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北海道自転車ツーリング 9日目
開陽台〜中標津 −帰還−
2020年09月27日

9日目の走行地図

9日目の速度グラフ
速度
9日目の高度グラフ
高度

 今朝はフライトがあるので5時に目覚ましをセットしていた。しかし4時30分に目覚める。もう一眠りしようか悩んだが起きることにした。昨夜はいつもより遅い23時に就寝したが一度も目覚める事はなくぐっすりと眠れた。今朝の最低気温は12℃で寒くはない。体温を測定すると35.7℃だった。
 昨日の失敗例があったので今朝は電気を点けずにカーテンを開けて外光を取り入れようとするがまだ外は真っ暗だったので仕方なく電気を点ける。外は雨は少し降っているが昨日のような大雨ではなく、傘は必要とするが自転車で走れる程度にまで収まっていた。しかし天気予報を見ると中標津には昨日と同じ大雨・雷・強風・濃霧注意報が出ていた。
 5時からトイレに行ったりシュラフとマットを片づけたりを開始する。今日はテントの撤収がないが、荷物を宅急便で送るために荷物の積み替え作業が入るので時間がかかる。これまではキャンプ生活に適した荷物の配置をしていたが、今日で最後になりサイドバッグを宅急便で送るので、送る荷物だけをサイドバッグに詰める必要があるのだ。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
撤収を開始する
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
朝食はペペロンチーノとパンだ
 5時50分から朝食を食べる。朝食は一昨日、中標津のコンビニで買ったペペロンチーノとあんぱん。一昨日の総菜が食べられるのか心配になったが賞味期限は明日の午前3時になっていた。セイコーマートの100円スパゲッティは結構日持ちするようだ。
 帰りの服装でちょっと悩んでいた。来る時は長袖シャツ1枚で十分だった。何せ三重の朝方の気温と北海道の昼の気温が同じくらいなのだから。しかし帰りはなかなかそうもいかない。キャンプ場出発時の気温は12℃。これは長袖シャツ1枚では寒すぎる。しかしジャージーを着ると三重の最高気温は27℃なので、今度は暑すぎるのだ。脱げばいいと言われそうだが脱いだものを入れる鞄がない。結局防寒着代わりにレインスーツを着て空港まで走り、そこからレインスーツは宅急便で送って長袖シャツ1枚で過ごすことにした。
 サイドバッグを宅急便で送るのに適した荷物の配置で詰め込もうとサイドバッグから一度すべて荷物を取り出して並べてみた。右上からシュラフ、寝間着のジャージー、マット、テント本体とフライシート、カメラバッグとツーリングマップルとポメラ。そして右下から食料品を入れたビニール袋、圧縮袋に入れた着替えが2つ、バッテリーや箸、ライター、バッテリーなどを入れたスタッフバッグが2つ、コッヘルとマグカップとバーナー、そしてウイスキーを入れたペットボトル。カメラバックを除く荷物のすべてがサイドバッグに入っている。写真には映っていないがこれ以外に工具袋とレインスーツがある。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
サイドバッグの荷物をすべて出す
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
一番左のカメラバッグ以外はサイドバッグに入っている
 6時10分には朝食も完了し、ゴミ捨てや洗面、そして荷物の積み替えを行う。このキャンプ場もゴミ箱があって助かった。今回ゴミ箱のないキャンプ場は女満別湖畔キャンプ場と砂湯キャンプ場だけだったが、この2つのキャンプ場もお金さえ払えばゴミは捨てる事ができる。
 出発準備は着々と完了し、あとは根室・中標津空港まで走って自転車を分解しサイドバッグを宅急便で預けるだけだ。輪行袋と工具袋を取り出しやすい位置に用意して三脚やライト、ボトルなどもう必要ないものをサイドバッグに片づけていく。
 自転車は2日間ロッジに入れていた。ロッジの床は地面よりも高く、自転車の上げ下ろしは大変だ。2日前に上げた時は雨が降っていなかったので荷物をすべて先にロッジに入れてから自転車を持ち上げたので、それほど苦労する事はなかった。しかし今日は雨が降っているので外で荷物の出し入れをしたくない。そうするとロッジの中で荷物を積み込む事になり重い自転車を降ろす必要があるのだ。こんなフル装備の自転車を降ろす事ができるのかと心配になったが、降ろすのは意外と簡単だった。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
2日間泊まったロッジ
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
管理棟
 6時50分にはすべて自転車に積み込みが完了し自転車を雨の当たらない場所に移動してゴミを出し、ロッジの鍵を返しに管理棟へ行った。管理人さんはこの時間不在なので鍵をポストに入れようとしたら足下になにやら動く物体が… 最初猫かと思ったがちょっと小さい。イタチかと思ったが、よく見るとそれは野生のリスだった。そのリスが私の足下30cmくらいのところをはい回っていた。
 残念な事にその時、鍵を返しに行っただけでカメラを持っていなかった。う〜ん、リスを撮影したかった。10秒ほどリスは私の足元をウロウロしていたがすぐに去ってしまった。野生のリスだと思うがかなり人に慣れていたのできっと餌付けされているのだろう。だからまるで公園のベンチに座っている人の前をわざと目立つように歩いて餌をねだる鳩のような動きをしていた。
 私はもしかしたらもう一度カメラを持って管理棟に行けばリスが餌をねだりに出てくるのではないか? そう考えた私は早速実践してみた。すると私の予感は的中し、再び私の前に野生のリスが現れた。今回はさすがに先程のように30cmまで近づいてくることはなかったが、私の前2mくらいまで近づいてきて様子をうかがっている。私はここぞとばかりにカメラのシャッターを切った。北海道自転車ツーリングで野生のリスは何度も見かけているが、それをカメラに収めたのは始めたではないだろうか。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
リスが見られた
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
緑ヶ丘森林公園キャンプ場
 7時20分キャンプ場出発。支度している時は小雨だったが出発しようとした瞬間にかなり激しく降り出した。もしかしたら雨に濡れずに空港まで行けるのではないかと思っていたが甘かった。風も強くてレインスーツを着ているとはいえ長袖シャツ一枚では肌寒かった。
 2日間宿泊した緑ヶ丘森林公園キャンプ場を後にして根室・中標津空港に向かう。この緑ヶ丘森林公園キャンプ場は根室・中標津空港のターミナルから直線距離にして1kmの近距離にある。しかし2日前は道がわからず一度中標津の町まで降りて大回りしたので空港からキャンプ場まで6kmも走っていた。おそらく町まで降りなくてもそのまま公園から空港にショートカットできる道があるはずだと考えて来た時とは反対の道を走ると予想通り町まで降りることなく空港に行くことができ行きの半分の3kmしか走らなかった。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
根室中標津空港
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
玄関前にサイクルステーションがあった
 7時40分に根室中標津空港に到着、玄関脇に屋根の付いたサイクルステーションがあったので、そこで自転車の分解をはじめる。こうした自転車のための分解や組み立ての場所があると嬉しい。しかし今日は風が強かったので屋根があまり意味をなさず半分濡れながらの自転車の分解となった。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
自転車を分解する
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
待合所に自転車を持ち込む
 ようやく自転車の分解が完了し、あとは輪行袋に袋詰めという段階で空港職員がやって来て「外だと雨に濡れるから中で作業して下さい」と言わた。中と言ってもどこで作業していいのかわからず尋ねると、中の待合い所に案内してもらえた。これはありがたかった。時間が早かったこともあって待合所には誰もおらずテーブルをフルに利用して自転車を輪行袋に詰めていった。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
こんな感じで作業を進めた
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
輪行袋に入れた
 自転車の分解だけでなくサイドバッグに荷物を積める作業もあったが8時10分には完了。すぐ横のANAのカウンターに自転車を持ち込んでチェックインを行う。どうも私を担当したグランドスタッフはまだ素人だったらしく後ろから指導役の人に色々と言われながら対応していたが、やはり手際は悪かった。
 チェックインを済ませて重い輪行袋を預けると今度はサイドバッグだ。サイドバッグは飛行機に積んで持ち帰ってもいいのだが、自転車が16kgと、サイドバッグ14kgでおそらく超過料金を取られてしまうのと、セントレアに着いてから津なぎさまちまで持っていくのが大変なのでいつも通り宅急便で送ることにした。
 空港2階にあるグリーンショップでサイドバッグを宅急便として発送しに行く。店は8時30分開店で、開店まであと5分ほどあったが受け付けてもらえ、無事に発送完了した。ようやく私は身軽になれた。いつもだったら空港近くのヤマト運輸の営業所に持ち込むのだが、今回は飛行機の便が朝早く、かつ営業所は中標津の町にしかないので営業所が開く8時まで待っていたら、そこから空港まで走って自転車を分解すると飛行機の出発に間に合わないのだ。
 保安検査場を通過して8時40分に待合室に入る。ここで写真を撮ったり旅の日記を書いたりして時間をつぶす。これから搭乗するのはANA4882便、根室中標津空港9時25分発の10時20分千歳空港着だ。8時50分頃私の乗る飛行機が千歳から飛んできて根室中標津空港に着陸した。今日は天候が悪かったので欠航にならないか心配したが杞憂だったようだ。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
待合室で出発を待つ
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
これから乗る飛行機がやって来た
 今回初めて根室中標津空港を利用した。これで私が利用してきた北海道の空港は離島を除くと千歳空港、函館空港、旭川空港、稚内空港、女満別空港、根室中標津空港の6つを利用したことになる。あと利用していないのは紋別空港、釧路空港、帯広空港の3つだけだ。
 9時10分にボーディングブリッジを通って飛行機に乗り込む。今日搭乗する飛行機はボンバルディアのDHC8ーQ400で小さなプロペラの飛行機だ。この手のプロペラ機はあまり乗らないが、かつて仕事で秋田空港から中部国際空港に飛んだ時や、旅行で那覇から与那国島に飛んだ時などに乗ったくらいだ。しかも根室中標津空港は小さくて誘導路もなく、滑走路上をタキシングするとランウェイ80の端で反転した。
 9時30分に離陸。あっという間に雲の中に入りどこを飛んでいるのかわからなくなった。私はこの間も利用して旅の日記を書いた。しかし中標津から千歳までのフライトはあまりにも短く、離陸して高度を5500mまで上げて20分ほど飛んだと思ったら、あっという間に高度を下げて着陸態勢に入った。
 道東はあれだけ雨風が激しかったのに苫小牧や千歳に近づくと晴れてきた。これだけ晴れているなら自転車で走れたのにと昨日道東だけが雨だったことをちょっと悔やんだ。確かに昨日の天気予報でも道東だけが台風12号の影響を受けて雨だった。
 苫小牧上空を飛んでいる時、広大な太陽光発電所が見えてきた。これは私の勤めている会社の発電所だ。3年前にこの付近を自転車で走った時には地上から見たが、上空から見るのは初めてだった。こうして見るとあまりの広大さに驚かされる。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
苫東の太陽光発電所
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
千歳空港のラウンジ
 そして飛行機は千歳空港の東側を通り過ぎると180度ターンして北側から滑走路にアプローチし、10時20分に千歳空港のランウェイ19Lに着陸した。飛行機を降りるとグランドスタッフに中部国際空港までの乗り継ぎがあることを伝えてそのまま通してもらう。次に搭乗するのはANA706便、札幌11時55分発の13時40分中部国際空港着だ。離陸までにはあと1時間30分ほどあったのでラウンジでウイスキーを飲むことにした。
 千歳空港のラウンジは以前は狭くていつも混雑していたが、今日久しぶりに来てみるとラウンジは新しくなっていて以前の3倍くらいはあろうかというくらい広くなっていた。確かにこれまでの千歳空港のラウンジは狭くて窓もなく、いつも混んでいて座る場所もないというイメージだったが、ようやく改善されたようだ。ただし飲食の内容については以前の方がよかったような気がする。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
ラウンジで飛行機を見ながら旅の日記を書く
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
カウンターはこんな感じ
 11時30分までラウンジでウイスキーを飲みながら旅の日記を書く。国内線のラウンジだと食べ物はほとんどなくてつまみ程度しかないが、それでもアルコールが無料なのはありがたい。ラウンジでもコロナウイルスの感染に気を使ったが、利用者がほとんどいなくてガラガラだったのに加えて、カウンターにはスタッフがアルコールスプレーを持って立っており、食べ物や飲み物を取りに行く度に手を消毒させられたので、ここでは大丈夫だろう。
 1時間ほどラウンジで旅の日記を書いた後、搭乗口に向かうと搭乗が始まっていた。今までは優先搭乗ができたのだがコロナウイルスの影響で優先搭乗はなくなり後方席、前方席、窓側席、通路側席の区分けで搭乗するようになってしまった。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
中部国際空港行きANA706便
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
これから搭乗する飛行機
 11時40分には飛行機に搭乗。先程搭乗した根室中標津空港から千歳空港までの飛行機は搭乗率50%以下で隣に人が座ることもなかったが、千歳空港から中部国際空港までの飛行機はボーイング737−800で座席数が188席もあるけど満席で完全に密な状態だった。全員マスクをして喋りもしていないので大丈夫かとは思うが少し心配になる。
 飛行機は搭乗こそ早かったもののその後手間取ったようで12時5分に離陸した。千歳の天気は晴れで離陸時の景色はよく見えたので、Insta360 ONE Xを使って離陸時の動画を撮影する。しかし苫小牧まで出ると雲の上に出てしまい地表は見えなくなってしまった。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
千歳空港のエプロン
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
千歳空港を離陸する
 飛行機の上で時間ができ、旅の日記を書くのも一段落していたことから、ここで今年の北海道自転車ツーリングを総括することにした。今年は元々は例年通り夏休みを利用して北海道を11日間回る予定でいた。しかしコロナウイルスの第2波の影響で旅行を自粛せざるを得なくなり今年の北海道自転車ツーリングは断念していた。しかしどうしても今年も北海道自転車ツーリングに行きたくて色々と策を練り、こうして9月のシルバーウイークに一週間の休みをもらって北海道自転車ツーリングに来ることができた。
 しかし普段の夏のツーリングと違って、わずか40日の違いとはいえ秋の北海道自転車ツーリングは今までと勝手が大きく違った。まず一番の違いは寒いこと。北海道は夏が短いのでお盆を過ぎるとすぐに寒くなる。40日違うだけで昼間は3〜5℃くらい、夜は7〜10℃くらい寒くなるのだ。これは夏用のシュラフでは耐えられない寒さとなるので秋冬用のシュラフが必要となるし、自転車で走る時の服装も半袖ジャージーというわけにはいかず、長袖ジャージーなどの防寒具が必要になる。これは予想されていたので十分対応できたと思う。
 あらかじめ寒くなるのを見越して装備をしたが、実際の気温は以下のようになった。
年度 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2016 2017 2019 2020
最高気温 最小 16℃ 21℃ 18℃ 21℃ 16℃ 19℃ 21℃ 21℃ 20℃ 22℃ 21℃ 24℃ 22℃ 17℃ 18℃ 13℃
平均 21℃ 26℃ 26℃ 27℃ 25℃ 23℃ 26℃ 28℃ 23℃ 25℃ 26℃ 27℃ 27℃ 19℃ 22℃ 19℃
最大 28℃ 33℃ 31℃ 32℃ 35℃ 33℃ 31℃ 33℃ 28℃ 28℃ 31℃ 29℃ 31℃ 21℃ 25℃ 24℃
最低気温 最小 12℃ 13℃ 14℃ 18℃ 12℃ 13℃ 15℃ 18℃ 15℃ 14℃ 16℃ 16℃ 16℃ 12℃ 11℃ 4℃
平均 15℃ 18℃ 19℃ 20℃ 20℃ 16℃ 18℃ 21℃ 17℃ 19℃ 20℃ 18℃ 19℃ 15℃ 16℃ 9℃
最大 19℃ 22℃ 23℃ 22℃ 23℃ 21℃ 20℃ 26℃ 20℃ 20℃ 23℃ 20℃ 22℃ 17℃ 20℃ 11℃

 だいたい予想通りと言ったところだったが、最低気温が4度まで下がったのは想定外だった。4度の外気温の中でのキャンプはそれなりの装備がないとできないが、北海道自転車ツーリングでもそれができたことに少し自信を付ける事ができた。これだったらゴールデンウィークでも北海道自転車ツーリングができるのではないかと思えてしまう。
 予想外だったのは昼間の明るい時間が短くなったこと。当然といえば当然なのだが夏至から日数が経過すれば日が短くなるのは当たり前だ。しかしわずか40日の違いで日没が70分、日の出が45分も短くなるとは想定外だった。明るい時間が普段の北海道自転車ツーリングより2時間も短くなったことで1日に走ることのできる距離が大きく制限されることとなった。いつもだったら16時30分にキャンプ場に到着すれば設営して炊事と夕食をしても余裕で夕陽には間に合うのだが、今年は15時30分にはキャンプ場に入らないと同じ事ができないのだ。
 またキャンプ場の間隔についても今回は従来とは異なる方法を取り入れた。今まではキャンプ場の間隔を120〜130kmに設定してそこまで走るというのを基本にしていた。しかし今年は少しやり方を変えてキャンプ場の間隔を70〜80kmに設定し、早めにキャンプ場に着いて設営だけ済ませて身軽な状態で周辺を観光する、もしくはその逆で朝テントを張ったまま周辺の観光をしてから撤収して次のキャンプ場に向かうという方法を取り入れた。
 この方法で4日目は朝にナイタイ高原、6日目は朝に感動の径をまわった。5日目に女満別周辺をまわったり、7日目に開陽台も計画していたが、これらは天候が悪くて断念した。この方法は天候や体調の変化にも柔軟に対応することができ非常に良かったので来年以降も取り入れていきたい。
 そして今回初めてシーズンオフに走ることになった。最初の2日はシルバーウイークの4連休の最中でテントの張り場所を探すにも苦労するほどだったが、それ以降はほとんど人がいないキャンプ場ばかりで、よく言えば好きな場所にテントが張れる、悪く言えば寂しい状態だった。おかげでシーズン中にはチャリダーの入る余地のないような砂湯キャンプ場にもフリーサイド独占状態で宿泊することができ、またとない経験をさせてもらった。
 また今回の北海道自転車ツーリングではチャリダーにもほとんど会わなかった。これまではだいたい1日走っていれば何人かのチャリダーにはすれ違ったし、キャンプ場で一緒になることもあった。しかし今回は弟子屈で出会っただけという寂しい状態だった。きっと自転車で日本を一周する人たちはこうした気分で走っているのだろう。良くも悪くも初めての経験だった。
 何にせよ初めてずくしの北海道自転車ツーリングだったがそれでも楽しかったことは間違いない。新しいカメラを導入したことで撮影の幅が圧倒的に広がったこと。これまで自撮りと言えば自転車を止めて道ばたに三脚を立ててカメラをセットし、フレーミングと露出を決めて撮影して撤収。この作業に5分はかかっていたので、よほど景色のきれいな場所でない限りなかなか自撮りをしようという気にならず撮影の機会も少なかった。
 過去にはドローンを導入しようと考えたこともあったが、持ち運びが大変ということで導入には至らなかった。しかしInsta360 ONE Xの存在を知り、それを購入して地元でのツーリングで使ったところ無限の可能性があることを確信し、北海道自転車ツーリングにも導入することとなった。これは素晴らしくよかった。これで動画もたくさん撮影したので、今年の北海道自転車ツーリングのホームページが完成したら今度は動画を編集してYouTubeにアップロードしていきたい。
 そして何よりも良かったのが体調を崩さなかったことだ。このコロナ渦の中で体調を崩したりすると旅先で大変なことになるところだったが無事に9日間を過ごすことができた。さすがに自転車に乗っている時はマスクをしなかったが、コンビニに入る時やキャンプ場で受付する時など常にマスクをしなければならないのというのは初めての経験で、自転車旅ではマスクを持ち歩くのも大変だという状態だった。
 またそうした健康状態だけでなく自転車で毎日長時間走る事でこれまでは足の裏や手の平、肩や首が痛くなったものだ。これらの症状が辛くて休憩を小刻みに繰り返すことが多かったが、今年はそうした症状がほとんど出ることはなく楽に自転車を走らせることができた。これは今回の北海道自転車ツーリングかせ日照時間の関係で1日の走行距離が比較的短かったのに加えて、5月からツーリングを再開し1日200kmほど出かけていたおかげで体ができあがってきたのだろう。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
雲間から乗鞍か見えた
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
岡崎あたりの上空を飛ぶ
 そんな事を考えていると、やがて飛行機は中部国際空港に近づいてきた。長野あたりから雲に切れ間ができて地表が見えるようになってきた。長野と言えばつい40日ほど前に乗鞍エコーラインで乗鞍畳平まで登ってきたばかりだ。上空から畳平が見えないかなと探していたら特徴的な梓湖が見えてきた。その先をたどっていくとスタート地点となる乗鞍観光センターあたりまでは見えたが、そこから先は雲に隠れて微妙だった。ヒルクライマーの聖地乗鞍。またいつか登ってみたいものだ。
 いつもなら中部国際空港へのアプローチは名古屋市街の上空から長島上空を抜けて中部国際空港に降りるのが一般的だが、今日は岡崎あたりまで大きく東側を飛び、知多半島の外側をぐるっと一周するようにまわって5分遅れの13時45分に中部国際空港に着陸した。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
知多半島が見えた
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
指先だけがくっきりと日焼けした
 着陸して誘導路をタキシングしている時、駐機場にドリームリフターがいるのが見えた。このドリームリフターはボーイング787の部品を運ぶためだけに中古のボーイング747の胴体を膨らませる改造を施した機体で世界に4機しかない。そのうちの1機は中部国際空港で見ることができるのだ。私はホームグランドが中部国際空港になるのでこのドリームリフターは何度も見ているが、せっかくなので写真を撮っておく。
 飛行機を降りてボーディングブリッジを歩くとそれだけで暑い。これまではずっと寒かっただけにこの暑さは帰ってきたのだなと実感する。そして手荷物受け渡し所に行って自転車を待つ。荷物が出てくるまでには少し時間があったのでのんびりしていると、いつものように指先がくっきりと日焼けしていることに気付いた。今回は夏でもないので大丈夫だろうと指先の日焼けには一切配慮しなかったが、やはり配慮しないとこうなってしまうようだ。
 この中部国際空港は手荷物受け渡し所がとても広い。輪行袋はターンテーブルではなく大型荷物用の扉から出てくること知っていたのでその前で待っていると私の輪行袋を載せた台車が出てきた。すぐに受け取ろうとするがここのグランドスタッフは絶対にその場で輪行袋を渡してくれずカウンターまで運んでしまうので仕方なく私もカウンターまで行って輪行袋を受け取る。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
広い手荷物受け渡し所
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
中標津空港スタッフのメッセージカード
 輪行袋を受け取ると何か札が付いているのに気付いた。何だろうと思ってよく見ると、そこには手書きで「本日はANAをご利用頂きありがとうございます!また笑顔でお会いできる日を楽しみにしております。 ANA根室中標津空港一同より」と書いてパウチされたメッセージカードがぶら下がっていた。航空会社もコロナの影響で相当困っているのだろう。でもこうしたかわいいイラストと手描きのコメントが添えられたメッセージカードを見ただけでも心温まる。
 14時ちょうどに自転車を受け取って制限区域から出てきた。高速船は15時出港なのであと1時間ほどある。まだ昼食を食べていなかったので空港のレストランで食事しようと考えた。しかしさすがに輪行袋を持ったままだと邪魔なので先に高速船乗り場に持って行くことにした。ターミナルから高速船乗り場までは少し離れていて輪行袋を載せたカートを押しながらだと10分はかかる。乗り場まで行くと先にチケットだけ購入して乗り場にカートを並べて乗船待ちする。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
高速船フェニックス
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
乗船の順番待ちする
 輪行袋を置いて身軽になった状態で再びターミナルに戻るが、ターミナルを改めて見ると驚かされることがいっぱいだった。まず名鉄乗り場横にあったはずの両替店やWi−Fiのレンタルの店がすべて閉店になっていた。そして国際線のカウンターはすべて閉鎖。さらにレストラン街に行ってもかなりの数の閉店があった。コロナウイルスの影響で空港の利用客が激減し店が次々と潰れていったのだろう。悲しい限りだ。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
国際線カウンターはすべて閉鎖されていた
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
国際線はすべてキャンセル
 そんな中で何を食べようかとレストラン街を歩いていた。味噌カツでも食べようかと矢場とんの前に行くが、時計を見ると14時30分を過ぎていた。あれ? これって時間足りなくないか? 注文してから料理が出てくるのに10分かかるとして10分で食べて急いで高速船乗り場に戻れば間に合わなくはないが、あまりにリスクが大きい。これを逃すと次は3時間後の18時までないのだ。仕方なく私は昼食を断念し、コンビニでおにぎりを買って高速船の中で食べることにした。
 10分ばかり時間ができたので飛行機を見にスカイデッキに行くことにした。スカイデッキから見たエプロンは飛行機がすごく少ない印象で特に国際線側は飛行機がまったくいなかった。もう国際線は壊滅状態だ。ここでもドリームリフターが見られたので写真を撮っておく。レストラン街の広場にストリートピアノが置かれていて腕に覚えのあるピアニストが弾いていた。最近はこうしたストリートピアノが増えたような気がする。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
スカイデッキから見たエプロン
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
ドリームリフターが駐機していた
 出港の10分前には高速船乗り場に戻り、高速船に乗船する。日曜日とはいえさすがにシルバーウイークも過ぎていたので乗船客は少なく、船内はガラガラだった。高速船は15時ちょうどに中部国際空港を出発。海面を滑るように30ノットで伊勢湾を疾走した。
撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
高速船に乗船する
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
津なぎさまちのターミナル
 今回の北海道自転車ツーリングはいつもの夏とは違ってシーズン外に実施したが、それはそれで良い点も多くあった。また今年は行程が9日間といつもより少し短いこともあって荷物も少なくで済んだ。ツーリングが長期間になると荷物の量や体への負担も大きくなるし、コロナ渦で三密を避けるためにも今後は期間を短くして夏休みに限定せずシーズン外にスポット的に北海道自転車ツーリングを行うのもありかなと感じてしまった。

撮影日時:2020/09/27 05:45:39 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
瀬戸内3回の訪問で走ったコース
撮影日時:2020/09/27 06:44:49 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
サイクリストの聖地の碑
 秋の北海道自転車ツーリングの後もツーリング熱は冷めやらず、コロナウィルス第二波と第三波のの合間を縫って10月後半から11月前半にかけてしまなみ海道を3回も訪問。離島の海沿いツーリングの良さを再認識しました。おかげでしまなみ海道の島々をぐるっと回るだけでなく、ゆめしま海道、とびしま海道、かきしま海道も走破ししまなみ海道だけでは味わえない離島を満喫してきました。

走行データ
走行距離   3.1km
走行時間   14分
平均時速   13.0km/h
最大速度   23.6km/h
総走行距離   734.8km
天候   雨
最高気温/最低気温   −℃/11℃

食事
朝食   ペペロンチーノ、パン
昼食   おにぎり

出費
昼(コンビニ)   おにぎり   120円
合計   120円

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