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1977年火山遺構公園
洞爺湖南側にある有珠山はおよそ30年に1回のペースで、この100年間に4回の噴火を起こした活火山だ。1943年〜1945年の噴火でできた昭和新山や2000年の金比羅山の噴火が記憶に新しいが、1977年にも有珠山は大規模噴火している。1977年8月6日に前兆地震がはじまり、その翌日には有珠山山頂から噴火した。当時この場所には鉄筋コンクリート3階建ての三恵病院があり230人が入院していた。前兆地震と同時に緊急避難を開始したため人的被害はなかったが、火山の噴火に伴い洞爺湖湖岸は地盤が25mも移動し、断層上に建てられていた病院施設や集合住宅は地盤のズレによって倒壊した。火山遺構を新たな観光資源として活用する「洞爺湖周辺地域エコミュージアム」として2006年に1977年火山遺構公園として整備された。1.2ヘクタールのエリアに倒壊した三恵病院をそのままの形で保存し、火山の恵みと大地の力を体験できる自然公園となっている。細い急坂を登った先には見事なまでに崩れて廃墟となった病院が展示されており、スケールの大きさをうかがわせる。2000年の噴火は温泉街に近かった事もあり遺構が多数残されているが、1977年の噴火はここくらいしか残されておらず、またわかりにくい入り組んだ場所にあり、標識もほとんどないことから知っていなければ訪れるのは難しいだろう。
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1977年火山遺構公園
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三恵病院の倒壊跡がある
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