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北海道自転車ツーリング 3日目
幌加内〜名寄〜音威子府 −灼熱の走り−
2016年08月13日

3日目の走行地図

3日目の速度グラフ
速度
3日目の高度グラフ
高度

 昨夜も寝付きはよく22時30分にすぐに寝てしまい、途中一度は目覚めたものの次に起きたのは明るくなり始めた4時10分だった。テントから外を見ると天気は晴れのようだ。せっかく眺めのいい場所にテントを張ったのだから写真を撮っておこうとカメラを持ち出してあたりの景色を撮影。再びシュラフに潜り込んで寝ることにする。
撮影日時:2016/08/13 04:19:53 シャッター速度:1/10 絞り:F6.3 焦点距離:24mm
早朝のほろかない湖公園キャンプ場
撮影日時:2016/08/13 05:26:43 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
ようやく日が出てきた
 今度は4時40分に目覚めた。そろそろ起きなければならない時間だ。私は少しだけ旅の日記を書いて朝食の準備を始めることにした。昨日の朝はまだそれほど寒くなかったが、今朝はかなり冷え込んだ。テントや自転車は夜露でボトボトに濡れており洗濯物を干したままにしなくてよかったと思ってしまった。こんな日に干していたら乾かす前より濡れていたことだろう。少し肌寒かったが昨日の濡れたままのサイクリングジャージーを着て着ながら乾かすことにした。
 朝食は昨日買って残していた唐揚げを入れたラーメンだ。景色を楽しみながらラーメンを食べて早めに朝食を済ませた。そのうちに駐車場に日が射してきたのでテントの中のものを出してテントを移動して駐車場でテントを乾かす。乾かしている間に日焼け止めを塗ったりして時間をつぶしているとラジオのニュースで台風6号が接近しているとのニュースがあった。15日頃に北海道に接近するらしい。う〜む、嫌な知らせだ。
撮影日時:2016/08/13 05:26:16 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:80mm
景色を眺めながら朝食を作る
撮影日時:2016/08/13 05:30:14 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:74mm
朝食は唐揚げ入りラーメンだ
 テントが乾くまで待っていたらずいぶんのんびりしてしまった。いつもはせわしないキャンプ生活の朝だが、たまにはこうしたのんびりした時間もいいものだ。距離を走らない日は朝からコーヒーなど一杯飲んでから出発といきたいものだ。ただ北海道自転車ツーリングで毎日こんな生活をしていたら走行距離が伸びないので、時々でいいかな。
 出発前にまたおなかを壊してしまいトイレに駆け込む。どうも8月に入って暑くなってから下痢が続いているようだ。おそらく冷たいものを飲みすぎたのだろう。ずいぶん遅くなったが6時50分にほろかない湖公園キャンプ場を出発。起きてから出発までに2時間以上もかかってしまった。テントを干していたのが最大の原因だろう。おかげでフライシートはほとんど乾かすことができた。
撮影日時:2016/08/13 06:01:51 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:32mm
駐車場でテントを干す
撮影日時:2016/08/13 06:47:55 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
ほろかない湖公園キャンプ場を出発
 今日は名寄までに給水できる場所が政和の道の駅と朱鞠内のバス停と母子里のクリスタルパークがある。これだけあればボトルは満タンにする必要がないし、何よりこの暑い中、水浴びしながら走ることができるのが嬉しい。なんせ今日も最高気温の予報は31℃なのだ。
 私1人のキャンプ場を出発すると雨煙内貯水池の湖畔を走り、雨煙内ダムを過ぎると急坂を4kmほど走れば幌加内の町だ。この町にはAコープはあるがコンビニがない。この時間にAコープが開店しているはずがないので見向きもせずに通り過ぎた。ここから先は名寄までコンビニはないだろう。
撮影日時:2016/08/13 07:00:02 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
美深までは大回りするので90km以上だ
撮影日時:2016/08/13 07:02:35 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:27mm
内閣総理大臣賞を受賞した幌加内そば
 国道に出ると幌加内そばが内閣総理大臣賞受賞と書かれた看板が見えてきた。幌加内はそばの生産で有名で、幌加内そばは日本最寒の地で生産されるそばだ。かつて幌加内では米を生産していたが米の生産調整政策が長期化していく中で転作を決意。そばは冷涼な気候、昼夜の寒暖差、そして霧が発生し湿度の低い地域のものがおいしいとされ、そのいずれも当てはまる幌加内では1970年からそば栽培へと転作し、現在ではそばの作付面積、生産量共に日本一となっている。
 ここからは国道275号線を走る。今日行く予定の天塩川温泉は、朱鞠内湖までは2010年に、添牛内から母子里までと美深から天塩川温泉までは2007年に走ったことのある道なので、ほとんどが一度は走ったことのある知っている道だ。途中に筋違橋というのがあった。何だか変な名前の橋だなと思いながら撮影しておく。この橋を渡ると筋違いになりそうだ。
撮影日時:2016/08/13 07:04:11 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
痛そうな筋違橋
撮影日時:2016/08/13 07:07:46 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
よく晴れた国道275号線を走る
 この国道275号線も2010年に走ったが、あの時は月形から朱鞠内湖まで160km以上走った。このあたりを走った時にはもう夕方が近づいていてかなり焦って走っていたのであまり周囲の風景が記憶になかった。それでもそばの花で真っ白に染まったそば畑や旧JR深名線の第三雨竜川橋梁、そして道の駅「森と湖の里ほろかない」などはよく覚えていた。
 今日も太陽が燦々と照らしており雲一つない。昨日までは日焼け止めだけで乗り切っていたが、このままではますます日焼けしそうだったのと、朝早いうちは日差しは横から照りつけるので今回の北海道自転車ツーリングでは始めてとなるタオルをほっかむりに巻いて走る作戦を採った。この方法は太陽の日差しを遮ることができるだけでなく、タオルを水で濡らしておけばそこそこ涼しいというメリットがある。
 国道275号線は幌加内の町から先は雨竜川に沿って徐々に標高を上げていく。所々に10mクラスのアップダウンはあるが全体的にはほとんどフラットに近い。7時40分に道の駅の手前にある旧深名線第三雨竜川橋梁に到着。自転車を持ち込んで写真を撮り少しだけ旅の日記を書いて10分ほどで出発した。
撮影日時:2016/08/13 07:50:39 シャッター速度:1/60 絞り:F8.0 焦点距離:104mm
第三雨竜川橋梁
撮影日時:2016/08/13 07:54:08 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:88mm
森と湖の里ほろかない
 この第三雨竜川橋梁は渓谷ポンカムイコタンにかかる鉄橋だ。かつてこの場所には旧JR深名線が通っていたが人口減少による赤字のため1995年に廃線となった。この第三雨竜川橋梁は1931年に建設された鉄橋で全長101m、中央部には全長45mのトラス橋がある。廃線に合わせて橋梁も撤去されかけたが2007年に保存が決まり2009年には選奨土木遺産の一つとして選ばれ現在に至る。
 第三雨竜川橋梁を過ぎるとすぐに道の駅「森と湖の里ほろかない」がある。この道の駅にはせいわ温泉ルオントがある。この温泉の露天風呂はとても雰囲気が良いのだが、まだ朝早い時間で温泉が営業しているとは思えないし、ついさっき第三雨竜川橋梁で休憩したばかりだったのでパスする。H社のバイクでも止まっていたらライダーに話を聞こうと思ったが、朝早いせいかあいにく止まっていなかった。
撮影日時:2016/08/13 08:00:40 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:112mm
国道275号線を走る
撮影日時:2016/08/13 08:15:20 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
道沿いに展望台があった
 さらに走り続けると展望台そばの花というのがあった。こんな場所にも展望台があるのかと自転車を乗り付けて写真撮影する。この展望台は土産物屋が集客のために設置した展望台で、作りは工事用の鉄パイプだけで組み上げたちゃちなものだったが、高さはまずまずあって眺めはよかった。展望台はこの時間逆光なのが残念だった。
撮影日時:2016/08/13 08:16:16 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
そばの花展望台からのパノラマ
 幌加内の町は標高160m程度だが道の駅は標高200m程度。さらに国道275号線を雨竜川に沿って北に走り続けて標高220m地点にある国道239号線との交差点のある添牛内の町に8時40分に到着した。町と言っても民家が何軒かあるに過ぎない。この交差点には添牛内郵便局を改装して2002年に開店した霧立亭という幌加内そばを提供するそば屋がある。ここはツーリングマップルにも「人気の手打ちそばのお店」と書かれているが、開店時間が11時でまだ朝早くて営業していなかった。
 ここまで2時間で30kmほど走っておりなかなかのハイペースだ。添牛内の町を抜けると国道239号線と分かれて再び雨竜川沿いの国道275号線を北上する。このあたりから徐々にアップダウンが増えてきた。と言っても10m程度のアップダウンではあるのだが、フラットなエリアは少なくなってきた感じだ。
撮影日時:2016/08/13 08:39:17 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:80mm
まだ開店していなかった霧立亭
撮影日時:2016/08/13 08:43:51 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
雨竜川の上流を渡る
 全長275mの朱鞠内トンネルを抜けて少し走ると朱鞠内の町だ。この町の標高が250mくらいだから幌加内から朱鞠内まで35kmほどかけて標高差で90mほど登ってきたことになる。実際には10mクラスのアップダウンがいくつもあったので登った高さはその倍以上だろう。
 朱鞠内の町にはバス停を兼ねた朱鞠内コミュニティー公園がありトイレがあったので9時20分から立ち寄って給水と水浴びを楽しみ、パンを食べながら少し旅の日記を書いた。この朱鞠内コミュニティー公園は廃線となった旧国鉄深名線の朱鞠内駅の跡だ。この深名線は深川から幌加内、朱鞠内を経由して名寄までを結ぶ線路だったが1995年に廃線となってしまった。その後2002年に朱鞠内コミュニティー公園として生まれ変わり、パークゴルフ場の管理棟を兼ねたバス停の他、ロータリーには駅名標とレールの一部がある。私はその駅名標の前に自転車を持ち込んで写真を撮った。
撮影日時:2016/08/13 09:21:58 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:34mm
朱鞠内コミュニティー公園
撮影日時:2016/08/13 09:58:11 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
朱鞠内パーキングエリア
 20分ほど休憩して旅の日記を書き再び出発。朱鞠内の町を過ぎると国道275号線は右に曲がって雨竜川を渡る。渡った直後から今日初めてとなる急坂が始まる。ここは朱鞠内の町から標高で90mほど登らなければならない。何とか急坂を登り切ると頂上に朱鞠内パーキングエリアがあった。
 10時ちょうどに朱鞠内パーキングエリアに到着。ここにはパーキングの他に東屋などがあるが肝心のトイレや水場がなく、朱鞠内湖を見下ろす展望台はあるが木々が邪魔をして視界が狭く眺めも大したことないのを知っていた。とりあえず眺めが改善されていないか確かめに行ったが無駄だった。ここで昨日コンビニで買ったおにぎりを食べてすぐに出発する。出発直前にチャリダーらしき人が入ってきたがすれ違いで挨拶はできなかった。
 朱鞠内パーキングエリアからは緩やかな下りを標高60mほど下って道道251号線との交差点に出る。ここからは20mほど登った後、しばらく森の中の平坦な道が続く。この国道275号線は朱鞠内湖の湖畔を走る道なのに道から朱鞠内湖がほとんど見えないのが悲しい。
 この国道275号線は途中一ヶ所だけ朱鞠内橋の上から朱鞠内湖を見渡すことができるのを知っていた。私はその場所に行くとカメラを取り出して橋の上から身を乗り出して写真を撮った。するとどこからかセイレーンのような歌声が聞こえてきた。車の音が聞こえるでもなく、なぜこんなところで歌声が聞こえるのだろうと不思議に思っていたらソロの女性のチャリダーが前方からやってきた。彼女は私に挨拶すると胸ポケットからコンデジを取り出し、自転車を止めることなく片手で撮影だけしてそのまま去っていった。
撮影日時:2016/08/13 10:33:11 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
朱鞠内湖のパノラマ
 私の場合、自転車を止めてフロントバッグからカメラを取り出し、たいていは自転車をスタンドで立てた状態で自転車を含めて写真を撮る。こんなことをしているから自転車がなかなか前に進まないのだろう。それに比べると彼女の早業は自転車を止めることなく写真を撮っているのでロスが少なく、これなら走行距離が稼げそうだと思ってしまった。
 道道729号線との交差点の手前に25mほどの丘があり、これを越えて交差点を過ぎると国道は完全に森の中のアップダウンの激しい山岳道路となり20m〜30mのアップダウンが連続する。標高362mまで登るとここを境として下りが始まる。しかし母子里の町に出るまでにまだ20mほどの丘を1つ越えなければならなかった。
 母子里の町に出るとここからは標高447mの名寄峠目指して道道688号線に入るのだが、その前に母子里クリスタルパークに行くことにした。この母子里クリスタルパークは1978年に母子里の町で日本最低気温−41.2℃を記録したのを記念して作られた公園だ。
 11時10分に母子里クリスタルパークに到着。園内にはクリスタルピークスと呼ばれるつららをモチーフにしたモニュメントがあり自転車を持ち込んで記念撮影する。今日はここまで55kmほど走ってきたので、この雰囲気の良い公園でしばらく休憩し、おなかも空いてきたのでラーメンでも自炊しようかと考えていた。しかしいざ公園に来てみるとこのクリスタルパークには東屋がなく、ベンチも日向で休憩したいようには見えず、駐車場の木陰で休もうかとも考えたが、ベンチもない駐車場でラーメンを作る気にもならない。仕方なくラーメンを作ることは断念した。
撮影日時:2016/08/13 11:12:46 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
母子里クリスタルパークのクリスタルピークス
撮影日時:2016/08/13 11:14:20 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:45mm
気温は26℃を示していた
 ボトルの水を再び満タンにして水道の蛇口から直接頭に水をかぶった。今日もかなり暑い。タオルやアームカバーをボトボトに濡らしてこれからの名寄峠越えに備えた。この公園には温度計があり気温は26度を示していた。これだったらまだ走れなくはないがそれでも暑い。私はこの公園で10分ほど休憩して出発することにした。
 この母子里クリスタルパークで休憩している時にハンドルがやたらと下にお辞儀していることに気付いた。椎間板ヘルニアを避けるために少しでもアップライドになろうと北海道自転車ツーリングの出発直前にハンドルの高さを上げて上体を起こしていたが、ハンドルそのものが下に傾いていたのでハンドルを上げた効果はほとんど消えていた。自転車を倒した覚えはなかったのでおそらく飛行機で輪行した際に曲がったのだろう。無理矢理元に戻そうとしたが無駄だった。こればかりは家に戻ってから修理するしかないようだ。
 少し戻って道道688号線に入ると1kmほどは平地が続いたが、やがてテセウルペシュペ川沿いに登り勾配が続くようになる。最初のうちこそ平均勾配3%程度だったが、やがて6%の急な勾配の直線道路を上り続ける。そして母子里から距離にして5kmほど、標高差で160mほど登ると12時ちょうどに標高447mの名寄峠に到着した。
撮影日時:2016/08/13 11:49:15 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
名寄峠を登る
撮影日時:2016/08/13 12:01:11 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:43mm
名寄峠の頂上
 この名寄峠には頂上に全長1842mの名母トンネルがある。このトンネルは平均勾配約3%の下りのトンネルだ。ペダルを回すどころかブレーキをかける必要があるくらいだ。幸いなことにこの道道688号線は交通量が極めて少なかったことから長いトンネルでも車に追い抜かれることがなくトンネルは私の専用道路として安心して走る事ができた。トンネルに入る前は暑かったがトンネルの中は寒くて震えそうだった。しかし名寄側に出るとさらに暑かった。
 長い名母トンネルを抜けると名寄を見下ろす景色のいい場所があったので写真を撮る。さらにそのすぐ下にみずほパーキングエリアがあった。ここはトイレと東屋のあるパーキングで、私はおなかが空いていたこともありラーメンでも自炊しようと東屋で休憩することにした。
 東屋に自転車を乗り付けて12時10分からラーメンの自炊開始。手慣れたもので準備から調理、食事、片づけまで20分ほどで終わらせて、後は旅の日記を書いた。峠の頂上のパーキングのトイレはたいてい水を飲むことができない。しかしこのパーキングのトイレはちゃんとした水道だったので、ここでも頭から水をかぶり、タオルやアームカバーをボトボトにして水浴びを楽しんだ。そして12時40分に出発する。これで名寄までおなかが空くことはないだろう。
撮影日時:2016/08/13 12:08:13 シャッター速度:1/160 絞り:F8.0 焦点距離:26mm
トンネル出口から名寄を見渡す
撮影日時:2016/08/13 12:18:44 シャッター速度:1/40 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
みずほパーキングエリアの東屋で自炊
 名寄峠は直線の続く母子里側と違って名寄側はヘアピンカーブの連続だ。しかも舗装したばかりのきれいな道だった。母子里の標高が290m程度なのに対し名寄の標高は100m弱しかないので、母子里側から名寄側に走ると標高で160mほど登るのに対して下りは350mほどと倍以上下ることになる。そしてトンネル出口のみずほパーキングエリアから12kmほど下って13時10分に名寄の国道40号線に出た。
 みずほパーキングエリアを出発した時は服もアームカバーも濡れた状態て坂を下っていたのでまだ涼しかったが、峠を下りきる頃にはすべて乾いてしまい名寄に着く頃にはすさまじく暑くなってきた。もう30度を越えていそうな勢いだ。おそらくこの3日間で一番の暑さに思われた。
 道道688号線が国道40号線に合流するのは名寄の町の北の外れのため、名寄の町をかすめるように通り過ぎることになる。だから名寄の町でコンビニに立ち寄ろうと考えていたが、あいにくコンビニはなく美深までお預けとなってしまった。もう24時間以上、旭川から120km以上走ってもコンビニにたどり着かないのだからすごい。
撮影日時:2016/08/13 12:59:37 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
道道688号線を名寄目指して下る
撮影日時:2016/08/13 13:28:41 シャッター速度:1/30 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
智恵文峠の頂上
 国道40号線に入ってしばらく走ると緩やかな登りが始まった。国道40号線は天塩川沿いに下っていくのだが、名寄と美深の間は天塩川から外れて智恵文峠を越える。峠といっても平均勾配2%強の緩やかな登りを標高で50mほど登るだけなのでたいした事はない。
 この峠を上っているとき、後方から挨拶しながらすごい勢いで二人組のチャリダーに追い抜かれた。登りということもあって私は時速15kmくらいで走っていたが、彼らはこの坂をものともせず25kmくらいのスピードで走っており、あっという間に私の視界から消えていった。同じくらいか彼らの方が荷物が多く見えたのにこの差は何だろう。
 私は今回の北海道自転車ツーリングでは無理をしないことをモットーとしており、上り坂では無理にパワーをかけて上るのではなく、ギアを下げて同じ負荷でクルクルとペダルを回すように心がけている。こうすることで足への負担は減るが上り坂では一気にスピードが落ちてしまう。こうしてそのスピードの違いを見せつけられると体力の差を思い知らされる。
撮影日時:2016/08/13 13:52:37 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
音威子府まであと38km
撮影日時:2016/08/13 14:05:43 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
名寄峠を越えると天塩川水系となって道北に入る
 智恵文峠を上ったところで少し休憩をとりパンを多ぺる。これで私の自転車に積んである行動食はなくなったが、もう美深も近いので問題ないはずだ。智恵文峠を出発すると少し急な下りがある。そしてこの坂を下りきるとフラットな平地が続く。そして恵深橋で天塩川を渡ると美深の町に入った。
 私はこの美深の町でセイコーマートとセブン−イレブンの2店のコンビニに入るつもりでいた。セイコーマートは夕食の食材を買うため。セブン−イレブンは凍らせたペットボトルを買うためだ。セイコーマートで凍らせたペットボトルを扱うようになればすべては解決するのだがそううまくはいかない。
 14時15分にようやく美深のコンビニに到着。ここまでキャンプ場から91kmも走ってようやくコンビニにたどり着いた。昨日から含めると旭川から135km、28時間ぶりのコンビニだ。山の中を走るとこうしたことが往々に起こるものだ。自炊道具を持たずにツーリングしている人には辛いコースだろう。
撮影日時:2016/08/13 14:22:18 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:88mm
セイコーマートで買い物
撮影日時:2016/08/13 14:37:29 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:64mm
セブン−イレブンで凍らせたペットボトル
 まずセイコーマートに行ってヨーグルトとカップの野菜を買い、あまりにも暑かったので店の前でアイスを食べた。さらにセブン−イレブンに行って凍らせたペットボトルを買い、店の前でペットボトルを脇に挟んで涼しんだ。この時間から凍らせたペットボトルを購入してもほとんど溶けないので強制的に体を冷やすことで溶かすのが効率的なのだ。
 美深の町を抜けて国道40号線を北上する。名寄から美深までの国道40号線は無料の高速道路が併走しているので交通量は少ないが、美深から先は高速道路がなくなるため国道の交通量が一気に増えて走りにくくなった。交通量の違いによってこうも走りやすさが異なるものかと実感する。
 この頃から再びおなかの調子が悪くなってきた。下痢ではなく吐き気のようだ。どうもこうした北海道自転車ツーリング中に冷たいものを食べたり飲んだりすると胃がびっくりして気分が悪くなるようだ。この先には道の駅びふかがあり、ここのコロッケを食べるのを楽しみにしていた。しかしこの調子だと吐き気がしてとても食べられそうにない。残念ではあるがコロッケは断念することにしよう。
撮影日時:2016/08/13 15:23:58 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
道の駅びふか
撮影日時:2016/08/13 16:16:00 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:91mm
ここにもそば畑が
 美深から今日の宿泊地である天塩川温泉まではあと25kmほどだ。この国道40号線は天塩川沿いに北上する。午前中に走っていた国道275号線は雨竜川沿いを遡っていた。この雨竜川沿いは道央の空知管区になるが、名寄峠を越えて国道40号線に入ると天塩川沿いに下るようになり道北の上川管区となる。名寄峠を越えることで天気予報が変わるのだ。
 それからも国道40号線は天塩川沿いに北上を続けた。今日は昨日までと違って南からの風が吹いているので追い風となって走りやすい。そんな中、ソロのチャリダーとすれ違ったが彼はヘルメットもサングラスもせずに満面の笑みで応えてくれた。やはり北海道自転車ツーリングはこうでないと。
 美深からずっとフラットな道が続いていたが、天塩川温泉まであと6km、JR豊清水駅の手前あたりから丘越えが始まった。25mの丘と50mの丘が1つずつ。これを越えないとキャンプ場にはたどり着けない。私は2007年に同じ道を走ったときの経験からこの丘越えを知っていたのでその分の体力は残していた。
撮影日時:2016/08/13 16:22:13 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
JR天塩川温泉駅
撮影日時:2016/08/13 16:25:15 シャッター速度:1/80 絞り:F8.0 焦点距離:80mm
天塩川温泉
 坂を上ったところにそば畑があり、ここでもそばの花が咲いていたので写真を撮る。ここのそばはきっと音威子府そばだろう。ようやく国道40号線を外れて天塩川温泉の入り口から坂を下っていく。途中JR天塩川温泉駅があったがこの駅はなぜか私のお気に入りの駅だったので今回も写真を撮っておく。
 天塩川を渡って16時30分に天塩川温泉リバーサイドパークキャンプ場着。今日の予定では6時30分に出発して16時に到着するはずだったが、実際には6時50分に出発して16時30分に到着した。カメ作戦通りのタイムで走ったおかげでかなり正確な予測だったようだ。
 昨日までの宿泊したキャンプ場は誰もいなかったが、この天塩川温泉リバーサイドパークキャンプ場は家族連れをメインとしてライダーなども加わってテントであふれ返っていてテントを張る場所がないほどだった。それでもどうにかテントを張る場所を見つけてテントを設営する。
 私がテントを設営したのと同時くらいに4人連れのチャリダーがやってきた。私は少し話しかけたが彼らは私にあまり興味がなさそうだったので早々に切り上げる。男性二人、女性二人の混成でテントは人数分張っていた。どこかの大学のサークルとのことだった。
撮影日時:2016/08/13 16:56:03 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:43mm
の天塩川温泉リバーサイドパークキャンプ場に設営
撮影日時:2016/08/13 17:52:22 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:35mm
自炊中の光景
 テントを設営すると米を水に浸しておこうと米を取り出すが、なぜか袋の口が開いていて米をサイドバッグの中にぶちまけてしまう。どうにか米を回収したがこぼした米だけで1合近くになってしまい今夜の米はこぼした米だけとなってしまった。
 食事の準備をしていた時、1人のおじさんから声をかけられた。名寄在住というこのおじさんは一人で車でキャンプに来たらしく、自転車の装備について色々と私を質問攻めにした。最初のうちは真面目に対応していたが、こちらはこれから食事を作って温泉に行かなければならないのになかなか解放してくれず20分ばかり話し込むことになったが、どうにか解放してもらって食事の準備を始めた。
 17時30分から炊事開始。今日は牛丼と味噌汁とカップ野菜だ。今日も完璧にご飯を炊きあげた。昨日まではあまりどんぶりがおいしくなかったが、今日はドライフーズではなくグリコのレトルトの牛丼に切り替えた。これはおいしかった。やはり昨日までのどんぶりが不味かったのは米ではなくドライフーズが原因のような気がしてきた。
撮影日時:2016/08/13 17:54:20 シャッター速度:1/40 絞り:F8.0 焦点距離:51mm
今夜の夕食
撮影日時:2016/08/13 18:06:06 シャッター速度:1/25 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
クワガタの雌がいた
 隣のテントの人はソロのキャンパーで、車で来たらしく装備がとても充実していた。少し話しかけて自転車だとその装備は絶対に持てないなどと話をしていたら、夕食の際500ccのビールを頂戴した。彼はここに2泊して今日が最終日だが今夜に飲みきれないほどの酒が余ってしまったので分けて下さるとのことだった。ありがたい。のどが渇いていたので一気に半分飲んで、残りは温泉から帰ってから飲むとしよう。
 18時には片づけまで終わったので温泉の支度をして隣にある天塩川温泉に行くことにした。昨日、一昨日と温泉が近くにないキャンプ場を選んでしまったため温泉に入れなかったが、今日は温泉が隣にあるので3日ぶりの温泉で汗を流す。やはり温泉は気持ちがいい。こんなに暑いと当然毎日のように温泉に入りたいが、温泉の隣にあるキャンプ場はキャンパーも多くなるのが問題だ。
 18時40分には温泉からあがって休憩室で旅の日記を書いた。休憩室で旅の日記を書くとテーブルがあって明るいので作業がはかどる。今日の分の旅の日記も休憩室でほとんど書き終えてしまった。旅の日記を書いていた時、先程のチャリダー4人組も休憩室で休憩していたが、そのうちの一人がどうも私のことを気にしてしきりに見ていた。おそらく温泉の休憩室でポメラに打ち込む姿を見て「あのホームページの人だ」と気付いたような雰囲気だったが、声をかけることはなかった。
撮影日時:2016/08/13 18:17:35 シャッター速度:1/40 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
天塩川温泉
撮影日時:2016/08/13 20:23:08 シャッター速度:1/8 絞り:F3.5 焦点距離:24mm
住民保養センター
 休憩室ではテレビが流れていたが、私が滞在した1時間40分の間では一度も天気予報が流れず台風6号の情報を得ることはできなかった。15日に北海道直撃と聞いていたが大丈夫だろうか? あまりここのところ台風の情報を入手できておらず少し心配になる。
 20時20分に温泉を出てテントに戻る。キャンプ場は私が温泉に来てからも設営した人がいたようで通路まではみ出てバーベキューする家族連れがいるのには閉口した。この 天塩川温泉リバーサイドパークキャンプ場は無料の上に隣に温泉があるという好条件なので訪れるキャンパーが多い割にはサイトが比較的狭いので混雑するのは仕方がないだろう。
 このキャンプ場は人も多く、この時間はランタンを灯しているテントも多くてきれいだったのでキャンプ場の夜景を撮影する。やはり重いけど三脚は持ってきて正解だ。これだけ活躍すれば持ってきた甲斐がある。夜景の撮影を楽しんだ後、私は残していたビールをすべて飲んでテントに入った。
撮影日時:2016/08/13 20:36:29 シャッター速度:30 絞り:F8.0 焦点距離:43mm
天塩川温泉リバーサイドパークキャンプ場の夜景
撮影日時:2016/08/13 20:39:24 シャッター速度:30 絞り:F6.3 焦点距離:24mm
多くのテントで賑わっていた
 今日は美深で買った凍らせたペットボトルが溶けずにまだ残っていたので氷の残ったペットボトルにウイスキーを投入してロックで飲むことにした。北海道自転車ツーリングの最中にキャンプ場でロックのウイスキーが飲めるなんって、なんと贅沢なんだろうと思ってしまう。
 今日は120km走った。昨日は86kmでずいぶん疲れたが、今日は足もどこも痛くなく順調に走れた。しかし私はこの結果に少し考えさせられた。なぜなら今日は大きな休憩をとることもなくひたすら走ってきたはずなのに、蓋を開けてみればカメ作戦と同じペースでしか走れていないのだ。
 10年ほど前だったら130kmや140kmなど当たり前のように走っていた。しかし最近では走る距離もどんどん減っていき、120kmが1つの目標となってしまった。120kmだったらカメ作戦で10時間弱。これなら6時30分に出発しても16時過ぎには到着できる。しかしいつしか130kmや140kmが走れなくなってしまったような気がした。
 昨日までは足の裏が痛かったが今日はぜんぜん問題なく走れたし、前回の2014年度は3日目から椎間板ヘルニアの調子が悪くなったが、今日は3日目にしてまだ何ともない。やはり無理をして130kmや140km走るより無理をしない走りの方が正解のようだ。
 天気予報を確認すると明日も晴れ時々曇り。これで4日連続の晴れだ。しかし15日は曇り、それ以降は16日から19日までの4日間が曇り時々雨になっている。しかも台風6号が北海道に接近しているとのことで15日以降は要注意だ。いったい台風6号はどこに来るのだろうか?
 キャンプ場はテントであふれ返っていたが、22時になるとすっかりと静まり返ってしまった。これだけ人の多いキャンプ場だと騒ぐ人も多いものだが、今日はそういう人もおらず静かだ。私もそれに合わせるように22時に寝ることにした。今夜はロックでおいしくウイスキーが飲めたこともありぐっすりと眠れそうだ。

走行データ
走行距離   120.7km
走行時間   6時間52分
平均時速   17.5km/h
最大速度   42.8km/h
総走行距離   278.7km
天候   晴れ
最高気温/最低気温   31℃/17℃

食事
朝食   ラーメン
昼食   ラーメン、おにぎり
夕食   牛丼、味噌汁、カップ野菜

出費
夕(コンビニ)   カップ野菜、ヨーグルト、アイス   302円
夕(コンビニ)   凍らせたペットボトル   161円
温泉   天塩川温泉   400円
合計   863円

キャンプ場
名称   天塩川温泉リバーサイドパークキャンプ場
場所   JR天塩川温泉駅の奥
  北緯44度39分39秒、東経142度15分09秒
費用   無料
設備   トイレ、炊事場
風呂   隣に天塩川温泉あり
ゴミ   ゴミ箱なし
行きやすさ   天塩川温泉の裏手
乗り入れ   不可
特徴   天塩川温泉の裏手にあるキャンプ場
  比較的整地されているがオートキャンプやバイクは持ち込めない
  コンビニは遠いが温泉が隣にあり便利
  無料の割にはなかなか良いキャンプ場のように感じる

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