昨夜はすぐに寝ることができた。途中2回ほど目覚めたがそれ以外はぐっすりと寝ることができた。朝目覚めたのは4時10分だった。もう外は明るくなっていた。外を見ると晴れてはいるが霧が出ていたのでもう少し寝ることにした。しかしここはニワトリが鳴き続けてうるさくてこれ以上寝ることができず、4時30分から起きて昨日の旅の日記の続きを書くことにした。
朝の撤収作業も何だかんだと時間のかかるもので、私の場合、起きてから出発するまでに自炊も含めて1時間30分かかるのが一般的だ。朝食を作ったりテントを撤収するだけでなく、髭を剃ったり歯を磨いたり顔を洗ったり日焼け止めを塗ったりする時間がバカにならないのだ。まだ今日は2年ぶりのキャンプ生活の初日なので慣れていないところもあるが、慣れてきたらもう少し早くなるだろう。
毎年のことだがコンビニでは支払いは小銭を使わずすべてEdy払いとしている。私の場合、メインのカードはANAのマイレージに集約しているので、ANAのマイレージが年間平均30000マイルほど貯まってしまう。このマイルはなかなか使い道がないのでEdyに替えることが多いのだが、昨年は北海道自転車ツーリングをしなかったのでEdyに替えることもなく、マイルが2年分60000マイル貯まってしまった。そこでこの60000マイルをEdyに替えようとしたが、マイルとEdyを等価で交換できるのは年間20000マイルまでと決まっていたので仕方なく20000マイルだけEdyに交換した。よって今回の自転車ツーリングでは携帯電話に20000円分のEdyがチャージされているが、これまでの経験からこの金額で足りなくなることはないだろう。
撮影と言えばこれまで2010年の北海道自転車ツーリングから5回連続でキヤノンのEOS 7Dを使用していた。2014年秋に後継機種であるEOS 7D MarkUが発売され当然のように私も購入した。さすがに5年ぶりのモデルチェンジとあって機能的には十分満足いくものだった。ところがMarkUには1つだけ問題点があった。それはバッテリーの持ちが悪いのだ。充電の見込みのないキャンプツーリングでこれは致命的な問題である事から私はMarkUへの置き換えを断念し、北海道自転車ツーリングには引き続きEOS 7Dを使い続けることとした。もう7年も使い続けていることになる。 撮影に時間をかけすぎたためセブンスターの木を出発した時には8時55分になっていた。美瑛で2時間20分も観光していたことになる。それでいて今日はまだ15kmしか走っていない。ここからは少しピッチをあげて走るとしよう。
そして国道452号線を1kmちょっと走ると国道237号線に出た。この国道237号線との交差点が近づいてきた時、国道237号線を旭川から美瑛に向かって走るチャリダーの大群を見かけた。きっとどこかの大学のサークルだろう。ただ私が交差点に着いた時には彼らは通り過ぎた後だったので挨拶はできなかった。 今日は夏の北海道には珍しく北風が吹いていて向かい風となった。そういえば昨日も北風だったような気がする。昨日はあまり走っていないのでよく覚えていないが。しかし緩やかな下りということもあって向かい風に苦しむことはなかった。
国道237号線を走り続けると道の駅あさひかわがある。私は立ち寄ろうかと考えたが、この道の駅はあまりにも町中の繁華街にありチャリダーが立ち寄る場所ではないような気がしたので、写真だけ撮ってすぐに退散した。 国道237号線が右折する交差点で逆に左に曲がって道道98号線に入り両神橋で美瑛川を渡る。すぐに道道90号線に合流するので右に曲がり1kmちょっと走ると国道12号線に合流だ。2009年はここで国道12号線に入って滝川方面に走った。しかし今回は幌加内が目的地なのでそのまま直進する。
私はまずセイコーマートで明日のためにパンとおにぎりを購入し、ついでにこれから越える江丹別峠の為に弁当も買って店の前で食べた。ここで美瑛で買った凍っていない凍らせたペットボトルも全部飲んでしまいゴミ箱に捨てていく。次にローソンに立ち寄って凍らせたペットボトルを購入した。これで準備万端だ。 この道沿いには好日山荘がある。もしアウトドア用品で不足や忘れ物があればここで購入するつもりでいたが、今回はその必要はなさそうだったのでパスする。行程にこうした店があると安心できる。道道98号線は石狩川に沿って少し迂回するように走り、江神橋で石狩川を渡る。 道道98号線の石狩川にかかる江神橋からは平坦な道を北上する。3km程走ると道道915号線に入りさらに走る。このあたりは不思議なものが多い。まず道端の民家の庭に数多くの人形が並べられていた。いったい何の人形かわからなかったがとりあえず写真を撮っておく。こうした人形は北海道でも各地で見ることができ、私が知っているだけでも新十津川町から国道275号線を少し北上したところの民家の庭にも同様の人形が大量に置かれていたし、他には野寒布岬の通じる道道254号線の通称カエルロードにもこれとは少し違うが漁具を利用した人形が通りに面した民家の軒先に並んでいる。そして北見市温根湯の足湯のある公園にはなぜか観光客に扮した人形が大量に置かれ、どれが本物の人間かわからないくらいである。
道道72号線の交差点の手前にサイクリストがいたので挨拶すると呼び止められて話しかけてきた。どこまで行くのという他愛のない話をしたが、こちらはあまり時間がなかったので早々に切り上げだ。そしてようやく11時20分に道道72号線に合流した。ここまで出発から5時間近くかかって50kmしか走っていない。美瑛で観光していたというのもあるが、それにしても距離が伸びない。 この状況は道道72号線に出ても変わらず、江丹別川沿いの平坦な道を走り続けた。道道72号線に入って10kmほどはこれまでと同様な平坦な道が続いた。この10kmで標高差40mほど登っているが、こんなのは坂のうちには入らないだろう。 途中、旭川廃棄物処理場の入り口に草原広場というのがあり、木立で日陰があったので11時40分から20分ほど休憩し、日陰に座って久しぶりに旅の日記を書いた。やはり北海道自転車ツーリングは旅の日記を書きながらのんびり走りたいものだ。
虫除けと言えば今回はムシペールαを持参した。これは2014年から持ってきているが2014年はまったく使わなかったので今年が初の実戦投入と言っても過言ではない。これはディート濃度12%という国内最強の虫除けだ。これがあれば蚊やブユにたかられることはないだろう。私はこれまで3回ほど峠の登りでアブにたかられた経験からアブに復讐心を燃やしており、今度アブにたかられたら徹底的に退治しようと考えていた。そこで国内では薬事法の都合上ディート濃度12%までしか販売できないが、海外ではそんな規制は受けない。そこで私はアメリカでディート濃度98.11%という最強の虫除けREPEL100を購入したが、さすがにこんなものを使ったらベトナムの枯れ葉剤より神経毒が強力そうだし怖くていまだに封印している。ちなみにこのREPEL100はAMAZON等でも並行輸入品として日本でも入手可能だが、アメリカで販売している価格の3〜4倍程度高価で買う気にならない。 12時ちょうどに草原広場を出発し、さらにフラットな道道72号線を走った。しかし2kmほどの長い直線道路が終わる頃から平均勾配6%に達する急坂が現れた。江丹別峠の頂上まではここから標高差であと310mほど登る。私の場合このクラスの勾配だとフル装備の自転車で100m20分で登るので1時間と言ったところか。この峠には勾配に変化が少なく単調に6%の勾配を登り続ける感じだ。 急勾配に入った頃から左足の裏が痛み始めた。昨日も痛くなったが今日はもっと痛む。平地を走るくらいなら問題ないが、坂を上るためにペダルに力を掛けると足の指の付け根あたりの裏が痛むのだ。かなり痛みがひどくなってきたので無理する前に様子を見ることにした。 標高230mにて12時40分から休憩。おなかが空いてきたので朝買った残り1本のバナナを食べる。そして痛む足の裏をどうしようかと考えた。どうもこれは靴の裏のクッション性が少なくてペダルの振動がダイレクトに足の裏に伝わって痛んでいるようだ。そこで私は足の裏のクッション性をあげるために足の裏にハンカチを入れて走ることにした。 休憩を終えて走り始めると、ハンカチは案外効果が大きいことが判明した。今までの痛みは何だったのだろうかというほど痛みが消えてなくなった。こんなことならもっと早くから実践しておくべきだった。 それからも急な登りを上り続けた。この道道72号線は大規模な工事が行われており、近いうちに直線の登りとトンネルが完成し江丹別峠は廃道となることが予見された。この峠を登れるのも今のうちだろう。きっと数年後にはもっと道幅の広い走りやすい道が完成していることだ。 峠の登りと暑さで疲れてきたので標高330m地点で再び休憩。もう13時を過ぎており暑くてたまらなかったので凍らせたペットボトルを取り出すが残念なことにまだ凍っていて飲めなかった。そこで私は凍らせたペットボトルを脇に挟んだり首に挟んだりして溶かしておいしく飲んだ。凍らせたペットボトルは冷たい飲み物が飲めるだけでなく、こうして体を冷やすこともできるのがありがたい。 体を冷やした効果があったのかそれからは傾斜は急なままだが体はぜんぜん疲れることなく上ってゆける。私は次に400m地点で休憩するつもりだったが、休憩する必要をまったく感じなかったのでそのまま上り続けた。まるで自分がスーパーサイヤ人になったような気がした。
江丹別峠は旭川側は平均勾配6%程度だが幌加内側は平均勾配7%を越えておりかなり急な下りをブレーキをかけつつ下った。最近は峠の下りで25km以上出さないようにしているのでブレーキはかけまくりだ。これが雨だったらブレーキシューがあっと言う間にすり減ったことだろう。そして13時55分に幌加内の盆地まで降りて来た。
国道275号線に入って2km程走ると路肩にちょっとしたパーキングある。このパーキングの先には盛り土がされていて、そば畑を見下ろすことのできる純白の丘ビューポイントがあったので自転車を乗り付ける。このビューポイントは2010年にも立ち寄った場所だったが、当時は曇りで眺めも今一つだった。しかし今日は天気がいいので眺めがよく写真の撮りがいがある。ただ残念な事に純白の丘の周りだけそばの花が枯れかかっていた。
ところがどこまで走っても展望台がないどころか、とうとう道はダートになってしまった。この先長い直線のダートが続くが見える範囲で展望台はなさそうだったのであきらめて引き返すことにした。そのダートの始まりにお墓があり、そこに水道があったのでボトルに給水し頭から水を被って体を冷やした。江丹別峠の頂上で給水できずボトルの水が減っていただけにこれは助かった。 どうやら国道から少し入ったところにある道幅が少しだけ広くなったところが一番眺めもよかったので、おそらくこの場所だろうと考えてここに自転車を止めてそば畑を撮影した。国道に標識を出すくらいならその場所にも標識を出してほしかった。
さらに国道275号線を北上すると白銀の丘ビューポイント(北)という標識があった。ここまで来るともうそば畑は食傷気味だし、ここは逆光で眺めもそれほどだったのでパスすることにした。再び国道275号線を走って幌加内を目指す。しかし平野と言っても2つばかり10m程度の丘越えがある。しかもここでも北風が吹いていて向かい風となったがそれほど苦しむことはなかった。 15時10分に幌加内の町に到着。そういえば2010年にここを走ったときは15時ちょうどに幌加内の町に到着している。するとがんばれば今日は朱鞠内湖キャンプ場まで行けるということだ。もっとも今日はもう体力を使い果たしていたので、もちろんその気はない。
Aコープを出ると国道275号線はすぐに左に曲がるが、この交差点を右に曲がって3kmも走ればほろかない湖公園キャンプ場だ。ほろかない湖公園キャンプ場に行くには雨煙内ダムを登らなければならない。途中までは緩やかな登りが続いていたが、残り500mほどは勾配10%を越える急勾配に苦しめられた。坂の途中で何回か休憩しおなかが空いていたのでさっき買ったばかりの唐揚げをつまみ食いした。 どうにか雨煙内ダムの上まで登ったが、このダムの入口はダートになっていたのでダムに行くのは断念し、ダム沿いの道からダム湖を見下ろすだけにする。しかしこのほろかない湖公園キャンプ場への道は国道を曲がって以来、1台の車とも出逢っていない。本当にキャンプ場がやっているのか心配になってしまう。
受付を済ませてサイトを確認すると昨日に続いて誰もテントを張っていない。テントが見えないですけどと管理人に聞くとあまりみなさんテントを張らないからとのことだった。おそらくコテージでもあるのだろうけどそれにしても寂しいキャンプ場だ。しかしその時コテージに見えた建物はバーベキューハウスで宿泊はできず宿泊客は0の状態だった。 どこでも好きな場所にテントを張っていいと言われたが、正直言うとこのキャンプ場はテントを張ることができる場所が少ない。山の傾斜地ばかりで平坦な場所がほとんどないのだ。炊事場や駐車場のそばには平坦な場所もあるが、あまりこうした場所には張りたくない。私はキャンプ場をぐるっと一周して山の中の平坦な場所を見つけだし、そこにテントを張ろうと自転車を持っていった。 しかし今日はキャンプ場に誰も来そうもないし、ましてここはほろかない湖に面した景色のいいキャンプ場だ。こんなキャンプ場で景色を楽しまないのはもったいない。そこで私はキャンプ場一番端の何かの建物の横の眺めのよい特等席にテントを張ることにした。ここは日が射しているので暑くて今の時間はテントの中に入ることはできないが、日が沈めば問題はないしこのキャンプ場にはベンチもたくさんあるし東屋まであるのでそれまではベンチで旅の日記でも書いていればいいのだ。
17時頃に車で様子を見に来たおじさんから声をかけられ10分ばかり話し込む。自転車だと大変だろうとしきりに言われた。大変なことは間違いないが、こちらは好きでやっているのだ。その後も車で来たと思われるソロのキャンパーがキャンプ場を偵察していったが宿泊することなく去って行った。 17時10分から炊事開始。テントはまだ日が照りつけているので少し離れたベンチに自転車を乗り付けてそこで自炊する。今日は昨日の二の轍を踏むまいとクッカーに張り付いてご飯を炊きうまい具合に炊くことができた。今日の夕食はかに玉丼と味噌汁と唐揚げだ。野菜がないのが寂しいがAコープにカップ野菜が売っていないのだから仕方がない。
18時ちょうどには夕食を食べ終え、その頃にはテントも日陰になったので食事の後かたづけをしたり洗濯物を取り込んだり自転車の荷物をテントに入れたりした。テントを張った場所が炊事場やトイレから多少離れていたので片付けに手間がかかってしまった。
18時30分にはようやくひと段落したので、自転車を持ち出してほろかない湖の夕暮れをバックに撮影したり、旅の日記を書くことができるようになった。このキャンプ場はほろかない湖の真北にあり、昼間は逆光、そして朝日と夕陽は木々が邪魔をして見られないのだが、夕焼け空くらいは何とか見られそうだったので湖畔に自転車を持ち込んでどうにか写真撮影を行った。
旅の日記を21時近くまで書いていたが、寒くなってきたのでテントに戻ることにした。北海道は昼と夜の気温の寒暖差が激しく昼は暑いけど夜は寒くなることを実感する。そこで21時からはテントの中でウイスキーを飲みながら旅の日記を書くことにした。 今日はツーリングの途中ではほとんど旅の日記を書かなかったが、キャンプ場への到着が早く夕食後の時間が十分あったことから、どうにか旅の日記を22時までに書き終えることができた。昨日の旅の日記がまだだが、どこかのタイミングで書いていくしかないだろう。
今日も暑くて4リットルほど水を飲んだ。しかも走っている最中よりキャンプ場に着いてから飲む量の方が多いところが不思議だ。走っている最中は水を飲む量が発汗量に追いついていないからキャンプ場に着いてからも多くの水を飲むのだろう。キャンプ場に着いてから飲むアミノ酸バイタルが効いているのかおいしく感じる。 ラジオを聞いていると今日もオリンピックで日本勢は多くのメダルを取ったようで嬉しい限りだ。私もがんばらなければ。天気予報を見ると明日13日は晴れ時々曇り、14日は晴れ後雲、15日は曇り、16日以降は3日連続で曇り時々雨になっている。とりあえず明日明後日くらいは大丈夫だろう。 今夜もキャンプ場は私一人だ。お盆のシーズンだというのに2日も連続でキャンプ場に自分一人というのはかつてなかったことだ。キャンプは流行らなくなってしまったのだろうか? そんなことを考えながら22時に寝ることにした。
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