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北海道自転車ツーリング 6日目
厚真〜日高〜かなやま湖 −楽な走り−
2009年08月12日

6日目の走行地図

6日目の速度グラフ
速度
6日目の高度グラフ
高度

 昨夜は夜中の1時頃、人の話し声と足の痛さで目覚めたが、それ以降は1度も目覚めることなく熟睡できた。足の痛さはアンメルツのせいだろう。4時30分に目覚めると外は雨の降っている音がする。憂鬱になりながらも天気予報で天候を調べるが、鵡川の今日の天気は晴れ時々曇り。何でこんな天気予報なのに雨が降っているのだろうと不思議に思って外に出ると、霧が深くて近くの木立の葉に付いた水滴が落ちる音だった。しかし天気予報では明日は雨、明後日は雨後曇りに変わっていたので、明日以降どうするか考える必要がありそうだ。
 テントから出ると外は一面の曇り空に加えて深い霧。肝心の大沼もほとんど見えない。せっかく大沼を撮りに来たのに霧がまったく晴れなかった。私は早速、昨日残したご飯でおじやの準備に取りかかる。まだ誰も起きていなかったが、私が朝食を作る音で、昨日夜遅くにやってきた家族連れの奥さんが起きてきた。今日は昨日のような無理をした走りをしないので、もっとゆっくりしていってもよかったのだが、私はおじやを食べると出発の準備を整えていった。霧の為にテントは雨に打たれたように濡れており、タオルで拭いてたたむが、焼け石に水で、特にフライシートはたたんでもずぶ濡れ状態だった。出発直前になって昨日のチャリダーが起きてきたが、挨拶を交わしただけで、私は6時ちょうどにキャンプ場を出発した。
撮影日時:2009/08/12 04:43:48 シャッター速度:1/8 絞り:F4.5 焦点距離:29mm
大沼野営場は朝から霧に包まれていた
撮影日時:2009/08/12 06:00:55 シャッター速度:1/80 絞り:F5.6 焦点距離:34mm
霧のダートを走る
 暗い森の中のダートの登りは自転車を押して歩かないとダメだろうと思っていたが、朝一番ということもあってパワーで乗り切る。すると下界に出て驚いた。大沼野営場以上に霧が深いのだ。視界は100mあるかどうか。私は昨日のダートを走り、さらに農道を走って最短コースで国道235号線に出ることができた。国道235号線もすごい霧で、私は大型トラックにはねられるのが嫌で、リアのフラッシングライトを点滅させながら走った。国道235号線を鵡川まで出ると霧は晴れたが、相変わらずの空一面の雲だった。そしてキャンプ場を出発したばかりだったので、道の駅「むかわ四季の館」は通過する。
 私は鵡川の町で一つ行きたい場所があった。それは鵡川の河川敷にある鵡川たんぽぽ公園だ。もちろんこの時期にタンポポなど咲いているはずもないが、せっかくだからどんな場所なのか確かめておこうと考えたのだ。私は国道235号線を離れ、鵡川の町を横切ってタンポポ公園に立ち寄った。そこには何の代わり映えのしない河川敷の公園があり、入り口にはタンポポ公園と書かれていた。5月中旬になると10haにわたってたんぽぽが咲き乱れ、まるで黄色いジュータンを敷きつめたようになるそうだが、やはりタンポポの咲く時期でないと来てもあまり意味がないようだ。
撮影日時:2009/08/12 06:39:05 シャッター速度:1/200 絞り:F9.0 焦点距離:34mm
鵡川のたんぽぽ公園
撮影日時:2009/08/12 06:40:46 シャッター速度:1/125 絞り:F7.1 焦点距離:29mm
たんぽぽ公園はただの河川敷だった
 タンポポ公園から鵡川の町中を抜け、再び国道235号線に戻った。鵡川はタンポポだけでなくししゃもでも有名な町らしく、看板には「たんぽぽとししゃもの町」と書かれていた。国道235号線に戻り、それからも朝早くて交通量の少ない国道を走り続けた。今日も南からの風だったので富川までは逆風となり走りにくい。それでも昨日までと違って平地は走りやすく、順調に距離を伸ばす。途中、セスナ機とロケットらしき物体を展示した公園らしき場所があったが、いったいこれが何を意味するのかわからないまま写真だけは撮っておく。
撮影日時:2009/08/12 06:47:50 シャッター速度:1/125 絞り:F6.3 焦点距離:230mm
鵡川はたんぽぽとししゃもの町らしい
撮影日時:2009/08/12 07:01:50 シャッター速度:1/100 絞り:F7.1 焦点距離:45mm
セスナ機とよくわからないオブジェ
 7時30分にスタートから25km走ったところにある日高富川インター前のコンビニに到着。とてもおなかが空いていたのでコンビニで牛丼を買って店の前で食べる。本当はノリ弁当か三色弁当が食べたかったのだが、あいにく弁当はほとんど売り切れで牛丼しか残っていなかった。コンビニの裏手で弁当を食べながら20分休憩し、7時50分に出発する。
 コンビニを出発する時、10mくらい離れた駐車場に止まっていた車の助手席から小学生くらいの子供がずっとこちらを見ているのに気付いた。よほど物珍しいのか、一切目線をそらすことなくこちらを見ている。ジロジロと見られるのは気持ちのいいものではないし、その小学生の度胸を試してやろうと考え、自転車を走らせると、こちらもサングラスをかけたままその小学生から目線をそらすことなく助手席の横まで自転車を乗り付けて、その小学生の顔を真正面からマジマジと見てやった。さすがに小学生もビックリしたようで私から目線をそらした。これからジロジロと見る失礼な輩にはこの手を使う事にしよう。
 ここからは国道235号線を離れ、国道237号線に入る。国道237号線はこの付近では北東に走っており、今日は南からの風だったので、追い風となってとても走りやすかった。平取の町にさしかかると、平取の町は相変わらず義経で町興しをしようとしているようで、義経公園には義経神社なるものまで存在していた。平取の町はよほど観光客を集める目玉がないらしい。
 平取の町を走っていた頃、救急車が2台と消防車が1台、サイレンを鳴らして私を追い抜いていった。私はその様子から、きっと大きな車の事故でもあって、車に閉じこめられた人がいるからレスキューまで呼んだと直感した。
撮影日時:2009/08/12 08:06:16 シャッター速度:1/200 絞り:F7.1 焦点距離:320mm
日高まであと54km
撮影日時:2009/08/12 08:25:20 シャッター速度:1/160 絞り:F9.0 焦点距離:38mm
相変わらずの義経伝説で生きる平取の町
 さらに走ると8時40分に出発から43km地点にある二風谷ダムに到着した。私は昨年ここで二風谷ダムを見ながら弁当を食べたいい思い出があったので、今年も休憩するつもりでいた。しかし先ほどコンビニで休憩してからまだそれほど時間が経過していなかったし、なぜか今はダムに車両乗り入れ禁止になっていたので、休憩も写真撮影もせずトイレで給水し、日焼け止めを塗って出発する。せっかくお気に入りの二風谷ダムを見る事ができず残念だった。
 二風谷ダムのすぐそばには二風谷アイヌ文化博物館や沙流川歴史館がある。私は時間があれば見学しようかと考えていたが、開館が9時からで、あと15分ほどあったし、今日は早めにキャンプ場に入ってのんびりしたかったので、先を急ぐ事にする。駐車場には開館まで時間をつぶしているのであろうソロのライダーがいたのが印象的だった。
撮影日時:2009/08/12 09:05:09 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
額平川にかかる額平橋から二風谷湖のパノラマ写真を撮影
 これまではずっと曇り空の下での走りだったが、この頃から時折太陽が雲の切れ間から顔を見せるようになった。今日も涼しくはあるのだが、やはり太陽の直射日光を浴びると暑い。すると道道131号線との交差点近くで突然国道が行き止まりになり、警官が迂回路へ案内していた。やはり先ほど救急車が追い抜いていった事故で国道が通行止めになり、国道のバイパスを封鎖して旧道に迂回させるのだが、この迂回路が荒れていて自転車には走りにくく困ってしまった。
 さらに走ると出発から61km走ったところで、振内の鉄道記念館に9時40分に到着。鉄道記念館に隣接する振内鉄道記念公園でパンを食べながら旅の日記を書き、20分ばかり休憩する。この公園にはD51蒸気機関車が展示してあったので、ついでに撮影し、横にはキャンプ場もあったので水道でボトルに給水する。ここの鉄道記念館は入館料は無料だし鉄道用具が展示されているそうなので時間があれば見学していこうと思っていたが、玄関まで行くと驚いたことに見学するには役場に電話して鍵を開けてもらうシステムになっていたので断念する。よほど見学者の少ない記念館なのだろう。いったい年間の入場者数が何人なのか知りたいところだ。
撮影日時:2009/08/12 10:08:17 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
振内の鉄道記念館
撮影日時:2009/08/12 10:03:35 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:45mm
鉄道記念公園のD51
 10時過ぎに鉄道記念公園を出発。財布の残金が3000円ほどになっていたので、振内の町の郵便局で10000円だけお金をおろし、さらにコンビニ行って、どうせ今夜泊まる予定のかなやま湖周辺にはコンビニはないだろうからと、今日の夜の分の食料と寝酒も調達する。するとこのコンビニの駐車場には3人組のチャリダーがいたので話しかける。彼らは今日は富良野まで行くらしい。富良野と言えばここからまだ90km以上あるし、峠を2つ越えなければならないぞ。自分は同方向だが、かなやま湖で断念すると言うと、自分達ももしかしたらかなやま湖止まりかもしれないと言っていた。
 郵便局とコンビニに寄っていたら出発は10時20分になってしまった。彼らよりも先に出発したが、ほどなく先ほどの2人に追い抜かれてしまった。かなりのハイペースでとても追いかけることはできなかった。彼らはサイドバッグを付けず、ザックだけを背負って走っていたので、自転車が軽かったのだろう。あと一人はどうしたのだろうと思っていたら、ちょうど撮影したい場所があったので自転車を止めてカメラを構えていたら、残りの一人がやってきた。その一人は私よりもわずかにペースが遅いらしく、あとから出発した私も、いつの間にか追いついてしまった。しぱらく彼の後ろを走っていたが、やはりペースがあわないので追い抜いて先に行く。
 それからも残りの一人を後ろに従えて国道237号線を走り続けた。一番距離が離れた時で500mほど離れただろうか。しかし気に入った景色があると私は自転車を止めて撮影するのですぐに追いつかれ、追い抜かれてしまう。そのうちに先ほどのコンビニから10kmちょっと離れた場所で、先に追い抜いていった二人が休憩していたので、私は彼らを残して先に走り去っていった。
 彼らを残して一人で走っていると、前方からチャリダーがやって来た。私はいつものように満面の笑みで「がんばってぇ〜」と言って大きく手を振ると、彼は外国人のチャリダーで、「涼しくていいねぇ〜」と流暢な日本語で言っていた。確かに今日は… いや、この夏の北海道は涼しくて走りやすい。これだけ走りやすい日が続くのは、7年目の北海道自転車ツーリングで初めてではないだろうか。
撮影日時:2009/08/12 10:53:09 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
平取はトマト生産で日本農業賞大賞を受賞したそうだ
撮影日時:2009/08/12 11:00:10 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
岩知志ダム
 さらに国道237号線を走ると、景勝橋の上から岩知志ダムがよく見えたので写真を撮る。そして長い直線道路でも自転車の写真を撮っていたら、後方から例の3人組のチャリダーが迫ってくるのが見えた。私はすぐにその場を出発した。足の速い二人には抜かれるだろうと覚悟していたが、今回は三人同じペースで遅い一人に合わせていたので、日高まで抜かれることはなく、100mくらいの間隔をあけたまま走り続けた。
 日高までは緩やかな登りが続くが、今日は弱い追い風だったので坂を感じることなく走り続け、三人組のチャリダーを後ろに従えたまま日高の町に11時40分に到着。スタートから5時間40分で86km走ったことになるので、カメ作戦よりもずいぶんハイペースだ。国道237号線は富川から日高までアップダウンを繰り返しながら標高で300mほど登っているが、私の昨日までの登坂に比べれば、この程度の登りは平地のようなものだ。それほどまでに今日の走りは楽だった。
 日高の道の駅「樹海ロード日高」でボトルに給水しようかと思ったが、振内のキャンプ場で給水しており、まだボトルにはたくさん水が残っていたのと、国道237号線からでは、日高の道の駅に行くには少し寄り道しなければならないので、そのまま素通りする。交差点にコンビニもあったが、既に振内で今夜の分も買っていたのでコンビニにも寄らず、そのまま日高の町を素通りした。
 よく考えたらこれまで日高の町には二回来たことがあったが、二回とも日高の沙流川オートキャンプ場に泊まっているので、日高の町を通過したことなど一度もなかった。いわば私にとって日高は交通の要所、宿場町みたいなものだったが、今回初めて通過したことで何か新鮮さを感じた。しかし振内の鉄道記念館で休憩して以来、もう1時間30分ほど走り続けていたのでさすがに疲れを感じ、日高の交差点を越えて少し登ったところで20分ほど休憩しパンを食べながら旅の日記を書いた。
撮影日時:2009/08/12 11:19:26 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:94mm
国道237号線を走る
撮影日時:2009/08/12 12:17:19 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
日高の町を少し登った場所から
国道274号線を見下ろす
 12時ちょうどに出発。国道237号線は日高の交差点を過ぎると、いきなり日高峠の急坂が始まる。急坂と言っても昨日のオロフレ峠よりはマシだが、それでも急には違いない。今日の天気は曇り時々晴れと言った感じで、日高峠を登っている間も晴れたり曇ったりを繰り返していた。曇っている間はまだいいが、晴れてくると一気に汗が噴き出す。サイクリングジャージーを汗でドボドボに濡らしながら、ひたすら登り続け12時30分には日高峠の頂上である標高500mに到着する。日高の標高が約300mなので標高差で200mを30分で登ったのだからハイペースと言うべきだろう。
 日高峠の頂上には標識も何もないので写真も撮らずにそのまま素通りする。日高峠の反対車線には温度計があるのを知っていたので、現在の温度を確かめると25℃を示していた。今年の北海道の夏は涼しくて走りやすい。いつもだったら涼しいけど雨か、晴れているけど暑いかのどちらかだったが、今年は両方のいいとこ取りだ。
 日高峠を下って占冠に向かう。日高峠の占冠側は急な下りの直線道路が続くので、ここで速度記録に挑戦する。時速54.8km/hをマークしたが、サイドバッグを搭載したフル装備の状態ではこれが限界だろう。日高峠の日高側は峠を下ればすぐに日高の町だが、占冠側は占冠に着くまでに10km近く走らなければならず、ペダルを回さずに占冠まで着けるというほど甘くはない。しかし基本的には下りなので自転車では走りやすかった。
 この国道237号線を走る頃から、手を挙げてくれるライダーの数が明らかに多くなりだした。これまで国道36号線等を走っていると、こちらから手を挙げてもなかなか挨拶してもらえなかったことが多かったが、国道237号線に入ってから、しかも日高を越えてからはほとんどのライダーが手を挙げてくれるようになり、またライダーの方から手を挙げてくれることも多くなり嬉しい限りだ。
 日高峠を越えて走り続けると、やがて13時5分に占冠に到着した。ここには道の駅「自然体感しむかっぷ」がある。確か昨年はこの道の駅の隣の占冠ショッピングモールの建物の横で休憩した覚えがあった。今年も休憩できる場所を探していたら、昨年とまったく同じ場所にベンチが置いてあったので、ベンチに座ってパンを食べ、旅の日記を書きながら20分ばかり休憩する。
撮影日時:2009/08/12 13:50:11 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
占冠を過ぎると晴れてきた
撮影日時:2009/08/12 13:52:11 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:320mm
金山まであと16km
 旅の日記を書きながら先ほどの3人組のチャリダーが来ないかと待っていたが、結局来ることはなく、トイレでボトルに給水して13時30分に道の駅を出発する。このあとも国道237号線をかなやま湖目指して走るのみだ。国道237号線でかなやま湖に向かうには標高490mの金山峠を越えなければならない。占冠の標高が330m程度なので160mの登りということになるが、実際には占冠から金山峠の麓まで10km程度のアップダウンがあるので、いったいどれだけ登っているのかよくわからない。そして金山峠の麓にあるパーキングに自転車止めてパンを食べながら15分ほど休憩して再び出発する。
 私の予想では金山峠の麓のパーキングから金山峠の頂上まで、標高で100mほど登らなければならないと思っていた。しかし覚悟していた割にはあっけないほど簡単に金山峠を登ってしまい頂上に到着した。登った距離に比べると、下りはかなり長く、ずいぶんと坂を下って15時ちょうどにようやく金山に到着した。
 金山からは国道237号線を離れて道道465号線に入り、かなやま湖を目指す。この道道465号線は、最初のうちはフラットな走りやすい道だった。しかし金山ダムが遠くに見えるようになると、突然金山シェルターなるシェルターが出現し、そのシェルターの中の傾斜が10%を越えているのではないかと思えるほど急なのだ。私は後方から追突されないようにリアのフラッシングライトを点滅させて、あえぎながらシェルターの急坂を登ったが、一つ目を登ったところで力尽きてしまった。
撮影日時:2009/08/12 15:25:41 シャッター速度:1/100 絞り:F6.3 焦点距離:29mm
これが金山ダムだ
撮影日時:2009/08/12 15:23:44 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
金山ダムから下を見下ろす
 すると右手に金山ダムの管理事務所があるという標識があったので、私は休憩がてらに行ってみることにした。道道465号線をそれて脇道に入ると、やがて金山ダムが見えてきた。かなやま湖は金山ダムによってできた人造湖である。金山ダムの建設にあたっては300世帯ほどが水没する為、反対運動も根強かったが、住民の要望に添う形で補償される事になり、金山ダムによってできたかなやま湖周辺には観光の為の周辺整備が積極的に行われ、展望台や散策路、キャンプ場、温泉などが整備され、富良野や美瑛、トマムに近い事などから多くの観光客が訪れる一大観光スポットになっているそうだ。
 その一環からか金山ダムは一般観光客でも堤頂の上を車で走れるようになっていた。私は迷わず金山ダムの堤頂の上に自転車で乗り付けて走った。北海道自転車ツーリングでダムの堤頂の上を走るのは糠平ダムに続いて2回目だが、なかなか気持ちのいいものだ。堤頂を渡ると対岸にはダムの管理事務所があり、その1階は湖・ダム・ふれあい展示ホールがあった。ここは入場無料で展示ホールからはかなやま湖を眺める事ができるだけでなく、休憩スペースや、金山ダムに関するパネル展示やビデオ上映もあったが、私は早くキャンプ場に行きたかったので、中には入らずもっぱら金山ダムを撮影した。それにしてもこのダムは市民に開かれた観光ダムのように思えてしまう。
撮影日時:2009/08/12 15:18:14 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
金山ダムの堤頂を走る
撮影日時:2009/08/12 15:20:37 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
金山ダムの湖・ダム・ふれあい展示ホール
 金山ダムの上で写真撮影を繰り返し、しばらく休憩した後、再び道道465号線の急な登りのシェルターの二つ目に挑戦する。ようやく急な登りを登りきると、かなやま湖が見渡せるという金山ダム展望台への入り口があった。私はその道に入っていこうかどうしようか悩んだが、結局空が曇っていていい写真が撮れないのに、これ以上急な登りを登っても意味がないと考えて断念した。晴れた日に来る機会があれば、ぜひとも挑戦してみよう。
 今回の北海道自転車ツーリングでは1日目から2日目あたりではキャンプ場到着近くになると靴の問題で足の小指付近が痛くなってきていた。しかしここ数日はその問題も起きず、快適だった。今日も全然問題ないし、きっとここ数日履き続けた為に靴が大きくなってきたか、もしくは足が痛くならないようなペダリングをするようになったのだろう。
 それからもかなやま湖沿いを走る道道465号線を走り続けた。この道はかなやま湖の湖畔を走るのだが、意外とアップダウンがあり、洞爺湖の湖畔を走る洞爺湖ぐるっと一周線のようには好きにはれなかった。金山ダムを過ぎてからも道道465号線を走り続け、ずいぶん走ってからようやくかなやま湖を見渡せる場所に到着した。それまでにもいくつか展望台はあったが、とても木が邪魔してかなやま湖を見渡す視界が広くなかったが、ここだけは広かったので自転車を止めて写真撮影する。
撮影日時:2009/08/12 15:53:38 シャッター速度:1/125 絞り:F6.3 焦点距離:29mm
かなやま湖のパノラマ写真
 かなやま湖畔キャンプ場はその展望台の隣だった。16時ちょうどにかなやま湖畔キャンプ場に到着。受け付けを済ませてキャンプサイトに自転車ごと乗り入れるが、あまりの広さにびっくりしてしまう。管理人のおじさんは、芝生の部分ならどこにテントを張ってもよいと言っていたが、この広大な芝生にテントがいったいいくつ張れるのだろうかと考えてしまう。おそらく1000は余裕で張れることだろう。
 明日は雨になりそうだったので、できるだけ雨をしのげるところを探す。管理人のおじさんはステージの上はダメだが、横ならテントを張ってもOKと言っていたので、坂を下って先にステージを見に行くが、ステージの横にテントを張っても雨はしのげそうになかった。しかしステージから少し離れたところに木立の茂みがあり、ここなら多少の雨ならしのげそうだし、何よりステージが風避けになってくれそうだったので、迷わずその木立の茂みの中で少し盛り上がっている部分を見つけだし、そこにテントを張る。いつもだったら今日のように風の強い日や雨が予想される日にはテントを張る場所を決めるのに慎重になるものだが、今日はあっけないほど簡単に決まった。
撮影日時:2009/08/12 16:29:22 シャッター速度:1/50 絞り:F4.5 焦点距離:29mm
かなやま湖の湖畔にテントを張る
撮影日時:2009/08/12 16:30:00 シャッター速度:1/50 絞り:F5.6 焦点距離:29mm
かなやま湖畔キャンプ場のキャンプ風景
 今日は風が強いのでテントの設営には苦労したが、無事にどうにか設営し、着替えの準備をして16時40分からキャンプ場の向かいにある温泉かなやま湖保養センターに行く。ここは湯船は一つしかないが400円という良心的値段で、それでいてシャンプーと石鹸が完備されているのがありがたい。湯船から出て休憩室を探すが、どうもこの温泉の休憩室はロビーしかないらしい。しかしロビーで旅の日記を書くのは気が引けるので、私は受け付けにいたおばさんに大研修室を休憩室として使わせてもらえないかと交渉した。するとあっさり承諾してもらえたので、17時20分から大研修室で旅の日記を書く。扉は開けっ放しにしておいたが、誰もこの大研修室が休憩室になっている事など知らないので、私一人で羽を伸ばし、ジュースを飲みながら旅の日記を書いた。しかしあまり長くここで旅の日記を書いていると暗い中で夕食を食べることになるので、18時にはテントに戻る。
 テントに戻ると自炊の準備として米を水に浸し、その間に先ほどまで着ていた服をスーパーの袋に入れてジャブジャブと洗濯する。天気が良ければこうして毎日洗濯できるのがありがたい。少し時間が余ったので、テントサイトからかなやま湖まで降りてみることにした。湖畔まで降りると、かなやま湖が見渡せたので写真を撮る。それだけでなく、このかなやま湖畔キャンプ場がいかに広大かということもわかった。サイトを歩いて回ると大変なので管理人のおじさんはスクーターでサイトを回っているほどだった。湖畔を歩いているうちに雨が降り出したので慌てテントに戻った。
撮影日時:2009/08/12 18:27:47 シャッター速度:1/25 絞り:F3.5 焦点距離:29mm
かなやま湖のパノラマ写真。写真右端の森がかなやま湖畔キャンプ場
 夕食は屋根のあるステージで作ることにして、そこまで自転車を乗り付けて18時30分から炊飯を開始する。今日の夕食はカレーとわかめの味噌汁。18時50分には炊きあがり、10分蒸らして19時から夕食を食べるが、今日は曇り空だったので暗くなるのも早く、真っ暗な中での夕食となった。真っ暗な中でも自転車で走っているチャリダーもいるが、個人的には明るいうちに夕食の片付けまで終わらせてしまいたいものだ。
撮影日時:2009/08/12 18:33:30 シャッター速度:1/13 絞り:F3.5 焦点距離:29mm
ステージ横で炊事する
撮影日時:2009/08/12 19:11:55 シャッター速度:1/8 絞り:F3.5 焦点距離:29mm
かなやま湖畔キャンプ場の夜景
 真っ暗な中で夕食の後片付けも済ませ、19時20分からテントに入って旅の日記の続きを書く。今日は自転車で走る合間の休憩時間にも旅の日記を書いていたので、テントに入ってから2時間30分で書き終えることができた。今日は130km以上走って峠も2つ越えたけど、平地が主体であれば、これくらいは楽勝の部類で、休憩時間に旅の日記を書きながらでも、時間的に問題なく走ることができた。これまで1000mオーバーの峠越えを毎日のように繰り返すというハードな毎日を送っていただけに、今日のような走りであれば無理なく毎日続けられるだろう。
 明日の天気予報は一日雨、明後日も雨後曇りとのことだ。詳細な天気予報を見ると明日は朝の6時からずっと雨のようで、しかも午後から夕方になるに従い、雨が激しくなっていくようだ。もし明日雨が降り続くようであれば、レインスーツも安物のことだし、ここに連泊も覚悟しなければならないだろう。もし雨が止むようなことがあれば、美瑛の千代田の丘キャンプ場まで85kmほど走ってもいいが、そうすると千代田の丘キャンプ場で3連泊する事になるので、それも考え物だ。どうなるかは明日の天候次第だろう。
 今夜はまだ雨こそ降っていないが、風が強くて何だか肌寒い。昨日一昨日と暖かかっただけに、今日はずいぶん寒く感じる。ニセコ野営場と同じくらい寒いのではないだろうか。周りの家族連れも距離が離れているせいか、風の音が強いせいか、話し声一つ聞こえないのは不気味だ。このキャンプ場ではワンセグの電波が入らず、22時を過ぎるとやることもなくなってしまい寝ることにした。果たして明日はどうなることやら。

走行データ
走行距離   133.9km
走行時間   7時間38分
ペダリング数   18300回
平均時速   17.5km/h
最大速度   54.8km/h
平均ペダリング数   40rpm
総走行距離   692.9km
天候   曇り時々晴れ
最高気温/最低気温   31℃/19℃

食事
朝食   おじや、コンビニ弁当
昼食   パン
夕食   カレー、ワカメの味噌汁

出費
朝(コンビニ)   牛丼、パン、牛乳   631円
(コンビニ)   パン、おにぎり、寝酒   483円
キャンプ場   かなやま湖畔キャンプ場   600円
温泉   かなやま湖保養センター   400円
温泉   ジュース   150円
合計   2264円

キャンプ場
名称   かなやま湖畔キャンプ場
場所   道道465号線のかなやま湖畔沿い
  北緯43度09分29秒、東経142度29分33秒
費用   600円
設備   東屋、トイレ、炊事場
風呂   隣にかなやま湖畔保養センターあり
ゴミ   ゴミ箱あり
行きやすさ   かなやま湖畔沿いに道道465号線を走ればすぐにわかる
乗り入れ   不可
特徴   かなやま湖畔にある巨大なキャンプ場
  比較的整備されており、芝生もまずまず
  湖のそばにはテントを張れないが、広大な芝生と
  ほどよい木立があって優良なキャンプ場の見本のよう
  運搬時も含めて車とバイクの乗り入れができないので
  どうしても入り口付近にテントが固まる傾向があるが
  自転車で奥まで乗り付ければテントは張り放題だ
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