昨日も21時30分に寝た。すぐに眠り陥ると途中2時頃に目覚めたが、それでもぐっすり眠れた。今回の北海道自転車ツーリングでは眠れなかった初日以外は毎日7時間ほどしっかり寝ている。目覚めると4時40分だった。5時までシュラフの中で過ごし体温を測って行動開始。36.1℃だった。 テントを開けると空は晴れていた。角度的には日の出は見れそうにないが、それでも空が明るくなっていくのが美しくて自転車を絡めて写真を撮った。これが夏休みであれば日の出の角度が東北東になるので朝日を絡めて自転車とテントと網走湖を撮影できたのだが、今の時期は真東から日が昇るため、残念ながら朝日を撮ることはできなかった。
今までの北海道自転車ツーリングはキャンプ場からキャンプ場までの間隔を120〜130km先に設定して走るというのが一般的だった。しかし今回はキャンプ場の間隔を70〜80kmに設定して、撤収する前やテントを張ってから荷物の軽い状態で周囲を観光してくるパターンを多く取り入れた。 3日目の幌鹿峠と白樺峠経由の大回りコースや、4日目のナイタイ高原牧場行き。そして昨日は女満別周辺の観光地巡り、今日は摩周湖訪問など。これはなかなかいいアイディアだった。確かにキャンプ場間の距離は減るので1日の行動距離は減ってしまうが、体調が悪い時や天気が悪い時など臨機応変に対応できるので今回は存分に利用している。
6時20分には準備が整い湖畔にテントを残したままキャンプ場を出発。このキャンプ場は5泊目にして初めてゴミ箱のないキャンプ場だったので、まずはセイコーマートに行ってキャンプ場で出たゴミとウイスキーのボトルを捨てる。そして飲むヨーグルトを購入して店の前でパンを食べた。
6時50分にメルヘンの丘を出発。メルヘンの丘の次は朝日ヶ丘公園展望台だ。国道39号線の道の駅の前を走っている時、軽装のサイクリストの人から挨拶しながら追い抜かれた。かなりのスピードを出していたようだった、私の荷物の多さにビックリしたことだろう。 道道246号線に入るといきなり坂が始まる。この朝日ヶ丘公園展望台は13年前に一度行ったことがあったのであまり下調べせずに行ったのだが、あまりに昔の話で曲がる場所を見逃していたようだ。道道246号線をそのままどこまでも登り続けることになり、ずいぶん行きすぎてから気づいた。ここまで来たら朝日ヶ丘公園展望台に行くより先に感動の径に行った方が早そうだ。そう考えた私は計画を変更して道道246号線を引き続き走り始めた。
今日は朝から快晴だったが、道道246号線を走るようになると徐々に北東側から雲が広がるようになってきた。私はどうしても晴れた感動の径の写真が撮りたくてせっかくの稜線上から見る眺めのよい景色に写真も撮らずに急いで自転車を走らせ続けた。 しかしなだらかと言ってもアップダウンは存在する。何とか晴れているうちにと思ってこのアップダウンを頑張って走るが、雲が広がるスピードは予想以上に早く、かつ感動の径の展望台まではかなり距離があり、私が感動の径の展望台に着いた時には太陽は雲に隠れてしまった。
感動の径の展望台からの帰り道は自転車を張らせながら後悔しまくった。つい先ほどこの道を逆に走った時には晴れていた。しかし今は完全に雲が覆っている。急ぐことなく行きにも写真を撮っていれば丘の上の稜線上の眺めのいい場所で晴れた写真が撮れたはずだが、それを帰りに撮ろうとしたためにすっかりと曇った写真しか撮れなくなってしまった。こんな事なら行きに急ぐことなく写真を撮りながら走っていればきれいな写真が撮れたのに。ただ、雲の切れ間からほんの短い時間だけ太陽が顔を出すことがあり、何度か晴れた写真は撮ることができた。
朝に雑炊を食べてから3時間も経過してお腹が空いてきたので撤収前にラーメンを作って食べることにした。ここは網走湖湖畔で雰囲気がよいから自炊風景もついつい写真に撮ってしまう。そしてラーメンを炊いている間も撤収作業を続け、ラーメンができると例のソーシャルディスタンスのベンチに座って網走湖を眺めながら食べた。
9時35分には撤収完了。出発しようとするが女満別湖畔はいい感じに晴れてきたので。Insta360 ONE Xを使って走行中の写真を撮る。Insta360 ONE Xは自撮棒を持ちながら走っても絵になるが、自撮棒を三脚に立ててその横を走るだけでも絵になるから嬉しい。
昨日、網走川を挟んでこの国道39号線と反対側にある道道248号線を走っていた時には沿道沿いにタマネギ畑が数多く存在し、そして農家の軒先にはタマネギを満載したケースが積み上げられていた。ところがこの国道39号線沿いにも同じような光景があちらこちらで見られた。きっとこの辺りはタマネギの産地なのだろう。夏の北海道自転車ツーリングでは気付かなかったが、今はタマネギの収穫期に違いない。
国道39号線を走って美幌の町に到着するがここではコンビニに寄らずに国道243号線に入って美幌峠に向かう。補給食は朝に女満別でパンを買っていたのでもう立ち寄る必要はないだろう。この美幌の町では必ずと言っていいほどヤマト運輸の営業所でサイドバッグを送る。今回も思わずヤマト運輸の営業所に立ち寄りそうになってしまった。 国道243号線に入るがここでも風速3〜4m/sくらいの南風で向かい風が強く苦労させられた。ここからは美幌峠に向かって徐々に登りが始まるため、なおさらスピードが落ちる。今日も100kmほどしか走らないので焦る必要はないのだがそれでも向かい風が続くのはつらい。
11時35分、美幌峠の麓にあるパーキングに到着。向かい風の中を女満別から2時間近く走り続けたこともありここで少し休憩することにした。休憩していた一瞬だけ太陽が顔を出したがすぐに雲に隠れてしまい、以後はずっと曇ったままだった。パンを食べながら5分だけ休憩する。さあここからは美幌峠の登りだ。 11時40分から美幌峠の登りにかかる。どうも昨日オンネトー野営場で雨に当たったあたりからリアディレイラーの変速の調子がよくなかった。シフトしても思い通りに変速しないことが度々ある。ここでもだましだまし変速しながら登り続ける。おそらくディレイラー本体の油が切れていて動きが渋くなっているように感じる。帰ったら一度徹底的に清掃と注油しよう。 美幌峠はいつも空荷で登るのでフル装備で登るのは久しぶりになり大丈夫かと思っていたが、意外と順調に登った。北海道自転車ツーリングも終盤となり荷物の量が減ったためだろうか? それとも北海道自転車ツーリングを毎日続けてきたことで力が付いてきたのだろうか。
この休憩中にもう晴れそうになかったことから荷台で干していた洗濯物を取り込んだ。その洗濯物をサイドバッグにしまう作業をしていたとき自転車の通過音が聞こえた。私が顔を上げるとリアキャリアにサイドバッグを付けて美幌峠を下るソロのチャリダーが通り過ぎた後だった。しまった、今回の北海道自転車ツーリングで初めて出会ったチャリダーだったのに見逃してしまうとは。ちょっとショックだったが仕方がない。またこの先出会えることだろう。 そこからも美幌峠を登り続けた。美幌峠の頂上は高原状になっていて頂上に近づくにつれて傾斜が緩やかになる。そこまで来ると登ったも同然だ。今回は比較的楽に登ることができた。美幌峠を登る時は長袖ジャージーを脱がないと暑いだろうと思っていたが、今日は気温が13〜14℃とぜんぜん上がらないようで結局頂上まで着たまま走ってしまった。
展望台から自転車に戻ると屈斜路湖側に下り始めるが、下り初めてすぐに国道から屈斜路湖が見える区間がある。私はここで自転車を止めて写真を撮り、再びInsta360 ONE Xを持ち出して自撮りする。屈斜路湖をバックに自転車を走るのはいいものだ。
長い下りを下り続けてようやく平地になった。平地になればすぐにレインスーツは脱げるだろうと考えていたが、なかなか体温は上がらずレインスーツは脱げなかった。美幌峠を下まで下り少し走ると和琴半島への分岐の交差点に来た。今日は砂湯キャンプ場に泊まる予定だったので和琴半島には用はないのだが、和光半島は観光地でもあるしシーズンオフの和琴半島湖畔キャンプ場の様子も見てみたかったので立ち寄ることにした。 14時5分に和琴半島に到着。ここでようやくレインスーツを脱ぎパンを食べる。このあたりはまだ曇っているが、何となく全体的に雲が切れ始め、この先晴れそうな雰囲気になってきた。今日の天気予報は曇り時々晴れだったので晴れてもおかしくないはずだ。
和琴半島には和琴半島湖畔キャンプ場のすぐ隣にかつては和琴野営場と呼ばれていたRECAMP和琴というキャンプ場もある。こちらは屈斜路湖の湖畔にテントが張れないので私はこれまでずっと和琴半島湖畔キャンプ場ばかり宿泊していた。ちょっと自転車で通りかかった時に確認してみたが、なかなか雰囲気は良さそうだった。しかし私にとってはやはり湖畔の魅力には勝てなかった。 和琴半島を出発して国道243号線をしばらく走ると今度は道道52号線、通称クッシー街道に入る。今日は南風でここまですっと向かい風に苦しんでいたが、ここからは追い風になるのでようやく楽な走りができるようになった。今日は少し風が強かっただけにこの違いは大きかった。
さらに道道52号線を走り池の湯を過ぎるといよいよ今日の目的地、砂湯だ。15時ちょうどに砂湯キャンプ場に到着。受付の前のキャンプ場を一回りすると、広い湖畔のキャンプ場には5つくらいしかテントが張られておらずびっくりしてしまう。私がいつも夏休みの北海道自転車ツーリングで見かける砂湯キャンプ場は湖畔の足の踏み場がないほど密集してファミリーテントが立ち並び、とてもチャリダーやライダーの入り込む余地がないような状態だった。それに比べると今日はほとんど砂湯キャンプ場を一人で独占するような物だ。
キャンプ場で受付をしようとするが管理人は不在で、受付の前に携帯電話の番号が貼り出されていた。仕方なく電話すると管理人が来てくれることとなった。キャンプ場にしては珍しく若い兄ちゃんが管理人だった。しかもこのキャンプ場は現金ではなくキャッシュレスでの支払いを推奨していたり、予約(受付)がスマホからできるようになっていて驚いた。そしてキャンプ場の注意事項もスマホからQRコードを読み取ると注意事項の書いたサイトに飛ぶようになっていたが、私は日頃スマホの電源は切ったままで起動するのに時間がかかるので無理言って口頭で説明を受けた。 この砂湯キャンプ場は屈斜路湖の湖畔ギリギリにテントが張れ、しかも砂浜を掘れば温泉が沸くという珍しいキャンプ場で私も一度は泊まりたいと思っていた。しかしその特徴ゆえにあまりにも人気が高くて夏休みになろうものなら砂浜が見えなくなるほどびっしりとファミリーテントで占拠されるのだ。和琴キャンプ場のようにフリーサイトをファミリーとライダーに分けてくれればいいのだが、ここは分かれていないので、夕方に到着するようなライダーやチャリダーにはほとんど宿泊できないキャンプ場となっていた。しかし今年は夏休みではなくオフシーズンでの訪問となったため、ぜひとも泊まってみたいと思っていたのだ。 今日の砂湯キャンプ場の宿泊者数はテント5張り程度しかない。しかもみんな受付の南側にテントを張っていたので、北側の広いエリアには誰もいない。私はこの誰もいない北側の広いエリアの湖畔を歩いて気に入ったマイ温泉を探した。ここは砂浜を掘ればマイ温泉が湧き砂浜を掘るためのスコップのレンタルもあるのだが、そんな苦労をせずとも先人が掘った温泉をそのまま利用させてもらうのが早い。私は湖畔の気に入った湯船を定めると、その目の前に設営を開始した。
テントは今朝の撤収が遅かったこともあって撤収時に乾いていたが、マットとシュラフがオンネトーでの雨のため少し湿っていたので太陽が出ている間に干す。まだ時間があったので洗濯でもしようかと思ったが、よく考えたら明日1日だけ走って明後日は雨なので休息日とすると、もう洗濯の必要がないだろう。 15時40分から米を水でひたし、その間を利用してキャンプ場の周囲を撮影して回る。太陽が顔を出したことで湖畔の景色がとても良くなった。湖畔沿いは砂浜があり、そして少し陸側には芝生と木々が適度にある。このキャンプ場はシーズンオフであれば本当に雰囲気の良いキャンプ場であることを実感する。湖畔ギリギリにテントを張ることができるキャンプ場としては女満別湖畔キャンプ場と並んでいいキャンプ場だ。
せっかく夕陽が見れているのに写真に撮らないのはもったいないと考え、できたばかりの夕食を食べずにそのままにして、自転車でキャンプ場の前の道道52号線に出た。目的は夕陽をバックに自転車で走る姿をInsta360 ONE Xで動画を撮影したかったのだ。初日に月形皆楽公園キャンプ場でも同様に撮影したが、この時は普段着しか着ていなかったのであまり見栄えは良くなかったが、今回はキャンプ場に着いてからまだ着替えていないのでサイクリングジャージーを着ていて写真映りも良い。私はこの道道52号線のキャンプ場の横の区間を2往復ほどして、屈斜路湖に沈む夕陽をバックにサイクリングジャージー姿でクッシー街道を疾走する自分の姿を動画に撮影した。
もちろんそれだけが正しくて、コンビニ弁当ですべて済ましてしまうのが邪道だと言うつもりはない。走りに徹するなら自炊にかける時間をなくして、その分走るという方法もある。しかしこれまで私が北海道を走ってきた感覚から言うと、自転車で走るだけでなくキャンプ生活も楽しむのであれば、走る距離は減らしてでも彼のように自炊道具をすべて用意し、スーパーで材料を買い込みながらキャンプ場で自炊する方が楽しめるだろう。 実は私も昨年彼の行動に感銘を受け「やはりレトルト食品に走るようでは私はまだ生ぬるい。彼のようにストイックなチャリダーを目指そう」と思ったものだが、それを実践するためには今の私の装備に加えてコッヘルとフライパン1個、包丁、まな板、調味料一式が必要になり、かつ野菜や肉等の食材も毎食毎食使い切ることはできないので、使い残した食材も自転車に積んで持ち運ばなければならない。これには今よりもかなり荷物の量が増えることが予想されたことから結局断念してしまった。いつか日程を3〜4日くらいに絞って荷物の量を減らした上で私のようにレトルト食品ではなく彼のように完全自炊で旅をしたいと思ってしまった。 そしてそこまでするのなら焚き火もしたいと思う。昔はキャンプ場で直火で焚き火が基本だったが、今ではほとんどのキャンプ場で直火が禁止された。しかし焚き火台は重い物が多くとても自転車で持ち運びできるものではない。しかし最近になって重さ1kgを切るような軽量の焚き火台が登場するようになった。私は今回の北海道自転車ツーリングにこうした焚き火台を持ってこようかとも思ったが、肝心の薪を入手するのが難しそうだったので断念してしまった。 薪くらいそこら辺に落ちている小枝で良さそうなものだが、小枝だとあっという間に燃えてしまうし、焚き火に適した薪などそう都合良く落ちているわけはない。幹なら落ちているかもしれないが燃やすためには薪割りする必要があり斧まで必要になる。オートキャンプ場だとキャンプ場に薪を売っている場合もあるが、だいたいこうした薪は一束700円くらいして高い。やはり焚き火はチャリダーにはハードルが高そうだ。 マイ露天温泉の目の前にテントは張ったものの、正直言うと温泉に入ろうかどうしようか悩んでいた。というのも、もう暗くなっていたしキャンプ場は独占状態だったので人目はあまり気にならないが、何より温泉が砂浜にあるというのが気になった。このまま温泉に入ると出る時に足が砂だらけになって、その状態でパンツやジャージーを履くと砂まみれになってしまうのだ。温泉に入るかどうしようか散々悩んだが、ここまで来ていながら砂湯に入らないのは男が廃ると考えて無理にでもマイ露天温泉に入ることにした。
しかし所詮20cm程度の湯船では全身浸かることはできず、浸かっていない部分は寒い。私はとりあえず砂湯のマイ温泉に浸かったという証拠写真だけ撮影すると5分も浸かることなくすぐにマイ温泉からあがった。ここに掲載している写真は本邦初公開、由美かおる氏もびっくりの私の入浴写真だ。写真では明るく見えるがこれはシャッタースピードを30秒にしたからであり、実際には人影は見えても服を着ているかどうかわからないくらいの暗さだ。 温泉からあがって服を着るのは予想通り大変だった。あらかじめレジャーシートを湯船の横に敷いておいて、そこに腰掛けながら湯船から引き上げたばかりの足をタオルで拭いて靴下を履く。そしてパンツとジャージーを履いたところで靴を履けば完璧だ。しかしこれを真っ暗な中で足下の悪い砂浜で実施するのは大変だった。しかしどうにか砂だらけになることなく寝間着代わりのジャージを着ることができた。 温泉からあがった後も30分ばかり自転車の写真を撮った。空が完全に暗くなるまではそれなりの写真が撮れるので、それを利用して写真を撮る。もうこの時間になると自転車は真っ黒にしか写らないのでヘッドライトをうまく使いながらの撮影を続けた。もう夜間の撮影も慣れたものだ。
19時20分から旅の日記を書く。今日はまったくここまで旅の日記を書いてこなかったので就寝時間の21時30分までに2時間しかなく、どれだけ書くことができるだろうかと心配したが、案の定半分も書くことができなかった。今日の分は明日以降に積み残しだ。昨日の旅の日記も8割ほどしか書けていないし、2日目の旅の日記もまだ半分ほどしか書けていない。今年の北海道自転車ツーリングは旅の日記がぜんぜん書けていないことを実感する。 いつまでも旅の日記を書いても終わりそうにないので21時40分に就寝する事にした。明日の天気予報は曇りで夕方から明後日いっぱいは大雨になるとのことなので、中標津のキャンプ場のロッジかホテルに連泊してゆっくりし、そこで書き切れなかった旅の日記を書くことにしよう。 今夜の予想最低気温は6℃となっていた。今回の北海道自転車ツーリングは最低気温が10〜11℃と予想したよりも暖かく、寒くて寝られないという事がなかった。しかし今夜の最低気温はいつもより5℃は低そうなので長袖シャツを2枚着て、シュラフの首元のドローコードをいっぱいまで締めて寝ることにする。苦労して冬用のシュラフを持ってきたけどいよいよこれが役に立ちそうだ。
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