昨夜は21時に寝た。途中3〜4回ほど目覚めたがそれでもぐっすりと寝ることができたようで目覚めた時には4時10分だった。朝は16℃と少し肌寒くなっており、夜中にジャージの上を着てテントの入り口を閉めてシュラフに入りなおしたが正解だったようだ。起きるにはまだ早かったが薄暗い中ヘッドライトをつけて昨日の旅の日記の続きを書いた。 5時から行動を開始しようと考えていたが、ラジオの天気予報を聞こうと考えていたら天気予報を流してくれたのが5時15分だったのでそれまで旅の日記を書き続けることになり、おかげで昨日の分の旅の日記を書き終える事ができた。せっかく携帯ラジオを持ってきたのはいいが肝腎の天気予報を流してくれる時間がよくわからなくて、天気予報が流れるまでラジオを聞き続けなければならないのが問題だ。 5時20分から朝食にラーメンを作り撤収の準備を進める。今回の北海道自転車ツーリングからマルちゃんの正麺を持参しており、これは味の美味しさはもちろんのこと麺の形状が四角ではなくて丸いことからツーリング用ラーメンの決定版とまで思っていた。しかしここ数日のラーメンの自炊で少し問題点が発覚した。それは麺が少し細くて割れやすいのだ。自転車ツーリングでは袋麺もサイドバッグに適当に詰め込みそれが一日中振動衝撃にさらされる。正麺はこの振動衝撃に耐えられずすぐに割れてしまうので、いざラーメンを食べようとするとラーメンの割れたカスが大量に出るのだ。これは想定外だった。来年からはもう少し考えるようにしよう。 ラジオの天気予報では後志管区は晴れ後曇り、所によりにわか雨と言っていたが、携帯の天気予報では曇り一時雨となっている。どちらが正しいか見極めてやろう。いずれにせよ午前中は持ちそうだが、午後からは降り出すことだろう。
一昨日八雲の薬局で買った315円のサングラスはあまりの安さからかこれをかけて一日走ると目が痛くなっていた。どうもUVカットの効果がなくて目が紫外線にやられているような気がする。こればかりは買い直すしかないと思っていたが、よく考えたら肌に塗る日焼け止めをサングラスのレンズに塗ればUVカットの効果が出るのではないかと考えた。すぐに実行に移したがさすがに肌に塗る日焼け止めをサングラスに塗ると前が見えなくなってしまったのでタオルで拭き落とす。 今日はバーベキューハウスの下にテントを張ったので撤収は案外早く終わった。ただ少し問題が発生した。ペグを入れるビニール袋が破れて使い物にならなくなってしまった。これは11年前にテントを買った時にペグが入っていたビニール袋をそのままずっとペグの収納袋として使用していたが11年間の使用でとうとう破れてしまったのだ。元々ペグはポール入れに入れているのでビニール袋がなくても大きな問題ではないが、ポールを入れる袋の中でペグがばらけるのが嫌なので今回の北海道自転車ツーリングはあきらめるとして帰ったら何かで代用する事にしよう。 6時30分には出発だ。キャンプ場の入り口に雰囲気の良い公園があったので撮影しておく。坂を登って国道5号線に出ると昨日あれだけ苦労した坂を一気に下る。7時ちょうどに蘭越の町に到着。ツーリングマップルによるとコンビニは蘭越の町を2kmほど行き過ぎないとないかと思っていたが、蘭越の駅近くにセイコーマートとローソンがあった。キャンプ場で出たゴミを捨て、この先倶知安までコンビニはないのでパンを買い出しし、カツゲンも購入して店の前で飲む。
この峠は木々が道路の両側に張り出しているのでアブの攻撃にさらされやすい。時速6kmというスピードではアブから見れば止まっているも同然で、アブの攻撃になすがままでしかない。この道道268号線は交通量が極めて少なく10分に1台車が通過するかどうかといったところだったので道の真ん中を走ってアブが気づかないうちに通り過ぎてしまう作戦をとった。 1回目に休憩した場所からしばらく傾斜の緩やかなところが続いたが、やがて再び傾斜は6%前後となる。そろそろ眺めが良くなってくる頃だったがあいにくのく曇りで眺めはいまいちだった。それよりも前方に雲が垂れ込めているので頂上付近は雨かもしれない。それでもまだ朝一番のパワーが残っていたのと今日は比較的涼しかったので元気に登り続け、さらに40分登り続けて8時45分には標高500mの新見温泉に到着。ここで昨日寿都のコンビニで買って食べ残していたおにぎりを食べてエネルギーを補給し休憩する。 9時ちょうどに新見温泉を出発。ここからは道が細くなると同時に傾斜が一気に急になった。しかも交通量が極端に少ないので何か出そうな雰囲気だ。熊が出ないことを祈る限りだ。この頃になると太陽こそ顔を出さないが少し空が明るくなり始めた。この調子なら雨は降りそうにないだろう。これから向かう東の空は明るかったが反対側の西の空は暗く雨が予想された。 そこからも急坂をパワー全開で登り続ける。もう少し眺めがいいかと思ったが周囲の木が邪魔をしてそれほどでもなかった。新見温泉からさらに25分登り続けて標高660m地点で再度休憩し今度はパンを食べて15分ほど休憩する。 9時40分から頂上までの残り少しを登り始める。この頃には標高が上がったからか気温がずいぶんと下がり、蘭越から登り始めの頃は頭から汗が滴り落ちていたが、今では汗もかかなくなり休憩していると肌寒く感じるほどだ。 そういえばパワーをかけて坂を登ると何か足に違和感を感じるようになった。どうも右足がうまくペダルと固定されていないというか、つま先で踏んでいるというか。私は普段はSPDシューズを履いているのでペダルとシューズは完全に固定されているが、北海道自転車ツーリングではハイキングシューズでペダルを踏むのでトークリップを使うことになる。このトークリップが靴のサイズに合わず、つま先だけで踏んでいるような感じだ。
新見峠を越えたあたりから雲間から青空が見え始め、いつしか太陽も出てきた。岩内の町並みがきれいに見えたが木々が邪魔をして写真に撮るほどではなかった。どうせニセコパノラマラインを走っていれば嫌と言うほど岩内の景色は見えるはずだ。と思っていたらしばらく登っているうちに再び曇り始めてしまった。 道路工事で片側通行していたが、この片側通行の区間が急な登りだったので車を待たせないか心配だったが幸いにも私が走り抜ける間車が来ることはなかった。しかしちょうど工事区間中に岩内の町を見下ろせるベストポジションがあったのだが、片側通行の区間での撮影はあきらめるしかないようだ。
神仙沼からチセヌプリ峠まではすぐだと思っていたが以外と距離があり、11時10分にようやく標高832mのチセヌプリ峠に到着した。ところがチセヌプリ峠の南側は霧がひどくて何も見えない。もしかして霧雨かと思ったがガスがかかっているだけで雨ではないようだった。これでは景色も何も見えないのですぐに出発。15分下って道道58号線との交差点に到着した。
道道58号線は標高610mのスタートから最高点となる標高798mまで188mの登りだ。道道58号線に入ると1kmほどの間だけ反対車線側の景色が良くなる。私はここを走るのはこれで3回目になるが毎回ここだけは反対車線を逆走するので今年も同様に逆走した。蘭越の町が見えたが今日は曇っていたのであまり景色は良くなかった。
五色温泉インフォメーションは私も初めて見た。ここは北海道自転車ツーリングでも過去に2006年と2009年の2回来ているがこの施設を見るのは初めてだ。後で知った話だがこの五色温泉インフォメーションはニセコ山系の登山・高山植物・紅葉、開花情報など豊かな自然を身近にふれられる地域の情報や自然学習についてアドバイスしたり、環境保全へのメッセージを提供する施設として今年の6月に完成したそうだ。内部にスタッフは不在だったが館内にはテーブルと椅子があったのでそこでしばらく旅の日記を書いた。
5分ほど今日一番の急坂を走るとニセコお花畑の頂上に到着。残念なことにアンヌプリもイワオヌプリも曇っていて見えなかった。私はせっかく三脚を持ってきているのだし天気が良ければ自分撮りしようと考えていた。あいにく曇り空だったが、ここで自分撮りしないと今度いつできるかわからないような気がしたので三脚と赤外線レリーズを持ち出して自分撮りに挑戦する。セッティングがうまくいったので一回で成功。かかった時間は5分ほどだった。
そこからはひたすら道道58号線の急坂を下ってくる。今日の積算上昇高度もすごいが積算下降高度もすごく、私は最近下り坂では30km/h以上スピードを出さないように必ずブレーキをかけるのでブレーキのシューが不安になるほどだった。今日が曇りだったから良かったようなものの、もし雨だったらブレーキシューがすり減ってなくなっていたことだろう。
13時10分に倶知安の町まで降りてきた。さすがに蘭越のコンビニで食糧を補給して以来峠を3つ越えてきたので食料は底をついていた。ここから今日泊まる予定のキャンプ場まで20kmほどあるのと、明日も毛無峠を越えて小樽に降りるまではコンビニがないので食糧を補給しようと考えた。倶知安の町から国道276号線に入って少し走るとコンビニがあった。私はEdy払いするため携帯電話を持ってコンビニに入った。 2009年から私はお財布携帯でEdyを使い始めた。当時はローソンとセブンイレブンしか対応していなかったが2011年からはセイコーマートでもEdy払いができるようになったおかげでとても便利になった。まずコンビニで小銭が不要になったので現金が減りにくくなった。使う現金と言えば温泉とキャンプ場くらいで1日1000円もあれば十分だ。だから自転車キャンプツーリングをするならEdyと日本全国どこの町にもある郵便局のキャッシュカードさえ持っていれば現金はほとんどいらないと言えるだろう。 そんなEdyに毎回の北海道自転車ツーリングで1万円ほどチャージしておけば十分なのだが、今年はANAマイレージのキャンペーンでおいしいのがあった。それはANAと楽天Edyの提携10周年を記念したキャンペーンだ。通常のANAマイレージクラブ会員だと3000マイルで1000円分のEdyとあまり魅力はないが、ANAの上級会員は25000マイルで25000円分のEdyと交換できるというありがたいものだった。 私はスーパーフライヤーズカードの会員でもあり普段使いのカードとして使っていたのでいつの間にかマイルがたまって消費するのに苦労していた。もちろん特典航空券やSKYコインに交換すればいいのだが、自分のように週末北海道が晴れそうだなと思ったら2〜3日前に航空券を予約して、ふらっと北海道に行くような人には特典航空券はあまり使えず、どちらかと言うと株主優待券の方が役に立つので株主優待券をメインに使っていたのだが、この株主優待券も年に14枚ももらうと、かつては頻繁に北海道に行っていたが、最近は仕事が忙しくて行く機会がめっきり減ってしまい、株主優待券も年間4枚も使えば十分という状態になってしまった。 株主優待券はヤフオクや金券ショップに行けば1枚4000円くらいで買い取ってくれるが、ANAのマイルそれができないので貯まる一方だったが、ようやくこのEdyに交換できるキャンペーンのおかげで一気に25000円分をEdyに交換する事ができた。これで今回の北海道自転車ツーリングのスタート時には3万円のEdyがチャージされており、まさに小金持ち状態だった。これならコンビニでも多少の豪勢はできる。 私はいつもの事になるが夕食用に3個パックのヨーグルトを買い、そのうちの1個とバナナを店の前で食べた。このコンビニで3個パックのヨーグルトにスプーンを付けてくれなかった。後からもらいに行ってもいいのだが、スプーンくらい自分でも持っているのでサイドバッグをかき回してマイスプーンを取り出し食べた。このコンビニで歯ブラシも忘れずに購入。携帯用ではないがまああと2週間だけだからどんなのでも問題ないだろう。これで明日から歯が磨ける。倶知安に降りた頃から太陽が顔を出していたので、ここからは日焼け防止にタオルをほっかむりにして走ることにした。
国道393号線に入るといきなり急坂の直線道路が目の前に迫った。これを越えないと先には進めないので頑張って進むが、300番台と400番台の国道は酷道が多いと聞かされているので、いきなりこの調子では本当にこの道を走って大丈夫だろうかと心配になってしまう。
長い下りを下り続けたところにキャンプ場の併設されたホテルドロームがあった。15時40分にドロームキャンプフィールドに到着。受付を済ませてサイトに行くと驚いた。広大な敷地の周囲には車の通行や駐車が可能な通路があり、芝生の広場と適度に植えられた木々、そしてサイトの端には小川が流れているという、これ以上のロケーションはないと言った感じのキャンプ場だった。これを見ると私がこれまで北海道で訪れた100以上のキャンプ場はすべて野営場のレベルだろう。 正直言うと大人一人800円で自転車やバイクは不要だが車だと駐車場代が別にかかる。北海道のキャンプ場としては安くない部類だが、これぞキャンプと言った雰囲気に圧倒されてしまう。ここはライダーやチャリダーがテントを張って寝るだけの為に利用するにはあまりお勧めしないが、家族でのんびりとキャンプを楽しむならこれほど優れたキャンプ場はないだろう。決して設備が充実しているわけではない。その自然溢れた環境がよいのだ。このキャンプ場はスノーピークのポイントカード提携キャンプ場であるだけでなく、毎年このキャンプ場でスノーピークウエイ北海道が開催されるのもうなづける。
16時30分には設営完了。米を水に浸して炊飯の準備をして、テントに入って裸になって濡れタオルで全身を拭き普段着に着替える。そしてサイクリングジャージーは炊事場で洗濯していつものように自転車に干しておく。テントを設営していた時は太陽が出ていたが、洗濯する頃には太陽は雲に隠れて少し霧まで出てきた。 17時から炊飯開始。明日の朝はラーメンではなくおじやにしようといつもより多めに1,5合炊く。カップの野菜は買い忘れていたので今日の夕食は昨日に続いて牛丼とワカメの味噌汁とヨーグルトだ。ご飯はうまく炊けたようでとてもおいしく食べることができた。 17時40分には片づけも終わり、せっかくこんなにいい雰囲気のキャンプ場に来たのだし、キャンプ場にいつもより早く着いて時間も余裕があったので少し散策してみる。これだけいい雰囲気のキャンプ場は私の記憶をたどる限り層雲峡青少年旅行村くらいではないだろうか。規模は遙かに小さいが。
18時30分頃から起き出して旅の日記を書く。今日もアミノバイタルを飲んだが果たして本当に効いているのかどうかは疑問だ。これを飲んだ後も喉は渇いていたのでウィスキーのシングルを作って飲んだ。今日は自転車を走らせながら旅の日記を書いていたのといつもより早くキャンプ場に着いたので21時には旅の日記を書き終わってしまった。 幸いにも今日はあまり目が痛くなかったので朝にサングラスに塗った日焼け止めの効果が予想外にもあったのかもしれない。しかしよく考えたら単に今日は太陽がほとんど顔を出さなかったのでいつもより紫外線を浴びなかっただけのような気もする。 時間が余ったので明日の予定を考えてみた。明日は国道393号線で標高655mの毛無峠を越えて小樽に下り、さらにそこから道道1号線で標高677mの朝里峠を越えて定山渓に行く予定だ。距離にすると75kmほどしかないが峠を2つ越えると積算上昇高度は1120mくらいになるのでちょうどいいだろう。 当初の予定では昨日賀老高原キャンプ場に泊まり今日はニセコの湯本温泉キャンプ場に泊まる予定にしていた。それだと距離にして120km、積算上昇高度で1000mくらいだから今日の到着時間から考えてもおそらくそのコースは達成できただろう。しかし今日湯本温泉キャンプ場に泊まると明日定山渓に行くには距離にして120km、積算上昇高度で1680mはとても達成できたとは思えない。無茶な計画を立てたものだ。どうも今年の北海道自転車ツーリングの計画立案の段階で峠の標高をあまり考慮せずに距離だけ見て1日のルートを決めたような気がする。それにしても昨日蘭越まで無理して走ったおかげで明日の行動がとても楽になった。 明日以降の天気予報は、明日は曇り一時雨、7日は曇り時々晴れ、8日は晴れ時々曇り、9日は曇り時々晴れとなっている。明日は天気の谷間で短時間で激しい雨が降るらしい。こうした情報もラジオのおかげだ。やはり天気の概況を知ることができるのが大きい。 昨日は距離をずいぶんと走ったが今日は峠ばかりを越えた。明日も今日と同様の峠デーだ。これを乗り切れば前半の峠のハイライトは越えたことになる。登坂は大変だが嫌いではないので何とか乗り切っていこう。
今夜紹介するアイテムは時計だ。2003年の北海道自転車ツーリングではカシオのデータバンクという種類の時計を使用していたが、ツーリング途中の羅臼において台風の直撃に遭い、それ以来調子が悪くなって、帰宅後御臨終となってしまった。そこで2004年からは同じカシオ製のプロトレックブランドのPRG−50という時計を購入した。これは方位、高度、気圧、温度が測定できるというアウトドア用の時計だ。自転車の速度計は走行距離やケイデンスこそ計測してくれるが、自転車で登った高さ(積算上昇高度)は表示してくれない。でも自分が1日でどれだけの高さを登ったかを確認したかったのと、GPS携帯電話では地図はわかっても方位がわからないので、コンパスの機能も備えた腕時計を選んだというわけだ。 残念ながら積算上昇高度の測定は誤差が多くてほとんど役に立たずほとんど使わなかった。しかしこの腕時計を使ってみると、とても役に立つ使い方がある事を発見した。まず第一にコンパスが付いている事。これは朝日や夕陽の撮影場所をロケハンする際にコンパス機能を使えばどのあたりから太陽が出てくるか推測できるのでとても役に立つ。さらに峠の標高をあらかじめ調べておけば、あとどれだけ登れば頂上に到着するか一目でわかるので、到着予定時刻やペース配分、休憩するタイミングなどがつかみやすいのだ。さらに曲がりくねった峠の場合はコンパス機能も併用する事で自分の現在地も容易にわかる。ソーラーパワーなので電池交換もする事なくもう10年も使い続けているが、ガラス表面に傷が付いてきたのでそろそろプロトレックの新型に買い換えようかと考えている。 今夜も昨日に続いて暑くて寝られないような状態だ。昨日は屋根の下で寝たのでフライ全開の入り口はメッシュでも問題なかったが、今夜は雨になったら困るのでフライは閉じてメッシュは少しだけ開けて寝ることにしよう。今年の北海道は珍しく夜も暑くて、初日を除いてジャージの上はまったく着ていない。いつも寒くてたまらないことが多いのだがこれだけ暑い夜が続くのも珍しいものだ。
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