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北海道自転車ツーリング 5日目
赤井川〜小樽〜定山渓 −2日続きの峠越え−
2013年08月06日

5日目の走行地図

5日目の速度グラフ
速度
5日目の高度グラフ
高度

 昨夜は1時くらいに一度目覚めた時、ちょっと寒かったのでテントの入り口を閉めてジャージの上を着てシュラフに入って寝た。次に目覚めたのは4時30分になっていたが、まだ少し眠ったのでもう一寝入りする。次に目覚めたのは5時10分だった。今日もよく寝ることができた。
 ただここ数日ちゃんと寝たつもりでも明け方によく夢を見るようになった。夢の内容はほとんどは目が覚めると同時に忘れてしまうのだが、今朝見た夢はよく覚えていた。それは自分がなぜかスタパ齋藤氏になっていた。なぜスタパ齋藤氏に? などと考えてはいけない。夢とはそういうものだ。拙者は長い間ノートPC用の液晶パネルを設計していたが、その中でもソニー担当だった拙者は1997年のVAIO立ち上げ当初から拙者の設計した液晶パネルが数多くのVAIOで採用された。その中でも256倍思い入れの深いのは2006年に発売になったVAIO type Uシリーズだ!! 毎日のように大崎のソニー本社に行って仕様や技術打ち合わせをしたものだ。その思い入れの深いVAIO type Uが発表される直前、ソニーの技術者と「こんなマニア向けのパソコン、絶対にスタパ齋藤氏が買ってブログに評価を書いてくれますよ」などと笑い話をしていたら、本当に氏が買ってブログに書いてくれたのだ!! しかも液晶は文字が小さくて見にくい事を除けばきれいと評価も高く、ズギャァァァン!!となるくらいヒジョーに嬉しく思ったものだ。(文字が小さいのは仕様でありソニーの問題であってうちの責任ではないと言えよう)それ以降ちょくちょく氏のブログを読むようになったのですな。きっとその影響が夢に出たのだろう、みたいな。
撮影日時:2013/08/06 05:45:52 シャッター速度:1/30 絞り:F5.6 焦点距離:85mm
朝食におじやを作る
撮影日時:2013/08/06 06:12:43 シャッター速度:1/200 絞り:F5.6 焦点距離:24mm
適度な密度の木立で囲まれたキャンプ場
 スタパ齋藤氏の文体で書いていると、そうでなくても旅の日記を書くのに時間がかかるのに、さらに64倍も時間がかかるようになるので元に戻す事にする。テントの外に出ると青空が見えていた。ラジオの天気予報では今日は雲が多い晴れで、午後から場所によっては雷雨を伴った激しい雨にになるとの事だった。今日は時間的に余裕があるので雷雨になったらどこかで雨宿りしよう。洗濯物は乾いていなかったが、パンツだけは新しいのを履くことにしてサイクリングジャージーは濡れたままのを着る。今朝の気温は19℃と暖かいので問題ない。明日履くためのパンツを今日のうちに荷台に干しながら走るとしよう。
 朝食は昨日残しておいたご飯でおじやを作る。まずまずうまくできた。このキャンプ場はアブが多く朝からまとわりつかれる。どうも赤い色のテントに近寄ってくる習性があるようだ。テントを張った場所が炊事場やトイレから離れていたので何度も遠い距離を往復することになり撤収には時間がかかってしまった。
 このキャンプ場は非常にいいキャンプ場ではあるのだが1つ問題があった。それは朝水を汲みに入り口に近い手前側の炊事場に行ったとき水道から出てきた水が錆色をしていたことだ。おそらく水道管の中が錆びているのだろう。水を出しっぱなしにすれば解決したが、せっかくこれだけいいキャンプ場なのにこれはもったいない。
撮影日時:2013/08/06 06:48:26 シャッター速度:1/200 絞り:F5.6 焦点距離:43mm
キャンプ場を出発
撮影日時:2013/08/06 07:19:21 シャッター速度:1/500 絞り:F5.6 焦点距離:136mm
小樽まで30kmだ
 テントを撤収し6時40分にキャンプ場出発、今日は朝からよく晴れている。パンクを嫌ってキャンプ場内のダートの道を国道まで押して歩いていたら出発したのは6時50分になっていた。キャンプ場を出ると国道393号線を下って7時に道道36号線との交差点に到着する。
 キャンプ場は標高200mくらいの所にあるが、標高153mほどの道道36号線との交差点まで下る。だから今日は標高655mの毛無峠まで標高差でまず500mほど登って小樽まで37km走り、さらに標高50m地点まで下った所から標高677mの朝里峠まで標高差で630mほど登って37km走って定山渓に行く予定だ。平地だとカメ作戦を使って出発から6時間といったところだが積算上昇高度が1130mほどあるので4時間ほど追加すると小樽まで5時間、定山渓までは10時間ということになる。6時40分出発だったので16時40分着といったところか。
 ここから国道393号線は緩やかな登りを続ける。まだ朝一番のパワーで力があるし、これくらいの勾配で標高が稼げるならずいぶん楽な峠になるのだが。出発から1時間ほどは緩やかな登りを登り続けた。すると大きな標識のあるキロロの入り口が見えてきた。キロロとはスキー場を中心としたリゾート施設らしいが私に言わせればかつて2010年の北海道自転車ツーリングで訪れたトマムのような魅力を感じる。
撮影日時:2013/08/06 07:49:31 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:70mm
今日は朝からよく晴れていた
撮影日時:2013/08/06 07:55:17 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
キロロ入り口
 今日はよく晴れているので朝からかなり暑い。昨日は20℃に達しないようなニセコを登っていたので汗もそれほどかかなかったが、今日は既に25℃近くありそうな感じて汗がポタポタと滴り落ちる。しかもほとんど前方からの直射日光なので日陰も少なくてなおさら暑く感じられた。
 キロロの入り口から勾配6%程度の坂となった。国道の峠としては標準的だろう。8時10分からどうにか見つけた道ばたの日陰で10分だけ休憩。エネルギー補給にチョコを食べ少しだけ旅の日記を書いて8時20分に出発する。
 ところが出発してすぐに道路の電光掲示板に毛無峠片側通行と書かれていた。峠の登りでの片側通行はしんどいから嫌だなぁと思っていたら片側通行と書いた標識を荷台に載せた軽トラックが私を追い抜いていき、前方に設営を始めて反対車線を止めてしまった。私は間一髪のところで片側通行の白い目で見られずに上下車線とも通行止めになった国道を一人登ることになった。
 それからも登りは続いた。この毛無峠の赤井川の登りは東向きに走るので朝一番だと直射日光を遮ることができず暑いのが大変だが、それ以外は標高が655mある割にはそれほど大変な峠ではない。
 ところが片側通行はもう一ヶ所でもあった。しかも登りでかなり距離が長い。嫌だなと思いつつ走らないわけにはいかない。車の流れが途切れたときに片側通行の区間に突入するが、ここは片側通行の区間が1kmほどある。工事は2ヶ所で行われており、1つ目の工事区間を通り過ぎるまでは全線通行止めにして私専用道路にしてくれた。しかし1つ目と2つ目の間には500mほどの距離がある。この区間は道の中央にパイロンを並べて入れないようにしただけで、1つ目の工事区間の終わりにいたガードマンが私をパイロンの反対側に誘導してくれた。これで私が500mほど先の2つ目の工事区間に行くまでの間は車を通すことができる。私は2つ目の工事区間に向かって自転車を時速7kmで走らせ続けた。するとそのガードマンの兄ちゃんも私に歩いてついてくるではないか。もちろん歩きでは時速7kmで坂を登れないので次第にその距離が引き離された。しかし彼は驚いたことに私が2つ目の工事区間にさしかかる直前に坂を走って登ってきて車の流れが途切れるまで私を止めた。最初は何でついてくるのかわからなかったのでいつものペースで走ったが、2つ目の工事区間で私を安全に通すために来てくれたのならもう少し走るペースを落としてあげたのに。全力で坂を走って登ってきた彼に「すんまへんなぁ〜」と謝って2つ目の工事区間も両側とも通行止めの私専用道路にしてくれた道路を登り続けた。
 工事区間がかなり長かったこともあって、気がついたら8時40分に標高655mの毛無峠の頂上に達していた。しかし残念な事に何の標識もないのでそのまま素通りする。頂上から標高で30mほど下ると再び25mほど登り、さらに標高で100mほど下ると55m登るというように毛無峠の頂上は何度もアップダウンが続き、さすがに峠を登りきった後にまた大きな登りがあるとうんざりする。このころ前から空荷のサイクリストが10人くらい登ってくるのとすれ違ったので挨拶だけする。
撮影日時:2013/08/06 08:46:27 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:46mm
毛無峠からの景色
撮影日時:2013/08/06 08:54:17 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:51mm
毛無峠頂上
 ところが2つめのコブを登っていた時ここにも片側通行止めの標識が見えてきた。私は工事が登りの区間だったら嫌だなぁと思っていたが、実際には下りの区間だったのでそれほど苦しむことはなかった。それでも工事区間は2kmほどあり、これが逆方向の登りだったらどうなったのだろうと思ってしまう。時速6kmで2km走るのに20分かかる。この20分間上下線とも交通をすべて遮断して私専用の道路にしてくれるのだろうか?
 工事区間が終わるとすぐにパーキングが見えてきた。ここからは小樽の町並みが見渡せることを知っていたので自転車を止めて景色を見るが、木に邪魔されて視界は狭かった。このパーキングよりもそのすぐ下にある橋からの方が邪魔な木がない分だけ景色は良かった。
撮影日時:2013/08/06 09:19:29 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:32mm
パーキング下から見た小樽市街
撮影日時:2013/08/06 09:22:44 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
毛無山展望所
 パーキングから700mほど走ると9時25分に毛無山展望所に到着した。ここは天狗山と並んで小樽の町を一望することのできる場所として有名で、今日はよく晴れているので小樽の町並みがよく見えた。私は展望台に自転車を持ち込んで小樽の町並みをバックに自転車を撮影した。展望台には軽トラの荷台に野菜か何かの販売所ができていた。トマトが売っていたら買おうかと思ったが、あいにく桃しか売っていなかったので断念する。
撮影日時:2013/08/06 09:25:26 シャッター速度:1/640 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
毛無山展望所から見た小樽のパノラマ
 ここからは国道393号線のヘアピンカーブの連続を走る。ブレーキを利かせないと自転車でも曲がりきれないほどの急カーブだ。私はどうにか自転車を操って急坂のヘアピンカーブを下ってきた。これ以上下りが続くとブレーキをかける手がしびれて力が入らなくなるほどだった。
 ずいぶん下った頃、突如右側に分かれ道があった。標識はなかったのにと思いつつこの道を下ればどこに行くのだろうという考えが頭をよぎった。交通量もそれなりにあるし行き止まりということはなさそうだ。ツーリングマップルに記載されている私が走る予定の道はまだ先だったが、私はこの道に行ってみることにした。
 入った道は勾配が10%くらいありそうな急な下りで、もし道を間違えていたら戻るのは大変だぞと冷や汗ものだった。すると前方に見覚えのあるコンビニが見えてきた。これは毎年のゴールデンウィークでの北海道マイカードライブで何度も利用させてもらっている勝手知ったる望洋台のローソンだ。私はこれを見たとき自分が道を間違えていなかったとようやく安心した。
 9時45分コンビニに到着。よく考えたら朝キャンプ場でおじやを食べて以来ほとんど何も食べず、かつ休憩も毛無峠の登りの途中で1回10分ほどとっただけでここまで来てしまった。ここで何かちょっと食べておこうと弁当を購入することにした。ローソンに入ると凍らせたペットボトルが売っているのを発見した。ニセコではとても涼しかったので欲しいとも思わなかったが今日はこれからも朝里峠を越えるのでぜひとも欲しい。私は弁当と500ccの紙パックのジュースと凍らせたペットボトルを購入。弁当とジュースはその場で食べ、凍らせたペットボトルはタオルは使用中なので軍手にくるんで保冷する。
撮影日時:2013/08/06 09:50:50 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:56mm
コンビニ弁当とピルクルと凍らせたペットボトル
撮影日時:2013/08/06 10:36:42 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
今日は28℃もあった
 ここの駐車場には風に掃き寄せられたのか羽虫の死骸が山のように溜まっており、その中で弁当を食べるのはあまり気持ちのいいものではなかった。弁当を食べ終わると休憩がてらに少し旅の日記を書いて10時5分には出発する。出るとき弁当とジュースのゴミに加えて、ここまで持ち歩いていたキャンプ場でのゴミも捨てさせてもらう。
 さらに急坂を下るといよいよ朝里の町が見えてくると同時に10時15分に道道1号線に合流した。ここまでの走行距離は予定通り36kmだった。当初の到着予定時間は出発から5時間後の11時40分だったので1時間30分ほど早く到着することができた。かなり毛無峠が楽に登れたということだろう。
 ここからは朝里峠に向けて登りが続く。先ほど登った標高655mの毛無峠は小樽の町に向かって下り続け朝里の町で標高50mまで下ってきた。ここから再び標高677mの朝里峠まで630mほどの登りとなる。先ほど越えてきた朝里岳から続く尾根を再び越えようというのだから、昨日に続いてのバカな行為だ。
 道道1号線をしばらく登ると朝里大橋、通称朝里スカイループと呼ばれるループ橋が見えてきた。私はこの朝里スカイループを自転車で走るのは初めてだったので嬉しく思ってしまう。さすがに自転車でこの橋を登ると360度まわっても車やバイクと違って遠心力を感じることはできないが、それでも楽しい。しかしこのスカイループにあった温度計は28℃を示しており、やはりこんなに暑かったのかと思ってしまう。
撮影日時:2013/08/06 10:30:30 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:27mm
見えてきた朝里スカイループ
撮影日時:2013/08/06 10:48:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
朝里ダムから見た朝里スカイループ
 このループ橋をぐるっと360度まわると朝里ダムだ。朝里ダムは堤頂を自転車で走ることができるので自転車を持ち込んで写真撮影する。このダムの堤頂から見る朝里スカイループが一番ループ橋らしく見える。このすぐ山の上には展望台もあるのだが、道道1号線に入った頃から太陽は雲に隠れてしまったので、この天気では展望台まで行っても面白くないだろうと断念する。
 朝里ダムから少し走ると10時55分にダム記念館に到着した。私は毛無峠を越える水は朝キャンプ場で給水してきたが、朝里峠を越える水はここで給水するつもりだったので入り口にある水飲み場でボトルに給水し、ついでにタオルやアームカバーをボトボトに濡らし頭から水をかぶって体を冷やす。ついでにダム記念館でトイレを済ませて中も見学しておく。ダム記念館の中にはベンチもあったので旅の日記を書きながら10分ほど休憩し出発する。
撮影日時:2013/08/06 10:55:47 シャッター速度:1/640 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
ダム記念館
撮影日時:2013/08/06 10:56:42 シャッター速度:1/30 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
ダム記念館の内部
 ダム記念館からの道道1号線はしばらくは平坦な道が続いたが、次第に勾配が急になり息が上がる。この頃になると太陽は雲に隠れたり顔を出したりと半々くらいになったが、太陽が顔を出すと一気に暑くなる。さすがにこの暑さに耐えられなくなってわずか15分登っただけの11時20分から道ばたの木陰で休憩する。先ほどコンビニで買った凍らせたペットボトルを脇の下に挟んだり首に挟んだりして体を冷やした。これはとても効果的で病みつきになってしまいそうだ。おかげで少しばかり溶けたので冷たい水を飲んだ。
 5分ほど体を冷やすとすぐに出発。ここからはヘアピンカーブの登り坂か続く。さっきまでは太陽が顔を出していたが、いよいよ空は雲が多くなってきた。さすがにさっきみたいにわずか15分でギブアップするのは問題なのでもう少し頑張って20分登り11時45分から道端で休憩する。ここでも凍らせたペットボトルにボトルの水を入れて溶かし、それを脇に挟んで体を冷やした。ここでも5分ほど休憩しただけで出発する。
 休憩しながらボトルの水が多すぎて自転車が重いような気がしてきた。かと言ってここまで運んできた水を捨てるのももったいないので、ボトルの水をアームカバーにかけて涼しんだ。この頃になるとかなり雲行きが怪しくなっていた。ラジオの天気予報が言っていたように雨になりそうな雰囲気だ。雨になるなら今の段階で体を濡らしたくないが、雨が降らないなら体を濡らして体温を下げたい。難しいところだ。前方の高いところに橋が見えてきた。きっとあの橋までこれから登るのだろうけどかなり高いところにあった。あそこまで本当に登れるだろうかと疑問に思えるほどだ。
撮影日時:2013/08/06 11:56:42 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:74mm
上に見える橋まで登る
撮影日時:2013/08/06 12:09:56 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:80mm
朝里峠を登る
 今度は先ほどの休憩から30分走って12時20分から5分休憩する。休憩の間隔が延びたのは太陽が雲に隠れたのと標高が上がって気温が下がったからだろう。それでも凍らせたペットボトルがあると休憩の度に脇の下に挟んでしまう。おかげで凍らせたペットボトルはすさまじい勢いで溶けていった。冷たい水を飲みすぎたせいかおなかがゴロゴロといい始めた。
 この頃、右足の調子がおかしくなり始めた。これまでの北海道自転車ツーリングでは足が筋肉痛になることは度々あったが、これは明らかに筋肉痛ではなく関節がおかしいような感じで、今までこんな場所が痛くなった事がないようなところが痛くなってきた。昨日今日と峠ばかりを越え続けたため足が悲鳴を上げているようだ。これ以上悪くならないように無理しないで走ることにした。
 頂上近くになるとトンネルの数が増えきた。そして先ほど下から見上げていた橋にさしかかる。さすがに下から見上げていただけあって、上から見下ろすと眺めよかった。そして12時45分に標高677mの朝里峠の頂上に到着した。ようやく今回の北海道自転車ツーリングで予定していた前半の峠は雲石峠、朝里峠、チセヌプリ峠、毛無峠、朝里峠はすべて達成することができた。あとは明日以降、観光のようなものだ。
撮影日時:2013/08/06 12:34:16 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
頂上近くから見下ろす
撮影日時:2013/08/06 12:59:34 シャッター速度:1/40 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
朝里峠頂上
 朝里峠の頂上にある朝里トンネル手前にパーキングがあったので、そこで冷たい水を飲みながら毛無峠で食べ損ねていたおにぎりをようやく食べる。ここで旅の日記を書きながら久しぶりの大休憩をとった。まだ13時にもなっておらずこのまま下ると14時にはキャンプ場に着いてしまいそうだったのでしばらくここで旅の日記を書きながら時間を潰そうと考えていた。しかしいよいよ雲行きが怪しくなり今にも雨が降りそうな天気になったので、雨が降り出す前に距離を稼いでおこうと15分ほど休憩しただけで13時に出発する。このままだと14時にはキャンプ場に着いてしまうそうな勢いだ。
 朝里トンネルを抜けて定山渓側に出ると雲は明るく雨は降りそうになかった。私はこんな事なら先ほどの頂上のパーキングでもう少し休憩しておけばよかったと思ってしまった。定山渓側の下りはそれほど傾斜がきつくないのでブレーキもほとんどかけることなく下ることができ楽だった。
 頂上から標高で200mほど下ると路面が濡れ始めた。これは明らかにさっきまで雨が降っていたという事だ。あまりスピードを上げると雨雲に追いついてしまいそうだったのでできる限りスピードを落として走ることにする。しかし前に進む度に路面の濡れがひどくなっていき、ついさっきまで雨が降っていたことを伺わせた。
撮影日時:2013/08/06 13:20:22 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
次第に路面が濡れてきた
撮影日時:2013/08/06 13:36:59 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
道端で雨宿りする
 道道1号線を下っていると13時30分頃とうとう雨が降り始めた。私は道端の木陰を見つけて雨が止むまで雨宿りすることにした。10分ほど道端で雨宿りしていたけど雨が激しくなってきたので出発することにした。雨がひどくなったのに出発したのはこの場所がひどい雨には耐えられる場所ではなかったからだ。雨の中の下りをブレーキをかけながら走ることになったのでブレーキのシューが持つかどうか心配になってきた。
 土砂降りの中自転車を走らせると突然日が射した。太陽が出ているのでレインスーツを着ているととても暑いが、土砂降りの雨が降っているので脱ぐことができない。困った天気だと思っていたがわずか15分で雨は上がった。しかし遠くで雷がゴロゴロと鳴っている。雷をやり過ごすためやはりどこかで休憩する必要がありそうだ。
 さっぽろ湖が見えてきた頃には路面も完全に乾いてしまい太陽が出ていたことから完全にレインスーツを脱いで畳んでしまった。しかし畳んで走りだそうとした途端に太陽が出ているのに再び雨が降り始めた。う〜む、困ったものだ。まだそれほど雨は降っていなかったが念の為に再びレインスーツを着て様子見しながら走った。
撮影日時:2013/08/06 13:58:20 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
さっぽろ湖沿いを走る
撮影日時:2013/08/06 14:28:29 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
さっぽろ湖
 ここからはさっぽろ湖沿いの平坦な道が続く。定山渓ダムの近くに展望場所があったので立ち寄って写真を撮る。この頃には雨も止んで青空まで見えてきたのでレインスーツを脱いでドライモードにチェンジする。この時なぜかラジオの音声が耳に入った。観光地だからラジオでも流しているのかと思ったが、音が聞こえるのは自分の自転車の周りだけだ。もしやと思ってサイドバッグを開けるとラジオの電源がオンになっていた。すぐに電源を切るが、いったいどこで電源が入ってしまったのだろう。
 ここでサングラスをなくしたことに気づいた。少なくとも朝里トンネルを越えて坂を下っていた時にサングラスをかけていたことは間違いない。おそらく雨宿りしていた時に自転車を倒したので、その時にサドルにかけていたのがどこかにいってしまったのだろう。315円のサングラスだったので金銭的には痛くないが、この先の北海道自転車ツーリングでサングラスは必要なアイテムなので、またどこかで入手しなければならない。明日は札幌市街を通過するので入手はできると思うが、なくしたショックとまた買わなければならないと言うショックで落ち込んでしまった。
撮影日時:2013/08/06 14:26:23 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:26mm
さっぽろ湖のパノラマ
 ここからは再びトンネルが続き急坂を下ると定山渓まで下ってきた。まずは今晩の夜食の買い出しだ。国道230号線に出るとサンクスとローソンのコンビニが向かい合わせで並んでいた。私は2日にサングラスを壊した時ローソンで探したけどなかった覚えがあった。そこで今回はサンクスでサングラスを探すことにした。するとサングラスはあった。2000円と多少高価だったが偏光サングラスでUV効果もちゃんと記載されている。どうせ明日は札幌市街を通り抜けるので大きな薬局くらいはあるだろう。そうした店の方がもっと安くで買えそうな気がしたがそれまで我慢するのも嫌だったのでここで購入する事にした。
 店の前で付けてみるとかけ心地はよかった。さすがに315円のサングラスとは訳が違う。ところがコンビニを出発しようとした時、突如雨が降り始めた。今日はもう雨が降ったり晴れたりの繰り返しだ。仕方なく再びレインスーツを着て自然の村キャンプ場を目指した。
 キャンプ場は定山渓から4kmほど走った山奥にあった。この短い距離を走っている間にも太陽が顔を出し、やがて雨は止んだ。定山渓自然の村キャンプ場に着いたが、駐車場で係員に呼び止められた。このキャンプ場は予約制なので私が予約していないことを知ると空きがあるか確かめると言う。どうにか空きはあるようだったが駐車場から管理棟までは遊歩道が700m続いているという。驚いたことに車やバイクはここに止めてキャンプ道具をリヤカーに乗せてキャンプ場まで700mの距離を運ばなければならないそうだ。しかし自転車は通行可との事だったので700mの遊歩道を自転車で走って昨日と同じ15時40分にキャンプ場に到着した。朝里峠頂上ではもう少し早く到着すると思っていたが、雨宿りしていたり何度もレインスーツを着たり脱いだりしていたら思った以上に時間がかかったようだった。
撮影日時:2013/08/07 06:17:36 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
定山渓自然の村キャンプ場
撮影日時:2013/08/06 16:32:15 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
キャンプ風景
 管理棟で受付をすると困ったことにこのキャンプ場は予約制なので自分で場所を決められないだけでなく、サイトに自転車の持ち込みまで禁止されているので管理棟横に自転車を止めてリヤカーで100mほど先のサイトまで荷物を運ばなければならない。このキャンプ場はほとんどが家族連れで周りは子供だらけ。しかも私の当てられた場所は炊事場とトイレの通路沿いにあるので往来が激しくとても騒がしい。しかも子供だけなら夜は静かになるが、私の隣にはいかにも徹夜で騒ぎますと言った感じの20〜30歳くらいの若者5人くらいが昼間から酒を飲んでいる。もう最悪の環境だった。家族連れで来るならよいキャンプ場だと思うが少なくともライダーやチャリダーが来るキャンプ場ではない。
 リヤカーで荷物を運んでテントを設営しようとするが再び雨が降り始めた。さすがに雨降りだとリヤカーで荷物が運べないので、雨が止むまで待ち、止んだところで荷物を運ぶ。そしてテントを設営した。荷物を整理していたとき携帯用の蚊取りの電源が入りっぱなしになっていた。どうも今日はラジオの電源が入っていた事と言い、勝手に電源が入ってしまうようだ。
撮影日時:2013/08/06 17:17:49 シャッター速度:1/80 絞り:F5.0 焦点距離:24mm
ふれあいハウスの建屋
撮影日時:2013/08/06 16:58:08 シャッター速度:1/5 絞り:F5.0 焦点距離:24mm
温水シャワー
 ここは定山渓の温泉街の外れにあり近くには豊平峡温泉などもあるが、ここは敷地の外に出るのも色々と制約があるし、かつキャンプ場の中に温水シャワーがあったので今日は温泉は断念して16時20分からふれあいハウスにシャワーを浴びにいく。シャワーを浴びると服を着替えて今まで着ていたサイクリングジャージーを洗濯する。
 テントの中は暑そうだったので17時20分からふれあいハウスのふれあいルームで旅の日記を書く。ここは多目的ホールが21時まで解放されているとのことで自由に使えたので、テーブルやベンチこそなかったが18時40分まで旅の日記を書いていた。しかしこれ以上ここにいると炊飯が真っ暗になってしまうのでテントに戻って炊飯を開始する。今日の夕食はカレーと卵スープとトマトとヨーグルトだ。
撮影日時:2013/08/06 17:25:45 シャッター速度:1/15 絞り:F5.0 焦点距離:24mm
ふれあいルーム
撮影日時:2013/08/06 19:16:51 シャッター速度:1/60 絞り:F5.0 焦点距離:70mm
今日の夕食はカレーだ
 明日の朝はおじやにしようと多目に米を炊いていたら米を火にかけてすぐに不手際でコッヘルをバーナーから落としてしまい米と水をかなりこぼしてしまう。しかも水を吸った米の状態だったのでどれだけ水を入れていいかわからず適当に入れたら多すぎたようでいつまでたっても水が飛ばなかった。このままではベチャベチャな米になってしまうので火力をあげて水気を一気にとばしてしまう。しかし米をこぼしたことで明日の朝の分はなさそうだった。
 どうにかまともな米が炊けたのでカレーにして食べるがあまりおいしいとは言えなかった。それよりもトマトがとてもおいしかった。後片付けまで済ませると、さすがに連日の峠越えで疲れがたまっていたのでアミノバイタルを水で溶かして飲んで19時20分から1時間ほど横になる。
撮影日時:2013/08/06 18:50:08 シャッター速度:1/50 絞り:F7.1 焦点距離:34mm
キャンプ場の夕焼け
シャッター速度:1/200 絞り:F6.3 焦点距離:96mm
I/Oデータ製のMDM−H205SW
 このキャンプ場は家族連れをメインとしており夜にキャンプファイヤーのイベントがあり子供たちが大挙してすぐ横を通るのでうるさくて仕方がない。しかも相変わらず隣の若者たちは大騒ぎで酒盛りしているし、本当にこのキャンプ場は失敗だった。
 このキャンプ場を悪く言うつもりはないが少なくともライダーやチャリダーに勧められるキャンプ場でない。まず予約制であること、そしてテントを張る場所が勝手に決められてしまうこと。さらに子供の数が多すぎること。こんなキャンプ場を選んだ私が悪いのだろうけど、小樽から朝里峠を越えて定山渓近辺にキャンプ場を探すとここしかないのだ。ライダーなら気に入らなければ他を探すこともできるだろうけど自転車だとそうもいかない。今日はあきらめるしかないだろう。
 20時30分から起きて旅の日記を書く。22時を過ぎた頃から子供たちの往来もようやく少なくなり静かになってきたが、隣の若者は相変わらずキャンプ場中に響き渡る大きな声で騒いでいた。22時過ぎに警備員らしき人が注意しに来たようだったが、彼らはハイハイと返事をしただけで騒ぎを静めることはなかった。
 丸聞こえな話を聞いていると彼らのリーダー格の若者が昼から延々と会社の同僚の悪口を言っている。どうもその同僚の一人が先輩に対して馴れ馴れしい態度だというのが気に入らないらしく、それを大声で喋り続けてまわりの若者はほとんどが聞き役だ。そのネタだけで6時間も7時間も悪口を言い続けることができるものだと感心してしまう。私に言わせればその同僚よりもアンタの方がよほどタチが悪いように思えた。
 今夜紹介するアイテムはシリコンオーディオプレイヤーだ。キャンプ場でまわりの家族連れがうるさい時などに寝られるようにと北海道自転車ツーリングの2003年からずっとシリコンオーディオプレイヤーを持参している。電源に困らないようにと単四電池で駆動し、かつコンパクトデジカメとメモリーを共用し、もしコンパクトデジカメのメモリーがなくなれば、シリコンオーディオプレイヤーのメモリーをフォーマットして使えるようにとメモリーにSDカードを使用するアイ・オー・データ機器製のMDM−H205SWを購入した。
 このMDM−H205SWは単四電池が使える割にはサイズが小さい上に駆動時間も20時間と長く、またボタンと機能の組み合わせを自由にカスタマイズできるなど、なかなか基本を押さえた作りになっている。欠点は容量が少ない割には値段が高い事と、音楽データの転送に専用ソフトが必要な事くらいだろう。今となっては音楽を聴くくらいiPodやスマートホンで十分だろうけど、乾電池で長時間動くとなると選択肢は限られてしまう。
 旅の日記はなかなか書き進めることができずいつしか時間は23時となってしまった。もうそろそろ寝ないと明日の行動に影響がでるのでウィスキーを2杯ダブルで飲んで酔っぱらった状態でラジオのイヤホンをして寝ることにした。かなり周りが騒がしい状態だったので果たして寝られるだろうか。

走行データ
走行距離   78.9km
走行時間   6時間19分
ペダリング数   17100回
平均時速   12.4km/h
最大速度   39.7km/h
平均ペダリング数   45rpm
総走行距離   518.1km
天候   晴れ後曇り一時雨
最高気温/最低気温   31℃/20℃

食事
朝食   ラーメン
昼食   鶏照焼弁当、おにぎり
夕食   牛丼、味噌汁、カップの野菜

出費
昼(コンビニ)   鶏照焼弁当、ジュース、凍らせたペットボトル   672円
夕(コンビニ)   ヨーグルト、サングラス   2105円
キャンプ場   定山渓自然の村キャンプ場   500円
シャワー   温水シャワー   100円
合計   3377円

キャンプ場
名称   定山渓自然の村キャンプ場
場所   定山渓から山奥に4kmほど入ったところ
  北緯42度55分51秒、東経141度09分07秒
費用   500円
設備   トイレ、炊事場、コインシャワー
風呂   2kmほど離れたところに豊平渓温泉あり
ゴミ   ゴミ箱なし
行きやすさ   場所を知っていないと訪れるのは難しい
乗り入れ   テントまで車、バイクの乗り入れ不可
特徴   定山渓にあるキャンプ場
  子供の自然観察や教育を目的としたキャンプ場
  完全予約制のサイトはすべて決められており自由に選べない
  車やバイクは700mも離れた駐車場から台車で荷物を運ぶ
  自転車でもサイトへの乗り入れは禁止されている
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