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大草原の小さな天使
ブッシュベイビー  感想

 「ブッシュベイビー」はマーフィの育成を通じて野生動物保護を全面に打ち立てた作品となっています。密猟者たちの手から野生動物を守り、そして野生動物は野生で暮すのが一番幸せである。そんな作風が漂ってきそうな作品です。
 物語はケニアで野生動物保護官を勤める一家がブッシュベイビーの赤ちゃんを拾うところから始まります。ジャッキーはブッシュベイビーにマーフィと名前を付けて大切に育てます。幾多の苦労がありましたがマーフィーはスクスクと成長していきます。ところが心ない密猟者は後を断たず、お父さんたちの目をかいくぐり象が何頭も殺されてしまいます。ふとした事からジャッキーは密猟者たちに捕まってしまい命を狙われてしまい、お父さんが仕事を失った事からイギリスに帰る事になりました。しかしマーフィの国外輸出許可証がなくなってしまい、ジャッキーはマーフィを野生に帰そうと決心し、テンボと共にサバンナを旅します。サバンナの旅は容易ではなく様々な事件に遭遇しましたがジャッキーは旅を通して大きく成長しました。そしてマーフィーを野生に帰したのでした。
 主人公のジャッキーは多少おてんばなところはありますが、お父さんと同様に密猟者を決して許さない強い正義感があります。ゆえに何度も密猟者たちから殺されそうになりました。1度目はバオバブの木の中に象牙を見つけたのを密猟者たちに見つかってしまい危うく殺されそうになります。2度目はモンバサでテンボと共に密猟者から逃げていた時。3度目はミッキーが足にケガをして密猟者たちに捕まった時。4度目はヌディの駅で密猟者に捕まった時です。その他にもワニに襲われたり象に襲われたり豹に襲われたり、揚げ句の果てに炎に取り囲まれて焼け死にそうにもなります。冒険物語とはいえこれほど危ない目に何度も遭遇したのはジャッキーくらいのものでしょう。ところで物語の最後で密猟者のマイケルは逃走してしまいますが、いったい彼はどうなってしまったのでしょうね。
 この物語の見所はやはりサバンナの旅でしょう。わずか1週間ばかりの旅でしたが、そこでジャッキーは大自然の厳しい現実や、そこで暮す人々の生活を知ります。特に野生動物に襲われたりしながらも野生動物を守らなければならないのだと意識するあたりはさすがと言えるでしょう。マーフィも最初はイギリスに持ち帰るつもりでしたが、やはり野生動物は野生に帰すのが一番だと考えるようになり、最後にはマーフィを野生に帰しています。
 サバンナの旅の間はカンバ族の酋長の息子であるテンボが保護者代わりを勤めていましたが、テンボは本当に頼りになる男です。力は強くて物知りでやさしく、サバンナの旅を無事に終える事ができたのもテンボのおかげと言ってもよいでしょう。1つ気になるのはジャッキーたちがイギリスに帰った後、テンボはどうしたかという事です。テンボはナイロビの近くの故郷に帰ると言っていましたが、ハワの事はどうなってしまったのでしょう? ハワはテンボの事が大好きでしたが、テンボはあまり興味なかったようでしたから、そのままハワには会わなかったのでしょうか?
 この作品に関して少し不思議な事があります。それは第22話のサブタイトルは本当は「無くなった許可証」なのに、どの資料を見ても第22話のサブタイトルは「マーフィーの許可証」になっているのです。どこで間違ってしまったのでしょうか?
 この作品の訴えている事は、やはり動物保護でしょう。ジャッキーのお父さんが野生動物保護官をしていた事もあり、野生動物を密猟者たちの手から守り、自然は自然のままが一番いいという、そんな想いが伝わって来るようです。マーフィを野生に帰した時、ジャッキーはとても悲しみましたが、それでもこれが一番いい方法だと思う事ができただけでも、ジャッキーは1つ大人になったのではないかと思います。

評価
 項目 5段階評価 コメント
不幸度 あえて言うなら密猟者に殺されそうになったくらいか…
ほのぼの度 ☆☆☆☆ マーフィをめぐっての物語はほのぼのしています。
お薦め度 ☆☆☆ 後半のサバンナの旅はハラハラドキドキの連続です。
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