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オンネモトチャシ跡
納沙布岬から2kmほど西、温根元湾の西海岸に突出した岬の上にあるのがオンネモトチャシ跡だ。このチャシ跡は盛土を行い壕で区画し盛土頂上に平坦面を二ヶ所作り出している。チャシとはアイヌ語で「柵囲い」を意味し、13世紀〜19世紀のアイヌ文化期の砦跡とされ、北海道には約500ヶ所のチャシ跡が発見されている。戦闘時の砦だけでなく見張り場、聖地、祭祀場としても使われ、その形はまちまちである。特に道東にはチャシ跡の密度が高く根室には計32ヶ所のチャシ跡が存在する。その中でもオンネモトチャシ跡とノツカマフ1・2号チャシ跡は保存状態が良好であること、1789年の和人のアイヌ民族に対する非道が発端のクナシリ・メナシの戦いと関連性が高いことから1983年に国指定史跡となった。さらに2006年には財団法人日本城郭協会から日本100名城の1つ、お城番号1番として選定され、スタンプラリーの一番最初にあることから近年多くの観光客が訪れている。しかし根室の町からも20km近く離れた辺鄙な場所まで来たのに、そこにあるのは見晴らしのよい高台の周りに掘られた壕と標識があるだけでは、姫路城のような立派な建造物を期待して訪れた日本100名城を巡る人達はさぞかしガッカリすることだろう。スタンプラリーの1番最初がこれでは出鼻がくじかれるに違いない。ただ、北海道のチャシ跡の中ではこのオンネモトチャシ跡はずいぶん整備されている方で、もっと荒れ果てたチャシ跡が多数存在する。
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オンネモトチャシ跡
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近くには野鳥の観察舎もある
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