今朝はフライトがあるので5時に目覚ましをセットしていた。しかし4時30分に目覚める。もう一眠りしようか悩んだが起きることにした。昨夜はいつもより遅い23時に就寝したが一度も目覚める事はなくぐっすりと眠れた。今朝の最低気温は12℃で寒くはない。体温を測定すると35.7℃だった。 昨日の失敗例があったので今朝は電気を点けずにカーテンを開けて外光を取り入れようとするがまだ外は真っ暗だったので仕方なく電気を点ける。外は雨は少し降っているが昨日のような大雨ではなく、傘は必要とするが自転車で走れる程度にまで収まっていた。しかし天気予報を見ると中標津には昨日と同じ大雨・雷・強風・濃霧注意報が出ていた。 5時からトイレに行ったりシュラフとマットを片づけたりを開始する。今日はテントの撤収がないが、荷物を宅急便で送るために荷物の積み替え作業が入るので時間がかかる。これまではキャンプ生活に適した荷物の配置をしていたが、今日で最後になりサイドバッグを宅急便で送るので、送る荷物だけをサイドバッグに詰める必要があるのだ。
帰りの服装でちょっと悩んでいた。来る時は長袖シャツ1枚で十分だった。何せ三重の朝方の気温と北海道の昼の気温が同じくらいなのだから。しかし帰りはなかなかそうもいかない。キャンプ場出発時の気温は12℃。これは長袖シャツ1枚では寒すぎる。しかしジャージーを着ると三重の最高気温は27℃なので、今度は暑すぎるのだ。脱げばいいと言われそうだが脱いだものを入れる鞄がない。結局防寒着代わりにレインスーツを着て空港まで走り、そこからレインスーツは宅急便で送って長袖シャツ1枚で過ごすことにした。 サイドバッグを宅急便で送るのに適した荷物の配置で詰め込もうとサイドバッグから一度すべて荷物を取り出して並べてみた。右上からシュラフ、寝間着のジャージー、マット、テント本体とフライシート、カメラバッグとツーリングマップルとポメラ。そして右下から食料品を入れたビニール袋、圧縮袋に入れた着替えが2つ、バッテリーや箸、ライター、バッテリーなどを入れたスタッフバッグが2つ、コッヘルとマグカップとバーナー、そしてウイスキーを入れたペットボトル。カメラバックを除く荷物のすべてがサイドバッグに入っている。写真には映っていないがこれ以外に工具袋とレインスーツがある。
出発準備は着々と完了し、あとは根室・中標津空港まで走って自転車を分解しサイドバッグを宅急便で預けるだけだ。輪行袋と工具袋を取り出しやすい位置に用意して三脚やライト、ボトルなどもう必要ないものをサイドバッグに片づけていく。 自転車は2日間ロッジに入れていた。ロッジの床は地面よりも高く、自転車の上げ下ろしは大変だ。2日前に上げた時は雨が降っていなかったので荷物をすべて先にロッジに入れてから自転車を持ち上げたので、それほど苦労する事はなかった。しかし今日は雨が降っているので外で荷物の出し入れをしたくない。そうするとロッジの中で荷物を積み込む事になり重い自転車を降ろす必要があるのだ。こんなフル装備の自転車を降ろす事ができるのかと心配になったが、降ろすのは意外と簡単だった。
残念な事にその時、鍵を返しに行っただけでカメラを持っていなかった。う〜ん、リスを撮影したかった。10秒ほどリスは私の足元をウロウロしていたがすぐに去ってしまった。野生のリスだと思うがかなり人に慣れていたのできっと餌付けされているのだろう。だからまるで公園のベンチに座っている人の前をわざと目立つように歩いて餌をねだる鳩のような動きをしていた。 私はもしかしたらもう一度カメラを持って管理棟に行けばリスが餌をねだりに出てくるのではないか? そう考えた私は早速実践してみた。すると私の予感は的中し、再び私の前に野生のリスが現れた。今回はさすがに先程のように30cmまで近づいてくることはなかったが、私の前2mくらいまで近づいてきて様子をうかがっている。私はここぞとばかりにカメラのシャッターを切った。北海道自転車ツーリングで野生のリスは何度も見かけているが、それをカメラに収めたのは始めたではないだろうか。
2日間宿泊した緑ヶ丘森林公園キャンプ場を後にして根室・中標津空港に向かう。この緑ヶ丘森林公園キャンプ場は根室・中標津空港のターミナルから直線距離にして1kmの近距離にある。しかし2日前は道がわからず一度中標津の町まで降りて大回りしたので空港からキャンプ場まで6kmも走っていた。おそらく町まで降りなくてもそのまま公園から空港にショートカットできる道があるはずだと考えて来た時とは反対の道を走ると予想通り町まで降りることなく空港に行くことができ行きの半分の3kmしか走らなかった。
チェックインを済ませて重い輪行袋を預けると今度はサイドバッグだ。サイドバッグは飛行機に積んで持ち帰ってもいいのだが、自転車が16kgと、サイドバッグ14kgでおそらく超過料金を取られてしまうのと、セントレアに着いてから津なぎさまちまで持っていくのが大変なのでいつも通り宅急便で送ることにした。 空港2階にあるグリーンショップでサイドバッグを宅急便として発送しに行く。店は8時30分開店で、開店まであと5分ほどあったが受け付けてもらえ、無事に発送完了した。ようやく私は身軽になれた。いつもだったら空港近くのヤマト運輸の営業所に持ち込むのだが、今回は飛行機の便が朝早く、かつ営業所は中標津の町にしかないので営業所が開く8時まで待っていたら、そこから空港まで走って自転車を分解すると飛行機の出発に間に合わないのだ。 保安検査場を通過して8時40分に待合室に入る。ここで写真を撮ったり旅の日記を書いたりして時間をつぶす。これから搭乗するのはANA4882便、根室中標津空港9時25分発の10時20分千歳空港着だ。8時50分頃私の乗る飛行機が千歳から飛んできて根室中標津空港に着陸した。今日は天候が悪かったので欠航にならないか心配したが杞憂だったようだ。
9時10分にボーディングブリッジを通って飛行機に乗り込む。今日搭乗する飛行機はボンバルディアのDHC8ーQ400で小さなプロペラの飛行機だ。この手のプロペラ機はあまり乗らないが、かつて仕事で秋田空港から中部国際空港に飛んだ時や、旅行で那覇から与那国島に飛んだ時などに乗ったくらいだ。しかも根室中標津空港は小さくて誘導路もなく、滑走路上をタキシングするとランウェイ80の端で反転した。 9時30分に離陸。あっという間に雲の中に入りどこを飛んでいるのかわからなくなった。私はこの間も利用して旅の日記を書いた。しかし中標津から千歳までのフライトはあまりにも短く、離陸して高度を5500mまで上げて20分ほど飛んだと思ったら、あっという間に高度を下げて着陸態勢に入った。 道東はあれだけ雨風が激しかったのに苫小牧や千歳に近づくと晴れてきた。これだけ晴れているなら自転車で走れたのにと昨日道東だけが雨だったことをちょっと悔やんだ。確かに昨日の天気予報でも道東だけが台風12号の影響を受けて雨だった。 苫小牧上空を飛んでいる時、広大な太陽光発電所が見えてきた。これは私の勤めている会社の発電所だ。3年前にこの付近を自転車で走った時には地上から見たが、上空から見るのは初めてだった。こうして見るとあまりの広大さに驚かされる。
千歳空港のラウンジは以前は狭くていつも混雑していたが、今日久しぶりに来てみるとラウンジは新しくなっていて以前の3倍くらいはあろうかというくらい広くなっていた。確かにこれまでの千歳空港のラウンジは狭くて窓もなく、いつも混んでいて座る場所もないというイメージだったが、ようやく改善されたようだ。ただし飲食の内容については以前の方がよかったような気がする。
1時間ほどラウンジで旅の日記を書いた後、搭乗口に向かうと搭乗が始まっていた。今までは優先搭乗ができたのだがコロナウイルスの影響で優先搭乗はなくなり後方席、前方席、窓側席、通路側席の区分けで搭乗するようになってしまった。
飛行機は搭乗こそ早かったもののその後手間取ったようで12時5分に離陸した。千歳の天気は晴れで離陸時の景色はよく見えたので、Insta360 ONE Xを使って離陸時の動画を撮影する。しかし苫小牧まで出ると雲の上に出てしまい地表は見えなくなってしまった。
しかし普段の夏のツーリングと違って、わずか40日の違いとはいえ秋の北海道自転車ツーリングは今までと勝手が大きく違った。まず一番の違いは寒いこと。北海道は夏が短いのでお盆を過ぎるとすぐに寒くなる。40日違うだけで昼間は3〜5℃くらい、夜は7〜10℃くらい寒くなるのだ。これは夏用のシュラフでは耐えられない寒さとなるので秋冬用のシュラフが必要となるし、自転車で走る時の服装も半袖ジャージーというわけにはいかず、長袖ジャージーなどの防寒具が必要になる。これは予想されていたので十分対応できたと思う。 あらかじめ寒くなるのを見越して装備をしたが、実際の気温は以下のようになった。
だいたい予想通りと言ったところだったが、最低気温が4度まで下がったのは想定外だった。4度の外気温の中でのキャンプはそれなりの装備がないとできないが、北海道自転車ツーリングでもそれができたことに少し自信を付ける事ができた。これだったらゴールデンウィークでも北海道自転車ツーリングができるのではないかと思えてしまう。 予想外だったのは昼間の明るい時間が短くなったこと。当然といえば当然なのだが夏至から日数が経過すれば日が短くなるのは当たり前だ。しかしわずか40日の違いで日没が70分、日の出が45分も短くなるとは想定外だった。明るい時間が普段の北海道自転車ツーリングより2時間も短くなったことで1日に走ることのできる距離が大きく制限されることとなった。いつもだったら16時30分にキャンプ場に到着すれば設営して炊事と夕食をしても余裕で夕陽には間に合うのだが、今年は15時30分にはキャンプ場に入らないと同じ事ができないのだ。 またキャンプ場の間隔についても今回は従来とは異なる方法を取り入れた。今まではキャンプ場の間隔を120〜130kmに設定してそこまで走るというのを基本にしていた。しかし今年は少しやり方を変えてキャンプ場の間隔を70〜80kmに設定し、早めにキャンプ場に着いて設営だけ済ませて身軽な状態で周辺を観光する、もしくはその逆で朝テントを張ったまま周辺の観光をしてから撤収して次のキャンプ場に向かうという方法を取り入れた。 この方法で4日目は朝にナイタイ高原、6日目は朝に感動の径をまわった。5日目に女満別周辺をまわったり、7日目に開陽台も計画していたが、これらは天候が悪くて断念した。この方法は天候や体調の変化にも柔軟に対応することができ非常に良かったので来年以降も取り入れていきたい。 そして今回初めてシーズンオフに走ることになった。最初の2日はシルバーウイークの4連休の最中でテントの張り場所を探すにも苦労するほどだったが、それ以降はほとんど人がいないキャンプ場ばかりで、よく言えば好きな場所にテントが張れる、悪く言えば寂しい状態だった。おかげでシーズン中にはチャリダーの入る余地のないような砂湯キャンプ場にもフリーサイド独占状態で宿泊することができ、またとない経験をさせてもらった。 また今回の北海道自転車ツーリングではチャリダーにもほとんど会わなかった。これまではだいたい1日走っていれば何人かのチャリダーにはすれ違ったし、キャンプ場で一緒になることもあった。しかし今回は弟子屈で出会っただけという寂しい状態だった。きっと自転車で日本を一周する人たちはこうした気分で走っているのだろう。良くも悪くも初めての経験だった。 何にせよ初めてずくしの北海道自転車ツーリングだったがそれでも楽しかったことは間違いない。新しいカメラを導入したことで撮影の幅が圧倒的に広がったこと。これまで自撮りと言えば自転車を止めて道ばたに三脚を立ててカメラをセットし、フレーミングと露出を決めて撮影して撤収。この作業に5分はかかっていたので、よほど景色のきれいな場所でない限りなかなか自撮りをしようという気にならず撮影の機会も少なかった。 過去にはドローンを導入しようと考えたこともあったが、持ち運びが大変ということで導入には至らなかった。しかしInsta360 ONE Xの存在を知り、それを購入して地元でのツーリングで使ったところ無限の可能性があることを確信し、北海道自転車ツーリングにも導入することとなった。これは素晴らしくよかった。これで動画もたくさん撮影したので、今年の北海道自転車ツーリングのホームページが完成したら今度は動画を編集してYouTubeにアップロードしていきたい。 そして何よりも良かったのが体調を崩さなかったことだ。このコロナ渦の中で体調を崩したりすると旅先で大変なことになるところだったが無事に9日間を過ごすことができた。さすがに自転車に乗っている時はマスクをしなかったが、コンビニに入る時やキャンプ場で受付する時など常にマスクをしなければならないのというのは初めての経験で、自転車旅ではマスクを持ち歩くのも大変だという状態だった。 またそうした健康状態だけでなく自転車で毎日長時間走る事でこれまでは足の裏や手の平、肩や首が痛くなったものだ。これらの症状が辛くて休憩を小刻みに繰り返すことが多かったが、今年はそうした症状がほとんど出ることはなく楽に自転車を走らせることができた。これは今回の北海道自転車ツーリングかせ日照時間の関係で1日の走行距離が比較的短かったのに加えて、5月からツーリングを再開し1日200kmほど出かけていたおかげで体ができあがってきたのだろう。
いつもなら中部国際空港へのアプローチは名古屋市街の上空から長島上空を抜けて中部国際空港に降りるのが一般的だが、今日は岡崎あたりまで大きく東側を飛び、知多半島の外側をぐるっと一周するようにまわって5分遅れの13時45分に中部国際空港に着陸した。
飛行機を降りてボーディングブリッジを歩くとそれだけで暑い。これまではずっと寒かっただけにこの暑さは帰ってきたのだなと実感する。そして手荷物受け渡し所に行って自転車を待つ。荷物が出てくるまでには少し時間があったのでのんびりしていると、いつものように指先がくっきりと日焼けしていることに気付いた。今回は夏でもないので大丈夫だろうと指先の日焼けには一切配慮しなかったが、やはり配慮しないとこうなってしまうようだ。 この中部国際空港は手荷物受け渡し所がとても広い。輪行袋はターンテーブルではなく大型荷物用の扉から出てくること知っていたのでその前で待っていると私の輪行袋を載せた台車が出てきた。すぐに受け取ろうとするがここのグランドスタッフは絶対にその場で輪行袋を渡してくれずカウンターまで運んでしまうので仕方なく私もカウンターまで行って輪行袋を受け取る。
14時ちょうどに自転車を受け取って制限区域から出てきた。高速船は15時出港なのであと1時間ほどある。まだ昼食を食べていなかったので空港のレストランで食事しようと考えた。しかしさすがに輪行袋を持ったままだと邪魔なので先に高速船乗り場に持って行くことにした。ターミナルから高速船乗り場までは少し離れていて輪行袋を載せたカートを押しながらだと10分はかかる。乗り場まで行くと先にチケットだけ購入して乗り場にカートを並べて乗船待ちする。
10分ばかり時間ができたので飛行機を見にスカイデッキに行くことにした。スカイデッキから見たエプロンは飛行機がすごく少ない印象で特に国際線側は飛行機がまったくいなかった。もう国際線は壊滅状態だ。ここでもドリームリフターが見られたので写真を撮っておく。レストラン街の広場にストリートピアノが置かれていて腕に覚えのあるピアニストが弾いていた。最近はこうしたストリートピアノが増えたような気がする。
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