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昭和新山鉄橋遺構公園
壮瞥の町から国道453号線を南西に2kmほど走った壮瞥川沿いに小さなパーキングがある。このパーキングから森の中に続く山道を5分ほど登ったところに昭和新山鉄橋遺構公園がある。最初は傾斜のきつい急な階段を登るが、その後は傾斜の緩やから遊歩道となる。いずれも比較的整備されているので歩きやすい。そして遊歩道の突き当たりの小さなスペースには胆振縦貫鉄道の橋脚や橋台だったコンクリートの塊が2つゴロゴロと転がっている。かつてこの場所にはフカバと呼ばれた集落があり11戸の農家が水田などの農業を営んでいた。しかし1944年から始まった昭和新山の火山活動で地殻が隆起し集落の中を通っていた胆振縦貫鉄道は寸断された。当時胆振縦貫鉄道は沿線の鉱山から産出される鉄鉱石を室蘭の製鉄所まで運ぶ重要な輸送機関だったため、土地が隆起する度に大地を削って7度も線路を付け替えたりして対応した。公園にある橋脚や橋台はかつて国道と同じ高さにあったものだ。公園からは木々の隙間から遙か下の田畑が見えるので、火山活動により線路がこれだけの高さまで持ち上げられたのだという事を実感できる。胆振縦貫鉄道は旧国鉄胆振線となり、最終的に室蘭本線伊達紋別駅から函館本線倶知安駅までの83kmを走っていたが、1986年に廃線となってしまった。
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昭和新山鉄橋遺構公園に転がる橋脚
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こんな遊歩道を歩く
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