第1話 教会の小さな娘 |
1920年のアメリカ西部の小さな町に8歳になるポリアンナという1人の少女が住んでいました。ポリアンナは4歳の時にお母さんを亡くしていた為、教会の牧師をしているお父さんのジョン牧師と一緒に貧しいながらもつつましやかに2人で暮していました。元気でいつも明るいポリアンナのたった1つの心配はお父さんのジョン牧師が病気がちだった事でした。ジョン牧師は優しいお父さんでしたがポリアンナが人の悪口を言った時には厳しくさとし、良かった探しをするように言うのです。良かった探しというのはお父さんとポリアンナが始めたゲームでした。お母さんのジェニーが亡くなりお父さんとポリアンナの2人で寂しく暮していた頃、お父さんとポリアンナは聖書の中に書かれている“喜び”や“楽しみ”の言葉を一緒に探したのです。聖書の中には800もの“喜び”や“楽しみ”の言葉が書かれていました。ポリアンナはそのおかげで字を覚え、数を数える事ができるようになったのです。「いいかいポリアンナ、神様が800回も“楽しめ”とか“喜べ”とか言われているのは私達みんなが喜ぶ事を望んでいらっしゃるからだよ。これからは聖書の中だけではなく毎日の色々な事の中から喜びを探してごらん。きっとどんな事にも良かったと思える事があるはずだよ。お前とお父さんとどっちが良かったを探せるか競争しよう。わかったねポリアンナ」それ以降、ポリアンナは身の回りの出来事の中から良かったを探すようになっていたのです。 |
第2話 死なないで父さん |
翌朝、異変に気付いたポリアンナはたいそう心配し、一生懸命看病しました。でもお父さんは何も食べたがらず、病気はなかなか良くなりませんでした。お父さんの一番好きなイチゴを摘んで帰ったらお父さんはきっと喜んで食べてくれる。そう思うとポリアンナの胸ははずみ、友達のカレンと共に森へイチゴ摘みにでかけます。ところが森で熊にばったりと出会ってしまい、ポリアンナたちは命からがら逃げ出すのでした。ポリアンナたちはやっとの思いでイチゴを摘んで帰ります。ジョン牧師はポリアンナが熊のいる森に向かったと聞いて大変心配しました。ポリアンナはお父さんに余計な気苦労をかけた事で病気が悪くなるのではないかと心配でたまりませんでした。ところがポリアンナの心のこもったイチゴが食欲をそそったのかジョン牧師は食事も進み少しずつ元気を取り戻していったのです。 |
第3話 丘の上の賛美歌 |
翌日ジョン牧師のお葬式が行われました。娘のポリアンナ1人を残して神に召されたジョン牧師は亡き妻の隣に埋葬されたのです。家に帰ったポリアンナはお父さんのベッドに腰かけてお父さんの事を考えていました。「やっぱり… やっぱりお父さんがいなくなって、それでも良かったなんて思うの、私できないわ… できないわ」そう言うとポリアンナは家の横につり下げられているトライアングルをいつまでも鳴らし続けるのです。そのトライアングルはポリアンナが野原で遊んでいる時にお父さんが食事を知らせる為に鳴らしていたものでした。「お父さん聞こえる? トライアングルの音が聞こえる? 聞こえたら帰って来て。私のそばに帰って来て、お父さん!」そう言うとポリアンナは泣き崩れてしまうのでした。 |
第4話 見知らぬ町へ |
ポリアンナがハリントン家へやって来る日、ナンシーは屋根裏部屋を掃除して窓を開け放っておきました。屋根裏部屋は夕方になると陽が差し込むので窓を閉めておくと蒸風呂のようになってしまうからです。しかしそれを知ったパレーは窓を開けると虫が入るからと言って窓を閉めさせます。ナンシーはポリアンナを出迎えにも行かず、しかもこんな大きな屋敷にパレーたった1人で住んでいるのに、わざわざ蒸風呂のような屋根裏部屋にポリアンナを住まわせるパレーに怒りを感じずにはいられないのでした。 |
第5話 ナンシーの約束 |
様子を見に来たナンシーが泣き崩れていたポリアンナを慰めます。ナンシーはこんな事になるんじゃないかと思って心配していたのですが、ポリアンナはすぐに気を取り直し「さあ元気を出さなくちゃ、お父さんやお母さんに笑われちゃうわ。うん、慣れればきっといい部屋になるわ」と言うのです。そして窓から見える素敵な景色に「見て見てナンシー、まるで絵みたいだわ。これなら額なんかいらないわ、きっとおば様もそう思って…」ナンシーは不幸な身の上にもめげずに明るく生きようとするポリアンナの姿に「あなたって方は天からまっすぐ降りて来た天使のような御方。よくまあそんなあなたにこんな…」と言って思わず泣き出してしまうのでした。 |
第6話 新しい服騒動 |
朝になりました。ポリアンナが窓を開けっ放しで寝た為、食堂にハエが入って来ました。怒ったパレーおばさんはポリアンナに網戸が入るまで屋根裏部屋の窓を開けてはいけないと命じ、屋根裏部屋の窓を閉めてしまうのでした。そしてポリアンナへの罰のつもりでハエの危険性について書かれたパンフレットを読んでおくようにとポリアンナに渡しますが、ポリアンナは「こんなおもしろい絵の描かれたパンフレットを見るのは始めてだわ、ありがとうおば様」と大喜びします。ハレーおはさんは罰のつもりでパンフレットを渡したのに、またもやポリアンナを喜ばせてしまったのです。屋根裏部屋に行ったおば様はポリアンナの持って来た服をチェックし、汚い服… つまりそのほとんどを捨ててしまいました。そしておば様はポリアンナに朝から晩まで勉強や習い事をするように命じます。ポリアンナは自分の生きる為の時間がないと言って反論しますが、おば様はそれがハリントン家に住む者の責任と義務だと言うのです。ポリアンナは義務という言葉がすっかりと嫌いになってしまいました。ポリアンナには義務を喜ぶ事はできないように思えました。でも義務が終わったら本当に良かったと思うに違いないと考えたのです。 |
第7話 うれしいおしおき |
トムとティモシーは大急ぎで駆けつけました。しかしサンパーラの屋根に上ったトムとティモシーはポリアンナが寝ているのを見ると笑わずにはいられません。パレーおば様はポリアンナを目のとどく所に置いておく為、ポリアンナに自分のベッドで寝るように言いました。ポリアンナは1人で屋根裏部屋で眠るのは寂しかったのでパレーおば様と一緒のベッドで寝られると聞いて大喜びでした。そしてポリアンナは先にパレーおば様のベッドに入って寝てしまいます。パレーは途方に暮れていました。ポリアンナにこれで3度懲らしめの為に罰を与えたのですが3度が3度ともポリアンナは、それを特別の親切のように受け取ってしまったのです。そしてパレーのベッドに大の字になって眠るポリアンナを動かす事もできず、パレーはソファで眠る事にしたのです。「これじゃあ私が罰を受けているみたいだ」と独り言を言って… |
第8話 不思議な紳士 |
ポリアンナはパレーおば様が笑わないのを不思議に思っていました。パレーはポリアンナに「不思議の国のアリス」を声を出して読ませます。しかし内容があまりにおもしろいのでポリアンナが笑うと、最初のうちパレーおば様は怒っていましたが、最近では知らん顔になりました。それを聞いたナンシーは「さすがのパレー様もお嬢様にかかってはお叱りになる元気もなくしておしまいなんですよ」と言うのです。そうです、パレーにとってはひどく奇妙に思えるポリアンナに毎日読み方や裁縫を教える仕事はほとほと精根尽き果てる仕事でした。それでも自分の義務と責任を放り出すパレーではありません。 |
第9話 放っておけないわ |
ある日ポリアンナはスノー夫人の家にお見舞いに行く事になりました。スノー夫人は寝たきりの為、教会の婦人会が世話をする事になっており、毎週1回ハリントン家が世話をする事になっていたのです。いつもはナンシーが行く事になっていたのですが、自分が行きたいとポリアンナが言い出したので今日はポリアンナが行く事になったのです。ナンシーやダルギンはスノー夫人が人の顔を見るたびに愚痴や泣き言を言うので誰も世話をするのを嫌がると言ってポリアンナを気の毒がりますが、ポリアンナは病人の世話ができると大喜びで出かけて行きました。スノー夫人の家にやってきたポリアンナは風変わりなスノーおばさんに会う楽しみに胸をはずませていました。ポリアンナはスノーおばさんを見舞いますがスノーおばさんはナンシーの言った通りポリアンナに愚痴や泣き言ばかりを言います。しかしそんな事でめげるポリアンナではありません。ひたすらおばさんの為に良かった探しをしてスノーおばさんを喜ばせようとします。スノーおばさんはポリアンナの事が気になって仕方がないのでした。ハリントン家に帰って来たポリアンナはスノーおばさんの見舞いに行ってとってもおもしろかったので来週も行くと言い出し、ナンシーたちを驚かせるのでした。 |
第10話 何とかしなくちゃ! |
ポリアンナはパレーおば様にジミーを預かってくれないかとお願いしますが、パレーおば様はジミーを追い返してしまいます。ポリアンナはがっかりしますが、婦人会にジミーを預かってもらえるようにお願いしようと考えました。ところが婦人会でもジミーの引き取り手はありません。ポリアンナはがっかりしてジミーに報告しますが、ジミーは誰にも頼る事なく1人で生活する為に自分だけのお城を作ろうと言うのです。ポリアンナは大喜びでした。2人はさっそくトムからいらなくなった木材を貰うと小さなお城を建てる事にしました。場所はジミーが目を付けていたペンデルトンの森の中でした。ジミーとポリアンナが森の中でお城を建てているとペンデルトンさんの飼っている犬のタリムがやって来て、ついて来いという仕草をするのでした。 |
第11話 ペンデルトンの森で |
気になったポリアンナはジミーをおいてタリムの後をついて行くと、森の中でペンデルトンさんが倒れていたのです。ペンデルトンさんは岩から落ちて足の骨を折ってしまい動けなくなっていました。ポリアンナはペンデルトンから教えられた通りペンデルトンさんの家に行くと骸骨の噂に怯えながらもチルトン先生に電話をかけます。そして再びペンデルトンさんの所に戻りポリアンナは看病を続けました。やがてチルトン先生が駆けつけペンデルトンさんは家まで運ばれます。チルトン先生はポリアンナの名前を知ると、ポリアンナの顔をまじまじと見つめました。チルトン先生は前々からポリアンナを一度見てみたいと思っていたのです。この日のペンデルトンの森での出来事は元気一杯のポリアンナにとってもさすがに精も根も尽き果てる大事件だったのです。でもポリアンナはペンデルトンさんやチルトン先生と仲良くなれてとても嬉しく思うのでした。 |
第12話 スノー夫人の驚き |
翌日ポリアンナは再びスノー夫人をお見舞いに行きました。スノー夫人は牛肉のスープを持っていくと羊のスープを食べたかったと言い。羊のスープを持っていくとチキンのスープが食べたかったと言うので、ポリアンナは3つとも持って行く事にしました。そしてスノーおばさんに何が食べたいかを尋ねます。スノーおばさんは今までそこにないものを食べたいと言っていたので、何を持って来たか聞く前に何を食べたいかを尋ねられて答えに困ってしまいました。しかしポリアンナが牛肉も羊もチキンも3つとも持って来た事を知ると、自分の為にそこまでしてくれるポリアンナの事が嬉しくてたまらなくなります。ポリアンナはスノーおばさんに良かった探しをするように薦めました。寝たきりの自分に良かったと思える事なんかありはしないと言うスノーおばさんに対し、ポリアンナは娘のミリーが世話をしてくれる事が良かったと感じるはずだと言うのです。そしてポリアンナに青い空を見ると生きる喜びが感じられるようになると言われベッドから起きあがり青い空を眺めます。スノーおばさんは今まで自分の事しか考えず人の事などかまっていられなかった自分を恥ずかしく感じ、今まで自分の面倒を見続けてくれたミリーと手を取り合って涙を流すのでした。パレーおば様は何の関係もないスノー夫人の為にポリアンナが一生懸命になっているのが理解できませんでした。 |
第13話 おば様はお気の毒 |
チップマックがいなくなってしまいました。ポリアンナやナンシーたちが必死になって探しますが見つかりません。パレーおば様は、たかがリス1匹の為に大騒ぎするのが気に入りません。しかしチップマックを一生懸命探し回る人達を見ているとパレーはまた自分1人がとり残されたような奇妙な寂しさを感じるのでした。そんな事はポリアンナがこの家に来るまではパレーにはなかった事でした。探し回った甲斐があってチップマックは見つかりましたが、チップマックは病気になっていました。ポリアンナが駆け寄ってもピクリとも動かないチップマックを見てポリアンナは泣き出してしまいます。ティモシーは動物の病院に行って薬を貰って来ました。先生はチップマックが風邪だと言ったのですがポリアンナはチップマックのそばにいると言って離れません。雨の降り続く中を外でチップマックの世話をしようとするポリアンナを見かねたトムが家の中で世話をしてはどうかと提案しますが、ポリアンナはチップマックを外で飼う約束でおば様に許してもらったからと言ってそこから動こうとはしません。雨の降りしきる中をポリアンナとトムは食事も取らずにチップマックを見守り続けるのでした。それを見ていたナンシーは、あまりにポリアンナが気の毒になって泣きながらパレーおば様にチップマックをポリアンナの部屋に入れさせてもらえるようお願いします。パレーおば様も食事も取らずに自分との約束を守って雨の降りしきる外でチップマックの看病を続けるポリアンナの姿を見て心を痛め、とうとうチップマックをポリアンナの部屋に入れる事を許すのでした。 |
第14話 手鏡の思い出 |
パレーおば様が屋根裏部屋のポリアンナの部屋を訪れた時、パレーは手鏡を見つけました。その手鏡は今は亡きポリアンナのお母さんの形見でしたが、パレーにとっても自分の姉の想い出の品だったのです。20年も前、大好きだったお姉さんと、この手鏡で遊んだ事などを想い出していると、ポリアンナが「お母さんはこの手鏡をとっても大切にしていたんですって、だから私にも大切にしなさいってお父さんが…」そう言いかけたところでパレーは部屋から出て行ってしまいました。ポリアンナはお父さんの事を話題にしたからパレーおば様は怒って部屋を出て行ったのだと思い、手鏡に向かって「お母さんどうして? そんなに私がお父さんのお話をするのがいけない事なの?」と言って泣きました。でもパレーは怒ったのではありませんでした。いたたまれない思いで部屋を出て行ったのです。幸せいっぱいだったハリントン家が不幸に見舞われたのは、姉のジェニーが牧師のジョンと結婚して遠い西部へ旅立ったのがきっかけでした。気落ちした母が、続いて父が亡くなり、パレーはたった1人でハリントン家の富と名誉を守るべき義務と責任を負わされたのです。パレーが恋人と別れたのも大好きな姉のジェニーが早死にしたのも、みんなジョンのせい、パレーはずっとそう思ってジョンを憎んでいました。そしてなるべくなら過去のすべてを忘れてしまいたいと思っていたのです。しかしパレーは自分がひどい間違いをしていたのではないかという気になってきました。ポリアンナはパレーが大好きだったお姉さんのジェニーにそっくりだったのです。パレーはポリアンナを今夜から屋根裏部屋ではなく自分の寝室の横に住まわせるようナンシーに命じました。ポリアンナの与えられた部屋は宮殿のよう… というほどではありませんでしたが、カーテンやふかふかのベッドがあるかわいい部屋で、ポリアンナもナンシーも大喜びでした。 |
第15話 不思議な特効薬? |
ポリアンナはペンデルトンさんの所にお見舞いに行きました。ポリアンナはエツラおばあさんに追い返されそうになりますが、屋敷に来ていたチルトン先生が「ポリアンナは特効薬だ」と言った為、面会する事ができました。ペンデルトンさんは不機嫌でしたがポリアンナと話しているうちにとても愉快な気持ちになって来ました。チルトン先生は自分の所に来る患者でポリアンナと知り合った人々は、みんな元気が出てきたと助手のハロルドに話します。ポリアンナは特効薬だ、その特効薬の主成分は良かった探しだ、今度処方箋にそう書いておこうと言って助手のハロルドと笑い合うのでした。 |
第16話 怒らないで!おば様 |
ポリアンナが家に帰って来た時、庭でトムに出会いました。ポリアンナはトムにペンデルトンさんの所に行って来たと言うとトムは驚いたような表情を見せるのです。さらにペンデルトンさんの家からの帰り、チルトン先生に送ってもらったと言うとトムはさらに驚いてしまうのでした。ポリアンナが家に入った後、トムは「あのお嬢様が悲しい思いをしなければよいが…」と言いました。そうです、トムはハリントン家に仕えて何十年にもなるので、すべてを知っていたのです。 |
第17話 チルトン先生大好き! |
ペンデルトンはポリアンナを暖かく迎えると自分の過去を少しづつ話しました。ある出来事がもとでこの町の人間がみんな嫌いになり、インドや中国へ旅に出た事。そして4年後に戻って来て、それ以来10年の間、昔からの親友だったチルトン先生以外は誰とも喋らなくなった事を話しました。そしてポリアンナにこう言ったのです。「ポリアンナ、これからも毎日来てもらいたいんだ。君はね僕の寂しさをまぎらわしてくれるんだ。僕はね一番始めに君の身の上を聞いた時、そして君の名前を聞いた時、もう君には来てもらいたくないと思った、もう2度と顔を見たくないと思った。君は僕が長年かかって忘れようとしている事を想い出させるから… だがその後で僕は君に会いたがっている自分に気がついた。僕が忘れようと忘れようとしている事は君を見ないでいれば忘れられるような簡単な事ではなかった。それどころか君を見なければ見ないでいるほど、なおさら想い出してしまう事に気づいた。今では僕は君に来てもらいたいと思っている。君をいつも見ていたいと思っている。来てくれるねポリアンナ」 |
第18話 ペンデルトンの謎 |
ようやくジミーのお城が完成しました。ところがジミーはペンデルトンさんの森に勝手に小屋を作ってしまった為、ポリアンナと一緒にペンデルトンさんの所に行って了解を取る事にしました。ペンデルトンさんはポリアンナがいた事もあって快く了解してくれました。そしてガラス細工に太陽光線が当たって虹ができるのを喜んでいたポリアンナたちを見て、プリズムを使って部屋中に虹を作りポリアンナたちを喜ばせるのでした。ところがポリアンナがこの素敵な光景をパレーおば様にも見せてあげたいと言ってしまった為、ペンデルトンの機嫌は急に悪くなってしまいます。ペンデルトンさんにパレーおば様の話をするとなぜペンデルトンさんの機嫌が悪くなるのかポリアンナにはわかりませんでした。そしてパレーおば様もペンデルトンさんやチルトン先生の話しをすると機嫌が悪くなるのです。ポリアンナは何とかして仲直りしてほしいと考えていました。ところがそう考えていたポリアンナはふらふらと歩き出すと突然倒れてしまいます。ひどい熱でした。ジミーはポリアンナをおぶってハリントン家まで連れて帰りました。ベッドで横になったポリアンナの様子を見にハレーおば様がやって来て「明日になって熱が下がっていなければお医者様を呼びます」と言います。ポリアンナはチルトン先生がやって来ると思って喜びますが、パレーおば様はチルトン先生ではなくウォーレン先生を呼ぶと言うのです。ポリアンナはパレーおば様がチルトン先生をなぜ嫌っているのかよくわかりませんでした。 |
第19話 驚くべき秘密 |
ナンシーはペンデルトンがパレー様の恋人だったと言うのです。ナンシーはトムやダルギンからパレー様には昔、ケンカ別れした恋人がいたという事を聞いていました。そしてその恋人というのがペンデルトンだと思ったのです。それを聞いたポリアンナは信じられませんでした。ケンカしたといっても恋人同士だったのになぜあんなに仲が悪いのか、しかも10年以上の月日が流れているというのに2人ともいまだに独身なのです。ポリアンナは何とか2人が仲直りしてもらいたくて仕方ありませんでした。 |
第20話 危い!!ポリアンナ |
ポリアンナはショックでした。ジェニーは家族の反対を押し切ってジョン牧師と結婚し遠い西部の町の教会に行ってしまったのです。その為にパレーおば様は今でもお父さんのジョン牧師を恨んでいるのだとポリアンナは始めて知りました。ペンデルトンさんは再びポリアンナに一緒に暮さないかとポリアンナを説得します。ペンデルトンさんは残りの人生をすべて君を幸せにする為にかけるつもりだとも言ってくれました。ペンデルトンさんはジェニーと一緒に暮す事はできませんでしたが、その娘のポリアンナと一緒に暮す事で悲しい過去に立ち向かって行こうとしたのです。しかしポリアンナはパレーおば様を1人残してペンデルトンさんと一緒に暮す事はできませんでした。ペンデルトンさんはパレーおば様がポリアンナをペンデルトンの屋敷に来てもいいかを聞いてくれるようポリアンナに頼みます。ポリアンナも引き受けざるをえませんでした。ハリントン家へ帰る途中、ポリアンナはとても悩んでいました。そこへナンシーが駆けて来ました。ハレーおば様は空が曇ってきたので雨が降ったら大変だとナンシーに傘を持たせてポリアンナの迎えに行かせたのです。パレーおば様はこのところすっかりとポリアンナに優しくなっていました。ポリアンナはもし自分がよその家の子供になると言ったらパレーおば様はどうするかナンシーに尋ねてみると、ナンシーはもちろん反対するに決まってますと答えるのです。それを聞いてポリアンナは大喜びするのでした。そしてポリアンナはパレーおば様にペンデルトンさんから頼まれた事を聞く事ができませんでした。 |
第21話 恐ろしい宣告 |
ポリアンナは車に跳ねられてしまいますが、意識を取り戻すとポリアンナは元気に立ち上がりました。ジミーはほっとしましたが、ポリアンナの頭からは血が流れ続けています。家への帰り道、ジミーは心配でしたが、ポリアンナは大丈夫だという事を見せる為に駆け出したのです。ですがしばらく走ると急に足がいう事を聞かなくなりポリアンナは倒れてしまいました。そして起き上がる事すらできないのです。ポリアンナは足がまったく動かなくなってしまいました。家に担ぎ込まれたポリアンナは、すぐにウォーレン先生に診てもらいます。ポリアンナを診たウォーレン先生は頭の傷はたいした事ないし骨折もしていない、ただ脳や脊椎の損傷はしばらく経過を見てみないとわからないとパレーに言い残して帰っていきました。 |
第22話 足が動かない!! |
ナンシーに慰められようやく落ち着きを取り戻したポリアンナはナンシーから自分の足は二度と歩けないなんって事あるはずがないと聞かされ安心します。パレーもナンシーと同じように言うのですが、パレーはポリアンナに嘘をついているのが辛くてたまらなかったのです。それを知ったトムは「いたいけな病人を慰める為の嘘は神様だっておとがめにはなりますまい」と言って慰めるのでした。ポリアンナは体の調子がいいので起きてみようと思いました。ところが起き上がる事ができません。それどころかどんなに頑張っても足を動かす事すらできないのです。ニード先生が言っていた事は本当だったのだと悟ったポリアンナは泣き叫びました。泣き声を聞きつけたパレーおば様が駆けつけますがポリアンナは泣きながら「もう一生どこにも行けない、生きてたっていい事なんかないのよ、みんな出てって!」と言ってパレーを追い出してしまうのでした。 |
第23話 よかったが探せない! |
ペンデルトンさんはジミーからポリアンナの足はニューヨークから来た偉い先生でも治せなかったと聞いてたいそうショックを受けました。そしてペンデルトンさんは意を決するとハリントン家を訪れました。それは14年ぶりの再会でした。ペンデルトンさんとパレーおば様はポリアンナの為に14年ぶりに仲直りする事ができたのです。ケンカの原因は些細な事でした。ジェニーがジョン牧師と結婚して西部へ旅立った後、ペンデルトンさんはひどく落ち込んでいました。そんなペンデルトンさんを気の毒に思ったパレーおば様はペンデルトンさんを元気づけようとしました。ところがその事でパレーおば様はペンデルトンさんを追いかけまわしていると町の人から噂され、気位の高いパレーおば様は我慢できずに誰とも関りを持たなくなって殻の中に閉じこもるようになってしまったのでした。ペンデルトンさんはパレーおば様からポリアンナの症状を聞くとひどく悲観しました。しかしペンデルトンさんはどうしてもポリアンナを喜ばせてやりたかったので、ポリアンナの望んでいたようにジミーを養子として迎えるとパレーおば様に伝えるのでした。 |
第24話 もう一度歩きたい! |
ポリアンナが寝たきりになって1ヶ月が過ぎようとしていました。パレーをはじめ町中の人々の願いも空しく、ポリアンナの病状は悪くなる一方でした。歩けなくなった頃は自分で寝返りを打つ事はできましたが、今ではそれすらもできません。ポリアンナはこの1ヶ月の間、面会謝絶の為ジミーやペンデルトンさんやスノー夫人に会っていません。その中でも特に大好きなチルトン先生に会えない事がポリアンナには辛かったのです。パレーおば様は一緒に良かった探しをしてくれるようになり、ペンデルトンさんとも仲直りしてくれたのですが、チルトン先生とは相変わらず仲直りしてくれませんでした。 |
第25話 危険な手術 |
チルトン先生はポリアンナを診察した後、パレーおば様にポリアンナは歩けるようになる可能性がある、しかしその為にはボストンの病院まで行って大きな手術をしなればならないと言います。パレーおば様は失敗する場合もあると聞いて心配になりますが、チルトン先生から治る可能性があるならそれに賭けてみるべきだと説得され、ボストンに行ってポリアンナを手術する事にしました。 |
第26話 死なないでポリアンナ |
手術室の前でパレーおば様はポリアンナの想い出にひたり、手術の成功を祈ります。一方ベルディングスビルでもポリアンナの手術が行われるという知らせを聞いた人々がその成功を祈り続けていました。 |
第27話 第1部完・愛になりたい |
ポリアンナはパレーおば様とチルトン先生が夢の続きのように自分のお父さんとお母さんだったらどんなに嬉しい事だろうと言うと、パレーおば様もチルトン先生も一瞬お互いの顔を見合わせた後、顔をそむけてしまうのでした。 |