HIRAO'S HOME PAGE > 北海道自転車ツーリング > 北海道自転車ツーリング2009 > 北海道自転車ツーリング2009年 9日目

北海道自転車ツーリング 9日目
美瑛〜十勝岳〜美瑛 −混浴露天風呂−
2009年08月15日

9日目の走行地図

9日目の速度グラフ
速度
9日目の高度グラフ
高度

 昨夜は一度も目覚めることなく、ぐっすりと寝ることができた。寝る直前に飲んだウィスキーが効いていたのだろうか。目覚めると4時20分だったが、今日はテントは設営したまま撤収はしないので5時まで寝ることにする。次に目覚めると4時50分だったので起き出すことにした。テントから出ると外は一面の曇り空だったが、空の所々には晴れ間もあり、雨の降りそうな気配は今のところない。しかし天気予報では今日は曇り時々雨となっているので油断はできない。
 朝食にラーメンを作り出発の準備をする。今朝は激しく露付きしており、洗濯物はまったく乾いていなかったが、どうせこれから坂を登ると汗で濡れるのだし、いつものように濡れた服をそのまま着る。今日は荷物を積み込む必要がないので準備を手早く済ませてしまい、6時にはキャンプ場を出発する。さすがに出発直後はまだ体が温まっていなくて寒かったのでウィンドブレーカーは着たままだ。
撮影日時:2009/08/15 05:25:55 シャッター速度:1/250 絞り:F5.6 焦点距離:45mm
朝焼けの千代田の丘キャンプ場
撮影日時:2009/08/15 06:14:23 シャッター速度:1/80 絞り:F7.1 焦点距離:45mm
水沢ダム沿いの道を走る
この写真を撮ろうとして自転車を泥だらけにする
 キャンプ場を出発したものの、どこに行こうか悩んだ。これから美瑛の丘を回っても、まだ朝早いので曇天の暗い中を景色を求めて走り回ってもあまり意味がない。十勝岳に行ってもどうせ晴れているとは思えないが、どりあえずまだ朝早いのだし、十勝岳に行けるところまで行ってみることにした。水沢ダム沿いの道はとても気持ちよく走れたが、途中で丘の写真を撮ろうとして自転車を泥にまみれた雑草の中に倒してしまい、バッグやハンドル、サドルを泥で汚してしまう。
 地図を見ながら6時30分に、どうにか道道966号線まで出て十勝岳目指して走り始める。前方に見えるはずの十勝岳は明らかに雲に隠れて見えなくなっており、この先は雨が予想された。道道966号線に入ってすぐに美沢パーキングがあったが、まだキャンプ場を出発して間がなかったのでパスする。こま道道966号線は、まだ朝早いこともあって交通量が皆無に等しく、自転車を道の真ん中に立てて自転車を撮影する。
撮影日時:2009/08/15 06:29:48 シャッター速度:1/125 絞り:F7.1 焦点距離:29mm
どこまでも直線の続く道道966号線
前方に見えるはずの十勝岳は雲の中
撮影日時:2009/08/15 07:18:17 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:115mm
当面の目標である望岳台まで11km
 緩やかな登りを登り始めた6時50分頃、突然雨が降り始めた。私はレインスーツを着る場所を探すと、ちょうど都合のよいことに、林道への道があったので、その林道への木陰に自転車を止めると雨宿りしながらレインスーツを着て、パンを食べながら20分ばかり休憩した。7時10分に出発しようとすると、既に雨は止んでいたが、今日はまだ朝早くて寒かったので、そのままレインスーツを着たまま走ることにした。
 それからも頑張って道道966号線を登り続けた。この道道966号線は、最初のうちはほとんど平地と変わらないくらいの登りが続く。そのうちに傾斜が徐々にきつくなってくるが、その時、道の左側に遊歩道か自転車道のように見える走りやすい道があるのを発見した。いかにも走りやすそうな道だったので、道道966号線を外れ遊歩道に自転車を乗り入れて走ることにした。下りだとさすがに遊歩道は怖いが、登りだとちょうどいいくらいだ。しかもアスファルトに苔が大量発生しており、緑色の絨毯の上を走っているかのようで気持ちよかった。これが下りだと苔でスリップして怖いが、登りだと気持ちいい。こんな遊歩道があって、しかも傾斜もそれほどきつくないので、初心者にもお勧めできるコースに違いない。
 7時45分に自転車を止めたついでにパンを食べて5分だけ休憩する。白金温泉が近づくと傾斜が次第に急になり、レインスーツを着ていたら暑いので、レインスーツの上だけ脱いで腰に巻き付けて走る。そして8時ちょうどに白金温泉到着。途中の美沢パーキングから1時間30分で登ってくることができた。標高差にして350mと言ったところだろうか。何だかあっけないくらい簡単に登ってくる事ができた。朝一番で体力があり、しかも気温も低かったというのもあるのだろうけど、何よりサイドバッグの中身が空だったのが一番大きかっただろう。
 しかしこれで安心してはいけない。これでやっと半分登っただけなのだから。白金温泉で記念撮影してさらに道道966号線を登る。先ほどの遊歩道は白金温泉までしかなかったので、ここからはいつものように車道を走る。しかし白金温泉を過ぎると雨が降り始めたので、腰に巻いていたレインスーツを再び着て走ることとなった。
撮影日時:2009/08/15 07:28:49 シャッター速度:1/60 絞り:F5.6 焦点距離:115mm
コケに覆われた遊歩道を走る
撮影日時:2009/08/15 07:59:58 シャッター速度:1/80 絞り:F6.3 焦点距離:38mm
白金温泉に到着
 この国道966号線の白金温泉から先は、新月橋に続き、愛隣橋、希望橋など見晴らしのよい橋が続く。しかし残念なことに、雨が降り始めると霧で視界も500mくらいに落ちてしまい、見晴らしを楽しむことはできなかった。雨の中をひたすら登り続けたが、白金温泉まではあっけないほど簡単に到着したし、そこから先もそれほど苦しいというわけではない。今日は坂登りも絶好調だと思っていたが、よく考えたらいつもと違って荷物をテントの中に下ろしてきたから、単に自転車が軽いだけだった。それほどまでに登坂では荷物の重さが重要だ。
 坂を登りながら、私はテントに忘れ物をしたことに気付いた。今日は十勝岳まで登った後、そのまま美瑛を観光し、美瑛の町で銭湯に入ってキャンプ場に戻ってくるつもりでいた。しかし肝心の石鹸とシャンプーを忘れてしまったのだ。まあ石鹸とシャンプーがなくても銭湯には入れないわけではないが、あった方がいいに決まっている。
撮影日時:2009/08/15 08:52:33 シャッター速度:1/100 絞り:F6.3 焦点距離:94mm
望岳台は霧で何も見えなかった
撮影日時:2009/08/15 08:54:56 シャッター速度:1/100 絞り:F6.3 焦点距離:29mm
深い霧に包まれた望岳台
 8時40分に望岳台への入口に到着。ここから望岳台を目指すが、この道の傾斜が尋常ではないほど急なのだ。荷物を全部テントに下ろしてきたので自転車は軽いはずなのに、ギアを一番軽く、つまり前24T、後ろ34Tにして、なおかつ蛇行しないと登れないのだ。おそらく勾配は15%を越えているだろう。今まで北海道で傾斜のきつい場所と言えば、開陽台の入り口の登りや、函館のロープーウェイ乗り場近くの坂や、羅臼野営場入り口の坂などがあったが、ここはそれを軽く越えていると思われた。少なくとも荷物を満載した自転車では絶対に登れないだろう。後で調べると、この望岳台入り口の登り坂は20%近くの勾配があった。私の中では北海道のベストオブ急坂に認定しよう。
 急坂を登りきり、8時50分にどうにか望岳台に到着。駐車場に自転車を止めて、歩いて少し登り望岳台の石碑を撮影する。この頃から霧が急に深くなり、視界は100m程度まで落ちてしまった。9時ちょうどに望岳台を出発。再び望岳台からの急な下りを下るが、雨の中の急な下りなので、ブレーキシューがそろそろ危なそうだ。
撮影日時:2009/08/15 08:58:38 シャッター速度:1/60 絞り:F5.0 焦点距離:29mm
十勝岳望岳台レストハウス
撮影日時:2009/08/15 09:12:48 シャッター速度:1/60 絞り:F6.3 焦点距離:53mm
霧の中を走る
 道道966号線に戻り、再び登り始める。すると少し登ると傾斜が緩やかになり、視界が広がった… ように感じた。きっと晴れていればニセコパノラマラインのように見晴らしがいいのだろうけど、霧で視界100mでは何も見えなかった。少し傾斜が緩やかになったこともあり、頑張って登り続け、再びパンを食べて5分ほど休憩する。
 さらに登ると9時30分に吹上露天の湯に到着した。私はここは標識だけ撮影して素通りするつもりでいたが、標識の前にチャリダーがいたのでついでに話しかけた。彼はトレックのロードの自転車にほとんどの荷物を背中に背負って走っていた。さすがにテントは持っていないのでライダーハウスを泊まり歩いているそうだ。彼は上富良野から登ってきたので、私と逆のコースだ。そこでお互いのこれまで走ってきたコースの坂の情報を交換する。私のこれから向かう先は、あと2〜3kmほど走れば下りになるとの事だった。
 彼は私の自転車のサイドバッグの後ろに缶酎ハイの缶が入っているのを見て「飲みながら走ってるんですか?」と聞かれた。まさかそんな事はしないと否定し、昨夜テントの中で飲んでいた寝酒の空き缶を、どこかコンビニのゴミ箱にでも捨てようと持ち歩いているだけだと言う。しかし酒を飲みながら自転車を走らせるチャリダーがいたら、それはそれですごそうだ。
 彼はたった今、吹上露天の湯に入ってきたばかりで、とってもよかったと私にも勧めてくれた。私はもともと吹上露天の湯に入るつもりはなかったが、もうほとんど十勝岳まで登ったも同然だったし、彼があまりにも勧めてくれるのと、混浴露天風呂と聞いて、入ってみる事にした。
 駐車場に自転車を止めてタオルだけ持って少し歩くと、温泉が見えてきた。この時点でこの温泉は観光客から丸見えだと判明。しかし最近私は肝が据わってきたので、そんな程度では気にしない。しかし露天風呂だけでなく、脱衣場まで男女同じで、しかも囲いも何もないので、これまた観光客から丸見えという状態だった。それでもその時は観光客もほとんどいなかったので、私は手早く服を脱いで露天風呂に入った。吹上温泉露天の湯は温度も適温だし、眺めは… 霧で何も見えなかったけど、囲いが何もなく開放的で素晴らしい。そのうちに夫婦連れが入りにきたので、奥さんの方はどうするのだろうと思っていたら、当然のように水着を着ていた。こちらは素っ裸だから恥ずかしいんだけど。十分暖まったので湯船を出て再び服を着た。その頃から観光客が増え、女性陣が大挙して押し寄せ、足湯だけ浸かっていくので、素っ裸で入っていた男の人たちが出るに出られなくなっていた。着替えも含めて30分ほど吹上温泉露天の湯で堪能し、10時ちょうどに出発する。チャリダー君の言葉を信じて温泉に入ってよかった。
撮影日時:2009/08/15 09:35:41 シャッター速度:1/50 絞り:F5.0 焦点距離:38mm
ようやく到着した吹上温泉
撮影日時:2009/08/15 09:47:36 シャッター速度:1/40 絞り:F4.0 焦点距離:34mm
これが混浴露天風呂の吹上温泉露天の湯
 吹上温泉からも登りは続いた。おそらくあと100mくらいは登るはずだ。頑張って登り続けて、ようやく最高点の1038m地点に到達。キャンプ場の標高が300m程度なので700m以上登った事になるのだが、望岳台の入り口の急坂を除いては、あっけないほど簡単に登れてしまった。やはり朝一番に登った事と、荷物を積んでいなかったので自転車が軽かった影響が大きかったようだ。
 ここから下りが始まる。下りはじめてすぐに、十勝岳と上富良野へのT字路にぶつかった。私はここで悩んだ。あと260mほど登れば十勝岳だ。私はここまで来たのだし、ぜひとも行ってみたいと思っていたが、どうせ行ったところでこの霧では何も見えない。それよりも早く美瑛観光したいという気持ちの方が強く、上富良野への道道291号線へ下っていった。
 道道291号線を下り始めるとすぐに雨が止み霧が晴れ始めた。私はこれまでずっとレインスーツを着ていたが、さすがにこの下りでは寒くてレインスーツを脱ぐ気にはならず、レインスーツを着たまま下っていった。路面が濡れていたのでスピードは時速30km/h以上は出さないようにブレーキをかけつつ下る。ブレーキシューは中山峠、ニセコ、オロフレ峠を下るときにずいぶんすり減らしてしまったので心配だったが、どうにか下りきるまで持ちこたえてくれた。家に帰ったら間違いなく交換する必要があるだろう。
 道道291号線を下ってくると、上富良野のフラヌイ温泉の前の道を通過し、たどり着いた先は、昨日お昼に立ち寄ったコンビニの前に出てきた。私はこのコンビニを見た途端、昨日と同じように富良野川沿いの島津公園で弁当を食べようと考え、コンビニに入ることにした。コンビニ前の交差点で6人組のチャリダーと遭遇し挨拶する。女性も混じっていたのでどこかの大学のサイクリング部と思われたが、道道581号線からやって来たので、いったいどこに行っていたのだろうと思ってしまった。
撮影日時:2009/08/15 10:16:48 シャッター速度:1/200 絞り:F6.3 焦点距離:141mm
十勝岳を下る。上富良野まであと16km
撮影日時:2009/08/15 11:24:42 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
昨日と同様、島津公園で昼食を食べる
 昨日の40分遅れの11時10分にコンビニに立ち寄りカルビ弁当と牛乳を購入して、昨日と同じ島津公園まで行って弁当を広げた。この島津公園は私のお気に入りの場所となってしまった。弁当を食べながら20分ほど休憩して、11時30分に出発。再び先ほどのコンビニに立ち寄り、弁当のゴミだけ捨てて出発する。まるで昨日の再現映像を見ているかのようだった。
 上富良野の町から国道237号線までの道の途中で、前方遙か遠くにソロのチャリダーの姿が見えた。どうも私の方がペースが速いようで、その差はみるみる縮まっていく。しかし国道237号線の交差点に来た時、彼の姿は神隠しにあったように忽然と消えた。どこに行ったのだろうと交差点であたりを見渡すと、別のソロのチャリダーが国道237号線を中富良野方向から走ってきた。ところが彼は私のいる交差点を左折し、名もなき道へと入っていった。いったいこの先には何があるというのだろう。私はツーリングマップルを確かめると、どうやらジェットコースターの道というのがあるらしい事がわかった。ジェットコースターの道とは美馬牛近くの国道237号線から南西に延びる西11線道路の通称で、波打つように大きくアップダウンを繰り返しながら延々と伸びる直線道路なことからジェットコースターの道と呼ばれているそうだ。景色のいい事で知られているが、アップダウンが激しくチャリダーにはハードルが高いのと、今日は曇っていて景色も望めそうになかったので今日のところは断念する。
 ソロのチャリダー二人に相次いで逃げられ、私は一人で国道237号線の深山峠を登り始めた。峠と呼べないほどの深山峠を越え、昨日網走交通バスのバスにはねられかけた路肩の狭い道を走る。昨日はここで美馬牛へ逸れたが、今日はまずクリスマスツリーの木に行く予定にしていたので、そのまま国道237号線を直進。するとかんのファームが見えてきた。ここはきれいに花が咲き誇り美しかったので立ち寄ることにした。駐車場の入り口近くにチャリダーの自転車が一台止まっていたので、自分もその後ろに自転車を止めて12時10分から中を見学する。かんのファームは四季彩の丘にも劣らぬほどきれいだったが、曇り空ではあまりいい写真は撮れなかった。
撮影日時:2009/08/15 12:32:29 シャッター速度:1/125 絞り:F7.1 焦点距離:29mm
かんのファーム
撮影日時:2009/08/15 12:09:38 シャッター速度:1/125 絞り:F7.1 焦点距離:141mm
花が咲き誇っていた
 美瑛や富良野には花畑が多く存在するから被写体には困らない。美瑛にはせるぶの丘、四季彩の丘、かんのファーム、そして富良野にはファーム富田彩香の里日の出公園北星山町営ラベンダー園などがあり、晴れていれば一日つぶしてでも全部回りたいくらいだ。
 写真撮影を終えて自転車に戻ると、先ほどのチャリダー君が自転車に戻ってきていたので話しかける。彼はジャイアントのランドナーもどきのマウンテンバイクに乗っており、まだ大学生だがツーリングのキャリアは相当なものだった。彼はライダーハウスやキャンプ場には泊まらず、ひたすら野宿や道の駅に泊まると言うので、道の駅はトラックのエンジン音がうるさくないかと聞くが、彼にとってはもう慣れたもので問題ないようだった。私は絶対ダメだろう。多少の音なら問題ないが、10mの距離で大型トラックのディーゼルエンジンの音が一晩中していたら眠れないことだろう。彼は私の自転車がデモンタブルだと一目で見破ったので、輪行の方法や装備についても話をする。彼は私の自転車を見て、ホームページを書いてませんかと言われた。どうやら彼にはホームページで私の自転車を見た覚えがあったようだ。
 彼とは20分ほど話をしていたが、お互いの旅に出発していく。彼はこの後、美瑛方向に走るらしい。私も同じ方向だが、私はこれからクリスマスツリーの木に行くので、すぐに彼とは別れ、国道を離れて美瑛の丘へと入っていった。
撮影日時:2009/08/15 12:56:49 シャッター速度:1/200 絞り:F9.0 焦点距離:94mm
クリスマスツリーの木でも自分撮り
撮影日時:2009/08/15 13:03:23 シャッター速度:1/200 絞り:F9.0 焦点距離:94mm
クリスマスツリーの木をバックに自転車を撮影
 12時45分にクリスマスツリーの木に到着。私はここで自分撮りにチャレンジする。場所を変えながら何度も撮影したが、なかなか思い通りの写真を撮ることができない。丘の景色をバックに自分撮りをするだけなら時間をかければできるが、クリスマスツリーのような木をバックに自分撮りするには、勘と経験が必要だという事を実感する。20分ほど撮影していたが、天候以外は何とか満足いく写真を撮ることができた。
 次は新栄の丘だ。私はクリスマスツリーの木から急降下し、谷を越えて坂を登り新栄の丘に到着した。新栄の丘は駐車場に柵がないので、自転車やバイクの写真を撮るには一番適しているような気がする。美瑛には千代田の丘三愛の丘、北西の丘、マイルドセブンの丘、就実の丘赤羽の丘など数多くの名前の付いた丘が存在するが、個人的にはこの新栄の丘が一番のお気に入りだ。
撮影日時:2009/08/15 13:18:02 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
新栄の丘のロールちゃん
撮影日時:2009/08/15 13:20:03 シャッター速度:1/125 絞り:F9.0 焦点距離:45mm
新栄の丘からの景色
 新栄の丘を出発し、坂を下って美瑛の町に降り、国道237号線を越えて、ケンとメリーの木へ向かう。国道237号線からカルビーの工場の横を過ぎる道は坂も急で登るのも大変だ。美瑛の駅でレンタサイクルを借りた人は、いきなりこの急坂に出くわしたらどう思うのだろうか。そして13時45分にケンとメリーの木に到着した。
 ケンとメリーの木は1972年にケンとメリーが出演する第4代スカイラインのCMで、このポプラの木をバックに撮影された事からケンとメリーの木と名付けられた。ちなみに第4代スカイラインはこのCMから通称ケンメリと呼ばれている。
撮影日時:2009/08/15 13:43:00 シャッター速度:1/200 絞り:F10 焦点距離:77mm
これはケンとメリーの木
撮影日時:2009/08/15 13:45:40 シャッター速度:1/250 絞り:F9.0 焦点距離:141mm
反対側から見たケンとメリーの木
 私は観光客の多く集まる駐車場からではなく、駐車場の一番遠い場所からと、300mほど通り過ぎた場所から撮影するのが好きだったので、いつもの場所に向かい、ケンとメリーの木をバックに自転車を撮影する。曇り空なのであまりいい写真が撮れなかったのが残念なところだ。
 ケンとメリーの木の次はセブンスターの木だが、そこに行くまでにはパッチワークの路を通る。パッチワークの路の名前の由来は、このあたりは連作による不作を防ぐ為に、同じ畑でも毎年のように作物を変えて育てているので、それが緑や黄色や茶色のカラフルなパッチワークをあてたように見える事からパッチワークの路と名付けられている。よってこのパッチワークの路から見える光景は毎年異なるそうだ。
撮影日時:2009/08/15 14:02:21 シャッター速度:1/160 絞り:F9.0 焦点距離:45mm
パッチワークの路でも自分撮り
撮影日時:2009/08/15 14:08:33 シャッター速度:1/200 絞り:F9.0 焦点距離:53mm
少し晴れ間が見えるようになってきた
 私はパッチワークの路に行くと早速自分撮りを始めたが、いつものように私が撮影を始めると、次々と私の前に他の観光客が車を止めるので、退いてもらうまで待つ必要があり、自分撮りするのにとても時間がかかった。そしてパッチワークの路を越えて14時10分にセブンスターの木に到着した。
 セブンスターの木の名前の由来は、この木が1976年にセブンスターのパッケージに採用された事から、その名が付いたそうだ。ここは観光客も多く。長居したくなかったので、一枚だけ写真を撮ってすぐに退散する。
撮影日時:2009/08/15 14:11:30 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:34mm
セブンスターの木
撮影日時:2009/08/15 14:22:50 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
パッチワークの路を走る
 次の目的地は親子の木だ。私は正規のルートではなく、ガイドマップにも載っていない道を走ることにした。つまりセブンスターの木から南西に下り、交差点をさらにまっすぐ行って坂を登ると親子の木の前の道に出るのだ。この道は親子の木の入り口側には進入禁止の大きな看板がある。親子の木の前の道は狭い農道なので観光客の車が大挙して押し寄せると畑の作業ができなくなってしまうのだ。しかしそれを無視して車で乗り入れする観光客が後を絶たなかった。どういう神経をしているのだろうと思ってしまう。
 私は親子の木を目指して稜線上の道を走り続けた。するとありがたいことに太陽が顔を出し始めた。空を見ると青空が広がっており、これはしばらく晴れが続きそうな雰囲気だ。せっかく空が晴れ始めたのだから、私はここでも自分撮りに挑戦する事にした。
撮影日時:2009/08/15 14:27:17 シャッター速度:1/320 絞り:F9.0 焦点距離:141mm
ようやく太陽が顔を出した
撮影日時:2009/08/15 14:30:41 シャッター速度:1/320 絞り:F10 焦点距離:29mm
親子の木をバックに自分撮り
 いつもだったら三脚を地面に置いて撮影するところだが、今回は路肩の反射板のポールが使えそうだったので、反射板に三脚を巻き付けて自分撮りを敢行する。この反射板に三脚を巻き付けるアイデアは、これまでローアングルでしか撮影できなかった自分撮りに、アングルの自由度を与えるなかなかのヒットとなり、以後活用する事となった。
 稜線上の道を走ると親子の木に到着するが、親子の木は近くから見てもあまりよくわからないので、そのまま素通りする。親子の木のすぐ近くにお化けの木があるので、これはすぐ近くから撮影する。次はマイルドセブンの丘だが親子の木を撮影したかったので、一度反対側の坂の下まで下って親子の木を撮影する。ここから見る親子の木が一番親子らしく見えると思う。
撮影日時:2009/08/15 14:36:43 シャッター速度:1/320 絞り:F10 焦点距離:29mm
これはオバケの木
撮影日時:2009/08/15 14:40:04 シャッター速度:1/320 絞り:F10 焦点距離:141mm
丘の下から見た親子の木
この角度からが一番親子らしく見える
 親子の木の次はマイルドセブンの丘だ。これも標識には従わず、ガイドマップに載っていた最短コースをたどってマイルドセブンの丘を目指す。もちろん美瑛なので多少のアップダウンはあるが、思ったほどの丘越えはなかった。マイルドセブンの丘を目指して走っていると、前方に自転車に乗った高校生くらいの3人組を見かけた。きっと彼らは美瑛でレンタサイクルを借りて観光地巡りでもしているのであろう。彼らは電動アシスト自転車、マウンテンバイク、普通のママチャリの3台に分乗して走っていた。私は上り坂にさしかかるとあっという間に彼らを追い抜いていったが、やはり坂では電動アシスト自転車が一番楽そうで、普通のママチャリが一番大変そうだった。
 途中丘の上からマイルドセブンの丘を見るポイントがあったので、思わず自転車を止めて写真を撮っる。15時ちょうどにマイルドセブンの丘に到着。しかしマイルドセブンの丘に到着した頃から太陽が雲に隠れてしまった。このマイルドセブンの丘は1978年にマイルドセブンのCMのロケ地として選ばれた事からこの名前が付いたそうだ。マイルドセブンの丘は観光客の車が多くて撮影するのに時間がかかったが、休憩がてらにパンを食べながら観光客の車が立ち去るのを待ち、どうにか希望通りの写真を撮影。さすがにこの場所では観光客が多すぎて自分撮りはできなかった。マイルドセブンの丘の上にも観光客の車が多く丘の上から写真だけ撮って逃げるように帰ってきた。
撮影日時:2009/08/15 15:00:21 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
マイルドセブンの丘
撮影日時:2009/08/15 15:04:59 シャッター速度:1/160 絞り:F9.0 焦点距離:38mm
マイルドセブンの丘をバックに自転車を撮影
 マイルドセブンの丘を撮影すればキャンプ場に戻るはずだったが、せっかく晴れているのだから北西の丘展望公園に行くことにした。北西の丘の南側の道は5年前に走った時もそうだったが、とても舗装路とは思えないほど道が荒れているので走りにくい。いい加減ちゃんと舗装してもらいたいものだ。そして15時20分に北西の丘展望公園に到着。ここも観光客が大挙して押し寄せていたが、そのほとんどが中国人ばかりだった。いや、もしかしたら台湾人だったのかもしれない。少なくとも中国語を喋っていた。最近は日本の観光地で中国人を見かけることが多くなったような気がする。
 北西の丘はケンとメリーの木に近く、太陽が雲から顔を出しそうだったので立ち寄る事にした。ケンとメリーの木から300mほど西にある私だけの撮影ポイントでカメラを構えて待つ事5分。ようやく太陽が顔を出し、無事に晴れたケンとメリーの木を撮影する事ができた。
撮影日時:2009/08/15 15:10:02 シャッター速度:1/160 絞り:F10 焦点距離:45mm
マイルドセブンの丘から見た美瑛の景色
撮影日時:2009/08/15 15:38:08 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:170mm
晴れてきたので再びケンとメリーの木へ
 ケンとメリーの木を撮影後、帰宅の途についた。今日も美瑛の銭湯に行くつもりでいたが、午前中に吹上温泉に行ったのと、もう時間も遅かったので銭湯は断念し、コンビニで買い出しだけ済ませる。そして晴れてきたパノラマロードを写真を撮りながら走り、16時40分にキャンプ場に帰ってきた。キャンプ場に帰ってきたのは昨日とまったく同じ時刻だった。
撮影日時:2009/08/15 15:42:48 シャッター速度:1/200 絞り:F10 焦点距離:45mm
ケンとメリーの木からの帰り
美瑛の町を見下ろす
撮影日時:2009/08/15 16:09:41 シャッター速度:1/200 絞り:F9.0 焦点距離:29mm
少し晴れてきたパノラマロードを走る
 ここからは昨日の再現フィルムを見るかのように、行動する。すなわち米を水に浸して、その間に洗濯を済ませ、ご飯を炊いた。明日の朝はおじやにしようと考えていたので、米はいつもより多めに炊く。旅の日記を書きながら炊事を進め、カレーとカップ野菜を食べた。そして17時40分から昨日と同じく哲学の木に夕陽を撮影に行く。今日も昨日と同じように地平線近くに雲があって夕陽を見るのは難しそうだ。しかし雲の切れ間から何度か太陽が顔を出してくれたおかげで、昨日よりはマシな写真が撮れたと思う。
 先に撮影ポイントに来ていたおじさんは大きなカメラを持っていたので何かと尋ねると、ペンタックスの6×7だったのでびっくりしてしまう。今時フィルムのカメラを使っている人でさえ珍しいのに、それが6×7と知ってなおさら驚いてしまった。こんなカメラを使っている人も少ないし、ましてフィルムはますます入手できなくなっていることだろう。
撮影日時:2009/08/15 18:18:36 シャッター速度:1/160 絞り:F10 焦点距離:53mm
昨日と同様、夕陽は哲学の木へ
撮影日時:2009/08/15 18:19:44 シャッター速度:1/100 絞り:F5.6 焦点距離:170mm
昨日と違って夕陽が少し見えた
 太陽は地平線に沈む前に雲に隠れてしまったので、夕陽と反対側の太陽に赤く染まった雲をバックに哲学の木を撮影しようと反対側に向かう。するとそこでは観光客が大挙して畑の中に入り込んでいた。私は何とマナーの悪い人たちだろうと思っていたが、帰りに自転車で登っているときに彼らの話し声を聞いていると、それは中国語だった。これだけ中国人観光客が増えているなら、立ち入り禁止の注意書きも中国語で書いておかないと意味がないと思う。
 暗くなる前に急いで戻って18時40分にテントに戻ってきた。テントの写真だけ撮影してすぐにテントにこもって旅の日記書いたが、きょうも休憩時間中にあまり旅の日記を書かなかったので、書き終わるのに3時間もかってしまった。今日は美瑛観光だけ済ませたら、すぐにテントに戻って旅の日記を書いてしまい、夜はゆっくりと過ごすはずだったのに、結局昨日と同じになってしまった。まあ満足いくまで美瑛の丘と木を回ってきたのだし、それはそれでいいのだが。
 今日は朝の段階では十勝岳が雨で行くのを断念していたら行くところもなくなってしまい、一昨日と同じようにOFF日となるところだったが、気合いで十勝岳に登ったおかげで充実した一日を送ることができた。十勝岳への登りも自転車が軽かったおかげで、それほど苦しむこともなかったし、通過するはずだった吹上温泉露天の湯に行くことができ素晴らしくよかった。おまけに午後からは晴れてくれたおかげで、青空まではいかなかったが、晴れた美瑛を堪能することができた。
 北海道自転車ツーリングも残すところあと2日。明日は旭川経由で月形まで120kmほど。明日は最後の夜なのでぜひともズボンを洗濯したい。その為にも月形に早く到着するよう早く起きることにしよう。明日の天気予報は曇り時々晴れ。まずまずの天気だろう。
 なぜか22時を過ぎてからキャンプ場で打ち上げ花火をするバカな家族連れがいて、他のキャンパーたちが文句を言っても「夜に打ち上げ花火をしてはいけないというルールはない」と言い張って、相変わらず打ち上げ花火を行い、周りのキャンパーから散々文句を言われていた。しかし非常識なキャンパーも増えたものだ。ルールにない事は何をしてもいいと言って他の人の注意も無視するようなバカな親に育てられた子供はどんな大人に育つのだろうと思ってしまう。それにしてもこのキャンプ場は今日もフリーサイトの家族連れはほとんど車をフリーサイトに止めたままだし、マナーがなっていない。このキャンプ場は管理がなっていないと思われた。
 22時前には旅の日記も書き終わり、ツーリングマップルを見ながら明日の予定を考え、22時30分に就寝する。今日も少し寒くなりそうなので、暖かくして寝る。

走行データ
走行距離   107.1km
走行時間   7時間07分
ペダリング数   15100回
平均時速   15.0km/h
最大速度   46.9km/h
平均ペダリング数   35rpm
総走行距離   947.1km
天候   曇り後晴れ
最高気温/最低気温   26℃/18℃

食事
朝食   ラーメン
昼食   コンビニ弁当、パン
夕食   カレー、カップ野菜

出費
昼(コンビニ)   カルビ弁当、牛乳、パン   613円
夕(コンビニ)   カレー、カップ野菜、ラーメン、パン、寝酒、ヨーグルト   695円
キャンプ場   千代田の丘キャンプ場   500円
合計   1808円

キャンプ場
名称   千代田の丘キャンプ場
場所   千代田の丘の裏
  北緯43度32分35秒、東経142度29分29秒
費用   500円
設備   炊事場
風呂   なし
ゴミ   ゴミ箱なし
行きやすさ   千代田の丘に行ければすぐわかる
乗り入れ   一部可
特徴   美瑛の丘にあるキャンプ場
  最近できたばかりで穴場的存在
  荷物を満載した状態で美瑛の丘を登るのは辛いので
  ぜひとも美瑛観光のベースキャンプとしたい。
  ただしコンビニや温泉に遠いので少し不便
  設備は最小限でフリーサイトは雑草が伸び放題で手入れはあまりよくない
← 8日目へ  北海道自転車ツーリング2009  10日目へ →
inserted by FC2 system