第1話 草原で拾った赤ちゃん |
1965年のケニアに12才になるジャックリーヌ・ローズ、通称ジャッキーという名の少女が、お父さんのアーサーとお母さんのペニー、お兄さんのアンドルー、そして家政婦のハワと一緒に暮していました。ジャッキーは学校に通っていましたが、お兄さんは学校を卒業し、4日前からお父さんと同じく野生動物保護官として働き始めていました。でもお父さんと一緒とはいえ、アフリカに生きる動物たちを密猟者の手から守るという慣れない仕事で大変でした。 |
第2話 死なないでマーフィ |
次の日からジャッキーの子育てが始まりました。ブッシュベイビーの赤ちゃんにミルクや蜂蜜を舐めさせようとしますが、何をやっても舐めようとはしません。それでもジャッキーはブッシュベイビーの赤ちゃんにマーフィという名前を付けて、とてもかわいがりました。ところがお兄さんは名前を付けるのはまだ早いのではないかと言います。そればかりかお父さんはジャッキーにブッシュベイビーの赤ちゃんを任せたのを後悔しているとさえ言うのです。お父さんもお兄さんもブッシュベイビーの赤ちゃんの命が長くないと考えていたからでした。 |
第3話 しかけやローズ |
その日の夜、ジャッキーの家に警官がやって来ました。警官の話では溝にタイヤを落としたトラックがいたので近づくと、運転手たちは一目散に逃げてしまい、トラックの荷台から象牙が出てきたと言うのです。翌朝お父さんは象牙を見に警察署まで行きました。象牙はお父さんの管理する保護区で捕られたものではありませんでしたが、お金儲けの為に動物を殺す密猟者をお父さんは許しておく事ができませんでした。 |
第4話 哺乳ビンをさがせ |
マーフィはすっかり元気になりました。スポイトではミルクを飲ませる量に限界があるのでジャッキーは哺乳瓶でミルクをあげようと考えますが、あいにくジャッキーの家には哺乳瓶がありません。ミッキーの家には哺乳瓶がありそうでしたが、ジャッキーはミッキーに頼みたくなかったので、クラス中の女の子に声をかけますが、誰も持っていません。ジャッキーは下級生のクラスにも声をかけると、1人の少女が哺乳瓶なら家にあると言いますが、その少女はミッキーの妹のサリーでした。ジャッキーは結局ミッキーの家から哺乳瓶を借りる事になりました。 |
第5話 傷ついた象 |
マーフィはそれからすくすくと育ちます。ブッシュベイビーは夜行性の為、昼間は寝てばかりで夜になると動き回るので、ジャッキーはハンナに相談して昼間起こして夜寝るようにしようと考えます。また動物図鑑にブッシュベイビーは昆虫を食べると書かれていたのでジャッキーはマーフィにバッタを与えますが、マーフィは食べようとはしません。ところがその時ジャッキーが食べていたクッキーを試しに与えると、マーフィはおいしそうにクッキーを食べるのでした。 |
第6話 マーフィの病気 |
ケイトのお父さんのお葬式が行われました。ケイトのお父さんはこのケニアの土の下で永遠の眠りにつきました。ジャッキーはケイトに一言慰めの言葉をかけようとしましたが、その時は何も言えませんでした。ケイトの家はコーヒー園を経営しており、ケイトのお母さん1人では経営が難しいと思われ、ケイト一家はイギリスに帰ってしまうのではないかと噂されました。ジャッキーはケイトと大の親友だったので、ケイトがイギリスに帰る事には反対でした。ケイトはずっと学校を休んでおりジャッキーは心配しますが、翌週にケイトは学校に元気な姿でやって来ました。そしてイギリスからケイトのお母さんの弟にあたるヘンリーおじさんが来てくれる事になったので、イギリスに帰る必要がなくなったと聞きジャッキーは大喜びするのでした。 |
第7話 女性獣医ハンナ |
翌日になってもマーフィーはミルクを飲もうとはしません。マーフィーを診察したハンナは砂糖水を飲ませてみてはと提案しました。砂糖水ならミルクと違って匂いがないからマーフィーも飲むだろうと言うのです。ハンナの提案通りマーフィーは砂糖水をおいしそうに飲みジャッキーも大喜びでした。 |
第8話 博士の飛行機 |
テンボがダチョウを捕まえてから1ヶ月ほど経過しましたが、ダチョウの引き取り手は現れず、事務所の狭い囲いの中に飽きたダチョウは外に逃げ出して大騒ぎになりますが、外を走り回って疲れ切ったダチョウは自分から囲いの中に戻ってしまいます。ダチョウはケニアの大臣が東洋の国の偉いさんと会った時にダチョウを送る約束をしたので生け捕りにしたのですが、ケニア側は東洋の動物園が引き取りに来てくれると思っているのに対し、動物園側はダチョウを送ってくれるものだと思っているので、いつまでたっても事務所に飼われたままだったのです。 |
第9話 真夜中のお散歩 |
マーフィを飼い始めたジャッキーは、悩み事が1つありました。それはブッシュベイビーが夜行性の為、夜中になるとはしゃぎ回り、ジャッキーを寝不足にさせた事でした。ある夜、マーフィに起こされたジャッキーは窓の外が明るいのに気付きます。パジャマのままジャッキーが窓から外に出ると外は満月でとても明るかったのです。外はとても寒かったのでジャッキーはすぐに部屋に戻ってしまいました。ところがジャッキーは窓をしっかり閉めていなかったのです。 |
第10話 修理屋ダン・ムーア |
アンドルーはダチョウに乗りましたが途中で振り落とされ背中を強く打ってしまい、翌日になっても痛みは消えず、保護管の仕事をお休みする事にしました。その日、修理屋のムーアがジャッキーの家の井戸のポンプを修理に来ました。そしてムーアはお父さんが野生動物保護区のどこをパトロールに行ったのか何気ないように聞こうとしますが、お兄さんもそれは知りませんでした。学校から帰ってきたジャッキーはムーアを見かけると、昨日、保護区の外れで見たと言いますが、ムーアは焦ったように人違いだと言います。そのうちにヘンリーもやって来て同じ事を言いますが、ムーアは人違いだと言い張り慌てて帰っていくのでした。野生動物保護区のサバンナを走る自動車は珍しいものではありません。しかしジャッキーはなぜか心に引っかかるものを感じていました。 |
第11話 探偵団結成! |
お父さんたちが調べに行くと象は7頭も殺されていました。野生動物保護官だけでなく警察まで捜査に加わりましたが密猟者の手がかりさえありませんでした。お父さんは心の底から密猟者を憎みました。しかも今回の密猟者は1人や2人ではなく組織的で、事前にお父さんの行動まで知っていたのです。ジャッキーには思い当たる節がありました。確かに保護区の外れでムーアを見たのに、ムーアは知らないと言い張るのです。ミッキーやケイトもそれを見ましたが、ムーアに間違いなと言います。ジャッキーは、もしやましい事がないなら嘘をつく必要性がなく、ムーアが密猟者の仲間だからこそ嘘をついたのだと考えました。そこでジャッキーはムーアが怪しいとお父さんに相談しますが、お父さんはジャッキーの思い違いだと言い、確かな証拠もなし人を疑ってはいけないと怒りだしてしまうのでした。ジャッキーはお父さんに厳しく叱られたので、ムーアを疑うのをやめようと思いました。でもジャッキーの心の中にあるムーアへの疑いはなかなか消えませんでした。お兄さんもまだムーアへの疑いを解いていないようでした。 |
第12話 ハッカアメと密猟者 |
ジャッキーたちの探偵団は活動を開始しました。まずモーリスさんの店に行って聞き込みをしますが、ジャッキーたちはハッカアメを買うだけでモーリスさんからうまく聞き出す事ができず、ジャッキーたちは探偵の難しさを実感します。そこでジャッキーたちはヘンリーを探偵団に誘い、さらに修理を装おってムーアにミッキーの家に来てもらおうと考えたのです。 |
第13話 探偵団プラス1 |
ジャッキーたちの探偵団はムーアを誘き寄せる作戦をとります。それはミッキーの家の電化製品をムーアに修理に来てもらうというものでした。しかし、あいにくミッキーの家には壊れた電化製品がなく、ミッキーは正常に動いている扇風機をわざと壊してムーアに修理してもらおうとしますが、壊そうとしているところをミッキーのお母さんに見つかりそうになってしまい、作戦は失敗してしまいました。ジャッキーたちの探偵団は、今度はヘンリーを仲間に加えようと考えました。ヘンリーはケニアに来たばかりでムーアの事をよく知りませんでしたが、ムーアがあまりにムキになって否定するので怪しいと感じていたのです。ヘンリーはジャッキーたちに熱心に口説かれ、とうとう探偵団に加わる事にしました。しかしヘンリーは自分がいない時に子供たちだけで探偵の活動をする事を禁じ、その代わりに今度の日曜日にリフトバレーに出かける事にしました。以前、ジャッキーが保護区でヘンリーを見かけた時、ヘンリーの車はクランクショウ博士の家の方に向かっていましたが、その先にある人家といえばクランクショウ博士の家しかなく、ジャッキーは怪しいと感じていたのです。そしてヘンリーの向かっていた先にリフトバレーがあったので、リフトバレーに何かあるかも知れないと思ったのでした。 |
第14話 ヒヒの襲撃 |
テンボはケガをしているのに無理して働いた為、途中で熱を出してしまい、翌日から高熱を出して苦しみました。3日間仕事を休みましたがハワの看病の甲斐あってテンボは元気になりました。ハワはテンボの事が好きだったので、一生懸命看病したのです。それを知ったジャッキーは2人が仲良くなればいいのにと思います。そしてテンボはハーモニカを取り出すと“聖者が町へやって来る”を演奏するのでした。 |
第15話 ふしぎな木バオバブ |
探偵団の5人でリフトバレーに行きますが、密猟者のトラックを目撃したクランクショウ博士は上空から見ただけで、しかもサバンナの景色はどこも似たようなものだったので、トラックがどのあたりを走っていたのか、なかなかわかりません。クランクショウ博士は目印となる岩場を見つけますが、その先には何もなく、何も収穫がないままあきらめて帰る途中、大きなバオバブの木をみつけました。バオバブの木は中が空洞になっており、マーフィがそこに迷い込んでしまいます。マーフィを呼び戻す為にジャッキーも中に入って行ってマーフィを捕まえるのでした。 |
第16話 秘密のほらあな |
ジャッキーたちはムーアが密猟団の仲間だと思っていました。翌日、ジャッキーとケイトとミッキーの3人は学校の帰りに教会でムーアの車を見つけます。ムーアは教会の扇風機が壊れたので修理に来ていたのです。ムーアの車には大きな無線機が積まれており、いかにも怪しそうな雰囲気でした。ジャッキーたちは牧師さんにムーアが何をしている人なのか尋ねようとしましたが、いきなりムーアの事を聞くと怪しまれるので、どうしようかと悩んでいるうちに聞きそびれてしまうのでした。 |
第17話 密猟団現わる |
ジャッキーはマンダリンを必死に操って逃げましたが密猟者たちに見つかってしまい、すぐにバオバブの木まで連れ戻されてしまいました。密猟者たちはジャッキーが象牙の事を知っているのに、なぜムーアがジャッキーを逃がそうとしたのかをムーアに問い詰めます。そして密猟者たちはムーアが密猟から足を洗い、警察か保護官に連絡するつもりだったと結論付けました。密猟者たちはムーアだけでなくジャッキーまで監禁しようとしますが、ムーアは逆に、銃を密猟者たちに向けるとジャッキーと一緒に逃げようと試みます。しかしムーアの乗ってきたトラックは、なぜかエンジンがかかりませんでした。 |
第18話 チョッキ騒動 |
ジャッキーが宿題をしているとマーフィーが邪魔をするので、ジャッキーは気晴らしにマーフィーを連れてモーリスさんのお店にハッカアメを買いに行きました。ところがお店の中でマーフィーは飛び跳ね回り、店の売り物をめちゃめちゃにしてしまいます。お父さんとお母さんはすぐにモーリスさんに謝りに行き、ジャッキーは事の重大さに落ち込んでしまいました。そしてお父さんは二度とこのような事が起こらないように、マーフィーを外に出す時はマーフィーに紐を付けるように言いつけます。ジャッキーはマーフィーに紐を付ける事には反対でしたが、お父さんに説得され紐を付ける事に同意せざるを得ませんでした。しかし犬のように首に紐を付けると首を締める恐れがあったので、マーフィーにチョッキを着せ、そのチョッキに紐を付ける事にしました。 |
第19話 運命の始まり |
サバンナは雨期に入り、1ヶ月も雨が降り続きました。お父さんは野生動物保護局の部長に呼び出されてナイロビに向かいました。部長は最近、白人の保護官を2人ばかりやめさせており、今回の密猟の事態を重く見た部長がお父さんもやめさせるのではないかと噂が立っていたのです。テンボはお父さんが保護管の仕事をやめるのではないかと心配しますが、お父さんは保護管の仕事をやめるつもりなど、これっぽっちもありませんでした。 |
第20話 霧のキリマンジャロ |
ジャッキーはイギリスに行ってしまう事をケイトたちになかなか言い出せませんでした。そしてイギリスに帰るのが1ヵ月後に迫ったある日、ジャッキーは意を決してイギリスに帰る事をケイトとミッキーに話したのです。ケイトは泣きながらジャッキーに抱きついて別れを悲しみました。ミッキーもジャッキーの事が好きだったので、とても悲しく思うのでした。ジャッキーはマーフィも一緒にイギリスに連れて帰ろうと考えました。しかしブッシュベイビーを国外に持ち出すには国外持出許可証が必要になります。ジャッキーはお父さんに頼んで国外持出許可証を取ってもらう事にしました。 |
第21話 さようならケイト |
イギリス行きが目前に迫っているのにマーフィの国外持出許可証はなかなか発行されません。ジャッキーは国外持出許可証が発行されなければマーフィを野生に帰そうと考えていたのですが、マーフィは大好きな昆虫も自分で取る事すらできないのです。しかし出発の5日前になって、ようやく国外持出許可証が発行されジャッキーは大喜びするのでした。 |
第22話 無くなった許可証 |
お兄さんはカメレオンのベンを飼っていましたが、ケニアから持ち出すのをあきらめ、途中のどこかで放してやる事にしました。お兄さんはベンをイギリスに持って帰るよりケニアの自然に返してやった方がベンの為になると考えたのです。汽車がヌディの給水所で石炭と水を補給する為に停止した時にジャッキーとお兄さんは汽車を降り、近くの茂みにベンを放してやりました。ベンはさっそくにもハエを捕食します。ベンは自分で餌を取る事ができたので、ここでも生きていけそうでした。お兄さんはベンに別れを告げると汽車に乗り込むのでした。 |
第23話 防止場の大事件 |
ジャッキーは焦りました。このまま国外持出許可証を持っているふりをし続けるべきか、お父さんに相談しようと考えました。ところがお父さんは船長と話をしており、船長は明日、国外持出許可証を見せてもらうと言うのです。ジャッキーは国外持出許可証がなければマーフィを国外に持ち出せないと考え、マーフィとはこのモンバサで別れる決心をしました。 |
第24話 アフリカひとりぼっち |
ジャッキーは船に乗り遅れた事を両親に伝える為、電報を打とうと郵便局に向かいましたが、もう郵便局は閉まっていました。モンバサの町には密猟者がいるので、ジャッキーとテンボは、ここからそれほど離れていないヴィピンゴーの別荘に泊まる事にしました。ヴィピンゴーの別荘はクランクショウ博士に使ってもらう事にしていたのですが、ヴィピンゴーの別荘の隣にはロバート少佐が住んでいたので、相談に乗ってもらおうと考えたのです。バスに乗ってヴィピンゴーの別荘に向かったジャッキーとテンボはロバート少佐の家を訪れました。しかし夜遅かったせいもあって電気がすべて消えており、もう寝てしまったと考えてジャッキーたちもロバート少佐には声をかけずにそのまま別荘に向いました。 |
第25話 テンボに逮捕状!? |
ヴィピンゴーの別荘で一夜を明かしたジャッキーとテンボは、朝一番にロバート少佐の家を訪ねました。しかしロバート少佐はどこにもいません。サンゴ礁に船が見えたので、海に釣りに出かけたのではないかと思い、ジャッキーは水着に着替えるとサンゴ礁まで泳いでいきましたが、船は朽ち果てておりロバート少佐はどこにもいませんでした。ロバート少佐の家に戻ったジャッキーは玄関の所に手紙を見つけます。その手紙には2〜3週間ナイロビへ行くと書かれていました。 |
第26話 マーフィの災難 |
別荘にはケニアの古い地図があり、ジャッキーはそれを持っていく事にしました。地図を見たテンボは、昔アラビアの商人たちが使った道が川沿いにヌディ近くまであったので、少し遠まわりになりますが安全の為にその道を使おうと考えます。そして川の河口にお父さんのカヌーがあると聞いてカヌーで川をさかのぼる事にしました。 |
第27話 追う人、追われる人 |
ジャッキーたちはパドルを漕ぎ続け、カヌーで川をさかのぼります。ワニの大群の横を通り抜けた時、マーフィが騒いだ為、ワニが2匹追いかけてきました。ジャッキーたちはカヌーを漕いで逃げようとしますが追いつかれてしまい、ジャッキーの発案で釣ったばかりの魚をワニに投げ与えて、その間に逃げるのでした。 |
第28話 密林の象たち |
密猟者たちはモーターボートに乗ってジャッキーたちを追って川の上流へ進みます。お父さんたちもジャッキーを探して河口までやって来ました。ところがお父さんのカヌーがなくなっているのです。警部はジャッキーを誘拐した犯人がカヌーを盗んで逃げたのではないかと言いますが、お父さんの考えは違いました。もしジャッキーが本当に誘拐されたとしたら、お父さんのカヌーを盗まなくても、周りにもっと立派なカヌーがいくつもあったので、それを盗むはずだと考えていました。だからお父さんはジャッキーが進んで男について行ったのだと言います。その男がテンボだという事もお父さんにはわかっていましたが、テンボがなぜお父さんに連絡も入れずにジャッキーを連れているのかは、お父さんにもまったくわかりませんでした。その時、密猟者たちの乗ったモーターボートがお父さんの前を通り過ぎていきました。お父さんはモーターボートに乗っていた人が、見た事のある人だと気付きますが今はそれどころではなく、そのまま立ち去ってしまうのでした。 |
第29話 野生をとりもどせ!! |
ジャッキーたちの徒歩でのサバンナの旅が始まりました。夕方になりテンボは今夜の寝床を見つけます。ジャッキーはカマキリを見つけるとマーフィーに捕らせようと考えました。ジャッキーはこのサバンナの旅の間にマーフィーに自分で餌を捕れるように訓練し、アフリカの自然に帰そうと考えていたのです。しかしマーフィーはカマキリが羽を広げただけで驚きのあまり逃げ惑い、とても自分で餌を捕れるようになるとは思えませんでした。その後、ジャッキーは何度もマーフィーに自分で餌を捕るように訓練しますが、いずれも失敗します。ジャッキーはマーフィーが自分で餌を捕れるようになるまでは食事を与えないでいようと決心し、その日マーフィーは何も食べる事ができませんでした。 |
第30話 サバンナのおきて |
ジャッキーたちのサバンナの旅は続きます。ジャッキーたちはワランガ族の男に、ずっと後をつけられており、ジャッキーたちもそれに気付いていましたが、攻撃してくる気配はなかったので、そのまま歩き続ける事にしました。ヌディまであと40キロほどになりましたが、日中は暑くてあまり歩く事ができず、ヌディまであと3〜4日はかかりそうです。手持ちの食料が少なくなってきましたが、野生の果物が豊富にあったので食料には不自由しませんでした。 |
第31話 毒矢とハーモニカ |
ジャッキーはマーフィーに昆虫を捕らせようとしますが、すぐにミッキーが甘やかしてマーフィーに餌をあげるので、ジャッキーは少々おかんむりです。しばらく歩くと煙が見えてきました。それはマサイ族の行う野焼きの火でした。マサイ族は雨季の直前に野原に火を放ち、雨になると牧草の種をまけばよく育つ事を知っていたのです。そして煙の先にキリマンジャロの頂きが見えてきました。キリマンジャロを目指して歩けば、その途中に目的地ヌディがあるのです。そう考えると3人は力が沸いてくるのでした。 |
第32話 やさしい戦士・テンボ |
夜中、ジャッキーはテンボに会おうと考え、トイレと言って茂みに入っていこうとしました。ところが密猟者のもう1人のマイケルはジャッキーの企みを見抜いていました。しかしマイケルはジャッキーにテンボへの伝言を頼んだのです。事務所から持ち出した書類を返せば子供たちを解放すると… ジャッキーはミッキーを残したまま茂みに入っていき、テンボにその事を伝えました。しかしテンボはサバンナの地では例え1人対2人でも絶対に負けない自信があり、密猟者たちの要求を拒否する事にしました。ジャッキーが密猟者のもとに戻ってきた時、ジャッキーは野犬に襲われそうになります。マイケルは銃で野犬を撃とうとしますが狙いがうまく定まらず、野犬がジャッキーに飛び掛かったその時、別の方角から銃声が聞こえ野犬は1発で仕留められました。それはテンボが撃ったものでした。 |
第33話 炎に向かって走れ! |
クランクショウ博士はマザーグース号で全員を連れて帰ろうとしますが、マザーグース号は2人乗りの為、最初に足をケガしているミッキーが乗る事になりました。ミッキーの足の具合は悪く、熱もいっこうに下がらなかったのです。そしてテンボはクランクショウ博士に密猟者たちの偽の輸出許可証を託します。その頃テンボたちが向かおうとしているヌディの方向のサバンナはマサイ族の野焼きの炎が広がっていました。いつもなら雨期にさしかかる頃なので火は消えてしまうのですが、今年はなぜか雨が降らず炎は燃え広がるばかりで、ジャッキーたちの近くまで迫っていたのです。クランクショウ博士は風向きが変わらなければマザーグース号で往復するくらいの時間は大丈夫だと言い残して飛び立って行きました。 |
第34話 マサイ族の小屋 |
テンボが必死で道を切り開いていると子象が煙にまかれて避難してきました。テンボは子象を脅かし、怯えた子象は藪の中に逃げ込み、自ら道を切り開いて行ったのです。テンボはジャッキーを抱えて子象の尻尾につかまると、そのまま藪を突破することに成功しました。 |
第35話 ジャッキー倒れる |
マサイ族の男はジャッキーを襲う様子はありませんでした。マサイ族の男はアトマニという名前で家畜を襲っていた野犬を槍で殺してきたばかりだったのです。この小屋はアトマニの家でアトマニはロバを探していました。その時テンボが小屋に帰ってきてロバは豹に襲われたと言います。テンボは小屋の水を使わせてもらった為、川まで水を汲みに行ってそこでロバの死骸を見つけたのです。 |
第36話 ヒョウと二人の戦士 |
豹はジャッキーのすぐそばまで近づいてきました。そして脅えて小屋の中を逃げ惑うマーフィーを追いはじめたのです。そこへテンボとアトマニが戻ってきたので豹は逃げ去ってしまいました。しかし小屋の裏に豹に襲われた家畜の牛の死体があり、アトマニとテンボは豹を退治する為、出かけていきました。 |
第37話 雨の日の思い出 |
ジャッキーとテンボは小屋に泊まりました。しかし雨期が到来したようで次の日になっても雨はやむ気配はありません。ヌディまであと10キロ程の距離でしたが、テンボは足を痛めており洪水の道を歩けないのです。ヌディよりもこの小屋のある岩山の方が高い場所にあり、線路が土手の役目をしていたので、テンボたちは筏を使って線路まで行き、線路伝いに歩いてヌディまで行こうと考えました。ちょうどアトマニが小舟を持っていたので、その小舟で線路まで行く事にしました。しかし、小舟はとても小さくて、おまけに舟底に穴が開いていたので、泳げないテンボはとても心配です。今日はまだ水かさが浅かったので、もう1日待って明日出発する事にしました。 |
第38話 列車が流される!? |
テンボとジャッキーはヌディ目指して土手の線路の上を歩き続けます。2〜3キロ歩いてようやくヌディの駅に到着しました。駅舎には誰もいないように見えましたが、密猟者の残り1人のマイケルがテンボを待ち伏せしていたのです。銃を突きつけられてテンボとジャッキーは再び囚われの身となってしまいました。マイケルはテンボから偽の輸出許可証を奪い取ろうとしますが、偽の輸出許可証はクランクショウ博士に預けてありました。マイケルはテンボを脅してロープでジャッキーを縛らせると、テンボに増水している川に飛び込むように命令します。こんな大雨で氾濫している川に飛び込んだら死んでしまうとテンボは反論しましたが、マイケルはテンボのおかげでひどい目にあったのだから、罰としてそれくらいの事はしてもらうと言って聞きません。テンボはマイケルと一緒に、ロープで縛られているジャッキーを残して駅舎から外に出て行こうとしました。ところがその時マーフィがマイケルの顔に飛びつき、マイケルが怯んだ隙にテンボは銃を払い落としたのです。2人はそれから格闘を続けましたが、後からやって来たヌディの駅長のギデオンさんと協力してマイケルを取り押さえてしまいました。 |
第39話 駆けぬけろマーフィ |
テンボたちが車のヘッドライトを点滅させたおかげで、どうやらお父さんたちもジャッキーたちに気付いたようでした。お父さんたちも探し続けていたジャッキーが無事な姿で見られた事で涙を流して喜びました。しかしジャッキーたちとお父さんたちの間の堤防は決壊し、お互いの所に行く事すらできないのです。ジャッキーはナイロビからの列車を止めなければならない事を伝えようとしますが、どうしても伝える事はできません。ジャッキーは給水パイプを伝って反対側に行こうと鉄塔に登りましたがテンボに止められてしまいます。しかしテンボはマーフィを使って反対側に手紙を送る事を考えつきました。さっそくギデオンさんは手紙を書いてマーフィの背中にくくりつけ、再びジャッキーとテンボは鉄塔に登ってマーフィを送りだしました。反対側ではその事にお兄さんが気付き、給水パイプの反対側で待っているとマーフィがやって来ました。駅長からの手紙にはナイロビから列車がやって来るので列車を止めてなければならない事と、手紙が届いたら銃を2発撃ってほしいと書かれていました。お父さんは空に向けて銃を2発発射し、その音を聞いたテンボたちは安心するのでした。 |
第40話 マーフィのさようなら |
マーフィーは給水パイプの中を進み、パイプの継ぎ目の所まで来ましたが、継ぎ目が広がっていてマーフィーは脅えて渡れません。お兄さんは給水パイプに向かって必死でマーフィーを呼び、それに勇気づけられたマーフィーは継ぎ目から川に落ちそうになりながらも、釣り糸を引っ張って3度対岸まで行く事ができました。そしてジャッキーたちは発煙筒をを入れた袋を釣り糸にくくりつけてお兄さんたちに釣り糸を引っ張ってもらいますが、パイプの継ぎ目に袋が引っかかってしまいます。列車は刻々と決壊現場に近づいており、一刻の猶予もありません。お兄さんはマーフィーが袋が引っかかっているのを外してくれればと言いますが、マーフィーに言葉が理解できるはずがありません。しかし袋が引っかかっているのを知ったジャッキーが対岸からマーフィーに叫ぶと、マーフィーは果敢にも再び給水パイプの中を進み、袋が引っかかっているのを外したのです。袋は無事にお兄さんのもとに届きましたが、その瞬間、鉄塔が崩壊し給水パイプは濁流の中に落下していきます。しかしジャッキーは給水パイプが落ちる直前に給水パイプの中を走ってジャッキーのもとに戻って来たのでした。 |