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中国人殉難烈士慰霊碑
室蘭の町の東の外れ、太平洋に突き出たイタンキ岬がある。国道36号線はこのイタンキ岬に続く丘を汐見トンネルで越えるが、この汐見トンネルの北側入口には海岸に向かって脇道がある。この脇道をカネサン佐藤水産の先まで行くと丘の中腹に石碑が見えてくる。これが中国人殉難烈士慰霊碑だ。第二次世界大戦において日本は中国を占領し、そこで暮らしていた中国人約39000人を日本に強制連行して1942年から終戦まで強制労働させていた。室蘭は当時から軍需産業に必要不可欠な鉄の町であったことから戦争中に1852人もの中国人を強制労働させていた。しかし過酷な労働によりわずか3年の間に564人も亡くなり、しかもそのうちの125人は火葬もされずに、このイタンキ岬に穴を掘って埋められるという酷い扱いを受けた。戦後になって遺体発掘の実行委員会が組織され1954年に発掘が行われた。当初は30体くらいの遺体が埋められていると考えられていたが、実際には次々と遺体が発掘され最終的には125体もの遺体が埋められていた。この発掘作業の後その場所に慰霊碑が建てられた。さらに日中国交回復を記念し日中両国の永久的友好と永遠の平和の願いを込めて1974年に慰霊碑を建て直したのが現在の中国人殉難烈士慰霊碑だ。慰霊碑自体は立派なものだし、海を見渡すことのできる眺めのいい場所に建てられているが、この場所は人の訪れない寂れた場所にあり地元の人達の間からも心霊スポットとして知られている。
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中国人殉難烈士慰霊碑
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中国人殉難烈士慰霊碑
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