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はまます郷土資料館
浜益の町から国道231号線を1kmほど北上すると、道が右にカーブして丘越えの登りが始まるが、ここから海沿いの道をまっすぐ行った先にあるのがはまます郷土資料館だ。1856年に酒田から浜益にやって来た白鳥栄作は運上屋の下請負をしていたが、やがて自ら漁場の経営を始め、二代目白鳥浅吉は1899年にこの地に鰊番屋を建設した。当時は鰊建網3カ統を経営し、この鰊番屋にもヤン衆100人ほどが寝泊まりしていた。この建物はその後も鰊番屋として使われたが1930年代から豊漁と不漁を繰り返すようになり、1960年には北海道のニシン漁か終焉を迎えた。この建物も白鳥家から人手に渡りやがて放棄されだが、1971年の浜益村開村100年の記念事業の1つとして建物の補修を行い浜益村郷土資料館として復活した。建物は和洋折衷となっており、外観ではわからないが建物右半分は親方家族が寝泊まりする部分として和風建築にふさわしい和組で釘も1本も使われていない。それに対してヤン衆の寝泊まりする建物左側半分は三角形に柱を組み合わせたトラス構造の洋組で柱に金具も多数使われている。廊下は沖揚げした鰊を一時的に保管する倉庫としても活用しており、鰊を出し入れしやすいように廊下の壁板を取り外せるようになっている。館内には鰊の漁具の他、考古資料や生活資料など先史時代からの浜益の歴史を伝える資料が多数展示されている。また水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれている。
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はまます郷土資料館の外観
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はまます郷土資料館の内部
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