となった場所で、ゆえに日本の観光バスは見向きもしないような北浜駅でも中国人観光客を乗せたバスはやって来るというわけだ。良くも悪くもこの「狙った恋の落とし方」のおかげで北海道には中国人観光客が大挙して訪れるようになり、有名な観光地はどこも中国語が乱れ飛び、ここは中国かと思ってしまうほどだ。
 駅舎の写真を撮るとついでに展望台に行ってみた。太陽は出ているが網走方面は雲が出ており、あまりいい写真は撮れなかった。この北浜駅には喫茶「停車場」があり私も北海道自転車ツーリングで何度かお世話になっている。時間があればここで食事していこうと思っていたが、もうその時間はなさそうだったので先を急ぐ事にした。
 北浜駅を出発すると再び国道244号線を走る。このあたりはオホーツク海沿いではあるが片側2車線となって交通量も多くなる。あとは女満別まで走るだけだ… と思っていたら、ちょうど運の悪いタイミングで赤信号に引っかかった。ふと隣を見ると反対側にJR藻琴駅が見えたので道路を渡って反対側に行き。藻琴駅の前に自転車を乗り付けて写真を撮った。この藻琴駅にも止別駅や北浜駅と同様、駅舎を利用した喫茶トロッコがある。元々この藻琴駅は有人駅だったが1986年に簡易委託化されて駅事務室にトロッコが入店。それからしばらくはこの喫茶店で切符の販売や改札業務も行っていたが、1992年から簡易委託廃止となり、現在は無人駅となっている。この喫茶トロッコは2014年に公開された北川景子氏主演の映画「抱きしめたい−真実の物語−」のロケ地ともなっている。
撮影日時:2017/08/19 15:31:49 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
藻琴駅の喫茶トロッコ
撮影日時:2017/08/19 16:04:23 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
網走駅
 藻琴駅を出発し国道244号線をさらに西に走る。藻琴駅から先の国道244号線は完全に幹線道路となって交通量も多くなり、走るのが楽しい道ではなくなる。そんな国道244号線を走り続けると、やがて網走港をぐるっと回って市街地に入った。私は道の駅「流氷街道網走」の前の道を走るつもりでいたが、少し手前で曲がってしまい国道244号線をそのまま走ってしまった。これはいつものことで、間違えても網走駅にはたどり着けることを知っていたのでそのまま走り続ける。ただ脇道に入ったので信号にかなり引っかかることになった。
 国道244号線は終わりを迎え網走駅に16時5分に到着した。ここではいつものように駅前の網走駅と書かれた表札の前に自転車を乗り付けて写真を撮る。通常JRの駅の表札は横書きが一般的だが、この網走駅だけは縦書きで書かれている。これは網走刑務所から出所してくる受刑者がもう二度と横道に反れないようにという願いが込められているそうだ。
 網走駅からも交通量の多い市街地の道を走り続けると国道39号線に入った。ここまで来れば女満別までは一直線だ。網走川の横を走り網走湖に入ると呼人浦キャンプ場が見えてきた。時間は16時15分とキャンプ場に入るにはいい時間だ。しかもこのキャンプ場は無料である事からライダーやチャリダーのメッカとなっており、国道から見てもたくさんソロのテントが張ってあった。私は女満別ではなくこの呼人浦キャンプ場に設営しようかとも考えた。しかしこのキャンプ場は国道とJR石北本線の隣にあるので夜中うるさい事を知っていた。私はあと14kmほど走って予定通り女満別まで行くことにした。
撮影日時:2017/08/19 16:16:52 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
呼人浦キャンプ場
撮影日時:2017/08/19 16:19:53 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
網走湖は晴れていた
 呼人浦キャンプ場は西陽が当たってよく晴れていた。今日は昼過ぎからずっと晴れているので今日は夕陽を見ることができそうだ。そう言えば今回の北海道自転車ツーリングでは朝日も夕陽も一度も見ていない。こんな事はこれまでの北海道自転車ツーリングでは一度もなかったことだが、最後の宿泊でようやく夕陽を見ることができそうだ。
 国道39号線をひたすら南下する。ところが呼人あたりから雲が出はじめて網走−女満別間にある唯一のアップダウンを走る頃には完全に曇ってしまった。この先の女満別の空は完全な曇りだ。私は夕陽のために呼人浦まで引き返そうかとも考えたが、おそらく呼人浦も夕陽の頃には雲に覆われるだろうと考え、このまま女満別に向かって走る事にした。しかしせっかく夕陽が見られると思って期待していただけにガッカリしながら自転車を走らせることとなった。
 この国道39号線の女満別の手前にある道の駅メルヘンの丘めまんべつの手前にはメルヘンの丘がある。時間も17時前で曇り空だったことからあたりは暗くなりかけていたが、一応自転車を止めて写真を撮っておく。やはり曇り空では写真映りは期待できない。
撮影日時:2017/08/19 16:48:48 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:43mm
メルヘンの丘
撮影日時:2017/08/19 17:11:26 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
女満別湖畔
 キャンプ場の手前のいつものコンビニで買い出しをする。最後の夕食なので豪勢にいこうと考えていたがセイコーマートにはあまり食べたいものが売っておらず、結局レトルトのキーマカレーとシュウマイの総菜、いつものカップ野菜、そして寝酒にガラナとポテトチップスを購入した。
 17時にようやく女満別湖畔キャンプ場に到着。まずは湖畔沿いに行ってキャンプ場の様子を視察。もうシーズンを過ぎたこともあってキャンプしている人はほとんどおらず、いつもだったら家族連れがテントを張っている通路沿いの特等席も空いていた。私はこの女満別湖畔キャンプ場にしようかとも考えたが、受付に行って女満別野営場の様子を聞くと今日は1組だけとの事だったので女満別野営場に泊まることにした。
撮影日時:2017/08/19 18:00:23 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:112mm
残念ながら夕焼けはこれだけだった
撮影日時:2017/08/19 18:00:58 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
今年の北海道自転車ツーリングで夕陽は見られなかった
 女満別湖畔から700mほど走ると女満別野営場に到着した。1組の家族連れがテントを張らずにバーベキューをしていたが気にせずに少し離れた場所に設営する。今日は雨も風もなさそうだったのでほとんどペグダウンすることなくテントを立て17時30分には設営完了した。すぐに米を水に浸して湖畔に行ってみる。もしかしたら夕陽を見ることができるのではないかと期待していたが、残念ながら太陽は完全に雲に隠れていて夕陽どころか夕焼けも見られなかった。
撮影日時:2017/08/19 18:05:52 シャッター速度:1/40 絞り:F6.3 焦点距離:80mm
夕食の食材
撮影日時:2017/08/19 18:13:54 シャッター速度:1/25 絞り:F6.3 焦点距離:91mm
夕食のご飯を焚く
 18時ちょうどから自炊開始。今夜はキーマカレーとシュウマイとみそ汁とカップ野菜。米は最終日にまだ少し余っていたので1合ちょっと炊いて夜中に夜食として食べることにした。コッヘルに入れたご飯を15分炊いて15分蒸らす。待っている間にポメラを立ち上げると今回はすぐに表示するようになった。ここで電源を落とすとまた表示するのに苦労することになるので表示したままにしておく。今日はご飯がうまく炊けたようだ。テントの前にレジャーシートを広げておいしく頂く。シュウマイがなかなかうまかった。食べ終わるとコッヘルを洗って片付け完了だ。
撮影日時:2017/08/19 18:14:51 シャッター速度:1/40 絞り:F6.3 焦点距離:24mm
テント前で自炊
撮影日時:2017/08/19 18:16:14 シャッター速度:1/25 絞り:F6.3 焦点距離:24mm
雲に覆われて夕焼けも見えなかった
 18時50分から1kmほど離れたところにあるいつもの湯元ホテル山水美肌の湯に温泉に浸かりに行くことにした。この美肌の湯は平日でもいつも込んでいるが、今日はそれほどでもなく露天風呂でも羽を伸ばす事ができた。この美肌の湯は泉質が良く本当に肌がすべすべになる。観光客だけでなく地元の人にも愛された温泉だ。
撮影日時:2017/08/19 18:30:51 シャッター速度:1/10 絞り:F6.3 焦点距離:70mm
夕食はキーマカレーとシュウマイとカップ野菜
撮影日時:2017/08/19 19:53:24 シャッター速度:1/13 絞り:F3.5 焦点距離:24mm
湯元ホテル山水美肌の湯
 シャンプーと石鹸が完備されていないので地元の人にとっては銭湯のようなものかもしれない。私はこういう場合に備えてシャンプーと石鹸を持ってきていたが、重量削減のため2回分しか持って来なかった。既に1回は陸別のふれあいの湯で使っており、これで最後になる。しかしよく考えたら明日入る予定のびほろ温泉後楽園にもシャンプーと石鹸がない。ここで使う分を残しておかなければならないので、いつもの半分しか使うことができず特に石鹸はほとんど泡立たなかった。
 温泉からあがると休憩室で旅の日記を書くが、はやくウイスキーのガラナ割りが飲みたかったので20分ほどだけ書いてすぐに撤収する。温泉を出て自転車に戻ると来る時にはなかったチャリダーの自転車が5〜6台並んでいた。女満別野営場では見なかったのでおそらく女満別湖畔キャンプ場に泊まっているのだろう、女満別湖畔キャンプ場は人も多く賑やかだが女満別野営場はほとんど人がいない。どちらがいいかは人それぞれだ。
 20時にはテントに戻りテントに入って旅の日記を書き始める。今日はここまでほとんど旅の日記を書いてこなかったので書く事が山ほどある。この時間から書いていたらおそらく寝るのは日付が変わってしまうことだろう。簡単にまとめだけ書いておいて明日の飛行機の中か帰宅後に書く事になるだろう。
撮影日時:2017/08/19 21:35:51 シャッター速度:10 絞り:F5.0 焦点距離:24mm
夜間に走行中の写真を撮る
撮影日時:2017/08/19 21:40:48 シャッター速度:6 絞り:F5.0 焦点距離:35mm
この写真はスマートホンでは撮れない
 まだ旅の日記は書き終わっていないが21時からはキャンプ場の夜景を撮影することにした。この女満別野営場は街灯が明るいので夜景が撮りやすい。しかしそのまま撮影しても昨年と同じ写真しか撮れない。せっかく一眼レフを持っているのだしスマホやコンデジでは撮影できないような写真を撮ることにした。フラッシュの発光タイミングを後幕にして自転車のリアのフラッシングライトを点滅させながら走り、シャッター速度を15秒にして最後にフラッシュを焚く。そうすればフラッシングライトが後ろに流れた写真が撮れる。1回ではうまくいかなかったが何回かトライすると満足できる写真が撮れた。夜間の走行写真もなかなかいいものだ。
 明日の天気予報は曇り後晴れだそうだ。明日のフライトは15時40分だし天気が良ければ美幌峠まで登ろうと思っていたが、たぶんそれは無理だろう。2006年と2008年は最終日に美幌峠まで登ったものだが最近はそのパワーがなくなってしまった。おそらく明日はいつものように網走湖を一周する事になるだろう。
撮影日時:2017/08/19 21:28:21 シャッター速度:30 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
女満別野営場の夜景
撮影日時:2017/08/19 21:53:08 シャッター速度:1/5 絞り:F5.0 焦点距離:80mm
夜食の雑炊を自炊する
 夕食のご飯を少し残していたので22時から夜食として雑炊を作ることにした。北海道自転車ツーリングで夜食を自炊することはほとんどない。正確には昨年の陸別でコテージに泊まった時くらいだ。そもそもキャンプ生活では寝るのも早いし、あまり夜遅い時間にゴソゴソと音を立てるのも気が引ける。しかし明日はそれほど走らないので多少遅くなっても問題ないし隣のテントまでかなり距離があるので音も問題ない。テントの前室でバーナーを使って雑炊を作りおいしく食べた。
 それからもテントの中で旅の日記を書き続けたが、結局今日の分の旅の日記は書き終えることができなかった。それに対して別海で買ったウイスキーはすべて飲み干してしまった。700ccを4日で飲み干してしまったのだから相当な量を飲んでいそうだ。酔っ払って気持ちよくなったところで23時30分に寝ることにした。

走行データ
走行距離   133.6km
走行時間   8時間3分
平均時速   16.5km/h
最大速度   45.6km/h
総走行距離   1069.4km
天候   曇り時々晴れ
最高気温/最低気温   21℃/12℃

食事
朝食   ラーメン
昼食   コンビニ弁当、カルボナーラ、おにぎり、パン
夕食   キーマカレー、シュウマイ、カップ野菜

出費
朝(コンビニ)   カルボナーラ   108円
昼(コンビニ)   コンビニ弁当、カツゲン   411円
夕(コンビニ)   カップ野菜、キーマカレー、シュウマイ、ポテトチップス、ガラナ   521円
温泉   美肌の湯   420円
合計   1460円

キャンプ場
名称   女満別野営場
場所   女満別湖畔キャンプ場の奥
  北緯43度55分13秒、東経144度10分42秒
費用   無料
設備   トイレ、炊事場
風呂   1km先に温泉旅館2軒あり
ゴミ   ゴミ箱なし
行きやすさ   女満別湖畔キャンプ場の奥
乗り入れ   駐車場の横にテントを張れば可
特徴   女満別湖畔キャンプ場の700m奥にある野営場
  利用はすべて無料で場所によってはオートキャンプも可能
  景色は女満別湖畔キャンプ場に負けず劣らずよい
  利用客は少なく比較的のんびりできる
  女満別湖畔キャンプ場と同じく雨に弱いのでテントを張る場所は注意

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