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北海道自転車ツーリング 8日目
かなやま湖〜富良野〜美瑛 −ついに美瑛へ−
2009年08月14日

8日目の走行地図

8日目の速度グラフ
速度
8日目の高度グラフ
高度

 昨夜は夜中の1時頃に目覚めたが、それ以外はぐっすり寝られたと思う。目覚めると4時20分になっていたので起きることにした。テントを出ると外は一面の曇り空だったが、雨の降りそうな気配はない。しかも露付きもなかった。そう言えば昨日の昼間はすごく寒かったが、不思議なことに今は暖かい。
 今日は美瑛まで85kmほど走るだけなので急ぐ必要はないのだが、昨日寝たのが早かったので目が覚めてしまい、テントを出てラーメンを自炊する。トイレに行って気付いたが、外は霧雨が降っていた。しかし自分は木立の茂みの中にテントを張ったので霧雨があたらず、テントは乾いたままだったのでありがたかった。ウィスキーが1/3ほど残っていたが、瓶はここで捨てる必要があったので、中身のウィスキーだけ自転車のボトルに詰め替えて瓶はゴミ箱に捨てていく。
撮影日時:2009/08/14 05:12:46 シャッター速度:1/13 絞り:F5.0 焦点距離:29mm
かなやま湖畔キャンプ場の朝
撮影日時:2009/08/14 05:50:05 シャッター速度:1/250 絞り:F7.1 焦点距離:34mm
朝日と共に出発する
 二日間滞在した場所を撤収し5時50分出発する。出発する時にかなやま湖をバックに自転車の写真を撮っておく。出発するとき一瞬だけ太陽が顔を出したが、すぐに隠れてしまった。キャンプ場の坂を登って道道465号線に出るとすぐに霧雨がひどくなった。レインスーツを着るかどうしようか悩むくらいの霧雨だったが、借り物のレインスーツなのであまり着たくなかったというのもあり、我慢して霧雨の中、南富良野を目指して走る。
 南富良野を目指したのには訳がある。本来なら富良野に行くなら金山を目指した方が近いのだが、私は標高476mの樹海峠を越えたかったので、あえて遠回りとなる南富良野を目指したというわけだ。ところで標識では樹海峠は三の山峠となっていたが、どちらが正解だろうか?
 かなやま湖湖岸の道道465号線を走り続け、6時30分に南富良野到着。昨日このコンビニで買った食料がまだまだ残っていたのでコンビニには寄らず、道の駅「南ふらの」にも寄らずに国道38号線に入る。国道38号線に入るといきなり登坂が始まる。そして霧雨も再び激しくなったが、坂を登るときにレインスーツを着るとよけいに濡れてしまうので、レインスーツはここでも着ないで登り続けた。これは正解だったようで、峠の途中から霧雨は降っているのに太陽まで出てきてしまった。私は虹が見えないものかと期待したが、あたりを見渡しても峠の途中からでは視界が狭くて虹は見えなかった。
 6時50分にあっけなく樹海峠の頂上に到着。私はてっきり南富良野の町から200mくらい登らさせられると思っていたが、実際には100mくらいしか登らなかったようだ。頂上付近は霧雨が激しかったが、峠を下ってしまえば霧雨は止むだろうと考え、レインスーツは着ずにそのまま下り、ずいぶん濡れてしまった。しかし峠を下りきっても霧雨は止まず、結局峠を下りきってからレインスーツを着ることになってしまった。今回の北海道自転車ツーリングで初めてのレインスーツを着ての走行だ。8日目までよく雨が降らなかったものだと感心すべきであろう。レインスーツにはフードがなかったが、それほど激しい雨ではないのでまあ大丈夫だろう。
撮影日時:2009/08/14 06:13:59 シャッター速度:1/50 絞り:F5.6 焦点距離:77mm
霧雨の道道465を走る
撮影日時:2009/08/14 07:06:33 シャッター速度:1/125 絞り:F5.6 焦点距離:200mm
樹海峠を越えた後も雨は降り続いた
 今回の北海道自転車ツーリングでは峠を中心に走り、しかも峠の下りでは必ずブレーキをかけていたので、ここまでブレーキのシューをかなりすり減らしていた。幸いな事にこれまでずっと雨は降っていなかったので、ブレーキのシューがなくなるまでには至っていなかったが、今日は霧雨で路面も濡れており、ブレーキのシューがなくなってしまうのではないかと心配したが、下り坂が短かったので、それほどブレーキをかける事もなく、シューにダメージを与える事もなかった。
 国道38号線を走っていると、麓郷への標識が見えてきた。どうやら国道38号線で山部を通らずに道道253号線で麓郷に直接抜ける道があるようだ。私は国道38号線は昨年も走った覚えがあったので、せっかくだから一度も走ったことのない道道253号線を走ろうかとも思ったが、ツーリングマップルを見るとかなりの峠があるように見えるし、これ以上雨に打たれたくなかったので断念する。
 7時50分、国道237号線との交差点から少し走ったところのパーキングで休憩。もう雨は降りそうな気配がなかったのでレインスーツを脱ぎ、一昨日振内のコンビニで買ったおにぎりを食べながら休憩する。このパーキングにはかなり立派なトイレがあったのでボトルに給水しようと考えたが、あいにくここのトイレの水は飲むことができなかった。
 やがて山部大橋で空知川を渡って山部の町に入る。山部の町に入ると、なぜか道沿いにメロンを売っている店が極端に増える。山部はメロンの産地なのだろうか。布部大橋で再び空知川を渡り道道298号線に入るべく国道38号線を外れ、JR富良野線の踏切を渡る。一昨日まではまったくそんな事はなかったのに、今日は湿度が高いのに朝から目が乾いている。昨日サングラスなしで走って目を乾かしてしまった影響がまだ残っているのだろうか?
撮影日時:2009/08/14 08:36:29 シャッター速度:1/200 絞り:F9.0 焦点距離:29mm
布部大橋から見た空知川
撮影日時:2009/08/14 09:00:40 シャッター速度:1/100 絞り:F7.1 焦点距離:38mm
鳥沼公園に到着
 道道298号線をしばらく走って坂を登ると、9時ちょうどに富良野の鳥沼公園に到着した。この頃から太陽が顔を出していたので、鳥沼公園で休憩することにした。鳥沼公園内は自転車乗り入れ禁止と書かれていたので、道を挟んだ向かいの駐車場の隅の小さな公園で10分ほど休憩する。この公園を掃除していたおじいさんが、車で来る人は多いが自転車で来る人は珍しいと言って私に話しかけてきた。私に言わせればチャリダーの数は多いと思うが、鳥沼公園を訪れるチャリダーの数は少ないのだろう。公園で携行食のチョコレートをかじりながら10分ほどだけ旅の日記を書き、再び出発した。
 鳥沼公園からは道道298号線を走らず、一本北西側の農道を走る。私はこの富良野盆地を走るとき、いつも農道を走るのが好きなのだ。国道237号線や道道298号線のように、交通量の多く後方から接近する車に絶えず気を配りながら走るより、車のまったく通らない農道を、道の両側に植えられた農作物を見ながら自転車を走らせる方が、私にとってはよっぽど楽しい。富良野に入った頃から強い向かい風が吹くようになり、自転車のスピードは時速15km/hくらいまで落ちてしまったが、遅い方が農作物がよく見えるのでよいくらいだ。
撮影日時:2009/08/14 09:21:42 シャッター速度:1/250 絞り:F10 焦点距離:34mm
富良野盆地はタマネギ畑が広がる
撮影日時:2009/08/14 09:37:38 シャッター速度:1/200 絞り:F9.0 焦点距離:29mm
タマネギはこのような
ケースに入れられて出荷される
 富良野盆地に栽培される農作物を見ていると、タマネギがメインでそれ以外には米、とうきび、麦、エンドウ豆、アスパラガスなどが栽培されていた。タマネギや米、とうきび、麦は簡単にわかるが、エンドウ豆とアスパラガスの畑は何を栽培しているのか判断するのが難しかった。私は畑の横で休憩したついでに、きっと根の部分を少し掘れば、何を栽培しているかわかるに違いないと思って畑に近づいていくと、根を掘るまでもなく葉の根元にかわいらしいエンドウ豆がなっていたので、これがエンドウ豆だという事がわかった。もっと大きなサイズだったらすぐにわかったのだろうけど、私が見た時にはまだ発育途上のかなり小さなサイズだったので気付かなかったようだ。
 アスパラガスはもっと難しかった。森を1/10にスケールダウンしたような小さな葉がいっぱい茂った畑があったが、いったいこれが何を栽培しているのか見当もつかず、その場で考えるのは断念して結局写真に撮って帰宅後に調べる事にした。帰宅後に調べると、何とそれはアスパラガスだった。アスパラガスといえば、ツクシのように土の中からアスパラガスがニョキッと生えているのを想像する。もちろんその状態であれば私もすぐにそれがアスパラガスだとわかっただろう。しかしアスパラガスは多年草の植物で、春に収穫を終えると来年の収穫の為に放置すると、あっという間に伸びて森のようになってしまうとの事だった。さすがの私もアスパラガスが育つと、こうなるという事までは知らなかった。
撮影日時:2009/08/14 09:24:20 シャッター速度:1/160 絞り:F7.1 焦点距離:29mm
まったくわからなかったが
後ろに見えるのはアスパラガスの畑
撮影日時:2009/08/14 09:48:29 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
こちらはエンドウ豆の畑
すぐそばまで行くと小さなエンドウ豆があった
 私は地中に育ったタマネギをどうやって収穫するのかと思いながら走っていたら、オニオンピッカーなる機械が農家の軒先に置いてあるのを発見。残念ながらこれを使って実際にタマネギを収穫しているところには出会わなかったが、ぜひとも見てみたいと思ってしまった。昨年のロールべーラーでもそうだったが、私はこうした農作業機のマニアなのかもしれない。
 道道298号線の一本北西側の農道を走っていたが、この農道はやがてベベルイ川沿いを走る道となって農作物が見れなくなってしまい、おもしろさが半減してしまった。そこでさらに奥の道に入り込むと、いつものようにどこを走っているのかわからなくなってしまった。しかし道道298号線と国道237号線で囲まれた範囲を走っている以上は迷子になることはないし、何より中富良野の北星山町営ラベンダー園が遠くからでもよく見えるので、それを見ればある程度はどこにいるかがわかるようになってしまった。
 さらに中富良野の盆地を走っていると、水田に何やら小さな看板が立っているのが目に入った。「Yes! clean」と書かれた看板は米の生育者や管理状況が記載され、トレーサビリティが確保されるよう内容を明示していた。クリーン米も農薬や化学肥料の削減、そしてその証明など、ここまで徹底すればすばらしいと思ってしまった。
撮影日時:2009/08/14 10:00:39 シャッター速度:1/250 絞り:F7.1 焦点距離:170mm
富良野盆地の中を
どこまでも続く直線道路
撮影日時:2009/08/14 10:07:57 シャッター速度:1/160 絞り:F9.0 焦点距離:64mm
十勝岳は雲に隠れて
あまり見えなかった
 農作物の見学を終え10時30分に上富良野の町に入る。すると後方からやって来たチャリダーに呼び止められた。彼はフラヌイ温泉がどこにあるのかわからず、私に尋ねてきた。私は昨年フラヌイ温泉に行ったことがあり、だいたいの場所はわかっていたので教えてあげる。彼はフラヌイ温泉に行った後、美瑛のライダーハウスに泊まるそうだ。名前は忘れてしまったが宿泊費は夕食込みで500円で、お腹いっぱい食べられるとの事だった。夕食付きで500円だったら下手なキャンプ場に泊まるよりも安いだろう。同じ美瑛に泊まるのだから、またどこかで会う機会もあるかもしれない。
 彼と別れて上富良野の町を走るとコンビニを見つけた。今日は昨日、南富良野のコンビニで買った弁当がまだ残っていたので弁当を買う必要はなかったが、パンと牛乳を買いたかったのと、コンビニで弁当のゴミを捨てたかったので、コンビニに立ち寄る事にした。しかしこのコンビニは上富良野の町中にあり、あまり店の前で弁当を食べたくなるようなコンビニではない。そこで店に入る前にコンビニの裏手の方に自転車を走らせて、どこか弁当を食べる事のできそうな場所がないかと探していると、すぐ近くの富良野川沿いに島津公園があり、雰囲気もよかったので、ここで弁当を食べる事にして、コンビニに戻った。コンビニでパンと牛乳を購入し、先ほどの島津公園に行く。そして公園に自転車を止めると昨日南富良野で買ったコンビニ弁当を広げ、買ったばかりの牛乳と一緒に食べた。ここは上富良野の町中にありながらなかなか雰囲気のよい公園で、私のお気に入りとなってしまった。明太子のり弁当を食べながら20分休憩し、弁当のゴミを先ほどのコンビニに捨てて、10時50分に出発する。
 上富良野の町から国道237号線に入り美瑛を目指す。国道237号線に入ったところで突然横を走るJR富良野線から踏切の音が聞こえてきた。私はすぐに自転車をUターンさせて踏切に向かうが、カメラを取り出す少し前に富良野・美瑛ノロッコ号は通過していった。せっかくのノロッコ号を撮影できず私は少し残念だった。
 上富良野から美瑛の間には標高288mの深山峠がある。しかし実際には100mも登らず、あっと言う間に頂上に到着してしまう。こんなのが峠と言うなら、美瑛の丘はみんな峠になってしまうような気がする。そして深山峠の頂上の反対車線には深山峠展望台があり、そこはかみふらの八景に選ばれていたので、道を渡って撮影に行く。
撮影日時:2009/08/14 11:23:09 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
かみふらの八景に選ばれている深山峠
撮影日時:2009/08/14 11:48:24 シャッター速度:1/200 絞り:F11 焦点距離:115mm
美瑛の丘で自分撮り
 深山峠の頂上ではヘリコプターの遊覧飛行が行われていた。私は写真撮影する合間に遊覧飛行するヘリコプターを見ていたが、離陸すると美瑛の丘をぐるっと一周して、あっと言う間に戻ってきた。後で調べたら3〜4分の遊覧飛行で4800円との事だった。これだったら弟子屈の遊覧飛行の方がおもしろそうだ。
 この深山峠からしばらくの間、国道237号線は路肩が狭くて走りにくい。それでいて交通量が異常に多いので、私は路肩ギリギリに走っていたら、バスが私の自転車ギリギリにかすめるように追い抜いていった。他のトラック等はみんなちゃんと避けてくれているし、避けようと思えば避けられるはずなのに。「やい網走交通バスの大型バス! 今度そんな危険なことをしたら、会社名だけでなくナンバーまで晒してやるからそう思えっ!」
 国道237号線を離れ、美馬牛へ向かう。谷を下って登り、そしてJR富良野線を越えて美馬牛小学校へ。ここは立ち入り禁止なので外から写真だけ撮影する。この頃から美瑛の丘が美しく見えるようになってきたので、久しぶりに自分撮りに挑戦する。幹線道路ではないが観光客の車が多くて路肩に三脚を置いて自分撮りするのはなかなか大変だった。
撮影日時:2009/08/14 12:07:37 シャッター速度:1/200 絞り:F9.0 焦点距離:34mm
これが四季彩の丘だ
撮影日時:2009/08/14 12:01:43 シャッター速度:1/160 絞り:F9.0 焦点距離:38mm
こんな感じで丘一面に花が咲いている
 11時50分に四季彩の丘に到着。自転車置き場に自転車を止めると、美瑛で自転車をレンタルして観光地巡りをしていると思われる親子連れがいた。この親子連れの小学校高学年くらいのガキがじっとこちらを見ているのに気付いた。同じ自転車置き場なのでその距離2〜3mくらいか。ジロジロと見られるのは気に入らないのでこちらも睨み返してやったら少し目線をそらすのだが、すぐにまたこちらをジロジロと見ている。少し腹を立てたので2〜3mの距離から30秒くらい、こちらもじっとガキを睨み続けたら、さすがにこちらを見なくなったが、こういうガキはどういう教育をされているのだろうと思ってしまう。
 自転車を降りて花畑を撮影に行くが、残念なことにこの頃から再び太陽は雲に隠れて空は雲一面になってしまい、あまりいい写真は撮れなかった。それでも四季彩の丘はいつ来ても花が丘一面に咲いており楽しませてくれる。今の季節はクレオメがきれいな咲いていた。花の咲き誇る丘を奥まで歩き回って15分ほど花畑の写真を撮影し、再び出発する。
撮影日時:2009/08/14 12:00:23 シャッター速度:1/160 絞り:F9.0 焦点距離:64mm
空が晴れていれば
もっときれいだったろうに
撮影日時:2009/08/14 11:59:29 シャッター速度:1/250 絞り:F7.1 焦点距離:320mm
クレオメ
 次に向かうのは哲学の木だ。四季彩の丘からは丘を一つ越えて、さらに一つ登ったところにある。5年前、初めて美瑛を訪れたときには、美瑛の町にこれほどの坂があるとは知らず、暑さもあって完全にへたばってしまった。しかしそれからと言うもの、車で10回近く写真撮影で美瑛を訪れており、もう美瑛の道は自分の家の庭のように熟知していた。そこでできる限りアップダウンの少なくなるような道を選んで哲学の木への道を進む。
 哲学の木へ向かう途中の道にも、写真撮影したくなるような場所がたくさんあった。私はまだ時間も早いのだし、ここでも何回か自転車を止めて自分撮りに挑戦する。曇っていて青空が見えないのが残念ではあるが仕方ないだろう。
撮影日時:2009/08/14 12:24:59 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:94mm
ここでも自分撮りに挑戦
撮影日時:2009/08/14 12:28:18 シャッター速度:1/125 絞り:F9.0 焦点距離:94mm
美瑛はどこに行っても丘が続く
 自分撮りを続けたおかげで哲学の木への到着は遅くなってしまい、12時40分になってしまった。哲学の木は地面に対してやや傾いているその姿が何か考え事をしているような印象があることから哲学の木と名付けられたそうだ。確かに見渡す限りの丘の中腹にポツンと大きなポプラの木が地面に対して斜めに立っているのは何か奇妙であり、また絵にもなる。
 哲学の木はケンとメリーの木ほど有名ではないものの、やはり観光客はちらほらといる。私は観光客が写真に写り込まないような場所を選んでカメラを三脚にセットし、哲学の木の前でも自分撮りに挑戦。20分ほどひたすら写真を撮り続けた。残念な事に曇っていていまいちだった。
撮影日時:2009/08/14 12:44:43 シャッター速度:1/200 絞り:F10 焦点距離:38mm
哲学の木
撮影日時:2009/08/14 12:54:02 シャッター速度:1/160 絞り:F9.0 焦点距離:53mm
哲学の木でも自分撮り
 哲学の木から坂を下り、千代田の丘を越えてようやくキャンプ場へ。今日は先にキャンプ場に行ってテントを設営して荷物を軽くし、身軽な状態で坂を登りたいのだ。13時20分に千代田の丘キャンプ場に到着。隣接するレストランで受け付けを済ませ、裏のフリーサイトへ。フリーサイトは家族連ればかりでライダーもチャリダーもいない。少し寂しいが、美瑛観光のためには仕方がない。私は家族連れから少し離れた適当な場所にテントを張り、重量物をすべてテントにおろした。ところがテントを張った後でテントの周りを歩いていた時、ペグを踏んでしまった。いつもだったらペグを踏むと地面が先に負けて、土が掘り返されてペグが地面から抜けるのだが、このキャンプ場の土はとても硬く、土よりも先にペグが負けてしまい、ペグが折れ曲がってしまった。このペグはスノーピークのチタン製のペグで、既に生産中止になっており、入手も難しくなっていたのでちょっとショックだった。
撮影日時:2009/08/14 13:01:05 シャッター速度:1/160 絞り:F7.1 焦点距離:94mm
こんな丘ばかりを走る
撮影日時:2009/08/14 14:01:13 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
千代田の丘
 13時50分からキャンプ場を出発し、温泉とコンビニへの買い出しに向かった。キャンプ場からまず千代田の丘に向かう。キャンプ場から千代田の丘に直接向かう坂が、ダートなのに加えて途中から急に登りがきつくなり、登るのに苦労する。どうにか上まで登りきって千代田の丘の上に立つ見晴台に登って写真を撮るが、空一面の厚い雲ではあまりいい写真は撮れなかった。晴れていれば美瑛の丘や十勝岳連峰、大雪山連峰が一望できる絶好の撮影ポイントだけに残念だった。千代田の丘を出発したあたりで、再び霧雨が降り始めた。今朝既にレインスーツは着ていたこともあり、今回は霧雨になると同時にすぐにレインスーツを着る。
撮影日時:2009/08/14 14:11:27 シャッター速度:1/200 絞り:F7.1 焦点距離:170mm
後ろに見えるは平行四辺形の木
撮影日時:2009/08/14 14:18:07 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:141mm
パノラマロードより
 せっかく眺めのよいパノラマロードを走っているのに、霧雨まで降るようでは景色も台無しだ。千代田の丘を出発すると、平行四辺形の木が見えてきたので、自転車と一緒に撮影する。平行四辺形の木はその名の通り木の形が平行四辺形に見える事からその名が付いたが、今年はあまり平行四辺形には見えないようだ。
 さらにパノラマロードを走ると三愛の丘に到着した。しかし三愛の丘は晴れていてもそれほどの眺めではなく、ましてこの天気では行く価値もないと考えて素通りする。そしてパノラマロードの写真撮影もそこそこに、坂を下って美瑛の町へ向かった。
撮影日時:2009/08/14 14:23:29 シャッター速度:1/160 絞り:F9.0 焦点距離:29mm
パノラマロードから見たパノラマ写真。空が曇っていて写りはいまいちだ
 美瑛の町に到着すると、まず私は駅の観光案内所に向かい、家に忘れてきた観光マップを入手する。家に忘れてきたのは、この観光マップに、実際に回ろうとしているコースを追記したものだが、まあ回るコースは覚えているので大丈夫だろう。ついでに観光案内所でお風呂屋さんの場所を聞いておく。キャンプ場の周囲には温泉がないので、美瑛の町で銭湯に入るしかないのだ。美瑛には2店の銭湯があるとのことなので、そのうちの1店である松の湯に向かう。
 14時45分に松の湯に到着。支度をして松の湯に入る。松の湯はもちろん地元の人が使う銭湯なので、石鹸もシャンプーもないし休憩室もない。しかしお風呂に入れないよりは遙かにマシなので、これで我慢するしかない。銭湯はどこにでもあるありきたりの銭湯だった。まだ時間も早い事もあっておじいさんが一人いるだけだった。驚いた事にそのおじいさんは、私が浴室に入ってから出るまでの20分ほどの間、ずっと体を洗い続けていた。よほどきれい好きな人なのだろう。湯船を出ると銭湯の脱衣場で30分ほど旅の日記を書き、15時45分に松の湯を出発する。
 お風呂の次は買い出しだ。私は近くのコンビニで明日の朝の食事や寝酒を調達し、再びキャンプ場への帰途についた。来るときは霧雨だったが、帰るときは太陽が顔を出して晴れており、パノラマロードの緩やかな坂を登りながら写真撮影を続けた。
撮影日時:2009/08/14 14:25:16 シャッター速度:1/200 絞り:F7.1 焦点距離:200mm
こんな景色の中を自転車で走る
撮影日時:2009/08/14 16:16:49 シャッター速度:1/160 絞り:F9.0 焦点距離:34mm
帰りはわずかに空が晴れてきた
 16時40分にキャンプ場に戻ると、家族連れのテントが倍くらいに増え、それでいてライダーは誰もいなかった。寂しい限りだ。しかも私がテントに戻ってきた直後に家族連れが私のテントの横に車を横付けし、そこにテントを張り始めた。うるさい家族連れはあまり近くにテントを張ってもらいたくないのだが…
撮影日時:2009/08/14 16:34:51 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
千代田の丘キャンプ場
撮影日時:2009/08/14 16:43:37 シャッター速度:1/100 絞り:F5.6 焦点距離:29mm
千代田の丘キャンプ場でのキャンプ風景
家族連ればかりだった
 それから自炊の準備として米を水に浸す。その間に今まで着ていた服をスーパーの袋に入れて洗濯。今日はあまり汗をかかなかったので、洗濯しなくても問題ないような気もするが、毎日洗濯するのが癖になってしまったようだ。そして17時5分から自炊開始。その頃、ソロのライダーが二人、相次いでやって来た。これで少しは寂しくなくなる。17時20分には炊きあがり、15分間蒸らしにかかる。そして17時35分には食事を開始。今日の夕食は中華丼とあさりの味噌汁。17時50分には後片付けまで終わった。
撮影日時:2009/08/14 18:11:21 シャッター速度:1/250 絞り:F6.3 焦点距離:94mm
哲学の木をバックに自転車を撮影
撮影日時:2009/08/14 18:16:02 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:170mm
哲学の木に沈む夕陽
 食事が終わってもまだ太陽は出ていたし、夕陽が見れるチャンスだったので、私はキャンプ場から5kmほど離れた場所にある哲学の木に向かって自転車を走らせた。哲学の木はキャンプ場よりも標高で100mくらい高い場所にあり、千代田の丘を越えて緩やかな坂を登り、そして最後に急な坂を登ると哲学の木と夕陽が見えるポイントに到着した。しかし地平線近くに雲があって、残念ながら夕陽はあまりよく見えない。それでもしばらく待っていると雲の切れ間から何回か太陽が顔を出してくれた。30分ほど撮影し、夕陽が沈んだ後、再びキャンプ場までの道を疾走する。帰りはほとんどが下りなので走りやすい。千代田の丘キャンプ場に泊まると、こういった夕陽まで見に行けるのがありがたい。他のキャンプ場だとこうはいかないだろう。
撮影日時:2009/08/14 18:32:07 シャッター速度:1/125 絞り:F5.0 焦点距離:45mm
夕焼け空に浮かぶ哲学の木
撮影日時:2009/08/14 18:55:12 シャッター速度:1/6 絞り:F3.5 焦点距離:29mm
夕暮れの千代田の丘キャンプ場
 18時50分にキャンプ場に戻ってきたが、もうずいぶん暗くなっていた。隣にテントを張ったライダーが、自分のテントの前に大きなレジャーシートを広げていたので使い方を聞いてみた。何でもテントの中は狭いので、外で大の字になりたい時や、荷物を広がしたい時にレジャーシートの上に広がすのだそうだ。しかもテントを撤収する時、テントの中の物をレジャーシートの上に置いていけば忘れ物をしなくて済むとか。私にも勧めてくれたが、チャリダーにはちょっと荷物になりそうだ。一応私もレジャーシートを持ってはいるが、それは50cm四方の小さなもので、レジャーシートの上に座ると、あとは食器やボトルを2〜3個置いたら終わりだろう。
 神奈川から来た彼は大洗から苫小牧までフェリーに乗り、苫小牧から反時計回りで回っているそうで、多くの人は時計回りで回るので、すれ違うライダーが多いとか。チャリダーもライダーも考えることは同じか。今日は上富良野の日の出公園オートキャンプ場に行ったがいっぱいで、次に十勝岳のキャンプ場に行こうとしたら霧で視界が悪すぎてたどり着けず、ここに泊まったそうだ。実家が札幌なので明日は札幌に行くとのこと。なぜか江差のようかんをさかんに勧められた。他にも函館の東大沼キャンプ場のぶよはキムアネップ以上にすごいというのを聞かされた。あとテントは安いテントを1シーズン毎に買い換えているが、やはり品質は値段に比例すると言っていた。私などはアライのテントを使っているが、さすがに値段が高いだけあって7年目だが、まだまだ現役だ。
 隣のライダーとはずいぶん長く話していたので、テントに入ったのは19時40分になっていた。それから旅の日記を書くが、今日はあまり休憩時間中に旅の日記を書かなかったこともあり、書き終わった時には22時を過ぎていた。明日の天気予報を見ると曇り時々雨になっている。これでは美瑛の景色はあまり楽しめないかもしれない。十勝岳に登るという手もあるが、雨だとそれも嫌だし悩ましいところだ。これも明日の天候次第だろう。
 私は最近、赤毛のアンの原作を読んでいることもあって、まだ名前の付いていない美瑛の道に名前を付けてやろうと考えていた。そこで美瑛の丘を走りながら、アンのように空想の翼をはためかせ、お姫様と王子様の登場する物語を考えてみたが、なかなかいい名前は浮かばなかった。ただJR富良野線の東側から憩川沿いを走る道だけは、丘と丘の間の谷間を走ることから、「丘を見上げる道」と名付けたが、これではダイアナが名付けるのと変わらないので考え直し、「木陰溢れる道」か「木漏れ陽の道」がいいのではないかと考えた。悪くないネーミングだと思うが、誰か使ってくれないだろうか。
 このキャンプ場は家族連れが多いせいか、22時を過ぎてもうるさい。いったい何時まで騒ぐのだろうと思ってしまう。それにしてもこのキャンプ場は設備も最小限だが、管理もずさんだと思う。キャンプ場はオートサイトとフリーサイトに分かれており、フリーサイトは荷物の搬入時のみ車の乗り入れが可能なのだが、搬入が終わっても車を駐車場に戻さない人がとても多いのだ。すると高い金を払ってオートサイトを頼んで、限られたエリアで設営している人に比べて、安いお金で広いフリーエリアのスペース一杯を使ってオートキャンプしているのだから、まともにオートサイトをとった人から見ると不満が募るだろう。しかもこのキャンプ場はテントにキャンプの許可証など何も貼らないので、フリーサイトに車を乗り付けている人も、お金を払っているかどうかも怪しい。
 このキャンプ場は旭川のワンセグが入ると思っていたが、残念なことに入らなかった。これでずいぶん長くニュースを見れないことになる。旅の日記を書き終えワンセグが入らないととたんにやることがなくなってしまい寝る事にした。今夜は美瑛のコンビニで買った寝酒を飲んでいたが、よく考えたら昨日飲み残したウィスキーが少し残っていたので、これを少し水で薄めて一気飲みする。これで酔いが回って気持ちよく眠れそうだ。22時30分に就寝する。

走行データ
走行距離   114.4km
走行時間   7時間06分
ペダリング数   13700回
平均時速   16.0km/h
最大速度   44.4km/h
平均ペダリング数   32rpm
総走行距離   840.0km
天候   曇り時々晴れ
最高気温/最低気温   26℃/18℃

食事
朝食   ラーメン
昼食   コンビニ弁当、おにぎり、パン
夕食   中華丼、あさりの味噌汁

出費
昼(コンビニ)   パン、牛乳   187円
夕(コンビニ)   寝酒、ヨーグルト、ラーメン、ポテトチップス   508円
キャンプ場   千代田の丘キャンプ場   500円
銭湯   松の湯   420円
合計   1615円

キャンプ場
名称   千代田の丘キャンプ場
場所   千代田の丘の裏
  北緯43度32分35秒、東経142度29分29秒
費用   500円
設備   炊事場
風呂   なし
ゴミ   ゴミ箱なし
行きやすさ   千代田の丘に行ければすぐわかる
乗り入れ   一部可
特徴   美瑛の丘にあるキャンプ場
  最近できたばかりで穴場的存在
  荷物を満載した状態で美瑛の丘を登るのは辛いので
  ぜひとも美瑛観光のベースキャンプとしたい。
  ただしコンビニや温泉に遠いので少し不便
  設備は最小限でフリーサイトは雑草が伸び放題で手入れはあまりよくない
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