昨夜は22時過ぎに寝て一度も目覚めることなくぐっすりと寝ることができた。4時40分に雨の音で目が覚めた。まだ降り始めたばかりのようだったので慌てて干していた洗濯物を回収する。雨ではテントを撤収できないので雨が止むまで朝から昨日の旅の日記を書いた。5時10分には昨日の分を書き終わってしまったが、まだ雨は少し降っている。あまり雨を待っているとまた出発が遅くなってしまうので撤収することにした。
朝食を食べているうちにいつの間にか雨は止んでしまったので6時からテントの撤収を開始する。朝雨が降っていたので濡れたままで撤収すると思っていたが、実際には雨が降っていた時間が短く、かつ木の下にテントを張っていたのでフライはほとんど乾いていた。これなら重量増なしで北見峠に挑むことができそうだ。炊事場で水を汲むと昨日と同様水が白く濁っていた。どうしてだろうと様子を見ていると、これは単に蛇口から水を出した瞬間に水の中に小さな気泡がたくさん出てきて白く見えるだけで、1分も放置しているとすぐに水は無色透明になる事が判明した。これなら飲んでも大丈夫そうなので、その水をボトルに詰める。 出発準備が整い6時40分にキャンプ場を出発する。岩尾内ダムに雲がかかっていたので撮影しておく。今日の天気予報は曇りだ。実際今の天気は曇りなのだが、私の予想では晴れそうな気がしたので日焼け止めは顔だけでなく腕や手の甲、指にまでしっかりと塗っておく。
ここから先は標高523mの於鬼頭峠だ。序盤は傾斜も緩やかだったのでリアのギアはトップ側を多用していたがどうもギアチェンジの調子がおかしい。トップ側のギアでロー側にシフトした時、変速の反応が鈍くなってきた雰囲気だ。もう北海道自転車ツーリングも1000kmを越えた事でシフトワイヤーが伸びたようなイメージだ。とりあえず走りながらダウンチューブに付いているシフトワイヤーのケーブルアジャスターを回して解決した。 道道101号線はなぜか朝からダンプの通行が多かった。ところがダンプはすべて天塩川源流のポンテシオ湖へ向かう脇道へと入っていき道道101号線が天塩川から離れると交通量は一気に減った。この天塩川沿いでは新たにダムでも建設しているのかと思ったが後日調べてみてもよくわからなかった ポンテシオ湖の分かれ道から道道101号線は一気に傾斜が急になり於鬼頭峠の頂上まで2.5kmほどは6%程度の勾配が続いた。それに伴ってリアのギアをロー側に落としていくとギアが勝手にシフトチェンジしだした。どうやら先程調節したケーブルアジャスターでの調整がまずかったらしい。すぐに元に戻すと調子も治った。どうやらトップ側のギアチェンジをアジャストするとロー側のギアチェンジがおかしくなるような雰囲気だ。トップ側のギアチェンジの渋さは我慢するしかないようだ。 於鬼頭峠は標高523mと今回私が走ろうとしている道北の道道縦断シリーズの中では標高が一番高い。しかし出発点である岩尾内湖の標高が322mあるので実際には200mほどしか登っておらず、この於鬼頭峠を朝一番のパワーで乗り切り7時50分には頂上に到着する。頂上には於鬼頭トンネルがあるだけで頂上を示すものは残念ながら何もなく、トンネルをバックに写真だけ撮っておく。北海道のトンネルでは時々見かけるのだがこのトンネルでもトンネル内にツバメの巣が多数あり、トンネル入り口には多数のツバメが飛び交っていた。
愛別ダムの手前に愛別ダム駐車公園があったので8時25分から15分休憩し旅の日記を書く。この駐車公園にはトイレや水場のほか東屋までありチャリダーには最適な公園のように思えた。道北の道道を中頓別から愛別まで道道120号線と道道49号線と道道60号線と道道101号線を縦断してきたが、これでチャリダーにとって重要な水場がだいたい把握できた。中頓別の寿公園、歌登のペンケナイ川河畔公園とペンケナイ川公園、天の川トンネル手前の牽牛駐車公園、岩尾内湖の白樺キャンプ場、そしてここ愛別ダム駐車公園だ。牽牛駐車公園から白樺キャンプ場までは96kmもあるが途中にある下川の桜ヶ丘公園で給水可能なはずだ。そう考えると牽牛駐車公園から下川までは65kmあるが、それ以外の区間は20〜30kmおきには給水場所もあり、コンビニが少ないので食糧は補給する必要があるが水やトイレにはそれほど苦しまずに走ることができそうだ。
これでようやく目的の北海道道北の道道を縦断したことになる。私は豊富から愛別まで続くこれらの道道がもっと険しくて走りにくいものだと思っていた。しかしいざ実際に自分の自転車でこうして走ってみると、予想以上に走りやすいことがわかった。まず豊富から浜頓別に抜ける道道84号線は峠が2つあるだけで、かつその標高も169mと100mしかなく、道北の車の少ない森に囲まれた道道をのんびり走るのを味わってみたい人にお勧めの道だろう。初めてこうした道道を走る初心者に最適かもしれない。 次に中頓別から愛別まで続く道道120号線と道道49号線、道道60号線、道道101号線は先ほどの道道84号線よりはハードルが高い。まずその距離が長いこと。さらに補給できるコンビニが途中に歌登と下川の2つしかないこと。さらに松山峠ではアブの攻撃を受けやすいことなどがあり、これらは中級者向けと言えるだろう。しかし峠そのものは国道の峠よりも穏やかなくらいで、峠らしいと言えるのは松山峠や於鬼頭峠くらいで残りの峠は規模も小さく傾斜も緩やかなのであっさりと登れてしまうだろう。 この道道の峠がいやらしくないのはアップダウンが少ないことが挙げられる。もちろん峠がいくつもあるのだからアップダウンは存在する。しかし例えば標高400mの峠でも400mをそのまま登るのと、100m登って50m下がるのを繰り返すのでは積算上昇高度が大きく異なる。前者は400mで済むのに対して後者は700mも登らなければならないのだ。私はこの道北の道道が後者ではないかと考えていたが実際には前者だったので予想以上に楽な走りができた。2日目に走った雲石峠の八雲側などは完全に後者のパターンで、峠の麓にたどり着くまでに完全に体力を消耗し、さらにその峠も勾配が11%もあったのではハードルが高いのも理解できよう。 いずれにせよこれらの道道は車に邪魔されることなく交通量の極めて少ない道を自分のペースで走る人に向いている。逆に私のようにチャリダーやライダーとコミュニケーションを取ったり、観光地に行き倒したりする人には向いていない。なんせこの道北の道道を縦断している間、ただの1人のチャリダーにも出会わなかったし、ライダーも1日1台くらいしかすれ違わないのだ。これは寂しかった。あととにかく坂が嫌いな人とアブが嫌いな人にもお勧めできないだろう。北海道一周で海岸線沿いの道ばかりを走るのが飽きた人にはぜひともお勧めではある。 9時5分に愛別のコンビニに到着した。ここまで携行食としてのおにぎりも食べていなかったのでお腹が空いておりコンビニ弁当と牛乳を買って店の前で食べた。セイコーマートだともう少し色々と買いたいものがあるが、セブンイレブンだと買いたい物がなかなか見つからない。
愛別から先の旭川層雲峡自転車道は、まず河川敷の中の自転車道が続く。河川敷と言っても1週間ほど前に走った札幌の豊平川サイクリング園路のような開放的な空間ではなく木立に囲まれてどちらかというと見通しの悪い自転車道だ。しかしそれも3kmほど走り豊愛橋を渡って対岸を走るようになると石狩川堤防上の開けた場所を走るようになる。キャンプ場からここまではずっと曇りだったが旭川層雲峡自転車道を走る頃から空が晴れ始めたので、この眺めのよい堤防上でも写真を何枚も撮った。
このあいべつリバーフロントパークで旅の日記を書きながら10分間休憩する。ここでトイレを済ませたところトイレの入り口にツバメの巣があり、ツバメの雛が愛くるしい顔でこちらを見ていたので写真に撮る。本州はもっと早いがこの時期北海道はツバメが巣立ちを迎えるようだ。
11時ちょうどに上川の本日最後と思われるコンビニに到着。パンとヨーグルトの4個パックを購入しそのうちの一部を店の前で食べた。他にも単四電池と夕食用のサラダを購入。単四電池は予想以上にポメラの電池が持たず、家から持ってきた換えの電池を早くもすべて使いきってしまったので、この先必要になるだろうと購入する。これがないと旅の日記が書けない。 これからの北見峠越えに備えて重量軽減のためヨーグルトは2個一気に食べて11時15分にコンビニを出発する。ここからは天気が完全に晴れとなったのでタオルをほっかむりにして日焼け止めをしっかりと塗って日焼け対策を行う。そしてしばらく走ると国道39号線と国道273号線への交差点に到着した。3年前の2010年の北海道自転車ツーリングの時はこの交差点に15時15分に到着していたが、今回はまだ11時25分だ。3年前より3時間50分も早い。これなら北見峠も問題なく越えられるだろう。
この国道39号線との交差点を過ぎてから交通量が一気に減った。なぜならこの区間は比布から丸瀬布まで無料の旭川紋別自動車道と並行して走っているため、普通の人は高速道路を走ることになり、一般道を走るのはよほどの変わり者だけになる。それでも上川までは国道39号線で層雲峡や石北峠方面に抜ける車がそれなりに走っていたが、国道39号線との交差点を過ぎるとそれらの車もいなくなり、先程まで3日間ほど走り続けていた道北の道道と同じくらいかあるいはそれより少ないくらいの交通量となってしまった。 この国道273号線を走っていたとき私は足に異変を感じた。またあの痛みが襲ってきたのだ。5日前に初山別まで走っていた時にも同様の足の痛みに苦しめられたが、シートポジションを低くして以来痛みはなくなっていたはずだった。しかし5日ぶりにぶり返したということは、やはり峠を連続で攻めて、それを1日だけならまだしも連続で行うと痛みが出てくるようだ。 痛みがよくなる気配がなかったので旭川紋別自動車道の高架下の日陰に自転車を止めて留萌で買ったアンメルツEXグリグリを右足全体に塗った。塗った直後はひんやりして気持ちいいのだが、しばらくすると足全体が熱くなって痛みを感じにくくなるのでこれ以上無理をしていいかどうか判断しにくくなるのが問題だ。
国道333号線との交差点の手前に自転車を止めるとシートポジションをあと3mmだけ下げてみた。他にも後輪の空気が異常に抜けていることが気になっていたのでここで補充する。携帯ポンプで空気を補充していたら横を大型トラックが通過した際の風圧で自転車がポンプを引きずったまま倒れてしまった。私は慌てて倒れた自転車を元に戻すが、バルブがポンプによって引っ張られたためバルブの先端部が曲がってしまった。幸いにもそれでも空気はちゃんと入ったので8気圧まで補充しておく。 12時55分に国道273号線と分かれて国道333号線に入る。この交差点は標高576mだからあと標高差で280mくらい登ればいい。ここからは傾斜が急になってきた。といっても勾配は6%なので一般的な国道の峠と同じだ。私は右足をかばいながらがんばって登った。あと1時間我慢すれば頂上だ。 シートポジションをさらに下げたことが効いたのか、痛みはなくなりはしなかったが悪化することもなかった。途中の駐車帯に日陰があったのでそこで5分だけ休憩してパンを食べた。そして予想より早い50分後の13時45分に標高857mの北見峠の頂上に到着した。
写真撮影だけ済ませてすぐに峠を反対側に下り始めた。この峠を境として道北と道東が区切られている。道北に滞在したのは長かった気がするが6日もいたことになる。が、今日からはいよいよ最終目的地、道東だ。昨年も一昨年も道東には来たがほとんど観光する事なく駆け足で走り去っていったので、久しぶりの道東観光となる。 北見峠の北見側の下りはヘアピンカーブの連続だ。途中に白滝の山並みを見渡せる場所があるのを知っていたので自転車を止めて写真撮影した。そしてかなり急な坂をどこまでも下っていくとようやく白滝高原キャンプ場の標識が見えてきた。しかしここで安心してはいけない。ここからはキャンプ場までの四十三号を、標高差にして150mほど登らなければならないのだ。私はこの登りに備えて旭川紋別自動車道の高架下の日陰で再びパンを食べながら5分ほど休憩した。
これで上川の国道39号線との分岐からキャンプ場まで3時間20分かかったことになる。3年前の2010年の北海道自転車ツーリングの時、この交差点に15時15分に到着して北見峠越えの白滝高原キャンプ場行きを断念したことがあったが、もし実行していたらギリギリ暗くなるまでに到着したことになる。しかしあの時は今以上に疲れ切っていたのできっと19時近くまでかかったことだろう。 ラムハウスで受付をすると管理人さんから今年も相変わらずマイマイ蛾が多く発生しているから電灯の近くにはテントを張らない方がいいよとアドバイスを受ける。フリーサイトに行くと今年はほとんど誰もテントを張っておらず昨年よりずいぶんと人が少なかった。昨年私がテントを張っていた場所は車中泊の人に占拠されていたのでその手前の電灯から離れたテーブルの一角にテントを設営する。
まずは薪割りだ。私は昨年このキャンプ場に来た時に薪割りの要領を心得ていたので今年は難なくと薪を割っていく。薪割りのコツは斧をバットのように手前側を握るのではなく、左手は手前側、右手は斧に近い場所を握り、狙いを定めて勢いよく薪に振り下ろせば簡単に割ることができる。昨年は薪割りしているところの写真を撮れなくて残念な思いをしていたので、今年は三脚とセルフタイマーで薪割りしている写真に挑戦した。
彼はダンボールを細かく千切って燃やそうとしていたので、私は彼に頼んでダンボールを譲り受けて着火剤代わりに使うことにした。すると彼は着火剤代わりに使えるからと白樺の皮までくれた。そのダンボールを見ると驚いたことに白滝高原キャンプ場気付の彼宛に届けられた通販の商品を入れたダンボールだった。このキャンプ場に長く滞在している彼はきっと不足しているアウトドア用品を通販で購入してキャンプ場宛に送ってもらったのだろう。 そんなこんなで20分かかって薪割り、及び着火に必要な道具を集める。15時40分から薪をくべた釜に着火する。私は焚き火のプロフェッショナルなのでわずかの白樺の皮とダンボール1箱があれば薪に火を付けることなどたやすい。それを見ていた車中泊の彼はよくあれだけの材料で火を起こせましたねと感心し、私が素人ではなく焚き火にかなり慣れた人だと感心していたので嬉しくなってしまった。確かに私はここ数年焚き火をすることが多く薪を燃やすのにも慣れている。 大きなカメラで写真を撮ったりポメラを打ち込んでいる私を見たその車中泊の人は私に「ブログでもやってるんですか?」と聞いてきた。ブログはやっていないが、似たようなことはしているのでまあそんなものですと言うと「私が見たブログの人も10日ほど北海道に自転車で行くようなことが書いてあったなぁ〜」と言ってきた。それが私のホームページだったかどうかは怖くて聞けなかったが、そんなブログを読んでいるくらいだから彼も自転車をやっていたのかもしれない。
五右衛門風呂は温泉ではなくただの水道水だが、自分で薪割りから始めて薪を燃やし風呂を沸かした五右衛門風呂は格別だ。このキャンプ場ではこんな苦労をせずとも同じ五右衛門風呂内には100円を投入すれば温水シャワーが出るし、誰かが沸かしたお風呂でよければ薪割りや焚き付けなどしなくても五右衛門風呂に入ることができる。しかし私に言わせればそれではこのキャンプ場に来た意味がない。やはりせっかくこの白滝高原キャンプ場に来たなら自分で斧を振り下ろして薪割りして、工夫しながら自分で薪に火を付けて薪の組み方を考えながら火力調節までする。それが楽しいのだ。それを楽しみにしていただけに達成した後の五右衛門風呂はとても気持ちがよかった。 五右衛門風呂からあがるとコテージに泊まっていたおばさんが次に入りたいと言ってきたのでお湯を残したまま引き渡した。風呂の次は洗濯だ。五右衛門風呂で着替えた服をスーパーの袋に入れて炊事場でジャブジャブと洗ってよく絞って自転車に干す。この時間からだとおそらく洗濯物は乾かないと思われたが、やらないよりはましだ。 17時30分から炊飯開始。今日の夕食は牛丼と卵スープとカップの野菜サラダとヨーグルト。カップの野菜サラダはセブンイレブン製で150円といつものセイコーマートの100円のカップの野菜より高く、かつドレッシングも付いていなかったが、私はこの事態を予想しておりあらかじめタルタルソースを持参していたので問題ない。米はさすがに12日に及ぶ自炊生活でずいぶんと減ってしまった。あと2日分が限度だろう。
18時20分からようやく旅の日記を書き始める。いつもだったらテントに入って書くところだが、今日はテーブルの横にテントを張ったので暗くなるまでテーブルの横で旅の日記を書いた。このとき電池式の蚊取りを胸にぶら下げ、手足には虫よけのスプレー、頭からタオルを被っていたにも関わらず左目のすぐ上を蚊に刺された。さすがに19時近くになると真っ暗になってきたので自分のテントに戻って書いた。
自転車ツーリングのホームページやブログは多数存在するが、そのほとんどは写真を掲載してちょっとコメントを付ける程度。中にはコメントすらないものもあったりするが、それではどこに行ったのか、何があったのか、どうだったのかがまったくわからない。これではどこにどんな眺めのいい場所があるのかわからないし、そこに行くにはどんな苦労があるのかもわからず後進の参考にもならない。写真を撮って掲載するだけなら簡単だが、やはり苦労してでも文章による説明は必要だと私は考えるし実践している。それにこれだけの文章を読むのが大変なら写真とその下のコメントだけ見れば一般的な自転車ツーリングのブログとほとんど同じになる。 テントの中で旅の日記を書いていると困ったことにヘッドライトの電池がなくなってきた。これまでの北海道自転車ツーリングではヘッドライトの電池がなくなることなどなかったのだが、今年は温泉に行くことが少なく温泉の休憩室ではなくテントの中で書く事が多かったので電池を使い切ってしまったようだ。さすがにこれは考慮しておらず、今日のところはリアのフラッシングライトとラジオの電池を流用してカバーしたが明日にはまたコンビニで単四電池を買うとしよう。 このキャンプ場は夜間もかなり明るく照明されているので夜景が美しく、テントを抜け出して三脚を使っていつものようにキャンプ場の夜景を撮影した。そしてウィスキーを作ってチビチビと飲んだ。ウィスキーもずいぶん減ってしまい、あと1〜2回分しかない。あと4泊あるのでどこかでウィスキーを買い足さないといけないようだ。 明日の天気予報は曇りで所によっては夕方から雨になるらしい。また明日も気圧の谷間だとか。もう6日も連続で気圧の谷間だぞ。ただ実際に自転車で走っているときに雨に遭遇した時間が今回は極めて少ないのがありがたい。ついでに携帯電話で一週間の天気予報を調べたが道東はずっと曇りになっていた。きっと2週間ほど気圧の谷間が北海道に居座るのだろう。これは梅雨というのではないだろうか。 明日は峠を下って遠軽、留辺蘂を経由してチミケップ湖に行く予定だ。明日は今日ほどの峠はないがチミケップ湖に行くには標高で444mの峠を越えなければならない。とりあえず留辺蘂まで走って足の調子次第でチミケップ湖に行くか留辺蘂周辺のキャンプ場に逃げ込むか決めよう。明日はチミケップ湖まで走ると124kmも走ることになるので足の方が心配だ。 今日は5日ぶりに足の痛みが再発した。シートポジションを下げたことで完全に改善されたと思っていたがそうではなかったようだ。峠越えの後半戦はまだ中間点にあり、予定ではあと津別峠と藻琴峠を登らなければならないのに本当にこの先大丈夫か心配になってくる。無理さえしなければ走れそうなので1日の走行距離を減らしてでも残りの日程を完走しよう。 しかし自転車ツーリングも10日を越えるようなると体の方も満身創痍となり、1週間目くらいでは痛みを感じていた手の平も今では痛みを感じなくなり逆に痺れというか感覚がなくなってきた。同様に左足の親指付近にも痺れを感じる。これらは過去の北海道自転車ツーリングでも経験したことで、長期に渡ってツーリングを続けているとどうしても避けられないし、社会復帰すれば2〜3週間で元に戻るのだから気にすることはないだろう。
このキャンプ場は人里離れた白滝高原にあるのだが、夜中になると車のスキール音が遠くで聞こえるようになってきた。最初はこのキャンプ場から1.5kmほど離れた道の駅でドリフトでもしているのだろうと思っていたが、どうやらここから3kmほど離れた交通量の少ない北見峠で暴走車がヘアピンカーブを攻めているようだった。距離が離れているのでうるさいと言うほどではなかったが少し気になった。 それよりも気になったのはマイマイ蛾の音だった。最初は車中泊の人がギターの音合わせをしているのだろうと思っていたが、延々と音合わせを続けるのでおかしいなと思っていたら、それはどうやらマイマイ蛾が電灯のカバーにぶつかった時の音だという事がわかった。なぜそんの音がするのかわからなかったが、何千匹というマイマイ蛾が群がっているので何が起きても不思議ではないだろう。 今夜紹介するアイテムはサイクリンググローブだ。北海道自転車ツーリングに限らずツーリングする時にサイクリンググローブは必須だ。私の場合長時間自転車を走らせていると手がしびれてくるので、ハンドルにはゲル付きのバーテープを巻いて、なおかつクッション製の高いサイクリンググローブをはめている。ところがクッション性の高いグローブは意外と少なく選択肢も少ない。私の場合2003年から3年間はスペシャライズドのBGコンプグローブ、2006年から3年間はCW−XのBIKE GLOVEを使った。これらはいずれも手の平のパッドが分厚くてクッション性が高く快適だったが、いずれも生産中止となって入手不可能となった。
このアンバウンドグローブの欠点は手の甲の生地がメッシュとなっており通気性はいいのだがメッシュが粗いのでグローブをしているのに日焼けしてしまう事だ。しかもそのメッシュの部分にネームタグが付いているのでそれが日焼けの痕として残ってしまい手の甲だけに目立ってかっこわるいのだ。このアンバウンドグローブを晴れた日に使う時には手の甲に日焼け止めを塗る必要があるのが欠点だ。 どうにか22時前には旅の日記も書き終えることができた。今日はキャンプ場に早く着いたが、五右衛門風呂に入るために薪割りから始めていたら予想以上に時間がかかったようだ。今日はさすがに冷え込みそうだったのでシュラフに潜り込んで22時過ぎに就寝する。
|