HIRAO'S HOME PAGE > 北海道自転車ツーリング > 北海道自転車ツーリング2013 > 北海道自転車ツーリング2013年 2日目

北海道自転車ツーリング 2日目
きじひき高原〜大沼〜大成 −手強かった雲石峠−
2013年08月03日

2日目の走行地図

2日目の速度グラフ
速度
2日目の高度グラフ
高度

 夜に何度か目覚めたようだったが比較的眠れた方だろう。今朝は寒くもなく暑くもなくでちょうどいいくらいの温度だった。おそらく気温20℃弱といったところか。目覚めたのは4時20分だった。まだ早かったのでもう一度寝ようとするが、ここはカラスはいないもののウグイスの鳴き声がうるさくて寝ていられなくなり4時30分に起きることにした。テントから外を見ると不思議な光景が広がっていた。空は雲に覆われているのだが函館市街も雲で覆われている。つまり雲と雲の間の層にいた。これでは景色もよくないし朝日も見えないので朝から昨日と今日の旅の日記を書き始めた。
 5時には旅の日記も書き終えてしまったので撤収と朝食の準備を始める。霧雨こそなかったが、夜露でテントは濡れており、洗濯物は乾いているどころか干す前よりも濡れていた。今日の天気予報は晴れとのことなので自転車で走りながら荷台で干すとしよう。
撮影日時:2013/08/03 05:52:03 シャッター速度:1/25 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
キャンプ場は雲の中だった
撮影日時:2013/08/03 05:52:11 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
わずかに函館市街が見えた
 私は2003年と2004年の北海道自転車ツーリングでは朝食用のラーメンに明星チャルメラを持ってきていた。明星チャルメラを選んだ理由はこのインスタントラーメンは丸型なので割らなくてもコッヘルにそのまますっぽりと入ってしまうのだ。これはキャンプには都合がよく、それを理由に北海道自転車ツーリングでは明星チャルメラばかりを指名買いしていた。ところが2004年11月に明星チャルメラはリニューアルし丸型が他社と同様に角形に変わってしまったのだ。これでは明星チャルメラを選ぶ理由がなくなってしまったので、それ以降の北海道自転車ツーリングではサッポロ一番塩ラーメンやエースコックのワンタン麺など毎年ころころと変えていたが、ラーメンをコッヘルに入れる時にラーメンを割らなければならないという問題は解決する事がなかった。
 ところが2011年11月に発売されたマルちゃん正麺は「生麺うまいまま製法」という従来のインスタントラーメンとは異なる生の麺に近い味となめらかさコシのある食感により爆発的ブームとなった。私もブームに乗ろうとマルちゃん正麺を購入して食べてみたが、その味のおいしさよりも驚いたのが麺が丸型だった事だ。これなら再び麺を割る事なくコッヘルで炊く事ができ、かつ生の麺に近いおいしい味をキャンプ場でも食べる事ができると、価格は一般的なインスタントラーメンよりも2倍近く高いにもかかわらず今回の北海道自転車ツーリングから8食分も持参してきた。
 昨夜はサントリーの山崎をシングルで2杯飲んだ。さすがにこの程度では二日酔いにはならなかったが、あまり食欲はなくラーメンをすべて食べるのに苦労する。朝食を作っている頃は青空が見えており日も射してきたが、次第に雲に覆われるようになり撤収を始める頃には霧まででてきた。昨夜は疲れていてこれから16日間のキャンプ生活に備えた荷物の積み替えをしなかったので朝に積み替え作業を行う。そしてテントを撤収して出発の準備をして6時20分にキャンプ場を出発した。
 天気が良ければここからさらに坂を登ってパノラマ眺望台にでも行こうかと思ったが、この曇り空だったのとパノラマ眺望台への道は8時からしかゲートが開かないので断念する。くきじひき高原キャンプ場を出発すると昨日苦労して登った坂道を一気にかけ降りる。さすがに最近はノーブレーキで降りるのが怖くなったので30km/h以上出さないようにブレーキをかけ続けたが、ブレーキを握りすぎて麓に着く頃には手が痛くなってしまった。坂を下ると寒いかと思ったがウィンドブレーカーなしでもそれほど寒くはなかった。そして6時30分に麓まで降りてきた。登る時は1時間30分かかったが、下りはわずか10分だった。
撮影日時:2013/08/03 06:18:33 シャッター速度:1/60 絞り:F8.0 焦点距離:50mm
パノラマ眺望台への道は閉鎖されていた
撮影日時:2013/08/03 06:38:34 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
森までは25km
 国道227号線を下るとすぐに道道96号線だ。少し交通量が増えたが片側2車線だし問題ない。少しアップダウンがあったが朝一番のパワーで乗り切る。しばらく走ると国道5号線に合流した。ところが国道5号線は恐ろしいまでの交通量で片側二車線なのに交通が途絶えることなく、かつ大型車両がビュンビュンと走り去っていくのでとても怖かった。この先も国道5号線がこんな調子かと思うと八雲まで走るのに先が思いやられた。
 国道5号線を標高で100mほど登ると全長670mの大沼トンネルがあった。この大沼トンネルは歩道が広かったので迷わず歩道を走る。こんな交通量の多いトンネルの車道を走っていたら生きた心地がしなかっただろう。大沼トンネルを抜けてすぐに大沼へ向かう交差点がある。私は普段こうした大きな交差点は二段階右折するのだが、この交差点は歩行者や自転車のことをまったく考慮しておらず、横断歩道がなかったので車と同じ右折レーンに入って7時ちょうどに国道5号線を外れて大沼への道道338号線に入った。
撮影日時:2013/08/03 07:23:59 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
大沼公園駅
撮影日時:2013/08/03 07:31:21 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
狭戸で列車がやって来た
 小沼の周囲は正直言うとあまり見所はない。道道と小沼の間にJR函館本線があり、小沼越しに鉄道写真を撮ろうとする鉄っちゃんがいたが所詮その程度だ。しばらく走るとJR大沼公園駅近くの交差点に着いた。私は大沼を反時計回りで走ろうと思っていた。しかし私はその交差点をどっちに行っていいかわからず適当に左に曲がったらそれは大沼を時計回りに回るコースだった。途中で間違いに気づいたが来た道を戻るのも面倒だったので大沼と小沼を8の字を描いて走ることにした。大沼公園駅の写真を撮って出発すると踏切が鳴り始めた。私はきっと列車が来たに違いないと考え小沼を交えて写真を撮ろうと考え月見橋手前の狭戸でカメラを構えて待ち構えたがあまりいい写真は撮れなかった。
撮影日時:2013/08/03 07:29:25 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
大沼には雰囲気の良い公園もある
撮影日時:2013/08/03 07:40:54 シャッター速度:1/25 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
湖畔沿いの道を走る
 大沼を周回する道道338号線は多少のアップダウンはあるが木立に囲まれたとても雰囲気の良い道で、洞爺湖ぐるっと一周線や屈斜路湖のクッシー街道に匹敵する良さだ。大沼周辺にはレンタサイクルが多数あるが、これなら一般人がママチャリで走っても苦にならないレベルだろう。
 途中、東大沼キャンプ場が見えてきた。私が昨夜泊まったきじひき高原キャンプ場はほとんど人がいなかったが、このキャンプ場は家族連れだけでなくライダーらしきテントもかなりの数が張ってあり人気の高さを伺わせた。きじひき高原キャンプ場と何が違うのだろうか。東大沼キャンプ場は無料なのに対してきじひき高原キャンプ場は300円かかるがこの程度の差でこれだけ人気に差が出るとは思えない。眺めの良さでも決して負けていないと思うが。
撮影日時:2013/08/03 07:57:41 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:61mm
東大沼キャンプ場
撮影日時:2013/08/03 08:03:01 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
所々大沼に出られる場所がある
 それからも道道338号線の大沼の湖畔沿いを走り続けキャンプ場出発からちょうど2時間、そろそろ休憩したいなと思っていた頃、大沼をほぼ一周したところに駐輪場があったのでそこで旅の日記を書きながら10分ほど休憩する。大沼を見渡すことのできる雰囲気のよい場所で、かつ駐輪場があるだけで車を止めるスペースがなかったことから誰も訪れることはなく私だけの場所のようでとてもよかった。軽く旅の日記を書いて8時30分に出発する。今日はここまで既に30kmほど走っておりいいペースだろう。
 大沼と小沼を分断する狭戸まで戻りこれでようやく大沼を一周した。私は大沼には初めて来たがまるで洞爺湖のスケールを小さくして温泉街をなくしたような雰囲気で気に入ってしまった。月見橋の南前の大沼側と月見橋の北側の小沼側に駐車場がありそこから大沼と小沼を見渡せるようになっていたので自転車を持ち込んで撮影する。
撮影日時:2013/08/03 08:15:46 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
駒ヶ岳は曇って見えなかった
撮影日時:2013/08/03 08:45:02 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
こちらは小沼
 道道43号線に入ると湖畔の道を外れて坂を登り始める。湖畔を外れると同時に空が晴れてきたのは困ったものだった。どうせなら景色のよい大沼で晴れてほしかったのだが。途中日暮山展望台への分岐があったが、ダートの登りを走る気にならずパスする。
 9時ちょうどに国道5号線に戻ってきた。2時間の寄り道だったが大沼散策はなかなか楽しめた。国道5号線に戻ってすぐにソロのチャリダー2組とすれ違った。北海道に来て初めて見るチャリダーに嬉しくなってしまう。さらに幟を背中に差して徒歩で歩いている人も見かけた。自転車でも北海道を回るのは大変だが徒歩だともっと大変だろう。
 今日は北からの風が吹いているようでこの国道5号線の区間は向かい風となった。しかも大沼から森までは下りだけだろうと思っていたけど、実際には勾配はわずかだが登りもあった。そして長い下りを下りきると森の町に入った。キャンプ場で朝食を食べて以来、4時間以上も何も食べていないのでそろそろ何か食べたい。森でコンビニで弁当でも買おうかと考えたが、JR森駅に立ち寄っていかめしを食べることにした。
撮影日時:2013/08/03 10:03:32 シャッター速度:1/800 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
JR森駅
撮影日時:2013/08/03 09:51:44 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:64mm
いかめしを食べる
 国道5号線を外れて脇道に入り9時55分に森駅到着。さっそく駅舎のキオスクに行っていかめしを購入し駅の待合室のベンチで食べた。このいかめしは内臓を取り出してきれいに洗ったイカに生米を詰め、爪楊枝でとめてイカを炊きあげ、そして”秘伝のたれ”で味付けしたものだ。さすがに「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」で毎年のように売り上げ第一位を取る弁当だけのことはある。
 いかめしを食べて10時5分に森駅を出発。次はこの近くにある榎本武揚・土方歳三上陸の地だ。私は国道5号線には戻らず海沿いの道道1028号線を走る。さらに脇道に入ってチャリダーなど絶対に走らないと思えるような漁村の道を抜けるとJR桂川駅を少し過ぎたところに榎本武揚・土方歳三上陸の地があった。私は記念碑の前で写真撮影を済ませるとここで休憩しようと考えた。しかしここには東屋はもちろんのこと日陰がなく休憩できそうになかったのであきらめて先に進むことにした。この先休憩できそうな場所はヤクモ飲料くらいだろうか。
撮影日時:2013/08/03 10:17:31 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:27mm
榎本武揚・土方歳三上陸の地
撮影日時:2013/08/03 11:08:42 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
晴れて噴火湾がよく見えた
 国道5号線に戻りひたすら自転車を走らせる。するとすぐに湯の崎トンネルが見えてきた。私は榎本武揚・土方歳三上陸の地に立ち寄るために脇道に入ったことでこのトンネルは回避できたと思っていたがそれは甘かった。この湯の崎トンネルは10年前の初めての北海道自転車ツーリングで走った時、怖い思いをした曰く付きのトンネルなのだ。私は交通が途切れる瞬間を待ってトンネルに飛び込んだがそれでも何台かには追い抜かれた。それでも今回は幅をあけて追い抜いてくれたのでそれほど怖い思いをすることはなかった。
 国道5号線を走っていると荷物満載のチャリダーとすれ違った。4サイドにバッグをつけてなおかつキャリアの上にまでバッグを付けた彼の自転車はとても重そうに見えた。あれだけ荷物があると荷物の重さだけで25kgはあるのではなだろうか。最近はネットにリアルタイムで書き込みしながら走る人も増えたのでスマホだけでなくタブレットやパソコンを持ち歩くとそれだけで重量が増えてしまうのだろう。
 森を出発した頃から雲が晴れて日が射して暑くなってきた。噴火湾はきれいに見えるのだがこの付近は見るべきものも少なく、かつ交通量も多いので走りにくい。路肩が広いのが幸いだが、時々狭い場所もあったりしてそんな時に後方から大型トラックに接近されると恐怖を感じてしまう。
 交通量の多い国道5号線をひたすら走り、11時30分にヤクモ飲料に到着した。ヤクモ飲料とはヤクモ飲料の会社の入り口に設けられた無料の自然湧水のことだ。昔このあたりは海だった事から地下には瀬棚層と呼ばれる第三紀層に生息していた二枚貝、姫貝、珊瑚の密集した貝殻層が分厚く堆積しており、地下80メートルから吹き上がった伏流地下水は、この貝化石層を通ることで貝殻からカルシウムを吸収し、天然風化カルシウムたっぷりのミネラルウォーターとなっているとのことだ。
 私はキャンプ場で500ccほど給水しただけでここまで走っていたので、もうボトルの水は空だった。そこでボトルにこの湧水を詰め、さらに頭から水をかぶって涼んだ。するとそこへランナーのおじさんもやって来て同じことをし始めたので挨拶する。どこまで行くのかと聞かれたので熊石と言うと雲石峠は熊が出るから気をつけてと言われた。まあ大丈夫だとは思うが…
 いかめしは食べたものの、私は大沼から3時間ほど休憩なしで走っていたので、このヤクモ飲料の隣にある百万庭園という池や滝のある小さな庭園のベンチで休憩がてらに旅の日記を書くことにした。さすがに疲れも出てきたのでサイドバッグからマグカップを取りだすとアミノバイタルを自然湧水で溶かして飲んだ。それからも日陰のテーブルで30分ほど旅の日記を書き12時ちょうどに出発しようとした。
 ところが出発の直前に再度アームカバーとタオルを濡らしておこうと湧水に行っている間にテーブルに立てかけていた自転車が倒れてしまった。自転車を倒してしまうのは毎日のようにしているので驚きもしなかったが、戻ってみるとサングラスが砕けていた。具体的にはフレームが真ん中からポッキリと折れていた。これではサングラスとして使えない。まだ北海道自転車ツーリングの2日目でサングラスを壊してしまうとはついていない。2010年の北海道自転車ツーリングでもサングラスをなくしてしまったが、よくなくしてしまうものだ。幸いなことにこの先の八雲の町なら薬局やホームセンターでサングラスは売っているだろうから寄り道してでも買っておこう。ここで買い逃すとこの先の私のルートでは札幌まで買えなくなってしまう。
撮影日時:2013/08/03 11:28:18 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
ヤクモ飲料の百万庭園
撮影日時:2013/08/03 12:37:29 シャッター速度:1/15 絞り:F8.0 焦点距離:46mm
木彫熊北海道発祥記念碑
 サングラスのないまま、また二万円近くのサングラスをダメにしたことにショックを受けながらも国道5号線を走り八雲の町にやって来た。町の入り口にローソンがあった。この先熊石までコンビニはなさそうだったのでおにぎりとヨーグルトを買い、ヨーグルトだけ店の前で食べる。どうも水ばっかり飲んで固形物が喉を通りそうにないがヨーグルトであれば食べることができる。かつての北海道自転車ツーリングでの私の流行はトマトだったが最近はヨーグルトになったようだ。コンビニでサングラスを探したがあいにく売っていなかった。
 国道5号線のバイパスを外れて八雲の町中へと続く道道42号線へと入り薬局かホームセンターを探していると、ツルハドラッグとサッポロドラッグが隣あって並んでいるのを発見した。私は手前側にあったツルハドラッグに入るとサングラスを探した。サングラスは確かに売っていた。しかも315円という激安で。しかしそのほとんどはファッション用のサングラスでスポーツ用の気に入ったのが少ないのと、唯一のデザインが気に入ったのは欧米人向けにフレームがかなり湾曲していて平面顔の私の顔にはフィットしなかった。しかしどうせ315円なんだし気に入らなければ捨てればいいやととりあえず購入することにした。
 サングラスを入手したことで私の心は再び晴れやかになった。せっかく八雲の町の中心部に来たことだし木彫熊北海道発祥記念碑に行くことにした。場所はあまり定かではなかったが、JR八雲駅を過ぎたところの踏切を渡った先に公民館があり、その庭に木彫熊北海道発祥記念碑があった。公民館の駐車場横に石碑があるだけだが木彫りの熊は子供の頃実家に置いてあっただけに木彫りの熊には思い入れが深くてついつい訪れてしまう。
 さて12時40分にようやく観光地巡りも終わり八雲の町を出発した。ここまで85kmほど走っているのでカメ作戦よりも少しばかりハイペースだ。しかしこれから雲石峠を越えるのできっとペースは落ちることだろう。キャンプ場まであと55kmほど。これをカメ作戦で走ると4時間ちょっとだが、途中で427mの雲石峠を越えることを考えるとプラス1時間ちょっと。するとキャンプ場着は18時頃か。私はもう少し早く着きたかったが、あまり焦って走るのは嫌だったのでマイペースで走ることにする。
 道道42号線から国道277号線に入り雲石峠を目指す。この国道277号線をしばらく走ると私はこの雲石峠の素性を知ることとなった。まず雲石峠は標高427mの標高だけを見れば大したことのない峠だが、頂上まで一定に登るのではなく、ひたすら鉛川沿いにアップダウンを繰り返すのだ。おそらく標高200mまで登るのに積算上昇高度で500mは登ったことだろう。それほどまでにアップダウンを繰り返しながら登った。
撮影日時:2013/08/03 12:55:20 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
鉛川沿いに走る
撮影日時:2013/08/03 13:47:37 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:56mm
日陰で倒れるように休憩した
 国道277号線に入ってから10kmほど走ったところで13時45分から休憩。ここまでアップダウンばかりで本格的な峠の手前で疲れきってしまいそうだ。10分ほど休憩してすぐに出発する。出発するとすぐに全長578mのピリカベツトンネルがあったが、このトンネルは中が涼しくて気持ちよかった。
 トンネルを抜けたところからしばらく走るといよいよ雲石峠の本格的な登りが始まる。麓の標高は200m程度なので230mほど登ることになる。距離にして3kmなので平均勾配は7%といったところか。ところがこの坂が予想以上に急だった。勾配8%は当たり前。昨日のきじひき高原の登りでも一番軽い34Tのギアは残していたのにここではそれも投入することになった。おそらく一番きついところでは10%は越えていたことだろう。私は230mの登りであれば40分もあれば登れると思っていた。しかし直射日光による暑さと急勾配のためグロッキー状態となり、20分登った5合目の標識の前で自転車を止めて倒れるように14時20分から休憩モードに入った。
 自転車を降りて路肩に座り込むが15分ほどは息を切らして身動きすることさえできないほどだった。それでも標高が高いこともあってしばらくすると自分の汗で涼しいというより寒さを感じるようになってきた。私はハンガーノックにもなりそうになっていたので八雲で買ったおにぎりを食べるが、固形物を食べるのには相当苦労した。この5合目の道ばたで旅の日記を書くでもなく15分は動くこともできず、さらに10分ほど休憩して14時45分に再び急坂を登り始めた。
 この雲石峠ではあまりにも登るのに疲れた。今回の自転車ツーリングでも数多くの峠を走るコースに組み込んだが止めた方がいいのではないかという気がしてきた。休憩後の登りでも本調子では登れなかったし、峠に登るのが心配になってきた。しかし休憩から5分も登るとペース配分がわかったのか再び本調子になり、どうにか頂上まで登りきることができた。
 15時5分に雲石峠の頂上に到着。頂上にはパーキングがあったが休憩することなく頂上で写真だけ撮って反対側に下り始めた。いつものように30km/h以上出さないようにブレーキをかけつつ下る。下りはペダルを回さなくていいので楽だが、ブレーキをかけ続ける手が痛くなってくる。
撮影日時:2013/08/03 15:03:42 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
雲石峠頂上に到着
撮影日時:2013/08/03 15:13:41 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:50mm
勾配11%があった
 坂を下っているととんでもない標識を見つけた。それは勾配11%の標識だ。ここは一応国道でもあり国道の一般的な勾配は6〜7%程度なのでいかに勾配がきついかということがわかる。この雲石峠は標高こそ427mしかないが、なめてかかると痛い目に遭う難易度の高い峠と言えるだろう。
 雲石峠の熊石側は多少のアップダウンはあるものの、ほとんどが下りメインで比較的楽に走ることができ15時40分に国道229号線に合流した。ここから大成野営場まであと20kmほどだから17時には到着するだろう。途中熊石にコンビニがあったので今夜の夕食の食材としてカップの野菜とヨーグルトのパックを購入。ヨーグルトのパックは3個入りだったので、その場で1つだけ食べる。
撮影日時:2013/08/03 16:00:42 シャッター速度:1/60 絞り:F8.0 焦点距離:70mm
奇岩雲石
撮影日時:2013/08/03 16:28:42 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
夫婦岩
 16時ちょうどにコンビニを出発。この付近には国道沿いに奇岩雲石があったので自転車を止めて撮影。さらに進むとここから先は奇岩ロードで名前の付いた岩がたくさんある。時間はもう既に16時を回っており日は傾いて逆光となっていたが、それでもそのほとんどの場所に自転車を止めて撮影する。しかし夫婦岩、親子熊岩、タヌキ岩などは標識があったが三味線岩とマンモス岩、釣の澗だけは標識すらなくなっていた。
撮影日時:2013/08/03 16:30:57 シャッター速度:1/60 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
親子熊岩
撮影日時:2013/08/03 16:36:35 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:51mm
マンモス岩
 この国道229号線の奇岩ロードから先はトンネルがいくつか続くがいずれのトンネルも短いものばかりで交通量も少なく怖い思いをすることもなく通過した。もう太陽も傾いて太陽にきらめく海がきれいに見えたので写真を撮っておく。ガードロープが水平儀となってわかりやすいが、私の自転車のハンドル落差はかなり大きい。とてもツーリング用の自転車とは思えないほどサドルの高さに比べてハンドルの高さが低い。そして17時ちょうどに大成野営場に到着した。
撮影日時:2013/08/03 16:39:02 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:50mm
タヌキ岩
撮影日時:2013/08/03 16:50:27 シャッター速度:1/8000 絞り:F9.0 焦点距離:136mm
海のきらめきがきれいだった
 キャンプ場には家族連れの集団が1組とソロのライダーが1人。家族連れの集団は夜中に騒ぎそうな気配だったので少し離れたライダーのテントの近くに設営する。ライダーは神戸から舞鶴発小樽行きのフェリーで昨日到着したばかりで、昨日は到着が夜だったので小樽に宿を取ったが、今日は五色温泉に入ってここまで来たそうだ。
 フライが濡れていたので乾かそうと日向にテントを張ったが、山間のキャンプ場ではあっという間に日は落ちて陰になってしまった。17時30分には設営完了。米を洗って水に浸すと、とりあえずお金を払いにあわび山荘に行き、テントに戻ると着ているものを全部脱いで洗濯し自転車に干しておく。
撮影日時:2013/08/03 17:30:16 シャッター速度:1/25 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
大成野営場
撮影日時:2013/08/03 17:57:50 シャッター速度:1/13 絞り:F6.3 焦点距離:51mm
自転車キャンプ旅
 18時から炊飯スタート。このキャンプ場はアブが多くて頭にさんざん止まられ、タオルを被ったけど効果は少なかった。そこでアブよらずを初めて使ってみた。タオルに2〜3回吹きかけただけでアブはそれ以降まったく近寄ることはなかった。このアブよらず、北海道自転車ツーリングでは2008年から持参していたが、その効果は絶大だった。
 米を20分炊いて10分蒸らしてできあがり。今日の夕食は中華丼と男爵いものスープとカップサラダとヨーグルト。米はうまく炊けたが中華丼はあまりおいしくなかった。それよりも男爵いものスープはおいしかった。これは親がハウスの株主で株主優待の商品として送ってもらったものを分けてもらったものだが、これだけおいしいのなら身銭を払ってでも買っていいと思ってしまった。
撮影日時:2013/08/03 18:22:28 シャッター速度:1/25 絞り:F6.3 焦点距離:80mm
今日の夕食は中華丼
撮影日時:2013/08/03 18:58:28 シャッター速度:1/25 絞り:F6.3 焦点距離:91mm
夕焼け空が少しだけ見えた
 片づけを済ませて温泉の準備をして19時から大成国民温泉保養センターに向かう。行く途中、夕焼けがきれいに見えたのでついでに海まで行ってみるが、海に着くと思ったほどではなかった。夕焼け空の写真だけ撮って再び戻り19時20分から温泉に入る。湯船には先ほどの神戸のライダーもいたのでしばらく話をした。そして19時40分から休憩室で旅の日記を書く。ここの休憩室には蚊がいて足を何ヶ所も刺されてかゆい思いをしたが、最後には撃墜した。
撮影日時:2013/08/03 20:39:34 シャッター速度:1/13 絞り:F4.0 焦点距離:35mm
大成国民温泉保養センター
撮影日時:2013/08/03 19:36:12 シャッター速度:1/8 絞り:F3.5 焦点距離:24mm
保養センターの湯船
 休憩室で1時間ほど旅の日記を書き20時40分にテントに戻る。キャンプ場の夜景を撮影し21時からテントの中でウィスキーを飲みながら旅の日記を書く。端の方にテントを張った家族連れの集団がうるさいだけでなく22時近くまで打ち上げ花火をしていたのには閉口させられた。今日はサングラスを壊したのがショックだったが315円という格安価格で代替え品を入手できて良かった。しかしこの安物、どうもUVカットの機能がないようでサングラスかけていても紫外線で目をやられて目が痛くなるのは問題だ。また買い換えないといけないかもしれない。
 明日の天気を聞こうとラジオを聞いていたら網走湖のシジミ漁が今年はできないというニュースをやっていた。どうも7月下旬に網走湖でシジミを捕ったり網走でシジミを買った人から異臭がするとの指摘を受けシジミ漁を中断して検査機関に臭いの原因の調査を要請しているらしい。網走湖のシジミ漁と言えば私が最終日に泊まる予定にしている女満別湖畔キャンプ場でも早朝に見られる光景だが、今年はそれができないとは漁師さんにとって災難だろう。
撮影日時:2013/08/03 20:47:29 シャッター速度:30 絞り:F8.0 焦点距離:64mm
大成野営場の夜景
シャッター速度:1/30 絞り:F6.3 焦点距離:96mm
ソニー製のSRF−R431
 今回の北海道自転車ツーリングでも昨年に続いて毎日1つずつアイテムを紹介する事にした。今夜紹介するアイテムはラジオだ。これまでの北海道自転車ツーリングでは天気予報はすべて日本気象協会の携帯サイト「北の天気」から情報入手していた。これは北海道の各地域ごとの今日明日の天気だけでなく1週間先の天気まで表示してくれるので、天気が当たる当たらないはともかくとても重宝していた。しかしこれにも欠点はある。あくまで表示するのは晴れや雨などの天気のみで、それがシトシト雨なのか台風による豪雨なのかまではわからず、台風が間近まで接近してから気付くことが多々あった。こういった天気の概況はテレビやラジオから入手するのが早いので、2008年からはワンセグを見る事のできる携帯電話に買い換えた。しかしこれも完璧ではなかった。なぜなら北海道はワンセグを見る事のできる場所が限られており、特に道北は壊滅で、ほとんどワンセグを見る事ができず、ゆえに天気予報も見る事ができなかった。そこで今年から携帯ラジオを導入した
 私が持参したのはソニー製のSRF−R431というFM/AMラジオだ。このラジオはポケットサイズでありながらわずか単四電池1本でAMが19時間、ヘッドホン使用時は52時間も聞けてしまうという省エネで、しかもヘッドホン巻き取り式とあってとても使い勝手が良い。ラジオであればどこででも聞けるし、天気予報も携帯のiモードサイトとは大違いで雨に備えた対処が可能になるだろう。なぜ10年間もラジオを持って来なかったのか不思議に思えるくらいだ。
 明日の天気予報は晴れ時々曇りでしばらくは晴れが続きそうな雰囲気だ。ありがたいことだ。今日の旅の日記はまだ2/3ほどしか書き終えていなかったが、そろそろ眠くなってきたので22時には寝ることにした。今回の北海道自転車ツーリングでは例え旅の日記を書き終わっていなくても22時には寝るようにしている。今日はとても暖かく、と言うより暑くてジャージーも着ずに寝る。朝寒くて風邪を引かないだろうか。

走行データ
走行距離   139.6km
走行時間   8時間24分
ペダリング数   24700回
平均時速   16.6km/h
最大速度   40.8km/h
平均ペダリング数   49rpm
総走行距離   193.9km
天候   曇り後晴れ
最高気温/最低気温   27℃/18℃

食事
朝食   ラーメン
昼食   いかめし、おにぎり
夕食   中華丼、スープ、カップの野菜

出費
昼(キオスク)   いかめし、野菜ジュース   605円
昼(コンビニ)   おにぎり、ヨーグルト   255円
薬局   サングラス   315円
夕(コンビニ)   カップ野菜、ヨーグルト   205円
キャンプ場   大成野営場   440円
温泉   保養センター   360円
合計   2180円

キャンプ場
名称   大成野営場
場所   国民宿舎「あわび山荘」の隣
  北緯42度11分24秒、東経139度54分05秒
費用   440円
設備   トイレ、炊事場
風呂   隣の保養センターで入浴可能
ゴミ   ゴミ箱なし
行きやすさ   国道229号線沿いに大きな標識あり
乗り入れ   テントまで車、バイクの乗り入れ不可
特徴   国民宿舎の隣にあるキャンプ場
  野営場という何にふさわしくトイレ、炊事場以外は何もない
  テント床はあるが東屋やベンチもない
  サイトの真ん中に誘蛾灯があるがこれの音がうるさい
  隣に温泉があること以外は取り柄が少ない
← 1日目へ  北海道自転車ツーリング2013  3日目へ →
inserted by FC2 system