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北海道自転車ツーリング 11日目
歌登〜下川〜岩尾内湖 −3度目のアブ−
2013年08月12日

11日目の走行地図

11日目の速度グラフ
速度
11日目の高度グラフ
高度

 昨日は2回ほど雨の音で起こされたが、それ以外はぐっすりと眠ることができ、朝目が覚めたら4時40分だった。今日は二度寝せずにすぐに起きることにする。テントから出ると空は一面の雲に覆われいつ雨が降り出してもおかしくない状態だったが、幸いなことに雨は降っていなかった。
 校舎に行って干したままにしていた洗濯物の状況を確認するが、あまり乾いていなかった。パンツや靴下は履ける状態ではなかったが、幸いなことにズボンはほとんど乾いていたしサイクリングジャージーはいつものことなので濡れたまま着る。残りは走りながら干すしかないが今日のような天気では乾くかどうかも怪しい。
 5時20分から朝食にラーメンを作った。家から計8袋のマルちゃん正麺を持ってきたがこれが最後の正麺となる。今回の北海道自転車ツーリングではよく食べたものだ。この先の下川のコンビニで5袋入りのラーメンのパックを買うとしよう。
 今日は北海道自転車ツーリングの11日目でいつもだったらこれが最後の自炊となる。ガスもアウトドア用の250のガス缶がちょうどなくなるかなと思っていた。このかみとくツーリストにはゴミ捨て場がある。ここでガスがなくなれば捨てていこうと思ったが、あいにくまだ2回分くらいのガスは残っていた。それでも捨てていこうか悩んだが、250で10日分と言うことは私が持っている残りの110のガス缶だと5日しか持たない事になる。どうせ米も残り少なくなっていることだし一日どこかでコンビニ弁当にしてもいいような気はしたが、ガスが残っているのに捨てていくのはもったいない気がしたのでいつも通り持っていくことにした。この先どこかで捨てる場所くらいあるだろう。
撮影日時:2013/08/12 05:25:50 シャッター速度:1/15 絞り:F5.6 焦点距離:80mm
朝食にマルちゃん正麺を食べる
撮影日時:2013/08/12 06:59:41 シャッター速度:1/250 絞り:F5.6 焦点距離:38mm
かみとくツーリスト
 5時55分のラジオの天気予報を聞こうとラジオを受信するがどうも電波状態が悪い。何とかNHK第一に合わせたがどうも天気予報の内容がおかしい。天気予報をよく聞いていたら山形県のNHK第一に合わせていた。慌てて北海道に合わせようとチューニングし天気予報を聞くことができた。それによると北海道の北部から東部にかけて相変わらず気圧の谷にあり、宗谷も上川も今日は一日雨で昨日に続いて大雨注意報まで発令されている。そして夜になってようやく雨は上がるらしい。今日も雨か… う〜ん、困ったものだ。
 朝から雨は降っていなかったが6時になってテントを撤収しようとした矢先に激しい雨が降り始めた。朝起きたとき雨は降っていなかったのでもう少しフライを乾かしてから撤収しようと撤収を先延ばしにしていたのが裏目に出たようだ。激しい雨はすぐにおさまったが、それでも傘なしでは外に出られない程度の雨が降り続いておりテントを撤収するのがためらわれた。
 しばらく雨が止むのを待っていたが止みそうな気配はなかったのであきらめて6時30分から雨の中撤収する事にした。ところがその途端雨は小降りになり撤収は大いに助かった。それでも傘を差さなくていい程度には降っていたので、まずペグをすべて抜き取るとフライシートを手早く外して畳み、袋に入れるのは後回しにしてテントのポールを抜き取り、ポールを折り畳むのも後回しにしてテントを折り畳み、これを袋に入れるのも後回しにしてグランドシートを畳んだ。これが雨に濡らさないで済む最速の撤収方法だ。後はそれぞれを袋に入れていくだけだ。
 ようやくテントが撤収でき7時に出発準備完了。この先岩尾内湖までの給水ポイントがわからないのでとりあえずボトル2本に満タン1650cc積んでおく。この頃には雨は完全に止んでいたが、今日は一日雨の天気予報だからと日焼け止めも塗らず逆に雨も降っていないのにレインスーツを着てシューズカバーまで装着して出発した。
 今日は晴れていればオホーツク海側の国道238号線に出るつもりでいたが、もちろんこの天気ではこのまま道道120号線を南下することにした。道道120号線はかみとくツーリストを出発すると2kmくらい先から大きな丘越えが始まる。もちろん朝一番のパワーで一気に乗り切る。それから先は緩やかな登り傾斜が続いた。
撮影日時:2013/08/12 07:10:42 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:80mm
デスモスの里
撮影日時:2013/08/12 07:23:04 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:101mm
交通量の少ない道道を走る
 途中デスモスの里という標識があった。どうもこの付近で恐竜の骨が発掘されたらしいと思っていたが、説明文をよく読むとこれは恐竜ではなく600〜1900万年前に生息していたとされる水陸両生のほ乳類、デスモスチルスの化石で体長2.4mの草食性のカバに似た動物らしい。日本から北アメリカ大陸西岸までの太平洋岸に生息していたとされるが、これまでに発見された4体の化石はそのいずれも日本で発掘されており、日本でしか研究されていないそうだ。
 交通量のほとんどない徳志別川沿いの道を走り続け、大した登り勾配もないまま7時45分に天の川トンネルの手前にある牽牛駐車公園に到着した。ここはトイレや水場、東屋などがありとてもいい場所に思われた。昨日のペンケナイ公園といい道道120号線にはこうした太陽の日差しや雨をしのげる東屋や給水場所のある公園が多いのがありがたい。ここで少し旅の日記を書いて10分休憩する。牽牛駐車公園を出発するとき少し晴れ間が見えてきた。今日はキャンプ場の出発時からシューズカバーまで付けてエクストリームウェザーモードで走っていたが、今日は走り始めてからまだ一滴も雨は降っておらずもう脱いでしまおうかとも思った。しかしトンネルを抜けると気象が大きく違うかもしれないと考えレインスーツを脱ぐのはもう少し先に延ばすことにした。
撮影日時:2013/08/12 07:41:44 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:26mm
東屋やトイレのある牽牛駐車公園
撮影日時:2013/08/12 07:57:40 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
織姫駐車公園は晴れていた
 全長1353mの天の川トンネルを抜けると確かに気象条件は大きく変わった。しかしそれは私が予想していた雨ではなく、太陽が燦々と照りつける晴れだった。おかしい、天気予報では一日雨だったはずなのに。さすがに太陽が照りつける中でレインスーツを着ていたら暑くてたまらない。天の川トンネルを抜けた直後に織姫駐車公園があったので、ここで自転車を止めてドライモードにチェンジする。ついでに日焼け止めも顔に塗っておく。晴れたと言っても青空が広がっているわけではなく、青空は空の1割くらいしかない。しかしその1割の青空の部分に太陽が来て日差しを差し込んでいた。それにしても天の川トンネルを挟んだ両側に牽牛駐車公園と織姫駐車公園があるというのは何ともロマンチックでよい。
 それからも道道120号線は登りが続いたが、勾配が3〜4%しかなく正直言うとかなり楽な登りだった。所々6%に達するところもあったがそれは一部の区間であり、一般的な国道の峠が6%程度で一定に登り続けることを考えるといかに楽な登りかがわかるだろう。さすがに最後の登りは勾配6%程度あったが、それでも朝一番のパワーで一気に登りきり9時ちょうどに標高387mの西尾峠に到着した。ここまで標高差で310mほど登ったことになる。西尾峠の頂上には大きな木の標識があったので写真だけ撮って休憩することなくすぐに出発する。
撮影日時:2013/08/12 08:35:47 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:80mm
西尾峠の坂を登る
撮影日時:2013/08/12 08:55:09 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
西尾峠の頂上
 西尾峠の登りは勾配が緩やかだったが、下りはさらに勾配が緩やかで下りで30km/h以上出すのが怖い私でもブレーキなしでも下ることができるほどだった。こんなに緩やかなら南から北上すればさぞかし楽に登れることだろう。
 その緩やかな下り道を下り続けると9時20分に仁宇布に着いた。この仁宇布は小中学校こそあったが中頓別以上に小さな町だった。この仁宇布道道120号線は終了となり道道49号線に入る。ここからは本日の最高峰となる標高428mの松山峠だ。仁宇布の標高が275mなので標高差で約150mの登りだ。私は出発から2時間30分が経過しそろそろお腹が空いてきたので道道49号線に入ってしばらく走ったところのパーキングで9時35分から休憩し最後のおにぎりを食べる。  おにぎりを食べているとキタキツネが通りかかった。キタキツネは私に気付いていたが気にとめるでもなく私の横10mくらいの所をスタスタと歩いていった。私がおにぎりを食べていたので多少でも興味があるかと思っていたがキタキツネにはそうでもないらしい。どちらかと言うと車からエサをもらうのは嬉しいが、生身の人間からもらうのは怖いように思える。
 天の川トンネルを抜けてからここまで曇りと晴れが半々くらいだったが、次第に青空のエリアが3割くらいまで増えてきたので日焼け止めを二度塗りすると共に手の甲にも塗っておく。私のサイクリンググローブはメッシュが荒いのでサイクリンググローブをしていても手の甲を日焼けしてしまうのだ。さらに昨日洗濯してまだ乾いていない服を荷台に広げて乾かすことにした。そして9時45分に出発する。
撮影日時:2013/08/12 09:21:12 シャッター速度:1/800 絞り:F8.0 焦点距離:88mm
仁宇布から道道49号線に入る
撮影日時:2013/08/12 10:20:04 シャッター速度:1/250 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
キタキツネがこちらを伺う
 しばらく走るとアブが1匹2匹と現れ始めた。先ほどの休憩場所でもアブ数匹に襲われアブ寄らずで撃退していた。今回もアブ寄らずで撃退しようとしたがどうも走りながらではあまり効かないようだ。そのうちにアブは次々と現れ、今や20〜30匹がまとわり付く状況となった。
 私は過去の北海道自転車ツーリングで2回ほどこのような状況に追い込まれたことがある。1回は2007年に裏摩周の清里峠で、2回目は2008年に北太平洋シーサイドラインで数十匹のアブに襲撃された。いずれもひたすら耐えて乗り切ったが、3回目となる今回も耐えるしかないようだ。やはり交通量の少ない道道の峠道ではどうしてもこういう状況になりやすい。私はあと20分だけ我慢すれば頂上に到着するからそれまで我慢だと自分に言い聞かせてアブが次々と足や腕に止まっては刺していくのを振り払いながら坂を登り続けた。
 こういう状況では一目散にこの場を離れたいのでいつもよりも力を出し、本来なら20分かかる予定が計算間違いでわずか5分で松山峠に到着した。私はそろそろ休憩したかったが頂上もアブだらけでゆっくりしていることができず、写真だけ撮って逃げ去るように松山峠を反対側に下り始めた。時速20kmに達すると一気にアブを振り切ることができた。松山峠はさすがにブレーキなしで下ることはできなかった。そういえばアブのことばかり気を取られていたので気づかなかったが、松山峠の登りも6%程度の勾配があったようだ。
撮影日時:2013/08/12 10:04:32 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:43mm
アブに襲われた松山峠
撮影日時:2013/08/12 10:24:37 シャッター速度:1/3200 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
左は晴れているのに右は真っ黒い雲が
 松山峠の下りは長く、谷底まで落ちていくのではないかと思えるほど下った。ここまで半分以上晴れていたが、前方の空を見ると左半分が青空で右半分が真っ黒な雲となっている。私はこの後道道60号線との交差点を右に曲がってあの真っ黒な雲の下に行くのかと思うとちょっと憂鬱な気分になってきた。
 10時30分に道道60号線に合流。そろそろどこかで休憩したいと思い、道道60号線に入ってすぐにパーキングがあったのだが、ちょっとでも止まるとアブがすぐに寄ってくるので止まることができず、せいぜい一瞬止まって水を飲んでチョコを食べるのが限界だった。
 ここからは幌内越峠の登りが始まる。幌内越峠の標高が340mに対して道道60号線との交差点の標高が182mなので約160mの登りだ。道道60号線の交差点を過ぎるとすぐに登りが始まる。この幌内越峠の登りも勾配6%くらいで一般的な国道の峠と同程度だった。ここでもアブにつきまとわれたがその数は10匹を越えることはなく、また足や腕を随時チェックし少しでも止まったら叩き潰して撃墜していた。おそらく10匹くらいは撃墜したはずだ。
撮影日時:2013/08/12 10:57:49 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:42mm
幌内越峠頂上で突然の雨が
撮影日時:2013/08/12 11:07:48 シャッター速度:1/1250 絞り:F8.0 焦点距離:29mm
雨が止む前に晴れた
 10時55分に幌内越峠の頂上に到着。写真を撮ろうと自転車を止めたその瞬間、突然大粒の雨が降り始めた。私は大急ぎで荷台の洗濯物を片づけると次にレインスーツを着た。最後にフロントバッグ上のツーリングマップルを片づけようとしたらツーリングマップルは完全に濡れていた。かなりの大雨で本来ならシューズカバーも必要なレベルだったが、私はこの雨が通り雨ですぐに止んでしまうだろうと考えシューズカバーは付けずに幌内越峠を下り始めた。
 雨の中で峠を下るのはブレーキシューがすり減るので嫌だなと思っていたが、実際には勾配がなだらかでブレーキをまったく必要としないまま下ることができた。今日は南東から3〜4m/sの風が吹いているので、もし私が南側から幌内越峠を登ったとしたら峠ということに気づかなかったかもしれないと思えるほどだった。
 頂上で降り始めた雨は止む前に太陽が出てきた。これは暑くてたまらない。本来レインスーツは太陽の日差しを浴びながら着るようにはできていないが雨が降っているのなら脱ぐこともできない。ただ下りだったので救われた。やがて雨は止み道路も乾いていたのでレインスーツを再び脱いで出発した。
撮影日時:2013/08/12 12:07:09 シャッター速度:1/800 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
サルン川
撮影日時:2013/08/12 12:21:29 シャッター速度:1/800 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
下川町営サルン牧場が広がる
 幌内越峠から下川の町までは長かった。28kmほどあっただろうか。ほとんどが緩やかな下りだったので楽だったが、今日は完全な向かい風なので下り坂でもペダルを回さないと進まないことがよくあった。これが山岳地帯であれば風は遮られてそれほど向かい風を感じないのだが、下川の15kmほど手前から森に囲まれた山岳地帯は終わりを告げ道幅の広い開けた場所を走るようになったため、なおらさ向かい風の影響を受けるようになった。
 珊瑠から先はなぜか道が立派になって沢よりも遙かに高いところを走るようになった。私はダムでも作っているのかと思ったがそんな現場もなかったのでよくわからずじまいだった。ただ沢の上を走るので眺めだけはよかった。後で知った話だがここにはサルンダムが建設予定になっていたが民主党政権の際に「コンクリートから人へ」のマニフェストのもと事業中止が決まったが、自民党政権に戻った途端に復活したとのことだ。自民党政権が続けばそのうちにここにもダムが完成することだろう。
 この新しい道の道ばたになぜかバッタが大量発生しており、私の自転車が接近するとみんな一定に飛び立っていく。飛んでいる分にはいいのだが私の体に体当たりしたりスポークに巻き込まれたりする奴が続出する。そのうちに何匹かが私の体に貼り付いて腕をよじ登ったりしていた。
撮影日時:2013/08/12 12:39:13 シャッター速度:1/800 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
下川の田園地帯を見下ろす
撮影日時:2013/08/12 12:45:34 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
大雨で増水したサルン川
 動物といえば今日は道道49号線と道道60号線で10匹近くのキタキツネを見た。さすがに交通量の少ない道だけはある。そのほとんどは私が接近する30m程度手前から逃げにかかる。ところが中には間抜けな奴もいて、私が登り坂を登っているとき私の30mくらい前方を同じ方向に向かって私にお尻を向けて道をトコトコと歩いている。坂道といっても私は時速10km、奴は時速5kmくらいで歩いているのですぐに追いついてしまう。そこで私はキタキツネの背後に忍び寄り自転車でキタキツネの横50cmの所を追い抜きざまに「よおっ」と片手を挙げて大きな声を出したらキタキツネは腰を抜かさんばかりに驚いて逃兎のごとく逃げていった。あまりにおもしろかったのでビデオで撮りたいくらいだった。
 下川の町が近づいた頃、一瞬だけ雨が降った。私はすぐに荷台に広げていた洗濯物を取り込んだが、レインスーツを着るほどではないと判断しそのまま走っていたらすぐに雨は止んでしまった。本当に今日は雨が降ったり晴れたりと天気はめまぐるしく変わる。
 朝からここまでずっと気温は20℃ちょっとくらいと比較的涼しかったが、下川の町が近づくと急に気温が上がってきた。きっと宗谷管区から上川管区に入り旭川が近づいているからだろう。私はこんな暑い地方はさっさと通り過ぎたい気持ちでいっぱいだった。
撮影日時:2013/08/12 13:04:28 シャッター速度:1/400 絞り:F8.0 焦点距離:45mm
コンビニ弁当を食べる
撮影日時:2013/08/12 13:30:17 シャッター速度:1/800 絞り:F8.0 焦点距離:85mm
道道101号線を走る
 出発から74km走って12時55分にようやく下川のコンビニに到着した。この時にはさすがにお腹がずいぶん減っていたのでコンビニ弁当と牛乳を買って店の裏で食べた。さてここからどうしようか。天気予報が晴れならばオホーツク海側へ、曇りか雨なら予定通り岩尾内湖へと決めていた。いざ携帯電話の天気予報を確認すると、上川も紋別も今日は雨になっている。雨? 雨どころかここは晴れだぞ。私は文句の1つも言ってやりたかったが、天気の実況で上川は晴れているとする人が多かったのに対し、紋別は雨とする人の数が多かったので紋別は本当に雨かもしれないと考え予定通り岩尾内湖へと進むことにした。
 岩尾内湖へ進むと明日は自動的に於鬼頭峠と北見峠を越えることになる。もし明日晴れるようであればこれらの峠を越えるのではなく今日のうちにオホーツク海側に出た方がいいような気がしたので明日の天気予報も確認するが、明日は上川も北見も曇りだった。これなら岩尾内湖まで行ってもいいだろう。
撮影日時:2013/08/12 13:56:56 シャッター速度:1/2000 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
今日はよく晴れている
撮影日時:2013/08/12 14:10:37 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:51mm
糸魚峠の坂を登る
 朝食用のラーメンを北海道に8袋持ってきたが、今朝までにすべて食べ尽くしてしまったのでコンビニで5袋パックのラ王を購入し13時25分にコンビニを出発し、今度は道道101号線に入る。ここからはまたパンケ川に沿って緩やかな登りが続く。空を見ると周囲は曇っているのに私の上空数キロの範囲だけ晴れているような雰囲気だった。前方には入道雲が、後方には真っ黒な明らかに雨雲と思われる雲が近づきつつあった。どうも今日は私の周りだけ晴れているようなそんな気がした。
 道道101号線の下川と岩尾内湖の間には標高423mの糸魚峠が存在する。この峠もそれほど急な登りではなく勾配6%ないくらいだった。しかしさすがに本日4つ目の峠となると足が重くなりなかなか前に進まなかった。この道道101号線でエゾシカとエゾリスを見かけた。いずれもすぐ逃げていったので写真に撮ることはできなかった。それにしても交通量の少ない道道では野生動物をよく見かける。
撮影日時:2013/08/12 14:24:23 シャッター速度:1/125 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
パンケ川の清流沿いを走る
撮影日時:2013/08/12 14:50:33 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:30mm
糸魚峠の頂上
 ようやく標高423mの糸魚峠の頂上に到着。頂上近くにはパンケ川の清流が流れていてとても雰囲気がよかった。頂上には峠の頂上を示す標識もなかったが糸魚トンネルがあったので写真を撮っておく。もうキャンプ場も近いので休憩することなく登り続ける。一気に峠を反対側に下ると道道61号に出た。ここからは昨年走った道だ。まずは岩尾内ダムへの登りを登る。岩尾内ダムはダムの堤頂が解放されているので堤頂に自転車を乗り付けて撮影。さらに岩尾内大橋を渡ってダムの記念碑を撮影する。
撮影日時:2013/08/12 06:43:12 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
岩尾内ダムの 堤頂から見た景色
撮影日時:2013/08/12 05:03:40 シャッター速度:1/100 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
岩尾内湖
 岩尾内湖のキャンプ場まではこれで終わりではなくまだもう少し登る必要がある。その登りを疲れた足でがんばって登ると頂上の部分に岩尾内展望台がある。私は駐車場に自転車を止めると歩いてすぐ近くにある展望台に行った。展望台の最上階に続く階段を登っているとき足が疲れていることを実感した。階段を登るのに足が上に上がらないのだ。これだけ峠ばかりを走ってきたのだから仕方ないだろう。ここの展望台からの眺めは岩尾内湖を一望できてよい。ただせっかく展望台に登ったのに太陽が雲に隠れて曇ってしまったのは残念だった。ここまでは昨年と順番が逆なだけでまったく同じことをしている気がする。
撮影日時:2013/08/12 15:26:46 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
岩尾内湖の石碑
撮影日時:2013/08/12 15:29:27 シャッター速度:1/500 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
岩尾内湖を見渡す
 16時5分にようやく岩尾内湖白樺キャンプ場に到着。今日は106kmで9時間かかった。休憩を含めた平均時速は11.8kmとなりカメ作戦より遅い。これだけ峠ばかりを越えてくるとこんなものだろうか。旅の日記はほとんど書かず休憩らしい休憩もほとんど取らなかったが、これだけ時間がかかったのはやはり峠が原因としか思えない。
撮影日時:2013/08/12 15:50:00 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:136mm
岩尾内展望台から見た岩尾内湖のパノラマ
 今日はかみとくツーリストでボトルを満タンにして一度も補給することなく走り続け、キャンプ場に着いた時にはボトル2本とも空になっていた。今日は一度も水浴びしなかったのでこのボトルの水はすべて飲んだことになる。下川のコンビニでも300ccの牛乳を飲んでいるので走りながら2リットルほど飲んだことになる。これだけ晴れていたのに2リットルというのは少ないような気がするが、それだけ気温が低かっのだろう。
 キャンプ場に着くとどこにテントを張ろうかと悩んだ。奥側のサイトは車で乗り入れできるので家族連れが多くてテントを張る気にならない。入り口側の林の中はまだ誰もテントを張っておらず、こちらなら静かに過ごせそうだ。今日は雨が降りそうだったので私は入り口側の林の中のサイトを丹念に歩き少しでも雨水が流れてこない場所を探した。何度も歩き回ったが結局私の野生の勘は昨年とまったく同じ場所を選んでしまった。昨年は雨で散々な目に遭ったが今年はリベンジといきたいものだ。
撮影日時:2013/08/12 16:06:15 シャッター速度:1/50 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
岩尾内湖白樺キャンプ場の管理棟
撮影日時:2013/08/12 16:35:59 シャッター速度:1/320 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
昨年と同じ場所に設営する
 今日は少し風が強かったので設営には苦しんだがどうにかテントを立てる。テントは今朝の雨で完全に濡れていたが設営していた時は晴れていたので濡れていたフライシートもあっという間に乾いてしまった。ついでにマットも乾かしておく。
 岩尾内湖の周辺には温泉はないが管理棟に温水シャワーがあるので着替えを持って16時55分からシャワーを浴びに行くことにした。今回の北海道自転車ツーリングでは初日と5日目の定山渓で温水シャワーを浴びたがいずれも5〜10分100円だった。しかしここの温水シャワーは10分300円と暴利をむさぼっている。これだったら温泉や銭湯と大して変わらないではないか。手早くシャワーを済ませて着替えてテントに戻った。
撮影日時:2013/08/12 17:39:37 シャッター速度:1/250 絞り:F7.1 焦点距離:61mm
岩尾内ダム
撮影日時:2013/08/12 18:18:58 シャッター速度:1/200 絞り:F8.0 焦点距離:38mm
夕焼けが少しだけ見えた
 着替えたサイクリングジャージーを17時25分から炊事場で洗濯する。もう毎日の日課となってしまい手慣れたものだ。洗濯を済ませてテントに戻ると岩尾内ダムにかかる雲がきれいだったので自転車を持ち込んで撮影した。
 17時50分から炊事開始。今日の食事は中華丼と味噌汁とヨーグルトだ。今日は風が強かったので火加減が難しかった。風のある日は同じ炊飯でもガスを余分に消費するので嫌だ。しかしそれでもうまくご飯を炊くことができたようだ。もう慣れたものだ。後片づけに行くとなぜか炊事場の水道から出る水が白く濁っていた。さっき水を汲んだ時や洗濯した時はまったく問題なかったのになぜだろう。ちょっとここの水をボトルに入れるのは危険そうなので、明日の朝は管理棟まで水を汲みに行くことにしよう。後片づけまで済ませて18時50分からテントの中で旅の日記を書く。今日は旅の日記を書いてこなかったので書くことがたくさんある。
撮影日時:2013/08/12 18:21:24 シャッター速度:1/13 絞り:F4.0 焦点距離:24mm
今日の夕食は中華丼だ
撮影日時:2013/08/12 19:21:02 シャッター速度:30 絞り:F5.6 焦点距離:29mm
岩尾内湖白樺キャンプ場のキャンプ風景
 19時30分頃、岩尾別ダム周辺の空模様が美しくなったきたので自転車を持ち込んで撮影する。今夜はペルセウス座流星群が見られるとのことで家族連れが駐車場の街灯のない暗い場所まで星を見に来ていたが、あいにくの曇り空で流星群は見られなかった。私も大成野営場でライダーの人に教えてもらって以来楽しみにしていたが残念だった。
 朝の天気予報では今日は一日雨と言っていたが、蓋を開けてみれば午前中は雲り時々晴れ、午後は晴れといった予報とはまったく異なる結果だった。幌内越峠の下りで10分程度通り雨に遭遇したが、こんなのは雨のうちには入らないだろう。
 そして今日はよく峠に登った。標高387mの西尾峠に始まり、標高428mの松山峠、さらに標高340mの幌内越峠、そして標高423mの糸魚峠、そして岩尾内ダムへの登り等、今日の積算上昇高度は1050mにも達してしまった。しかも足はまったく痛くなっていない。完全に完治したようだ。今日の峠越えは明日の北見峠越えという本番に向けての前哨戦みたいなものだから、今日この調子なら明日は大丈夫だろう。
撮影日時:2013/08/12 19:29:09 シャッター速度:30 絞り:F8.0 焦点距離:61mm
岩尾内湖が映えていた
撮影日時:2013/08/12 19:30:51 シャッター速度:30 絞り:F8.0 焦点距離:24mm
夕闇の迫る岩尾内ダム
 昨日に続いて今日も道北の道道ばかりを縦断した。まだ完走ではないが今日のところまでの私の感想は、思ったほどチャリダーに過酷な道ではなくどちらかというと走りやすい道だった。峠はいくつもあるが道道にありがちな勾配10%に達するような凶悪な坂は1つもなく、逆に勾配は一般的な国道の峠より楽なくらいだった。これだったら私が前半に走ってきた雲石峠や新見峠、朝里峠の方がよほど大変だろう。
 私はこの道北の道道の峠を走るのにもっと苦労するだろうと思っていたが、予想と違って軽々とこなせてしまったので自分がスーパーサイヤ人になったような気がした。確かに今回の北海道自転車ツーリングを始めた頃の道南での走りに比べて最近は峠を越えるのも楽になった気がする。それは気のせいだけでなく食料と電池が減った事で自転車が出発時に比べて6kgは軽くなった事も影響しているだろう。そう考えると出発時に食料を持ちすぎている気がしないでもない。
 この道北の道道は北から南に向かって走るより南から北に向かって走る方が楽だ。なぜなら峠の南側の方が勾配が緩やかなのだ。しかも今日もそうだったがこの時期の北海道は南風が多いので追い風で走れる。今日のような追い風でこの勾配だったら平地と同じ感覚で峠を越えることができるのではないだろうか。
 この道を走りたいかと言われると微妙なところだ。確かに交通量はほとんどないので車を気にせずに自転車を走らせることができる。しかし私にとっての利点はそれくらいで、景色は森の中ばかりで撮影しても変化に乏しくライダーやましてチャリダーと出会うこともないし、何よりアブに襲われるのが嫌だ。私に言わせれば晴れていれば絶対にオホーツク海側を走った方が楽しいような気がする。
 今夜紹介するアイテムはサングラスだ。自転車ツーリングでは目にホコリや虫が入ってくるし紫外線防止のためにもサングラスは必須だ。それまでは眼鏡をかけていたが2009年からサングラスをかけるようになった。サングラスにもピンからキリまであるが、私が愛用しているサングラスは山本光学製のCYNIUM−RPだ。これは自転車用の偏光サングラスで、さすがにサングラス専門メーカーの山本光学が作るだけあってフィット感はすばらしくよい。しかも偏光サングラスなので景色もきれいに見える。
 このサングラスの欠点は写真撮影する時に現れる。私の場合、天気がいい日に写真撮影する時は必ずPLフィルターを付けて撮影する。しかしこの時偏光サングラスをかけたままファインダーを覗くと偏光板同士が干渉して虹ムラがかかってしまうのだ。仕方なくサングラスを外して撮影するのだが、普通はサングラスを頭の上に跳ね上げればよいのだが、ヘルメットを被ったままではそれもできず、サングラスを外すしかないので不便だ。次に買い換える時には通勤で夜使うときのことを考えて調光サングラスという選択肢も考えなくはないが、それでもまたこの偏光サングラスを買ってしまいそうな気がする。
 そう考えていて2日目に早くも壊してしまい早くも新しく購入する必要が生じた。今回の北海道自転車ツーリングの間だけは安物のサングラスで済ますとしても、それ以降はまた買い直さなければならない。私はまた山本光学のCYNIUM−RPを買うつもりでいたが、あいにくCYNIUM−RPは既に生産中止となっており入手できなかった。そこで今度は同じ山本光学の自転車用調光サングラスLION−Bphを購入した。これは調光サングラスという紫外線量に応じて可視光線透過率が84%から13%まで自動的に変化してくれるというありがたい機能があり、トンネルに入ってもサングラスを外す必要がないのだ。ところがこの調光サングラス、直射日光が直接レンズに当たればレンズが暗くなってかなり透過率が下がるのだが、自分のようにヘルメットにバイザーを付けているとサングラスのレンズに直射日光が当たらずあまり暗くならなくて眩しいのだ。私はレンズだけでも偏光レンズに交換しようかと早くも画策している。
 明日の天気予報は上川も北見も一日曇りらしい。これなら明日予定通り道道101号線を南下して愛別町に入り、そこから北見峠を越えて白滝高原キャンプ場に行くとしよう。昨日も五右衛門風呂に入ったが、明日は焚き付けだけでなく薪割りからスタートなのでできるだけ早くキャンプ場に着いておきたい。
 22時まで旅の日記を書いていたが今日はほとんど旅の日記を書いてこなかったので書くことが多く、22時を過ぎても書き終わりそうにない。これ以上書いていると明日の行動に差し障りが出るので今日の分の旅の日記を書き終えるのは断念しこのあたりで切り上げて寝ることにする。今夜もかなり暖かく、ジャージーの上は着ずにシュラフに入って寝ることにする。

走行データ
走行距離   106.7km
走行時間   7時間04分
ペダリング数   15300回
平均時速   15.0km/h
最大速度   51.5km/h
平均ペダリング数   36rpm
総走行距離   1106.3km
天候   曇り後晴れ
最高気温/最低気温   28℃/18℃

食事
朝食   ラーメン
昼食   コンビニ弁当
夕食   中華丼、味噌汁、ヨーグルト

出費
昼(コンビニ)   弁当、ラーメン、おにぎり、ヨーグルト、牛乳   985円
岩尾内湖白樺キャンプ場   温水シャワー   300円
合計   1285円

キャンプ場
名称   岩尾内湖白樺キャンプ場
場所   岩尾内湖の東岸
  北緯44度5分44秒、東経142度43分40秒
費用   無料
設備   トイレ、炊事場、コインランドリー、温水シャワー
風呂   温水シャワーあり
ゴミ   ゴミ箱なし
行きやすさ   岩尾内湖に行けば標識あり
乗り入れ   可
特徴   岩尾内湖の東岸の湖畔にあるキャンプ場
  白樺の林の中にフリーサイトが広がり、
  車の進入も可能なことからオートキャンプもできる
  管理棟にはコインランドリーや温水シャワー、売店もあり無料とは思えないほど充実
  場所的にチャリダーやライダーが訪れる場所ではなく、家族連れが中心
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