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装備の軽量化

 自転車キャンプ旅を繰り返すと次第に持参する荷物が固まっていき、これ以上の軽量化は実現不可能だと考えるようになってきた。そこでこの状況を打破するために取り入れたのが、すべての装備に独自の基準で持参する優先順位を付け、それに基づいて持っていく物を取捨選択する事だった。
 私は仕事柄、自動車関係の設計をしているが、自動車業界は設計ミスで命を落とす場合があり得るため品質に対する要求が厳しく、その設計や品質に対しても要求事項が細かく決められている。その代表がISO/TS16949だが、その中での要求事項の1つに設計故障モード影響解析、通称DFMEA(Design Failure Mode and Effects Analysis)というのがある。自動車を構成する部品は数多く存在するが、これらすべての部品に対して不良がゼロというのは理想ではあるが、現実にはそれを達成するのは困難である。そこで各部品の予想される故障を状態毎に列記し、それぞれについて故障した時の影響の大きさ、故障の頻度、故障を検出できる可能性を数値化し、それを掛け合わせたものを危険優先指数とし、この値が高いものから順に故障モードを対策するのがDFMEAである。
 これはとても優れた手法であり、私も自転車キャンプ旅における装備の軽量化の為にこの手法を応用することにした。つまり各アイテムの重量、使用頻度、必要性、入手性を独自に数値化して掛け合わせ、その合計をベースにアイテムの持参する優先順位を決めていった。これらの作業により、これまで当たり前のように持参していた工具類やウィンドブレーカー、着替えなどを大幅削減し、もうこれ以上軽量化できないと思っていた装備を4kg以上減らすことができた。その時に使用したエクセルで作ったコアツールをアップロードしたので、自転車ツーリングはもちろん、山登りやバイクツーリングなどにも活用してもらいたい。

 使い方
  1. 持参する可能性のある装備の種類と品名を記載
  2. 上記すべてのアイテムの重量を測定
  3. 各装備についてグレーのセルをすべて埋める
  4. 合計の大きいものほど不必要の度合いが高い
表

この軽量化の表に必要事項を埋めていくと自動的に合計が算出される。この合計値が高ければ高いほど持参する必要の薄いものとなり、軽量化にあたっては真っ先に削減すべき対象アイテムとなる。合計値が高くて持って行かないことになったアイテムはこの表には記載していないが、いずれも合計値は高い値を記録している。そして今後さらに軽量化を進めるのであれば、私の場合、シャンプー・石鹸、酒、ラーメン、米、電池あたりを外せばいいというのが客観的にもよくわかる。これらはいずれもコンビニで容易に入手できることから、日数分の装備を持参するのではなく、都度購入した方が軽量化できるということだろう。
 この軽量化の表は自転車キャンプ旅の経験者だけでなく、これから始める人にも大いに役立つはずだ。私もそうだったが、初心者が初めてこうしたキャンプツーリングに出かける時は何が必要かわからない事から何かと不要なアイテムまで持参してしまうものだ。そこで無駄なウエイトを持たないためにも、装備を吟味選別する段階でこの軽量化の表を用いて本当に必要なものだけ持って行くようにしたい。

自転車キャンプ旅の装備

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