第1話 ひとりじゃない |
1930年代半ば頃のイギリス、ヨークシャー州のグリノールブリッジ村に、ジョン・キャラクローという名の9歳になる少年が、お父さんのサムとお母さんのメリッサと一緒に暮していました。お父さんはウェリントン炭坑の事務長として朝早くから夜遅くまで働き、お母さんも診療所の看護婦としてホッパー先生のもとで毎日働いていたので、ジョンはいつも1人で寂しく過ごしていました。 |
第2話 大さわぎの留守番 |
次の日、ジョンは仔犬にチビという名前を付けようとしました。しかしお父さんは仔犬がコリー犬で、大人になったら今のジョンより大きくなるという事を知っていたので、そんな大きな犬にチビという名前はおかしいのではないかと言います。そしてお父さんはまた朝早くから会社に出かけるのでした。ジョンは小さな木箱を用意すると、そこに古着を敷いて仔犬の家にしました。そしてジョンは仔犬をそこに残したまま学校に出かけるのでした。 |
第3話 さよならラッシー |
ボートはロープが切れており、明らかに上流から流されて来たものでした。そこでジョンはコリンと一緒にラッシーの飼い主を探す為、ボードに乗って上流に向かいます。ずいぶんと上流までさかのぼると、船着き場が見えてきました。ジョンはその船着き場にボートを横付けすると、そこにはボートのロープと同じロープが切れた状態で垂れ下がっていたのです。ジョンたちはここからボートが流れて来たに違いないと考えた時、船着き場のそばの家からグッドマンという名前の男が出て来ました。グッドマンは恐そうなおじさんでボートを見るやいなや、ジョンたちはボートを盗んだものだと疑われてしまいます。グッドマンはとても気が荒く、ラッシーの事も乱暴に扱うのを見たジョンは心配になってきました。グッドマンはラッシーの事を大切に育ててくれるのだろうかと… |
第4話 父さんの給料日 |
それからラッシーはスクスクと成長し、ジョンの体と同じくらいまでに大きくなりました。そして今日は給料日で明日はお母さんの誕生日です。ジョンの家でもお祝いに豪華な食事を作ろうとお母さんは張り切っていました。ジョンはお母さんに誕生日プレゼントとして何をあげればよいのか悩んでいました。サンディに相談したところ、ブローチがいいと言われて宝石の露天商まで連れて行かれますが、ジョンにはブローチを買うお金がありません。そこでお父さんと一緒にブローチをお母さんにプレゼントしようと考えるのでした。 |
第5話 ごちそう求めて6マイル |
翌日の日曜日、ジョンは買えなくなったご馳走を自分で調達する為に、朝早くからラッシーと一緒にザリガニを取りに出かけます。途中でサンディも加わり2人と1匹で6マイル離れたディアフォード沼に出かける事にしました。途中まで鉱山の石炭を運ぶ汽車を運転しているバーンセンじいさんに乗せてもらおうとしますが、汽車はバーンセンじいさんではなく、ウォルマンという新しい人が運転しており、そっけなく断られてしまいます。それでもサンディとラッシーは貨車に潜り込んでおり、ジョンも貨車に潜り込むのでした。しかしラッシーが吠えた為にウォルマンに気付かれてしまい、途中でおろされてしまいます。 |
第6話 嵐の中をかけぬけろ |
ジョンはグリノールムーアに大きな石の塔があるという噂を聞いていましたが、それを見た事もなかったし、どこにあるのかも知りませんでした。ところがコリンのお父さんが村の南のヒースの荒野にあると教えてくれたので、ジョンはコリンと一緒に石の塔を目指して探検に出かけました。そして野原にそびえる石の絶壁を登り切った時、その石の塔が見えたのです。ジョンたちはここを岩の城と呼ぶ事にしました。岩の城は中が空洞になっており、上の方には天窓までありました。ジョンはラッシーを連れて天窓まで登ると岩の城の頂上まで登る事ができました。ところが頂上から見た空は、遠くの方に真っ黒な雲が迫って来ていたのです。 |
第7話 マフラー泥棒を捕まえろ |
冬が近づきグリノールブリッジ村に初雪が降りました。初雪だというのに10センチほど積もっていました。お父さんとお母さんは仕事に出かけ、ジョンは学校です。いつもならラッシーは裏庭に放しているのですが、今日は雪が積もっていたのでラッシーは家の中に閉じ込めていました。ラッシーは家の中でボール遊びをして時間を潰していましたが、退屈になったので外に出かけます。ラッシーは町の中を歩いているとコリンから声をかけられました。コリンは風邪を引いて学校を休んでいたのです。ラッシーはコリンの部屋でしばらく暖を取りましたが、コリンからマフラーを首に巻いてもらうと再び歩き始め、学校に行きました。その頃、学校では廊下に掛けてあった生徒のコートを汚されていてスピナーが自分のマフラーがないと言いだしたので生徒たちは大騒ぎになります。その時ラッシーがマフラーを巻いて学校に顔を出したので、ラッシーがマフラー泥棒と間違われて生徒たちに追いかけられてしまいます。しかしスピナーのマフラーはラッシーが首に巻いていたマフラーとは色が違っていました。ラッシーは学校の物置小屋の前まで逃げました。ジョンたちが追いつくと物置小屋の中には穴熊がスピナーのマフラーを使って巣を作って子供を育てていたのです。生徒たちは物置小屋で穴熊を育てる事にしました。そしてみんなはラッシーがマフラー泥棒の真犯人を見つけた賢い犬だと口々に言いあうのでした。 |
第8話 ラッシーなんか大嫌い |
ラッシーはジョンが朝学校に行くのに一緒について行き、それから家に戻って2時55分になると学校に向かい、3時きっかりに学校の門に到着するとジョンと一緒に学校から帰るのを日課にしていました。その日は学校で些細な事からジョンとサンディはケンカをしてしまいます。その日の帰り、ジョンは肉屋のネルソンさんからラッシーは毛並みが良くて賢い犬だと誉められました。しかしそれはジョンがいつもラッシーの世話をしているからで、ジョンなしではラッシーもここまで毛並みが良くなる事はありません。でもジョンはサンディとケンカした事もあって、ラッシーがいつも自分のそばにまとわりついている事に嫌気がさしてきたのです。朝ジョンが目覚めるとベッドにラッシーが潜り込んで来ていました。ジョンはラッシーにベッドに入って来るなとラッシーに冷たく当たります。ラッシーの毛並みはひどい寝癖で見る影もなかったので、ジョンはブラシをかけてやりますが、ラッシーの体には蚤がいたのでジョンはますますラッシーを怒ってしまいました。 |
第9話 空から来たおてんばお嬢様 |
ジョンがラッシーと出会って1年が経過したある日の夜、突然ウェリントン炭坑のドーハン所長がお父さんを訪ねてジョンの家にやって来ました。ドーハン所長は明日、鉱山主が鉱山にやって来るという事で大慌てでした。翌日、鉱山は掃除したりで大騒ぎです。そしていよいよ鉱山主が飛行機でやって来たのです。飛行機が草原に着陸した時、ジョンは羊を追いかけていたので見る事ができませんでした。でもラッシーはジョンと知り合った時に飛行機に乗っていた女の子と同じ女の子が乗っている事を確認します。女の子はプリシラという名前の鉱山主の孫娘でした。プリシラはラッシーに話しかけると、そのまま車で走り去ってしまいました。 |
第10話 はじめてのケーキ作り |
翌日、プリシラはどうしてもジョンに会いたくなったのですが、プリシラはおじいさんのラドリング公爵の許可なく屋敷の外に出る事ができません。そこでプリシラはコック長のピーターの車の荷物台に潜り込み、グリノールブリッジ村に行きました。プリシラは途中で出会ったコリンに案内してもらってジョンの家を訪れます。ジョンは家の窓枠のペンキ塗りをしていましたが、突然プリシラが訪れて来たので、びっくりしてペンキを頭からかぶってしまうのでした。 |
第11話 プリシラ・最後のわがまま |
翌日、ジョンとコリンとサンディはプリシラの作ったケーキをプリシラに届けにラドリング公爵家に行きます。ところが門番のハインズはケーキを叩き落としてジョンたちを追い返してしまいます。プリシラは今夜、飛行機でスコットランドに帰らなければならなくなってしまいました。しかもハインズからは外出を禁じられていたので、プリシラはこっそりと塀を乗り越えて外に出たところでジョンたちに合流するのでした。 |
第12話 火事をおこしたのは誰だ |
ある日、ジョンとサンディは村のはずれで犬を連れたローリーという男の人に出会いました。ローリーの本職は金物屋でしたが、犬のトゥーツを使って楽しい芸を見せてくれる旅芸人でもあったのです。村の広場でテューツが芸を見せ、金物屋は大盛況でした。ジョンはローリーから晩御飯を買ってきてくれと頼まれた為、ライスさん家のパン屋さんに買いに行きますが、娘のメアリーはパンはすべて売り切れだと言うのです。ローリーさんは残念がりましたが、明日もこの村で商売をする為に焚き火をして今夜はここで野宿する事にしました。ジョンたちは夜になってもローリーさんの旅の話を聞いていましたが、夜遅くなったのでジョンたちは帰ってしまいました。 |
第13話 サンディは牛どろぼう? |
ある日、サンディの家のムーという名前の乳牛のミルクが出なくなってしまいました。サンディのお父さんのフィリップはムーのミルクが出るように手を尽くしましたが、ミルクはいっこうに出ず、とうとうムーを売る事にしました。しかしサンディはムーを一番大切にしていたので悲しくてたまりませんでした。翌日、ムーとムーの子供のベビームーが牛小屋からいなくなってしまいます。サンディのお父さんは牛が2頭も盗まれたと言って村中は大騒ぎになりました。ジョンやコリンはサンディがしょんぼりしていたので力になってあげると言ったところ、サンディはジョンたちを林の中に連れて行きました。そしてサンディはジョンたちに秘密を守る事を約束させた後、ムーの居場所へ案内したのです。実は牛泥棒はサンディだったのです。サンディはムーが売られてしまうのが悲しくてムーを黙って連れ出したのでした。ジョンたちは何かいい手が見つかるまでは、しばらくの間、隠れてムーを飼う事にしました。 |
第14話 怪しい大男を追跡しろ! |
ある日の夕暮れ、アイアンという名の大男が村の外れで倒れていました。ジョンのお父さんのサムはアイアンを家まで運ぶと手当てします。アイアンは行くあてがなかったので、サムは鉱山横の小屋にアイアンを住まわせ、鉱山で働いてもらう事にしました。アイアンは働き者で力が強かったので鉱山の労働者たちからは大歓迎されました。そんな時、先週起きたロンドン金塊強盗の犯人を探して町からブルック警部とウォルターがグリノールブリッジ村に来ていたのです。ブルック警部はアイアンが金塊強盗の犯人だと勝手に決めつけ、村中にアイアンの悪い噂を流し続けます。村人たちはブルック警部の流した噂を信じてアイアンが金塊強盗だと信じてしまいました。しかしアイアンは無口な男だったので反論しようとはせず、ただ黙って働き続けて自分の無実をわかってもらおうとするのでした。 |
第15話 アイアンの無実をはらせ! |
ブルック警部は金時計を見つけたのにドーハン所長には報告せず、金時計を事務所から持ち出してしまいます。そしてアイアンが金時計を盗んだ犯人に仕立て上げる為に、それをアイアンの住んでいる小屋に置いてきました。しかしその時、小屋にはアイアンにお弁当を届けに行ったジョンがベッドの下に隠れていたのです。ジョンはベッドの下に隠れていたので誰が何をしに来たのかわかりませんでしたが、ブルック警部は小屋を出る時にドアに袖を挟んでしまい、コートのボタンを落としてしまうのでした。 |
第16話 急げ!ホッパー先生を助けろ |
ある日の事、ホッパー先生は仕事が一段落ついたので、森の中の誰も知らない湖に釣りに出かけました。ジョンは学校に行っているので、暇なラッシーもついて行きます。ところが湖からの帰りにホッパー先生は谷にかかる丸木橋を渡ろうとして丸木橋が崩れ、大きな岩に足を挟まれて動けなくなってしまいました。ラッシーは助けを求めに村へ走り、ジョンを連れてホッパー先生のもとにやって来ました。ジョンは岩を取り除こうとしますが、逆に岩が崩れそうになってしまい、ジョンは岩を支え続けなければならなくなってしまいました。ジョンはポケットからハンカチを取り出すと、助けを求める内容をハンカチに書いてラッシーに咥えさせたのです。ラッシーは再び一目散に村に戻りました。そしてラッシーはサムにハンカチを渡したのです。サムは鉱山の仕事仲間を連れてラッシーに案内してもらい、ホッパー先生を助けだすのでした。 |
第17話 カリー先生の結婚 |
ジョンたちの学校の担任の先生であるカリー先生がパン屋さんの娘のメアリーと結婚する事になりました。結婚式の前日の別れ際に、メアリーはカリー先生に一番大切な事を何か言い忘れていないか尋ねます。しかしカリー先生には心当たりがなく、何を言い忘れているのかまったくわかりません。メアリーはカリー先生が思い出さなければ結婚しないと言い残して帰ってしまいました。それを見ていたジョンたちはメアリーから事情を聞きだし、メアリーに協力する事にしました。 |
第18話 大騒動!サーカスの象が逃げた |
グリノールブリッジ村にサーカスがやって来ました。ジョンたちもサーカスを見て楽しみます。しかし象のロザリンロは芸をしくじってしまい団長のベンジャミンから食事抜きにされてしまいました。ロザリンロは翌日の朝早くに牢屋の鍵を壊してしまい、サーカスから脱走して村を通り抜けると、森に入ってしまいました。それをラッシーが目撃しロザリンロを追いかけて森に入っていきます。ラッシーは家に戻るとジョンを起こして再び森に入っていくと、象がいたのです。ジョンとロザリンロはすっかりと仲良しになりました。ジョンはロザリンロが鞭で打たれて傷だらけになっていたので、ロザリンロを森に残したまま家から薬を持って来る事にしました。 |
第19話 コリンの初恋とたからもの |
ジョンたちのクラスは遠足で海を見にスカル岬に行く事になりました。ラッシーも一緒に行きたがったので、カリー先生には黙って一緒に馬車に乗せてしまいます。川を下る船に乗ったところでコリンはラッシーを隠そうとしてクリスという少女に出会いました。クリスはスカル岬からオーストラリアに向かう途中だったのです。コリンはクリスと仲良しになりました。スカル岬に着いたところでラッシーはカリー先生に見つかってしまいますが、クリスはラッシーが自分の飼犬のセバスチャンだと言い張ったので、ジョンたちは何とかカリー先生に企みを見抜かれずにすむのでした。クリスはスカル岬の宝の地図を持っていたのでジョンたちも一緒に宝探しを手伝おうとします。しかしコリンがクリスを好きになってしまった事を悟ったサンディはジョンを呼び止め、クリスとコリンとラッシーだけで宝探しに出かけるのでした。地図に書かれた場所を掘ってみると貝殻の詰まった小箱が出てきます。貝殻にはクリスのお母さんからのメッセージが書かれていました。クリスは小さい時にお母さんと一緒にここに来て小箱を埋めていたのです。しかしそのお母さんも先月亡くなってしまい、お母さんとの想い出を掘り出す為にクリスはここへやって来たのです。クリスはお母さんを想い出し小箱を抱えて思わず泣いてしまうのでした。クリスはお母さんとの想い出を胸にオーストラリアへ旅立っていきます。クリスは別れ際にコリンにキスするとオーストラリア行きの船に乗り込むのでした。 |
第20話 大変だ!母さんが倒れた |
グリノールブリッジ村で風邪が流行り、お父さんは風邪で寝込んでしまいました。お母さんは看護婦をしていたので診療所の患者の診察で大忙しになり、休む時間もありません。お母さんは往診に出かけた先でとうとう過労で倒れてしまいました。お母さんは家に運ばれますが、解熱剤の注射を拒んでしまいます。お母さんは解熱剤の残りが少なくなっているのを知っており、解熱剤を今自分の為に使うと、熱で苦しんでいる他の患者さんの分がなくなってしまうと考えたからです。しかし村人たちが大挙してお母さんの見舞いに駆けつけ、村で唯一の看護婦に倒れられたら困ると言われた為、お母さんは解熱剤を注射してもらうのでした。その頃、パン屋のライスさんがトラックで町まで解熱剤を取りに行っていたのですが、トラックは渋滞に巻き込まれてなかなか前に進みませんでした。 |
第21話 おばあちゃんに会いたい |
ある日の事、斜め向かいに住むフォレストばあさんの息子と名乗るアルバートという男がフォレストばあさんを尋ねて来ました。フォレストばあさんは2階からバケツで水をかけてアルバートを追い返します。アルバートは20年前に両親と大ゲンカして家を飛び出して以来、一度も連絡すら入れませんでした。さらにアルバートは家を飛び出した時に高価な金貨を持ち出していたのでフォレストばあさんはアルバートと親子の縁を切っていたのです。しかしアルバートはおばあさんにロンドンで家族と一緒に暮してほしかったので、それからというものアルバートは毎日のようにフォレストばあさんを訪ねますが、フォレストばあさんは一度たりともアルバートを家の中に入れようとはしませんでした。サムが様子を伺いにフォレストばあさんの家を訪ねますが、アルバートの話をするとフォレストばあさんは興奮して血圧が上がり倒れてしまいました。 |
第22話 ジョンの決意・鉱山を救え! |
ジョンのクラスメイトのスピナーはグリノールブリッジ村から引っ越す事になりました。スピナーのお父さんはウェリントン炭坑で働いていたのですが、最近ウェリントン炭坑から石炭の出が悪くなったので他の鉱山に移ると言うのです。それを聞いたジョンは心配になってお父さんに尋ねました。お父さんは心配ないと言いますが、お父さんは石炭の出る方法を必死になって調べているらしく、ジョンは心配になってしまいます。そしてとうとう石炭が出ないので来週から操業が中止される事になったのです。鉱山主のラドリング公爵閣下は大学の地質学の教授を呼んで調べてもらいましたが、はっきりした事はわかりませんでした。そしてとうとうスピナーはお父さんの新しい仕事が見つかったので、みんなにさよならも言わずに引っ越してしまいました。そればかりか大学教授が簡単な調査をしただけでウェリントン炭坑は閉山すべきだという報告書をラドリング公爵閣下に出してしまったのです。サムは慌ててラドリング公爵閣下に引き続きウェリントン鉱山を操業させてほしいと直訴しましたが無駄でした。 |
第23話 頑張れジョン・ラッシーを守れ! |
翌日、お父さんは鉱山から帰らず、お母さんも朝早くから看護婦の仕事で出かけて行きます。ジョンはいつも自分のそばにいるはずのラッシーがいないので、とても寂しく感じてしまいます。そしてジョンは学校が終わったら自分も鉱山へ手伝いに行こうと考えました。その頃、ウェリントン鉱山の事務所では大騒ぎになっていました。閉山の準備をしていたところ、ラドリング公爵閣下が閉山は延期して石炭鉱脈の再調査と、それにかかる費用をすべて出すという連絡が入ったのです。ドーハン所長とサムはラドリング公爵閣下にお礼を言いにラドリング公爵のお屋敷を訪れました。ところがお屋敷には何とラッシーがいたのです。サムはラッシーと引き換えに鉱山の再調査をしようとしたラドリング公爵閣下を卑怯だと罵りましたが、ラドリング公爵閣下はジョンがラッシーを預けたのは石炭は絶対に出るようになるというお父さんの言葉を信じているからだと言うのです。それを聞いたサムは何も言い返せませんでした。 |
第24話 消息不明・ラッシーを探せ! |
プリシラはラドリング公爵に呼び出されて叱られてしまいます。スコットランドからヨークシャーまで600マイル(1マイル垂P.6キロ)以上の道のりを、ラッシーが旅できるはずがない。せっかく手に入れた名犬をみすみす無駄にしてと、ラドリング公爵は言うのです。しかし、プリシラは石炭が出ないと決まったわけでもないのにラッシーを自分のものにしてしまったおじいさんが許せず、おじいさんは石炭の出ないウェリントン炭坑をダシにジョンからラッシーを奪おうとしているのだと責めました。ラドリング公爵もプリシラの言う事は正しいと考えましたが、今となってはどうする事もできません。ラドリング公爵は「プリシラ、ラッシーの道のりは険しいぞ。途中で出会う人間のすべてがお前たちのように、あの犬の心を理解し慈しんでやろうとする者ばかりとは限らんのだ。せいぜいラッシーの幸運を祈ってやりなさい」と言うのでした。 |
第25話 お帰りラッシー |
その頃、プリシラやジョンたちは心配していました。1週間前に裁判所で写真に写って以来、何の手がかりもなくなったのです。ジョンは心配のあまり、ラッシーが川を渡ろうとして溺れてしまう夢を見ました。でも、ジョンはラッシーがこの家を目指して元気に歩き続けていると信じる事にしました。そして今日もサムとジョンはラッシーの為に石炭を探して一生懸命掘り続けます。それを見ていた鉱山の仲間たちも2人を見ていると本当に石炭が出て来そうな気がして、本職の自分たちが負けるわけにはいかないと一生懸命働くのでした。 |
第26話 夢に向かって走れ! |
みんなが駆けつけたところでラッシーは倒れてしまいました。ラッシーは疲れ切っており、もう立てる状態ではなかったのです。メリッサはラッシーがスコットランドから気力だけでここまで帰って来たんだと言いました。ジョンはラッシーが心配でしたが、メリッサはゆっくり休ませれば元気になるだろうと言ってくれました。力持ちのアイアンに抱きかかえられてラッシーはジョンの家に運ばれます。ラッシーはジョンの家でジョンたちに見守られながら安心したかのように眠り続けました。ジョンは夜寝る時に、ベッドから毛布を持ち出すと、居間で寝ているラッシーに毛布をかけ、自分もその横でラッシーと一緒に眠るのでした。 |