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北海道自転車ツーリング 4日目
蘭越〜ニセコ〜赤井川 −峠越えの連続−
2013年08月05日

4日目の走行地図

4日目の速度グラフ
速度
4日目の高度グラフ
高度

 昨夜は21時に寝た。途中3〜4回ほど目覚めたがそれでもぐっすりと寝ることができたようで目覚めた時には4時10分だった。朝は16℃と少し肌寒くなっており、夜中にジャージの上を着てテントの入り口を閉めてシュラフに入りなおしたが正解だったようだ。起きるにはまだ早かったが薄暗い中ヘッドライトをつけて昨日の旅の日記の続きを書いた。
 5時から行動を開始しようと考えていたが、ラジオの天気予報を聞こうと考えていたら天気予報を流してくれたのが5時15分だったのでそれまで旅の日記を書き続けることになり、おかげで昨日の分の旅の日記を書き終える事ができた。せっかく携帯ラジオを持ってきたのはいいが肝腎の天気予報を流してくれる時間がよくわからなくて、天気予報が流れるまでラジオを聞き続けなければならないのが問題だ。
 5時20分から朝食にラーメンを作り撤収の準備を進める。今回の北海道自転車ツーリングからマルちゃんの正麺を持参しており、これは味の美味しさはもちろんのこと麺の形状が四角ではなくて丸いことからツーリング用ラーメンの決定版とまで思っていた。しかしここ数日のラーメンの自炊で少し問題点が発覚した。それは麺が少し細くて割れやすいのだ。自転車ツーリングでは袋麺もサイドバッグに適当に詰め込みそれが一日中振動衝撃にさらされる。正麺はこの振動衝撃に耐えられずすぐに割れてしまうので、いざラーメンを食べようとするとラーメンの割れたカスが大量に出るのだ。これは想定外だった。来年からはもう少し考えるようにしよう。
 ラジオの天気予報では後志管区は晴れ後曇り、所によりにわか雨と言っていたが、携帯の天気予報では曇り一時雨となっている。どちらが正しいか見極めてやろう。いずれにせよ午前中は持ちそうだが、午後からは降り出すことだろう。
撮影日時:2013/08/05 05:52:58 シャッター速度:1/15 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
朝のキャンプ風景
撮影日時:2013/08/05 05:54:06 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
蘭越町ふるさとの丘リンリン公園キャンプ場
 今日の予定を見てみると、まず蘭越から道道268号線に入って新見峠を越え、道道66号線でチセヌプリ峠を越え、道道58号線で五色温泉を越えて倶知安に下り、そこから新しく開通した国道393号線で赤井川に抜ける予定だ。昨日頑張って走ったおかげでおそらく今日の走行距離は70kmくらいしかないと思われたが、峠を4つも越えることになるのでそれ以上は厳しいだろう。
 一昨日八雲の薬局で買った315円のサングラスはあまりの安さからかこれをかけて一日走ると目が痛くなっていた。どうもUVカットの効果がなくて目が紫外線にやられているような気がする。こればかりは買い直すしかないと思っていたが、よく考えたら肌に塗る日焼け止めをサングラスのレンズに塗ればUVカットの効果が出るのではないかと考えた。すぐに実行に移したがさすがに肌に塗る日焼け止めをサングラスに塗ると前が見えなくなってしまったのでタオルで拭き落とす。
 今日はバーベキューハウスの下にテントを張ったので撤収は案外早く終わった。ただ少し問題が発生した。ペグを入れるビニール袋が破れて使い物にならなくなってしまった。これは11年前にテントを買った時にペグが入っていたビニール袋をそのままずっとペグの収納袋として使用していたが11年間の使用でとうとう破れてしまったのだ。元々ペグはポール入れに入れているのでビニール袋がなくても大きな問題ではないが、ポールを入れる袋の中でペグがばらけるのが嫌なので今回の北海道自転車ツーリングはあきらめるとして帰ったら何かで代用する事にしよう。
 6時30分には出発だ。キャンプ場の入り口に雰囲気の良い公園があったので撮影しておく。坂を登って国道5号線に出ると昨日あれだけ苦労した坂を一気に下る。7時ちょうどに蘭越の町に到着。ツーリングマップルによるとコンビニは蘭越の町を2kmほど行き過ぎないとないかと思っていたが、蘭越の駅近くにセイコーマートとローソンがあった。キャンプ場で出たゴミを捨て、この先倶知安までコンビニはないのでパンを買い出しし、カツゲンも購入して店の前で飲む。
撮影日時:2013/08/05 07:03:40 シャッター速度:1/60 絞り:F8.0 焦点距離:56mm
パンとカツゲンを食べる
撮影日時:2013/08/05 08:01:27 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:98mm
交通量の少ない道道268号線を登る
 国道5号線を少し走るとすぐに左に曲がり道道268号線に入る。この道に入った途端に急坂が始まった。ここまでキャンプ場から10km、7時10分からの標高748mの新見峠越えスタートだ。峠道は緩やかにカーブを描く登りで勾配は6%くらいが延々と続く。私は20分で100m登ったら休憩しようと考えていたが、朝一番という事もあって案外あっさりと登ってしまった。とりあえず峠を45分登り続けて標高280m地点で7時55分から10分ほど休憩する。
 この峠は木々が道路の両側に張り出しているのでアブの攻撃にさらされやすい。時速6kmというスピードではアブから見れば止まっているも同然で、アブの攻撃になすがままでしかない。この道道268号線は交通量が極めて少なく10分に1台車が通過するかどうかといったところだったので道の真ん中を走ってアブが気づかないうちに通り過ぎてしまう作戦をとった。
 1回目に休憩した場所からしばらく傾斜の緩やかなところが続いたが、やがて再び傾斜は6%前後となる。そろそろ眺めが良くなってくる頃だったがあいにくのく曇りで眺めはいまいちだった。それよりも前方に雲が垂れ込めているので頂上付近は雨かもしれない。それでもまだ朝一番のパワーが残っていたのと今日は比較的涼しかったので元気に登り続け、さらに40分登り続けて8時45分には標高500mの新見温泉に到着。ここで昨日寿都のコンビニで買って食べ残していたおにぎりを食べてエネルギーを補給し休憩する。
 9時ちょうどに新見温泉を出発。ここからは道が細くなると同時に傾斜が一気に急になった。しかも交通量が極端に少ないので何か出そうな雰囲気だ。熊が出ないことを祈る限りだ。この頃になると太陽こそ顔を出さないが少し空が明るくなり始めた。この調子なら雨は降りそうにないだろう。これから向かう東の空は明るかったが反対側の西の空は暗く雨が予想された。
 そこからも急坂をパワー全開で登り続ける。もう少し眺めがいいかと思ったが周囲の木が邪魔をしてそれほどでもなかった。新見温泉からさらに25分登り続けて標高660m地点で再度休憩し今度はパンを食べて15分ほど休憩する。
 9時40分から頂上までの残り少しを登り始める。この頃には標高が上がったからか気温がずいぶんと下がり、蘭越から登り始めの頃は頭から汗が滴り落ちていたが、今では汗もかかなくなり休憩していると肌寒く感じるほどだ。
 そういえばパワーをかけて坂を登ると何か足に違和感を感じるようになった。どうも右足がうまくペダルと固定されていないというか、つま先で踏んでいるというか。私は普段はSPDシューズを履いているのでペダルとシューズは完全に固定されているが、北海道自転車ツーリングではハイキングシューズでペダルを踏むのでトークリップを使うことになる。このトークリップが靴のサイズに合わず、つま先だけで踏んでいるような感じだ。
撮影日時:2013/08/05 08:21:29 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:112mm
蘭越の町が見えた
撮影日時:2013/08/05 09:50:44 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:34mm
新見峠頂上
 麓から登り始めて2時間45分経過した9時55分に標高748mの新見峠頂上に到着した。頂上を示す標識もなかったことから写真だけ撮ってすぐに岩内側に下り始める。標高差で170mほどを5分で下って10時ちょうどに道道66号線、通称ニセコパノラマラインに合流した。ここからは標高832mのチセヌプリ峠まで260mほどの登りだ。
 新見峠を越えたあたりから雲間から青空が見え始め、いつしか太陽も出てきた。岩内の町並みがきれいに見えたが木々が邪魔をして写真に撮るほどではなかった。どうせニセコパノラマラインを走っていれば嫌と言うほど岩内の景色は見えるはずだ。と思っていたらしばらく登っているうちに再び曇り始めてしまった。
 道路工事で片側通行していたが、この片側通行の区間が急な登りだったので車を待たせないか心配だったが幸いにも私が走り抜ける間車が来ることはなかった。しかしちょうど工事区間中に岩内の町を見下ろせるベストポジションがあったのだが、片側通行の区間での撮影はあきらめるしかないようだ。
撮影日時:2013/08/05 10:35:32 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:34mm
小さな滝の横で休憩
撮影日時:2013/08/05 10:45:08 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:35mm
神仙沼
 30分ほど登って標高720m地点に滝があったのでパンを食べながら休憩する。ここから先は神仙沼まですぐだった。神仙沼の標識の前で写真撮影し反対側にある展望台に行こうとするが展望台は工事中で閉鎖されていた。どうやら私は岩内の景色は撮影できない運命にあるようだ。
 神仙沼からチセヌプリ峠まではすぐだと思っていたが以外と距離があり、11時10分にようやく標高832mのチセヌプリ峠に到着した。ところがチセヌプリ峠の南側は霧がひどくて何も見えない。もしかして霧雨かと思ったがガスがかかっているだけで雨ではないようだった。これでは景色も何も見えないのですぐに出発。15分下って道道58号線との交差点に到着した。
撮影日時:2013/08/05 11:04:49 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:61mm
頂上近くはガスが出ていた
撮影日時:2013/08/05 11:09:19 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
チセヌプリ峠の頂上
 この交差点から標高差で50mほど下ったところに大湯沼がある。私は大湯沼も見てこようかと思ったがこの天気では写真映りも良くないだろうし、行くのは坂を下るだけだから簡単だが戻ってくるのが大変なので断念する事にした。
 道道58号線は標高610mのスタートから最高点となる標高798mまで188mの登りだ。道道58号線に入ると1kmほどの間だけ反対車線側の景色が良くなる。私はここを走るのはこれで3回目になるが毎回ここだけは反対車線を逆走するので今年も同様に逆走した。蘭越の町が見えたが今日は曇っていたのであまり景色は良くなかった。
撮影日時:2013/08/05 11:26:49 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:34mm
蘭越を見下ろす
撮影日時:2013/08/05 11:55:49 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
五色温泉橋展望台
 11時55分に五色温泉橋展望台に到着。ここに天然のミネラルウォーターがあるのを知っていたのでボトルへの給水を楽しみにしていたが、残念なことにミネラルウォーターでなくただの水道水に変わったようだ。展望台に自転車を持ち込み撮影。今日は曇っているのであまり眺めは良くなかった。この場所に五色温泉インフォメーションができていたので中で旅の日記を書きながら久しぶりの大休憩をとる事にした。
 五色温泉インフォメーションは私も初めて見た。ここは北海道自転車ツーリングでも過去に2006年と2009年の2回来ているがこの施設を見るのは初めてだ。後で知った話だがこの五色温泉インフォメーションはニセコ山系の登山・高山植物・紅葉、開花情報など豊かな自然を身近にふれられる地域の情報や自然学習についてアドバイスしたり、環境保全へのメッセージを提供する施設として今年の6月に完成したそうだ。内部にスタッフは不在だったが館内にはテーブルと椅子があったのでそこでしばらく旅の日記を書いた。
撮影日時:2013/08/05 11:58:05 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:45mm
五色温泉インフォメーションの外観
撮影日時:2013/08/05 12:00:19 シャッター速度:1/20 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
五色温泉インフォメーションの内部
 12時20分に五色温泉橋展望台を出発。12時を過ぎてまだ44kmしか走っていないのは記録ではないだろうか。それもそのはず今日は蘭越から新見峠まで標高差で740mほど登り、さらにニセコパノラマラインを260mほど登り、さらに五色温泉まで190mほど、合計今日だけで既に1250mも登っているのだ。
5分ほど今日一番の急坂を走るとニセコお花畑の頂上に到着。残念なことにアンヌプリもイワオヌプリも曇っていて見えなかった。私はせっかく三脚を持ってきているのだし天気が良ければ自分撮りしようと考えていた。あいにく曇り空だったが、ここで自分撮りしないと今度いつできるかわからないような気がしたので三脚と赤外線レリーズを持ち出して自分撮りに挑戦する。セッティングがうまくいったので一回で成功。かかった時間は5分ほどだった。
撮影日時:2013/08/05 12:25:34 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
ニセコお花畑
撮影日時:2013/08/05 12:29:26 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
イワオヌプリが見えた
 ニセコお花畑を倶知安側に下ると次第に晴れ間が見えてきた。今日はこのニセコ連邦の北側は天気が良く南側は天気が悪いようだ。よく考えたら私は今日このニセコ連邦を3回も越えたことになる。まず蘭越側から新見峠を越えて共和に入り、次にチセヌプリ峠を越えて再び蘭越へ、そして五色温泉から倶知安へと3回も越えた。他人が見たらバカではないかと思われるだろうけど、やっている本人は楽しいのだから仕方がない。
 そこからはひたすら道道58号線の急坂を下ってくる。今日の積算上昇高度もすごいが積算下降高度もすごく、私は最近下り坂では30km/h以上スピードを出さないように必ずブレーキをかけるのでブレーキのシューが不安になるほどだった。今日が曇りだったから良かったようなものの、もし雨だったらブレーキシューがすり減ってなくなっていたことだろう。
撮影日時:2013/08/05 12:36:05 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:112mm
自分撮りに挑戦
撮影日時:2013/08/05 12:51:47 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:67mm
羊帝山が少しだけ見えた
 途中羊蹄山の頂上がよく見えていた。これは倶知安から羊蹄山がきれいに見えるのではないかと期待していたが、見えていたのは道道58号線の中腹からだけで倶知安まで下ると羊蹄山は雲で隠れて見えなくなってしまった。
 13時10分に倶知安の町まで降りてきた。さすがに蘭越のコンビニで食糧を補給して以来峠を3つ越えてきたので食料は底をついていた。ここから今日泊まる予定のキャンプ場まで20kmほどあるのと、明日も毛無峠を越えて小樽に降りるまではコンビニがないので食糧を補給しようと考えた。倶知安の町から国道276号線に入って少し走るとコンビニがあった。私はEdy払いするため携帯電話を持ってコンビニに入った。
 2009年から私はお財布携帯でEdyを使い始めた。当時はローソンとセブンイレブンしか対応していなかったが2011年からはセイコーマートでもEdy払いができるようになったおかげでとても便利になった。まずコンビニで小銭が不要になったので現金が減りにくくなった。使う現金と言えば温泉とキャンプ場くらいで1日1000円もあれば十分だ。だから自転車キャンプツーリングをするならEdyと日本全国どこの町にもある郵便局のキャッシュカードさえ持っていれば現金はほとんどいらないと言えるだろう。
 そんなEdyに毎回の北海道自転車ツーリングで1万円ほどチャージしておけば十分なのだが、今年はANAマイレージのキャンペーンでおいしいのがあった。それはANAと楽天Edyの提携10周年を記念したキャンペーンだ。通常のANAマイレージクラブ会員だと3000マイルで1000円分のEdyとあまり魅力はないが、ANAの上級会員は25000マイルで25000円分のEdyと交換できるというありがたいものだった。
 私はスーパーフライヤーズカードの会員でもあり普段使いのカードとして使っていたのでいつの間にかマイルがたまって消費するのに苦労していた。もちろん特典航空券やSKYコインに交換すればいいのだが、自分のように週末北海道が晴れそうだなと思ったら2〜3日前に航空券を予約して、ふらっと北海道に行くような人には特典航空券はあまり使えず、どちらかと言うと株主優待券の方が役に立つので株主優待券をメインに使っていたのだが、この株主優待券も年に14枚ももらうと、かつては頻繁に北海道に行っていたが、最近は仕事が忙しくて行く機会がめっきり減ってしまい、株主優待券も年間4枚も使えば十分という状態になってしまった。
 株主優待券はヤフオクや金券ショップに行けば1枚4000円くらいで買い取ってくれるが、ANAのマイルそれができないので貯まる一方だったが、ようやくこのEdyに交換できるキャンペーンのおかげで一気に25000円分をEdyに交換する事ができた。これで今回の北海道自転車ツーリングのスタート時には3万円のEdyがチャージされており、まさに小金持ち状態だった。これならコンビニでも多少の豪勢はできる。
 私はいつもの事になるが夕食用に3個パックのヨーグルトを買い、そのうちの1個とバナナを店の前で食べた。このコンビニで3個パックのヨーグルトにスプーンを付けてくれなかった。後からもらいに行ってもいいのだが、スプーンくらい自分でも持っているのでサイドバッグをかき回してマイスプーンを取り出し食べた。このコンビニで歯ブラシも忘れずに購入。携帯用ではないがまああと2週間だけだからどんなのでも問題ないだろう。これで明日から歯が磨ける。倶知安に降りた頃から太陽が顔を出していたので、ここからは日焼け防止にタオルをほっかむりにして走ることにした。
撮影日時:2013/08/05 13:28:05 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:42mm
バナナとヨーグルトを食べた
撮影日時:2013/08/05 13:49:15 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:112mm
長い直線の急坂を登る
 13時30分にコンビニを出発。ここから先は国道393号線に入る。私は最近までこの国道393号線が全線開通したのを知らなかった。なぜなら私が使っている2008年度版のツーリングマップルでは開通していないことになっている。私は今回の北海道自転車ツーリングで毛無峠を走ろうとコースを考えていた時グーグルマップがこの道を案内したことで開通したことを知ったのだ。どうやら2008年9月に全線開通になったらしい。ところが事前に得ていた予備知識は開通したという事だけでそれ以上は何も知らなかった。つまりどれだけの標高の峠があるのかまったく知らないまま来てしまったのだ。ツーリングマップルを見ると600mの等高線を越えているので600m以上あることになるが、おそらく頂上付近はトンネルでくぐっているであろうから実際に登る高さはどれくらいになるのだろうか。
 国道393号線に入るといきなり急坂の直線道路が目の前に迫った。これを越えないと先には進めないので頑張って進むが、300番台と400番台の国道は酷道が多いと聞かされているので、いきなりこの調子では本当にこの道を走って大丈夫だろうかと心配になってしまう。
撮影日時:2013/08/05 13:53:43 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
倶知安の田園地帯を走る
撮影日時:2013/08/05 14:10:26 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
今日の天気はほとんど曇りだ
 国道393号線はしばらく倶知安の田園地帯を走るといよいよ峠にさしかかった。14時30分から393号線のチェーン装着場の少し先にある大きな草むらの陰で10分だけ休憩し旅の日記を書く。このあたりから再び太陽が雲に隠れたのでほっかむりにしていたタオルを首にかける。ほっかむりにすると日差しは避けられるが暑くてたまらないのが問題だ。しかもニセコを走っている頃は気温が20℃以下で涼しかったが、ここでは気温が25〜27℃くらいあり汗が滴り落ちてくる。
撮影日時:2013/08/05 14:54:08 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:67mm
樺立峠を登る
撮影日時:2013/08/05 15:07:17 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
望堤橋からの景色
 14時40分に出発。この国道393号線の樺立峠は新しい道だけあって路肩は広く勾配が6%前後で一定しており暑いことを除けば比較的登りやすい部類だ。しかし私は午前中に1190mも登っていたので疲労がたまっておりなかなか登ることはできなかった。そしてようやく15時15分に峠の頂上の樺立トンネル入り口に到着した。樺立峠の標高は489mで倶知安の標高が約170mだから320m登ったことになる。これで今日の積算上昇高度は1510mにも達してしまった。
撮影日時:2013/08/05 15:20:18 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:42mm
樺立峠の頂上
撮影日時:2013/08/05 15:25:08 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
樺立峠の赤井川側
 峠の頂上にある全長2001mの長い樺立トンネルを越えると下り坂が始まった。ここを下っているとき前方からロードの集団が坂を登ってくるのが目に入った。何の集団かはわからなかったが自分のことはさしおいてもこんな峠を登ってくるとは元気なものだ。
 長い下りを下り続けたところにキャンプ場の併設されたホテルドロームがあった。15時40分にドロームキャンプフィールドに到着。受付を済ませてサイトに行くと驚いた。広大な敷地の周囲には車の通行や駐車が可能な通路があり、芝生の広場と適度に植えられた木々、そしてサイトの端には小川が流れているという、これ以上のロケーションはないと言った感じのキャンプ場だった。これを見ると私がこれまで北海道で訪れた100以上のキャンプ場はすべて野営場のレベルだろう。
 正直言うと大人一人800円で自転車やバイクは不要だが車だと駐車場代が別にかかる。北海道のキャンプ場としては安くない部類だが、これぞキャンプと言った雰囲気に圧倒されてしまう。ここはライダーやチャリダーがテントを張って寝るだけの為に利用するにはあまりお勧めしないが、家族でのんびりとキャンプを楽しむならこれほど優れたキャンプ場はないだろう。決して設備が充実しているわけではない。その自然溢れた環境がよいのだ。このキャンプ場はスノーピークのポイントカード提携キャンプ場であるだけでなく、毎年このキャンプ場でスノーピークウエイ北海道が開催されるのもうなづける。
撮影日時:2013/08/05 15:41:41 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
ドロームキャンプフィールド
撮影日時:2013/08/05 16:18:28 シャッター速度:1/25 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
とても雰囲気の良いキャンプ場だ
 今日はまだ家族連れが2組しかいないとのことで広大なサイトは好きな場所にテントが張りたい放題だった。私は自転車で敷地を一周し、雨が降ることを考慮して家族連れからは離れた木の下の少し高くなった場所を選んで設営を開始した。このキャンプ場は素晴らしいのだが、昨日一昨日に続いてアブが多かったのには閉口させられた。
 16時30分には設営完了。米を水に浸して炊飯の準備をして、テントに入って裸になって濡れタオルで全身を拭き普段着に着替える。そしてサイクリングジャージーは炊事場で洗濯していつものように自転車に干しておく。テントを設営していた時は太陽が出ていたが、洗濯する頃には太陽は雲に隠れて少し霧まで出てきた。
 17時から炊飯開始。明日の朝はラーメンではなくおじやにしようといつもより多めに1,5合炊く。カップの野菜は買い忘れていたので今日の夕食は昨日に続いて牛丼とワカメの味噌汁とヨーグルトだ。ご飯はうまく炊けたようでとてもおいしく食べることができた。
 17時40分には片づけも終わり、せっかくこんなにいい雰囲気のキャンプ場に来たのだし、キャンプ場にいつもより早く着いて時間も余裕があったので少し散策してみる。これだけいい雰囲気のキャンプ場は私の記憶をたどる限り層雲峡青少年旅行村くらいではないだろうか。規模は遙かに小さいが。
撮影日時:2013/08/05 17:34:06 シャッター速度:1/30 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
横には小川が流れる
撮影日時:2013/08/05 18:49:41 シャッター速度:1/8 絞り:F5.0 焦点距離:24mm
夕暮れのキャンプ場
 18時からラジオを聴きながら疲れをいやすべくしばらく横になって暑いのでうちわで扇いでいた。私は今回の北海道自転車ツーリングから携帯ラジオを持ってきていた。目的は北海道の天気予報と天気の概況を聞くためだ。しかしどの放送局でいつから天気をやっているかをあらかじめ知っていないとなかなか肝心の天気を知ることはできない。私はこれまでの3日間で天気予報を放送しないナイター中継やオールナイトニッポンを聞き続けたりしたが、4日目にしてようやくNHK第一の毎時55分頃から放送していることに気づいた。明日からはキャンプ場に着いたらこの時間になったらラジオをつけて天気予報を聞くとしよう。
 18時30分頃から起き出して旅の日記を書く。今日もアミノバイタルを飲んだが果たして本当に効いているのかどうかは疑問だ。これを飲んだ後も喉は渇いていたのでウィスキーのシングルを作って飲んだ。今日は自転車を走らせながら旅の日記を書いていたのといつもより早くキャンプ場に着いたので21時には旅の日記を書き終わってしまった。
 幸いにも今日はあまり目が痛くなかったので朝にサングラスに塗った日焼け止めの効果が予想外にもあったのかもしれない。しかしよく考えたら単に今日は太陽がほとんど顔を出さなかったのでいつもより紫外線を浴びなかっただけのような気もする。
 時間が余ったので明日の予定を考えてみた。明日は国道393号線で標高655mの毛無峠を越えて小樽に下り、さらにそこから道道1号線で標高677mの朝里峠を越えて定山渓に行く予定だ。距離にすると75kmほどしかないが峠を2つ越えると積算上昇高度は1120mくらいになるのでちょうどいいだろう。
 当初の予定では昨日賀老高原キャンプ場に泊まり今日はニセコの湯本温泉キャンプ場に泊まる予定にしていた。それだと距離にして120km、積算上昇高度で1000mくらいだから今日の到着時間から考えてもおそらくそのコースは達成できただろう。しかし今日湯本温泉キャンプ場に泊まると明日定山渓に行くには距離にして120km、積算上昇高度で1680mはとても達成できたとは思えない。無茶な計画を立てたものだ。どうも今年の北海道自転車ツーリングの計画立案の段階で峠の標高をあまり考慮せずに距離だけ見て1日のルートを決めたような気がする。それにしても昨日蘭越まで無理して走ったおかげで明日の行動がとても楽になった。
 明日以降の天気予報は、明日は曇り一時雨、7日は曇り時々晴れ、8日は晴れ時々曇り、9日は曇り時々晴れとなっている。明日は天気の谷間で短時間で激しい雨が降るらしい。こうした情報もラジオのおかげだ。やはり天気の概況を知ることができるのが大きい。
 昨日は距離をずいぶんと走ったが今日は峠ばかりを越えた。明日も今日と同様の峠デーだ。これを乗り切れば前半の峠のハイライトは越えたことになる。登坂は大変だが嫌いではないので何とか乗り切っていこう。
撮影日時:2013/08/05 21:18:55 シャッター速度:30 絞り:F5.0 焦点距離:24mm
キャンプ場の夜景
シャッター速度:1/60 絞り:F6.3 焦点距離:136mm
プロトレックのPRG−50
 時間が余ったのでキャンプ場の夜景を撮影したり、昨日までの旅の日記を補足していたら22時になったので寝ることにする。今日も疲れたがキャンプ場に早く入ればずいぶん楽ができるものだ。毎日とは言わないが時にはこうした休息日があってもいいだろう。
 今夜紹介するアイテムは時計だ。2003年の北海道自転車ツーリングではカシオのデータバンクという種類の時計を使用していたが、ツーリング途中の羅臼において台風の直撃に遭い、それ以来調子が悪くなって、帰宅後御臨終となってしまった。そこで2004年からは同じカシオ製のプロトレックブランドのPRG−50という時計を購入した。これは方位、高度、気圧、温度が測定できるというアウトドア用の時計だ。自転車の速度計は走行距離やケイデンスこそ計測してくれるが、自転車で登った高さ(積算上昇高度)は表示してくれない。でも自分が1日でどれだけの高さを登ったかを確認したかったのと、GPS携帯電話では地図はわかっても方位がわからないので、コンパスの機能も備えた腕時計を選んだというわけだ。
 残念ながら積算上昇高度の測定は誤差が多くてほとんど役に立たずほとんど使わなかった。しかしこの腕時計を使ってみると、とても役に立つ使い方がある事を発見した。まず第一にコンパスが付いている事。これは朝日や夕陽の撮影場所をロケハンする際にコンパス機能を使えばどのあたりから太陽が出てくるか推測できるのでとても役に立つ。さらに峠の標高をあらかじめ調べておけば、あとどれだけ登れば頂上に到着するか一目でわかるので、到着予定時刻やペース配分、休憩するタイミングなどがつかみやすいのだ。さらに曲がりくねった峠の場合はコンパス機能も併用する事で自分の現在地も容易にわかる。ソーラーパワーなので電池交換もする事なくもう10年も使い続けているが、ガラス表面に傷が付いてきたのでそろそろプロトレックの新型に買い換えようかと考えている。
 今夜も昨日に続いて暑くて寝られないような状態だ。昨日は屋根の下で寝たのでフライ全開の入り口はメッシュでも問題なかったが、今夜は雨になったら困るのでフライは閉じてメッシュは少しだけ開けて寝ることにしよう。今年の北海道は珍しく夜も暑くて、初日を除いてジャージの上はまったく着ていない。いつも寒くてたまらないことが多いのだがこれだけ暑い夜が続くのも珍しいものだ。

走行データ
走行距離   85.5km
走行時間   6時間51分
ペダリング数   16900回
平均時速   12.4km/h
最大速度   43.4km/h
平均ペダリング数   41rpm
総走行距離   439.2km
天候   曇り時々晴れ
最高気温/最低気温   26℃/16℃

食事
朝食   ラーメン
昼食   おにぎり、パン、バナナ
夕食   牛丼、味噌汁、ヨーグルト

出費
朝(コンビニ)   パン、牛乳   178円
昼(コンビニ)   おにぎり、ヨーグルト、バナナ、歯ブラシ   424円
キャンプ場   ドロームキャンプフィールド   800円
合計   1402円

キャンプ場
名称   ドロームキャンプフィールド
場所   ホテルドロームに併設
  北緯43度01分48秒、東経140度52分05秒
費用   800円
設備   トイレ、炊事場
風呂   10km先の赤井川に赤井川温泉保養センターあり
ゴミ   ゴミ箱なし
行きやすさ   キャンプ場の記載がないのでホテルの標識を入る
乗り入れ   外周にテントを張ればテントまで車、バイクの乗り入れ可
特徴   ホテルドロームに隣接したキャンプ場
  広大な敷地の周囲には車の通行や駐車が可能な通路があり
  芝生の広場と適度に植えられた木々
  そしてサイトの端には小川が流れている
  キャンプ生活を満喫するには素晴らしいキャンプ場だ
  国道に面して音がうるさいので小川側に設営したい
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