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中頓別鍾乳洞
中頓別の集落から東北東に5kmほどの所に中頓別鍾乳洞がある。ここは北海道で最初に発見された北海道天然記念物にも指定された日本最北の鍾乳洞だ。一般的な鍾乳洞は古生代や中生代の石灰岩層のサンゴや生物の殻でできているが、ここは新生代第三紀の貝殻石灰岩の中に形成された珍しい鍾乳洞だ。かつては海底にあったこの貝殻石灰岩が地殻変動によって隆起し石灰岩が長い年月の間に溶けてできた。周囲一帯には軍艦岩という巨岩や親子岩、ドリーネなどのカルスト地形が広がり中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園として整備されている。その先には長さ170mの第一洞、65mの第三洞、15mの第四洞などの鍾乳洞があり、ドリーネルート、軍艦岩ルート、湿地ルートなど、全長1.5kmにも及ぶ6つの散策コースがある。一番のお勧めは軍艦岩と東屋を通って第一洞に至る軍艦岩だ。ここは橋を渡って急な階段を登る必要があるが、軍艦岩は高台の上に突き出た岩で、その断崖絶壁の上から公園全体を見渡すことができるので眺めがよい。そしてその先にある第一洞までは駐車場から500mほど歩く必要があるが、内部には鍾乳石や石筍、池、滝の流れなどがあり洞窟の雰囲気を楽しめる。中でもこの洞窟のいいところは、観光客用に解放された洞窟としては極端に狭く、一番奥まで行くには人一人がやっと通り抜けることのできるような場所を通る必要があり、洞窟探検のスリルも味わうことができる。入口には懐中電灯とヘルメットが置かれているが、これが冗談ではなく本当に必要かと思わせるほどだ。体重100kgを越えるような太った人は奥まで行くのを断念した方がいいだろう。入口には「ぬく森館」という管理棟があり、洞窟や軍艦岩のできるいきさつや公園で見られる動植物などのパネル展示がある。
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ぬく森館の外観
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ぬく森館の内部
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軍艦岩から見た中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園
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第一洞の内部
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