展望台 |
馬鹿と煙は高い所に登ると言いますが、ライダーやチャリダーは高い所、眺めのいい場所に登りたがるもの。北海道には数多くの展望台が存在し、そのすべてを訪れたわけではありませんが、その中でもお勧めの極めつけに眺めのいい展望台を紹介します。 |
サロマ湖展望台 |
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北海道のオホーツク海側は山が少なく、オホーツク海を見下ろす事のできる場所は比較的少ない。その中でも面積で日本第三位のサロマ湖を上から見下ろす事のできる場所は、この幌岩山展望台、通称サロマ湖展望台しかない。ここ幌岩山展望台は標高376mの山頂から大きなサロマ湖だけでなく、その先のオホーツク海まで見渡す事ができ、カメラのファインダーにはおさまらない程の大パノラマを見渡す事ができる。しかし展望台に行くにはダートの林道の急坂を5km程走らなければならず、自転車で行くにはハードルが高い。しかし観光バスはもちろんの事、マイカーの観光客も訪れる事は少なく、自分だけの大パノラマを独占する事ができる。自転車で登るのが辛ければ、道の駅「サロマ湖」に自転車を止めて徒歩で展望台まで登る事もできる。晴れていればぜひとも行ってみたい展望台だ。
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三笠山展望閣 |
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北オホーツクでオホーツク海を見渡す事のできる数少ない展望台の一つ。この展望台はスキー場とパラグライダーの発着場を兼ねているので、周囲の木はすべて切り倒されており視界を遮るものもなく、標高172mの展望台からは遙か先まで続くオホーツク海と、それに併走してどこまでも伸びる国道238号線を見渡す事ができる。展望台までは急坂ではあるが国道から道が整備されており、観光バスこそ来ないが、マイカーでの観光客は多い。頂上の172mまで自転車で登るのは大変だが、枝幸に来たらぜひとも訪れたい展望台だ。
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多和平展望台 |
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道東の三大展望台の一つが多和平展望台。標高がそれほど高いわけではないので、見下ろすといった雰囲気ではないが、ここは周りが2200ヘクタールもの広大な牧場なので視界を遮るものはなく、北には摩周岳や西別岳、藻琴山、斜里岳が見え、西には阿寒富士、雌阿寒岳、雄阿寒岳などの阿寒の山並みなど、360度地平線を見渡す事はできる。この多和平展望台のすぐ下には多和平キャンプ場が併設されており、このキャンプ場に泊まって夕日を眺めれば、北海道の雄大さ、広大さを嫌でも実感できる。近くに温泉もコンビニもないのでチャリダーには少し不便だが、このキャンプ場にはそれを吹き飛ばすだけの良さがある。
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900草原 |
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道東の三大展望台の一つである900草原。ここも日本有数の広大な牧場で、牧場面積1440ヘクタール、放牧草地930ヘクタールの牧場の高台の上に展望台がある。900草原は展望台のすぐそばに大きな駐車場があるので、展望台からは360度の眺めが楽しめるわけではないが、大きな駐車場と隣接するパークゴルフ場を歩き回れば一応360度の展望は楽しめる。多和平展望台より少しばかり標高が高いので、多和平展望台より見下ろし感があるが、位置的には近いので遠くに見える景色は似ている。この900草原には、かつてキャンプ場があったが、今は閉鎖されてしまった。近くに桜ヶ丘森林公園オートキャンプ場があるので、夕陽や朝日を見るならそこで泊まればいいだろう。
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開陽台 |
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道東の三大展望台の残り一つが開陽台。ここは背後に武佐岳があるので、360度の展望はなく、案内の看板にも330度の展望と書かれているが、見晴らしは抜群によい。多和平や900草原は確かに360度の展望ではあるが、見渡す限りの牧場と遠くに連なる阿寒などの山々しか見えない。それに対して開陽台は牧場だけでなく、根釧台地の格子状防風林や中標津の町並み、そして天気がよければ根室海峡や、その先に国後島まで見えてしまう絶好のスポットなのだ。この開陽台の展望台の裏にもキャンプ可能な場所はあるが、正式なキャンプ場ではなく、地元の善意でキャンプ可能となっているだけだ。展望台そのものの施設としてはこの開陽台が一番しっかりしており、円形のコロシアムのような造りの展望台には無料の望遠鏡まで完備されている。この開陽台にはかつてハイジの家という食堂があり、そこでライダー定食という格安の定食が人気を誇っていたが、残念な事に2006年に閉店となってしまった。
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ナイタイ高原牧場 |
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十勝平野の北の端の、山の中腹にある1700ヘクタールもの広大な牧場がナイタイ高原牧場である。広大な十勝平野を見下ろす展望台は他にも扇が原展望台、士幌高原ヌプカの里、家畜改良センター十勝牧場、円山展望台、日勝第一展望台、狩勝峠展望台などがあるが、ここナイタイ高原牧場は800mと標高が高く、ここからの眺めが一番雄大のような気がする。視界こそそれほど広いわけでもなく180度もないが、牧場なので木がまったくなく、広大な十勝平野をどこまでも見下ろす事ができるので、その眺めはすばらしい。自転車で行くと急坂を登り続けなければならないが、苦労して登るだけの価値はあるだろう。
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道 |
北海道にはどこまで走ってもまっすぐな直線の続く道や、丘の上の稜線上を走る道、湖沿いの木立に囲まれた道など、ここは本当に日本かと思ってしまうような道が数多く存在する。そんな道の中でも景色が良くて特にお勧めの道を紹介しよう。 |
国道232号線(オロロン街道) |
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北海道を代表する有名な道で、北海道に来たライダーやチャリダーなら一度は走るであろうほど有名な道が国道232号線、通称オロロン街道だ。オロロン街道の名前の由来は、このオロロン街道に面した天売島に住むペンギンに似たオロロン鳥から来ており、羽幌周辺の国道沿いにはオロロン鳥の大きなモニュメントを見る事ができる。このオロロン街道は特に小平から苫前までの区間で、西側に日本海、東側に小高い丘という直線道路が延々と30kmに渡って続き、波の音や鳥のさえずりを聞きながら北海道の広大さを実感して走る事ができる。さらに天塩から稚内までの道道106号線は西側に日本海の砂浜、東側には遙か彼方までサロベツ原野という、電柱もガードレールもない直線道路が延々と60kmに渡って続き、こちらは利尻島にそびえる利尻富士を見ながら走る事ができる。特にこの天塩〜稚内間はコンビニはもちろんの事、人家さえほとんどないので、食料と水は十分に持って行かないと遭難しかねない。ここオロロン街道では南風が吹く事が多いので、留萌から稚内に向かうと追い風となって走りやすい。チャリダーなら一度は走ってみたい憧れの道だろう。こんな道を走って宗谷岬に行ったらさぞかし感動するに違いない。
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パッチワークの路 |
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美瑛の北側に位置する丘にある、セブンスターの木の周囲の道を通称パッチワークの路と呼ぶ。名前の由来は、この丘全体が作付けられた農産物の種類より、まるでパッチワークをあてたような色とりどりに見える事から「パッチワークの路」と呼んでいる。作物の連作が出来ない為、畑毎に毎年農作物の種類を変えており、年によって景色が変わって見え、二度と同じ風景に出会う事ができない。丘の上の稜線沿いに道が走っているので非常に見晴らしが良く、また色とりどりの花や作物がおりなす丘と、遠くに十勝岳連峰を見渡す景色は、まるでヨーロッパの田園のようだ。周囲にはセブンスターの木、ケンとメリーの木、親子の木、マイルドセブンの丘、景色の良さはすばらしいが、ゆえに観光客も多く、大型バスで観光客が大挙して押し寄せてくる。それとこの付近は丘ばかりで、どこに行くにも丘を越えなければならず、チャリダーにとってはかなり体力を消耗する。キャンプ場にテントを張って荷物を下ろしてパッチワークの路を走るか、それとも等高線入りの地図を用意して、あらかじめ走るコースを決めておかないと、無駄に体力を消耗してしまう。美瑛駅を挟んだ反対側にはパノラマロードもあり、こちらも丘の上の稜線上を走る道路なのでお勧めできる。
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道道889号線(上猿払清浜線) |
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宗谷岬そばの宗谷丘陵の上を走るのが道道889号線、通称上猿払清浜線だ。一般的には稚内から宗谷岬に向かうには国道238号線で宗谷海峡沿いに走るが、そのすぐそばには今から2万年間に氷河の浸食によってできた宗谷丘陵の中を通る道道889号線がある。この道道889号線は宗谷丘陵の上を走るので、国道から標高100mほど登らなければならないが、丘陵の上は牧場になっていて木が全く生えておらず、道道がなだらかな丘陵の稜線を走る事もあって360度の展望があり、道の所々にパーキングがあって、そこから見える景色は素晴らしいの一言に尽きる。宗谷岬を訪れたなら、国道238号線ではなく、100mほど登らなければならないが、ぜひとも宗谷丘陵を走る事をお勧めする。
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道道885号線(養老牛虹別線) |
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開陽台(養老牛)と多和平(標茶)を結ぶのが道道885号線、通称養老牛虹別線だ。この道道885号線は道道150号線も含めて15km程の長い直線区間がすべて格子状防風林で構成されており、自転車で走るとどこまで行っても同じ景色が続くので、格子状防風林の規模の大きさを実感できる道路である。直線道路は所々にわずかなアップダウンがあり、その頂上の場所からは遙か先まで続く直線道路を見渡す事ができる。景色が良く交通量も少ないので、道東に来たらぜひとも走ってほしい道である。またこの道道885号線だけでなく、この付近の根釧台地の道路は、ほとんどが格子状防風林に囲まれた直線道路をなしているので、色々と走ってみるのもよいだろう。
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道道132号線(洞爺湖ぐるっと一周線) |
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洞爺湖の周囲を走るのが道道132号線、通称洞爺湖ぐるっと一周線だ。この洞爺湖を一周する道路は、特に湖の東側半分が多少のアップダウンはあるものの湖を所々に見ながら林の中を走る雰囲気のよい道となっている。湖の西側半分は湖に面したアップダウンのないフラットな道が続くが、個人的には東側半分の方が自転車で走りたくなる道だ。一周走っても36.5kmしかないので東側半分だけなどと言わずに一周する事をお勧めする。洞爺湖ぐるっと一周線は湖のどこから見ても中島が見えるので、湖の周囲を走る限りどこから見ても同じような景色に見える。
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道道858号線(キムアネップ岬浜佐呂間線) |
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浜佐呂間とキムアネップ岬を結ぶのが道道858号線、通称キムアネップ岬浜佐呂間線だ。サロマ湖畔にある浜佐呂間と、同じくサロマ湖畔にあるキムアネップ岬を結ぶだけなので全長4.5kmとかなり短いが、この短い区間が森に囲まれた静かなトンネルの中から、ときおり木々の隙間からサロマ湖が見え、とても雰囲気のよい道となっている。例えキムアネップ岬に立ち寄らないとしても、国道238号線を迂回して、この道道858号線を走りたくなるような、そんな気分になってしまう道だ。特に真夏の炎天下にこの道を走るとありがたさがよくわかる事だろう。
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自転車道 |
北海道には大規模な自転車道がいくつか整備されている。その多くは廃線となった鉄道の廃線跡を利用したものが多く、道が直線なだけでなく勾配も緩やかなので自転車で走りやすい。そんな自転車道の中でも景色が良くて特にお勧めの自転車道を紹介しよう。 |
オホーツクサイクリングロード(道道1087号線) |
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網走からサロマ湖の栄浦までを結ぶ40.2kmの自転車道が道道1087号線、通称オホーツクサイクリングロードだ。このオホーツクサイクリングロードは網走から登呂までと、登呂から栄浦までの2つに分かれている。登呂から栄浦までの自転車道は、車道の横に併走する段差のない少し広い歩道といった感じの道で、それほど景色がよいわけでもない。しかし網走から登呂までの区間は旧国鉄湧網線の廃線跡を利用した自転車道となっており、廃線跡を利用しているだけあって勾配は緩やかだし、カーブも少なくて直線が多いし、駅舎跡を利用した休憩所が所々に用意されているので走りやすい。そして何より能取湖沿いを走るこのオホーツクサイクリングロードは、眺めがとてもいいのだ。森の中の直線道路を走ったかと思えば、突然視界が開けて目の前に能取湖が広がったり、畑の真ん中を走ったりと、長い距離を自転車で走っても飽きさせる事がない。自転車道もほどよく整備されており、北海道を自転車で走るなら、ぜひとも走っておきたい自転車道の1つである。
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釧路阿寒サイクリングロード(道道835号線) |
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釧路から阿寒までを結ぶ24.4kmの自転車道が道道835号線、通称釧路阿寒サイクリングロードだ。この釧路阿寒サイクリングロードの釧路側は住宅地から始まるので、自転車道といいつつ散歩コースとしている地元住民が多く、自転車では少し走りにくいかもしれない。しかしひとたび住宅地を離れると自転車道の両側には釧路湿原が広がるようになり、どこまでも続く釧路湿原に伸びる一本道を自転車で走るのはとても気分のいいものだ。阿寒近くは森の中を走るようになり、視界は狭いが雰囲気は悪くない。この釧路阿寒サイクリングロードは雄別鉄道廃線跡を利用した自転車道で、ほどよく整備されており所々に休憩所も存在するが、残念な事にトイレの水を飲む事はできない。釧路阿寒サイクリングロードは釧路側も阿寒側も自転車道のスタート位置がわかりにくいので、注意が必要だ。
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北オホーツクサイクリングロード |
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浜頓別から猿払までを結ぶ21.2kmの自転車道が北オホーツクサイクリングロードだ。この北オホーツクサイクリングロードは旧国鉄天北線廃線跡を利用した自転車道で、若干のアップダウンはあるが、ほとんど一直線のストレートの続く、自然豊かな環境に恵まれたサイクリングロードだ。この北オホーツクサイクリングロードはオホーツクサイクリングロードや釧路阿寒サイクリングロードと違って利用者は皆無に等しく、私もかつて3回ほど走ったが、いまだにこの北オホーツクサイクリングロードで人と出会ったりすれ違った事はない程だ。ゆえにあまりサイクリングロードの整備はされていないようで、伸び放題の雑草の中を走る事もしばしばある。しかし逆に言うとそれだけ自然環境に恵まれているという事であり、1時間以上たっぷりと自然の中を走れるので、ぜひともお勧めしたい。残念な事にサイクリングロードにはコンビニはもちろんの事、トイレや水場、そしてまともな休憩所すらないので、あらかじめ浜頓別か猿払で準備しておく必要がある。
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竜宮街道 |
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サロマ湖の東側から延びる半島のワッカ原生花園の中をネイチャーセンターからワッカの水まで走るのが竜宮街道だ。この竜宮街道は動力付きの乗り物が一切禁止されており、ワッカの水まで行くにはネイチャーセンターの駐車場に車やバイクを止めて、徒歩かレンタサイクルで竜宮街道を走るしかない。しかし自転車の持ち込みは許可されているので、チャリダーは自分の自転車で竜宮街道を走る事ができる。普段は車やバイクに追い抜かれてばかりのチャリダーも、この時ばかりはみんな徒歩か自転車なので、レンタサイクルの遅い自転車を次々と追い抜きながら活き活きと走る事ができる。もちろんサロマ湖とオホーツク海に挟まれた細い砂州の上にあるワッカ原生花園の中を走るので、左にサロマ湖、そして右手には時々オホーツク海も見え、景色は抜群によい。ちなみに竜宮街道とは詩人、大町桂月がこの地を訪れたとき砂州を「竜宮へ続く道」と形容した事からこの名前が付いたそうだ。
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苫小牧・支笏湖サイクリングロード |
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苫小牧から支笏湖までの約17kmを国道276号線に併走して走っているのが苫小牧・支笏湖サイクリングロードだ。正式な自転車道ではないので、小さな休憩所があるだけで、給水場所やトイレは存在しない。国道276号線に併走する緩やかな登りの続く直線道路で、周囲を原野に囲まれた中を走り続けるのはいいものだ。支笏湖を中心として札幌から支笏湖まで国道453号線沿いに続く滝野上野幌自転車道、そして千歳から支笏湖まで道道16号線沿いに続く支笏湖公園自転車道があるが、滝野上野幌自転車道は峠越えが多く、アップダウンが激し過ぎて気楽に走れる自転車道ではなく、また支笏湖公園自転車道は森の中を走る自転車道だが、多少のアップダウンとカーブがあり、見通しもきかない事が多いので、個人的には苫小牧・支笏湖サイクリングロードが一番好きだ。
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オンコ海道 |
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焼尻島の中央部を港近くのイチイ原生林入り口から雲雀ヶ丘公園を経由して鷹の巣園地まで南北に横断しているのがオンコ海道だ。ここは正式な自転車道ではないが、ルートの東側半分は車も通行できないほど狭い道だし、何より標識に「自転車ロード」と書かれているので自転車道としても差し支えないだろう。しかし上に紹介した自転車道とは大きく異なり、自転車道としてのセンターラインがないばかりか、東半分には登山道ではないかと思えるほどの細いダートのアップダウンもあり、自転車で走るには少しばかりハードルが高い。しかし西半分はめん羊牧場の牧草地の中を走る一本道で360度の視界があり、天売島はもちろんの事、北海道まで見る事ができ、とても眺めはよい。
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道の駅 |
北海道は面積も広いだけに道の駅の数も多く、2008年末で既に105ヶ所、さらに増殖中だ。もちろん道の駅を目当てに旅をする人は少ないが、そばを通りかかったらぜひとも訪れてみたくなるような、そんな魅力的な道の駅を紹介しよう。 |
にしおこっぺ花夢 |
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国道239号線の名寄と興部の間にある道の駅が「にしおこっぺ花夢」だ。この国道239号線で西興部村に入ると、いきなり「我が村は美しく」と書かれた標識が目に飛び込んでくる。ここ西興部村では市街地を横断する国道239号線沿いの景観づくりのため、村民の1/3にあたる300人もの人々が参加して花壇づくりが行われ、地域の人々が村の自然とバランスのとれた日常生活を送れるような美しい村づくりが進められているのだ。そしてその集大成とも言えるのが、西興部村の西の町外れにある道の駅「にしおこっぺ花夢」に併設されているフラワーパーク花夢だ。ここのフラワーパークには屋内の展示だけでなく、夏になると6haの面積を誇る敷地の中に真っ赤なハーブ“ベルガモット”がひときわまぶしく咲き誇る。ぜひとも行ってみたい道の駅だ。 |
オホーツク紋別 |
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紋別の南の町外れにある道の駅が「オホーツク紋別」だ。ここの道の駅の施設自体はほとんど何もないに等しいが、ここには北海道立オホーツク流氷科学センターが併設されている。この流氷科学センターでは流氷とオホーツク海を不思議な視点から学ぶ事ができる。視界360度の円形ドームで迫力ある映像を映し出すアストロビジョンや立体感のある不思議な映像のマジカルシアター、−20度の厳寒体験室では一年中流氷に触ることができる。さらに道の駅の隣にはプールがあったり、少し走れば氷海海中展望塔であるオホーツクタワーや白い砂浜を敷き詰めた人工の砂浜オホーツクホワイトビーチ、そして流氷の季節になると流氷砕氷観光船ガリンコ号が走っていたりといろいろ楽しめる事請け合いだ。 |
流氷街道網走 |
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網走の町中にある2009年にできたばかりの道の駅が「流氷街道網走」だ。ここは最新の道の駅らしく、無料で利用できる無線LANが用意されているのだ。道の駅が多くても無料の無線LANが完備されている道の駅は少ないだろう。フードコートもあって食事にも事欠かない。しかもクリオネが見物できる休憩所があり、さらに無料で足岩盤浴までできるのだ。町中にあってこれだけ装備がいいと、シーズンになったら車中泊の車が押し寄せてきそうな気がする。道の駅は流氷観光船の乗船場にも隣接しており、道の駅に車を止めたまま流氷観光砕氷船おーろら号で流氷を見に行く事もできる。 |
ぐるっとパノラマ美幌峠 |
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屈斜路湖を見下ろす美幌峠の頂上にあるのが道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」だ。ここの道の駅の特徴は、何と言ってもその展望のよさにある。道の駅の駐車場からすこし坂を登ると、眼下に屈斜路湖のパノラマが広がっているのだ。道の駅でありながらこれだけ手軽に大パノラマを見る事ができる場所も少ないだろう。道の駅そのものが観光地になっているような雰囲気で、比較的大きな食堂にはオホーツクのズワイガニを使ったカニラーメンやカニ天ぷらそば、カニめしなどがある。そしてレストランの二階にはレストハウスがあり休憩所や展望室も完備されている。道の駅を目的に行くわけではないが、ぜひとも美幌峠には行って屈斜路湖を眺めてもらいたい。 |
フォーレスト276大滝 |
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洞爺湖と支笏湖の間にある道の駅「フォーレスト276大滝」は大きな特徴が2つある。その1つは道の駅の建物がカナダ産の丸太を使用した全長200mにも及ぶ世界最大級のログハウスでできている事だ。これだけ大きなログハウスは見る者を圧巻する。特徴のもう1つは道の駅に備えられた1億円の豪華トイレだ。ピカピカに磨き上げられた大理石のトイレには自動演奏機能付きのピアノと観客用の椅子まで用意されており、時間が決まってはいるもののトイレの中でヒアノ演奏を聴く事ができる。トイレにこれだけの豪華な装備が必要だろうかと首をかしげたくなるが、一度体験してみるのもよいだろう。 |
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道(撮影スポット) |
北海道は面積も広いだけに道の駅の数も多く、2008年末で既に105ヶ所、さらに増殖中だ。もちろん道の駅を目当てに旅をする人は少ないが、そばを通りかかったらぜひとも訪れてみたくなるような、そんな魅力的な道の駅を紹介しよう。 |
国道334号線 |
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国道334号線の斜里から10kmほど東に走ると、朱円で国道は左に45度曲がるが、ここを曲がらずにまっすぐ南三号線を登ると、やがて左手に展望台が見えてくる。ここからの眺めもすばらしいが、さらに進むと道は突き当たりになり、左に直角に曲がる。ここから国道334号線を見下ろすと、斜里の農地や格子状防風林が見渡せるだけでなく、27kmにも及ぶ直線道路を延々と見渡す事ができるのだ。これだけの直線道路を見渡す事ができるのはおそらく日本ではここだけに違いない。時々観光バスが国道を外れて通りかかるが、少し止まってバスの中から見せるだけなので、それほど邪魔に思う事もない。名前もないような場所なので観光バス以外には観光客も少なく、ほとんど知られていないが、その眺めはすばらしいの一言に尽きるので、知床に行く際にはぜひとも訪れたい場所だ。 |
北十九号線 |
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開陽台のすぐ近くにある有名な撮影スポット。有名なだけあってシーズン中にもなるとライダーが大挙して押し寄せ、撮影の順番待ちが発生する程だ。この上から見る北十九号線の直線道路は長そうに見えるが実際には2kmちょっとしかない。しかし丘の上から、小さな谷を越えて再び丘に登り、格子状防風林を越えた先はどこまでも続いているように見える事から、上から見下ろすとかなり長い直線のように見える。ライダーやチャリダーなら開陽台と、この北十九号線は必ず見なければならない程、聖地化していると言っていいだろう。ただしこの北十九号線はアップダウンがそれなりにあるので、自転車で走るには少々くたびれる。 |
パノラマロード江花 |
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中富良野の駅から北に5kmほど走った場所に北21号道路、通称パノラマロード江花があり、その北西端の丘の上から見下ろす富良野盆地は、かみふらの八景に選ばれるほどすばらしい。ここはツーリングマップルの表紙にもなった場所で、富良野盆地と背後にそびえる富良野岳をバックにバイクや自転車のかっこいい写真が容易に撮れる。その割には観光客は滅多に来ないし、一般の車もほとんど通らないので、邪魔されずに撮影に専念できる穴場的スポットである。富良野に来たらぜひとも立ち寄りたい場所だ。 |
ジェットコースターの路 |
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国道237号線の富良野と美瑛の間に西十一線という全長4.3kmの直線道路がある。この道は4kmほどの間に40〜70mほどの高さの丘が4つあり、次々と迫るアップダウンに、まるでジェットコースターに乗っているかのようで、通称「ジェットコースターの路」と呼ばれている。このジェットコースターの路の一番標高が高いところから見る十勝岳連峰の眺望は絶景で、かみふらの八景にも選ばれており、さらに北の国からに続くドラマ「優しい時間」にも登場している。アップダウンが激しいので自転車で走るのは大変だが、景色は素晴らしい。 |
能取岬 |
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能取岬のすぐ近くにある撮影場所。能取岬に行く時、必ず通りかかるので迷う事はない。わずか300m程の直線ではあるが、オホーツク海に飛び込んでいくような下りの急坂なので、思わず写真を撮ってしまう程だ。ただし、能取岬への観光客が通る道なので、ここで撮影にもたついていると、すぐに観光客が目の前に車を止めて撮影を始めてしまうので、間違っても撮影しているそぶりを見せてはいけない。この能取岬へ向かう道は、この場所の500m程手前にも直線道路の先に能取岬灯台がそびえる撮影スポットがあったり、またこの周囲は網走市営美岬牧場があり、遮るものがないので、オホーツク海と能取岬灯台がどこからでも見渡す事ができ、絶好の撮影スポットと言えるだろう。網走を通りかかかっても、わざわざ能取岬まで来る人は少ないので、ぜひとも訪れる事をお勧めする。 |
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峠 |
チャリダーとは峠があると嬉しくなって登ってしまうものである。しかし峠といっても日勝峠のように交通量が多くて路肩が狭く、とてもチャリダーにはお勧めできない峠もある。そこで北海道に存在する峠で、自転車で走りやすく、かつ景色も良くてお勧めできる峠を紹介しよう。 |
三国峠 |
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国道273号線の大雪山を越える、北海道で一番標高の高い峠が三国峠だ。三国峠の頂上の標高は1150mもあるが、その手前の町である層雲峡や糠平の標高が既に500m近くあるので、あまり標高が高い印象はない。それでも層雲峡や糠平からは30km以上も登り坂を登る必要があり、さらに三国峠の直近5km程は勾配も急なので、頂上まで登るのは苦しむ事になる。しかし一度頂上まで登れば、その展望台からは大雪山の麓に広がる樹海を一望する事ができ、さらに三国峠の糠平側には松見大橋という大きくカーブした眺めのよい橋があり、樹海をバックにこの橋を撮影すると、なかなかいい写真が撮れる。樹海の中を2〜3時間ひたすら登る事になるが、北海道で一番高い峠を制覇したという達成感を得る為にも、ぜひとも三国峠にチャレンジして、三国峠と書かれた標識の前で記念撮影してもらいたい。三国峠の頂上には三国峠パーキングエリアがあり、そこで食事をするもいいだろう。パーキングには水道もあって、この水道が大雪山の雪解け水を使っているので、夏でも冷たくて気持ちがいい。
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知床峠 |
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知床半島を横断する国道334号線の最高峰にあるのが知床峠だ。ここは海抜0m付近から一気に標高742mの知床道下の頂上まで登る北海道屈指の難関コースだ。しかしその知床峠でも、ウトロ側と羅臼側では登りのイメージが大きく異なり、ウトロ側は直線中心の、勾配6〜7%程度の単調な坂が延々と続く。それに対して羅臼側は急カーブの連続するワインディングロードで、場所によっては勾配10%近くの急坂の区間もあれば、ほとんど平地と思えるような区間もあったりと変化に富んでいる。羅臼側は景色もよく、所々で国後島が見えたり、これまで登ってきた峠道を上からの俯瞰で見えたり、途中にある見返り峠からの眺めも素晴らしい。個人的には羅臼側から登った方が楽に思える。そして知床峠の頂上にはパーキングがあり、そのパーキングからは見事なまでの羅臼岳を見る事ができる。ただ残念な事に、知床峠は霧がかかっている事が多く、羅臼岳どころか100m先も見えない事が多いので、その点は注意が必要である。知床峠は北海道を一周するチャリダーにとって避けて通る事のできない峠だけに、ぜひとも気合いを入れて挑んでもらいたい。
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美幌峠 |
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美幌と弟子屈を結ぶ国道243号線の途中にそびえるのが標高493mの美幌峠だ。峠としては標高こそそれほど高いわけではないが、頂上に道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」があり、その階段を登った先にある標高525mの展望台の周囲には木がまったく生えておらず、屈斜路湖が近い事もあって屈斜路湖を見下ろす絶好の展望台となっている。美幌側と弟子屈側では登りのイメージは大きく異なり、美幌側は10km程に渡って直線中心の単調な登り坂が続く。それに対して弟子屈側は急カーブの連続するワインディングロードで、所々で屈斜路湖を見下ろす事ができ、登りながらでも景色には飽きない。美幌側からの登りでも美幌峠の頂上近くは視界も開けて眺めを楽しむ事ができる。美幌峠の楽しみは眺めだけでなく、美幌側の下りは10kmにも及ぶ直線道路の下りが続くので、スピード記録に挑戦できるのもある。下手にお勧めすると事故が起きた時に責任を取らされそうなので、個人の責任で挑戦する事が前提になるが、北海道でも数少ない急な下りの直線道路でもある。
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白樺峠 |
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道道85号線で十勝平野の鹿追から然別湖へ抜ける途中にあるのが白樺峠だ。標高は900mあり、鹿追側から登ると550mの登りとなるが、然別湖の標高が810mもあるので然別湖側から登ると90mしか登らずに済む。その代わりに糠平から然別湖まで行くのに1081mの幌鹿峠を越えなければならない。鹿追側からの登りは、山道を登るに従い広大な十勝平野を見渡せるようになる。白樺峠への途中には扇が原展望台があって、ここから見渡す十勝平野は格別とも言えるだろう。そして白樺峠を越えた先にある然別湖は、およそこの世の俗世間とはかけ離れた、神秘的な秘境にある湖に見える。ぜひとも十勝平野を見渡す白樺峠を越えて然別湖に行ってもらいたい。
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双湖台 |
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国道241号線の弟子屈と阿寒湖を結ぶ通称阿寒横断道路にある峠。峠に名称こそないが、標高747mもの大きな峠で、その頂上に雌阿寒岳・雄阿寒岳の見える双岳台、そしてその途中にパンケトー・ペンケトーの見える双湖台がある。残念ながら双岳台は小さな駐車場があるだけで何もなく、おまけに周りの木が邪魔をして雌阿寒岳・雄阿寒岳はほとんど見えない。しかし双湖台はトイレ付きの立派な駐車場があり、駐車場から少し歩けばパンケトー・ペンケトーを見下ろす展望台がある。ここからは広大な樹海の中に北海道の形に見えるパンケトーが見え、なかなかよい眺めだ。阿寒横断道路は阿寒湖側が緩やかな登りの傾斜で、雄阿寒岳を前後に見ながら走る。それに対して弟子屈側は谷間の急な傾斜の急カーブの続くワインディングロードとなっており、眺めはそれほどよくない。
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チセヌプリ峠 |
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ニセコパノラマラインの頂上にある峠。標高は832mあり、岩内側から登ると832mをしっかり登る事になる。頂上付近は木が生えていないので視界が広くて眺めが良く、ニセコの山並みを見ながら走るのはとても気持ちがいい。しかし頂上付近にはニセコ側に下ったところに小さなパーキングがあるだけなので、休憩は岩内側にある神仙沼で済ませるとよい。頂上付近には眺めのいい場所がたくさんあるが展望台等はまったくない。景色のよいニセコパノラマラインにある峠だけに、ぜひとも晴れたに走りたいところだ。
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岬 |
北海道はその独特の形状から断崖絶壁の切り立った岬や異国の地が見える岬などが数多く存在する。しかもその情景やロマンチックさから宗谷岬、襟裳岬、立待岬など歌になった場所も多い。そこでそんな北海道の岬を景色の良さを中心として紹介しよう。 |
宗谷岬 |
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言わずと知れた日本最北端の岬が宗谷岬だ。チャリダー、ライダーはみんなこの宗谷岬を目指して走っていると言っていいほどメジャーな場所。それだけにツアーの観光客も多いが、ライダーやチャリダーも多い。特にシーズン中は観光客が多くて記念碑の前で写真撮影するにも順番待ちで苦労するほど。岬自体は低い場所にあるので眺めが良いというわけではないが、岬の裏手にはちょっとした高台があり、天気がいい日にはそこからサハリンを見る事ができる。景色を楽しむと言うよりは、最北端の地に来た事を実感する場所だろう。宗谷岬には日本一北の店として柏屋というお土産屋さんがあり、ここには日付と時間を記入した最北端の地到達証明書を100円で販売しているので、ぜひとも記念に購入しておこう。
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襟裳岬 |
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日高山脈がそのまま海まで続いている。そんなダイナミックな景色を一望できるのが襟裳岬だ。襟裳岬の東側には百人浜とそれに続いて黄金道路があり、海岸沿いのアップダウンのないフラットな道を進む。黄金道路は、かつては海岸沿いの波が道まで押し寄せるダイナミックな道路だったが、今ではトンネルが次々と整備され、チャリダーにはお勧めできない道路となってしまった。襟裳岬の西側は東側と全く異なり、10km以上に渡ってアップダウンの続く丘越えの道となり、チャリダーを苦しめる。それ以上にすごいのは風だ。ここ襟裳岬は風の名所でもあり、風速10m/s以上の風の吹く日が年間290日以上もあるのだ。横風や向かい風だととても走りにくくなるので覚悟しておいた方がよいだろう。襟裳岬には風の館という施設があり、そこで風速25m/sの強風を体験できるので、ぜひともこれを体験する事をお勧めする。襟裳岬には遊歩道があり、岬の先端まで歩いて行けるが、先端に特別何かがあるわけではなく、もしかしたらアザラシが見えるかも知れないという程度だ。岬の先端だけでなく、岬の周囲にも遊歩道が張り巡らされている。襟裳岬は森進一の歌にあるように、本当に「何もない」が、それを楽しむのもよいだろう。
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霧多布岬 |
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根室と厚岸の間にある、あまり有名でないマイナーな岬。霧多布岬はそんなイメージがぴったりだろう。その特徴は名前が示すように霧が多い事。根室から釧路にかけての北海道の太平洋岸は霧が多い事で有名だが、ここ霧多布岬はその中でも特に霧が多い。そしてその霧ゆえに太陽の光が地表まで届かず、夏でも20度を越える日が少ないほど涼しい。おそらく日本の海抜0mの地域で一番、夏涼しい場所ではないかと思えるほどだ。霧多布岬へは霧多布の町からは距離は短いが急坂を登る事になる。坂を登った丘の上には牧場が広がり、のどかな雰囲気が漂う。何だかこの丘の上だけ時間が止まったような感覚だ。そして霧多布岬は標高50m程度の絶壁の上にあるので、晴れていれば眺めはよい。駐車場の横に土産物屋があり、ここは注文を受けてから揚げてくれるので揚げたてのおいしいおやつを食べる事ができる。
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地球岬 |
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室蘭の街の裏山にあるのが地球岬だ。室蘭の街は港を中心として栄えているが、背後にそびえる海食崖の麓に住宅地が広がる。その海食崖を上まで登っていくと、太平洋を見渡す事のできる地球岬に到着する。この地球岬は標高147mの高台の上から太平洋を見下ろすので、とても眺めが良く、ここから見ると地球を丸く感じる事ができる。この海食崖の上には地球岬の他にも金屏風やトッカリショなどがあり、景色は素晴らしい。ただし、標高147mまで急坂を登る事になるので、チャリダーには大変だ。また地球岬から北に道道919号線、通称地球岬観光道路が延びており、ここからの景色も素晴らしい。地球岬まで来れば、ぜひとも白鳥大橋も渡りたいところだが、残念な事に自転車は通行禁止になっているので、眺めるだけにしよう。いずれにしても室蘭に来たなら、地球岬はぜひとも訪れたい場所だ。
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神威岬 |
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積丹半島の先端にあるのが神威岬だ。ここは国道229号線から80m以上も急坂を登った先に駐車場があり、神威岬の先端までは、さらにその駐車場から20分近くも歩かなければならない。しかし駐車場から少し歩いたところにある女人禁制と書かれた門をくぐると一気に視界は開け、チャレンカの小道と呼ばれる両側が断崖の海に挟まれた細い稜線上を歩き続ける。この道から見る神威岬はとても美しく、それはまるで絵葉書かカレンダーのようでもある。神威岬の先端まで歩くと、そこには神威岩と呼ばれる高さ40mの細長い岩がそびえるが、100m以上の高さから見下ろすので、あまり高さは感じない。この神威岬の先端からは、ほとんど360度の視界が得られ、積丹ブルーと呼ばれる澄み切った青緑色の海が広がる。追分ソーランラインを走るなら、ぜひとも訪れたい場所だ。
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黄金岬 |
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留萌にある、わずかに張り出した岬が黄金岬だ。このあたりは昔、ニシン漁が盛んで、黄金岬にはニシンの見張り台があった。そして夕陽に映し出された群来(ニシンの群)がきらきらと黄金色に輝きながら岸をめがけて押し寄せたことから「黄金岬」と呼ばれるようになった。それゆえ黄金岬は夕陽がきれいな事で有名でもあり、日本夕陽百選にも選ばれている。黄金岬は夕陽だけでなく波が激しい事でも有名で、スコットランドのウイック、インド南部のマドラスと並んで世界三大波濤に選ばれており、冬の黄金岬沖は波濤が特に激しく、黄金岬には波濤の門と書かれた石碑も建っている。黄金岬は留萌の外れにあり、少し坂があるものの自転車でも行くのは容易だ。岬の先端にキャンプ場まであるのでチャリダーでも夕陽を楽しむ事ができるが、キャンプ場は道に面した駐車場の空きスペースを利用しただけの小さなものなので、少し覚悟がいるかもしれない。夕陽がきれいなだけに、晴れていればぜひとも夕陽を見に訪れたい場所だ。
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湖 |
北海道は面積も大きいだけに湖も多い。北海道の湖の特徴として屈斜路湖、摩周湖、支笏湖、洞爺湖、阿寒湖をはじめとするカルデラ湖や、サロマ湖、能取湖、網走湖、風蓮湖、クッチャロ湖をはじめとする海跡湖が多い。そんな北海道の湖の中でも特に景色のきれいな湖を紹介する。 |
サロマ湖 |
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琵琶湖、霞ヶ浦に次いで日本で3番目に大きな湖がサロマ湖である。サロマ湖は永久湖口と第二湖口を介してオホーツク海と繋がっており、塩分濃度も海に近く汽水湖となっている。元々はサロマ湖は海だったが潮流で湾入部が堆砂によって海と切り離され海跡湖となった。砂嘴は北西側と南東側に合計25kmにも及び、北西側砂嘴には三里浜、南東側砂嘴にはワッカ原生花園が広がる。サロマ湖は夕陽が美しい事でも有名で、サロマ湖の東に位置する栄浦やキムアネップ岬から見る夕陽は格別のものがある。湖が大きいだけあって周囲には景勝地も多いが、意外と国道からサロマ湖が見える場所は少なく、道の駅「サロマ湖」の西側と道の駅「愛ランド湧別」の南側の1kmにも満たない区間しかない。残念ながら南東側砂嘴の先端部は通行止めになっており自転車でサロマ湖を一周する事はできないが、一周87kmととても大きいので走り甲斐はある。サロマ湖を見渡すには道の駅「サロマ湖」の裏側にある幌岩山展望台に登るのが一番で、ここからはカメラにおさまらないほどの見事なサロマ湖のパノラマを堪能する事ができる。サロマ湖に行ったらぜひとも訪れたい場所の一つでもある。
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屈斜路湖 |
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屈斜路湖は日本で6番目に大きな湖であり、また日本最大のカルデラ湖としても有名である。元々火山活動が原因で誕生した湖だけに湖の周囲には温泉が多く存在し、湖岸を掘ると湯が湧き出す砂湯もある。屈斜路湖は1973年に謎の巨大生物クッシーが目撃された事で一躍有名になり、連日マスコミが押しかけ、水中調査まで行った事もあった。今でも屈斜路湖沿いを走る道路はクッシー街道と名付けられ、かわいい恐竜が描かれている。屈斜路湖は周囲57kmあり自転車で湖を一周する事も可能だが、まともな道があるのは湖の南側だけで、北側はダートの林道が続く。湖の南側を走る道道52号線と国道243号線からはあまり屈斜路湖を見渡す事はできないが、国道から一歩湖側に入ると、和琴半島のようなビュースポットが存在する。屈斜路湖はカルデラ湖であるがゆえに、周囲には眺めの良い展望台も多く存在し、南西側の津別峠には標高947mの津別峠展望台、北西側の美幌峠には標高490mの美幌峠展望台、北東側の藻琴峠には標高725mのハイランド小清水725、同じく北東側の小清水峠を下る途中には標高430mの藻琴峠展望駐車公園などがあり、いずれも屈斜路湖を一望できる。
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摩周湖 |
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摩周湖も屈斜路湖と同じく火山の噴火によってできたカルデラ湖であり、摩周湖の中央にある小島カムイシュ島がその溶岩ドームとされる。摩周湖は周囲を300〜400mの絶壁で取り囲まれ、その絶壁からすり鉢状に崖を下ったところに湖面がある。この絶壁は平均水深137mの湖底まで一気に続く。また河川の流入がなく、降雨が周囲の土壌で十分に濾過されてから流入する為、非常に透明度が高く、その透明度は世界一とされる。また、その透明度と湖の深さゆえに摩周湖の湖面はとても澄んだ青色をしており、その色は摩周ブルーとも言われている。摩周湖は霧が深い事でも有名で、晴れた摩周湖を見ると結婚できない(婚期が遅れる)とも言われている。摩周湖を見るには周囲の絶壁に設けられた摩周岳の絶壁が見える第一展望台、カムイシュ島が正面に見える第三展望台、そして別な角度から見る裏摩周展望台の3つの展望台から見る事になる。個人的には一番視界の広く見える第三展望台からの摩周湖の眺めがお勧めだ。自転車で摩周湖に行くには麓の弟子屈や川湯から500m以上登らなければならないので覚悟が必要だが、晴れていればその苦しさに耐えるだけの展望はあるだろう。
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クッチャロ湖 |
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サロマ湖と同様にクッチャロ湖も昔は海だったが、潮流で湾入部が堆砂によって海と切り離された海跡湖である。クッチャロ湖は北西側の小沼と南東側の大沼の2つに分かれており1km程の狭い水路を介して小沼と大沼は繋がっている。クッチャロ湖は日本最北の湖であるが、水深が極めて浅いので、法律上は湖ではなく沼となる。ラムサール条約登録湿地としても有名で、毎年冬になるとコハクチョウが飛来する。クッチャロ湖の周囲には農地があるものの観光地も少なく、あまり開発されていないので自然を満喫できる。お勧めは北オホーツクサイクリングロードとクローバーの丘だ。いずれもほとんど開発されていない自然のままの景色を満喫する事ができる。自然の中で静かに過ごしたいなら北オホーツクサイクリングロードからクッチャロ湖を見下ろす場所がお勧め。クッチャロ湖は夕陽が美しい事でも有名で、クッチャロ湖畔キャンプ場からも夕陽を楽しむ事ができる。
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洞爺湖 |
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洞爺湖も屈斜路湖と同じく火山の噴火によってできたカルデラ湖であり、屈斜路湖、支笏湖に次いで日本で3番目に大きなカルデラ湖である。屈斜路湖同様に湖の周囲には温泉やキャンプ場が数多く存在し、南岸の洞爺湖温泉や有珠山、昭和新山など、観光名所にもなっている。カルデラ湖なので周囲には展望台も多く、湖の西側にあるサイロ展望台が見晴らしもよくお勧め。景色がきれいな事から北海道三大景観の1つにもなっている。洞爺湖ぐるっと一周線という通称の道道が湖を一周36.5km走っており、アップダウンが少ないだけでなく湖のすぐそばを走る見晴らしのいい道なので、洞爺湖に来たらぜひともこの道を走る事をお勧めする。2008年にここでサミットが開催された事から世界的にも有名になった。
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オンネトー湖 |
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雌阿寒岳の噴火により西麓の螺湾川の流れが止められてできた堰止湖がオンネトー湖だ。季節や天候、見る角度によって、澄んだ青、エメラルドグリーン、ダークブルーに色が変わることから、五色沼とも呼ばれている。一周2.5kmの小さな小さな湖で、オコタンペ湖、東雲湖とともに北海道三大秘湖の一つとされているが、一般道からわずかしか見えないオコタンペ湖や、一般道から登山道を3時間ほど歩かなければならない東雲湖に比べると、オンネトー湖は湖の周囲に一般道や散策路が設けられ、キャンプ場や茶屋まで存在し、他の二つに比べると観光地化されている。オンネトー湖の東側には雌阿寒岳と阿寒富士がそびえ、山の稜線から朝日が昇ると、オンネトー湖がそれを反射して見事な景色を見せてくれる。夕陽も同様に楽しむ事ができ、小さな湖ではあるが訪れる価値はある。
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島 |
北海道には瀬戸内海や沖縄ほどではないが、有人の島がいくつか存在する。日本の領土でありながら訪れる事のできない北方領土を除いて、これらの北海道の有人の島を紹介する。 |
礼文島 |
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稚内の西にある日本最北の島が礼文島だ。礼文島の特徴は西からの強い季節風が年中吹き付けて気候が厳しい為、ほとんど木が生えず荒涼とした景色が続く。ゆえに稜線上からの見晴らしもよく、ゴロタ山から見たスコトン岬は有名。礼文島は東側海岸は道路もあって比較的開けているが、西海岸は地形が険しく車の通れる道路はない。その代わりに礼文島は緯度が高い事から平地でも高山植物を見る事ができ、これらの高山植物や珍しい花の観賞を目的としたトレッキングコースが完備されている。その中でも有名なのは礼文島西海岸をスコトン岬から礼文林道の分岐点までを8時間かけて歩くコースだ。このコースは8時間コースと言いながら完走するのに10時間以上かかるという長距離かつアップダウンも激しく過酷な事から、この過酷なトレッキングコースを苦しみながら歩いた事で親密になり、これが縁で結ばれたカップルも多く「愛とロマンの8時間コース」とも呼ばれている。他にも礼文島と言えばユースホステルの桃岩荘が有名。フェリーが香深港に到着すると桃岩荘の宿泊客が歌と踊りで出迎えてくれるので、これを見ると礼文島に来たという実感が湧く。 |
利尻島 |
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稚内の西にあるほぼ円形の島が利尻島だ。利尻島はその中央に日本百名山の最初に選ばれている1719mの利尻岳がそびえ、島全体が一つの山を形成している。利尻富士とも呼ばれるその姿は、あたかも富士山のような円錐形をした独立峰で、美しい事で有名。特にオタトマリ沼から見た利尻岳は美しく、北海道土産を代表する白い恋人のパッケージにも採用されているほどだ。海岸線に沿って舗装道路が整備されており、一周53kmをまわれば島に存在するほとんどの観光地を回る事ができる。利尻島には野塚岬から沓形町までの島の1/4周にわたって自転車道が存在するが、かなりの登りが存在するので、素人がサイクリング気分で走ろうとすると苦しむ事になる。北方領土を除いた北海道の島の中では一番大きな島で、利尻岳が有名な事から観光客も多い。 |
奥尻島 |
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瀬棚町の南西にある島が奥尻島だ。1993年の北海道南西沖地震で壊滅的な被害を受けた事から有名になった。ただ、礼文島や利尻島に比べると観光資源に乏しく、見て回る場所は案外少ない。島は一周できるが島の北西部は海岸線に道はなく、一周する為には標高336mの峠を越えなければならず、おまけに未舗装区間まである。奥尻島で有名な観光地は奥尻エリアにある鍋釣岩である。しかしこの鍋釣岩単独で見てもそれほどおもしろくないので、島の反対側にあるモッ立岩とセットで見学し、かつその2つの岩にまつわる伝説を聞くと楽しめる。 |
天売島 |
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羽幌の西に焼尻島と並んで浮かんでいるのが天売島だ。人口400人強、島の周囲10kmほどの小さな島だが、天敵のいない断崖絶壁の地形から海鳥の楽園とされており、ウミガラス、ウトウ、ケイマフリ、ウミスズメ、ウミウ、ヒメウ、ウミネコ、オオセグロカモメなど100万羽の海鳥が繁殖している。島の南半分は比較的平坦な地形で小さな町が、島の北側は観音崎から赤岩まで断崖絶壁の地形が続き、この天売島は観光地のほとんどがこうした海鳥の観察場所となっている。特に赤岩の周辺にはウトウの巣穴が至る所にあり、6〜7月の夕暮れになると巣穴の周辺で餌をめぐってウトウとウミネコの壮絶なバトルが見られる。海鳥以外には何もない島だが、たまにはこんな僻地でのんびりするのもいいだろう。 |
焼尻島 |
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天売島の手前側にあるのが焼尻島だ。こちらも天売島とほとんど同じ大きさで人口400人弱、島の周囲10kmほどの小さな島だ。天売島は海鳥の楽園だが、隣の焼尻島には海鳥は少ない。焼尻島にもめぼしい観光地は少ないが、島の中央部にはめん羊牧場が広がり、そこでは食用羊のサフォーク種が放牧されている。この焼尻サフォークは、地元でもほとんど食べる事ができず、東京の高級店でしか食べる事ができない程の高級料理だ。島の中央にはオンコ海道という自転車道があり、牧場の中の道を日本海と天売島を見ながら走る事ができるお勧めの道だ。 |
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温泉(眺めの良さ) |
北海道には数多くの温泉が存在する。しかもそのうちのいくつかは無料の露天風呂で、地元の有志によって管理されていたりする。そんな北海道の温泉の中でも、温泉の設備ではなく露天風呂からの眺めのいい温泉を紹介する。 |
熊の湯 |
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羅臼町にある有名な無料の露天温泉が熊の湯だ。国道を挟んだ反対側に国設羅臼温泉野営場があり、そのキャンパーが利用するのはもちろんの事、地元民やマイカーで訪れた観光客も利用しており、混んでいる事が多い。無料の温泉ではあるが管理は行き届いており、毎朝の掃除はもちろんの事、少しでもマナーの悪い入浴客がいると、地元民に厳しく怒られる。熊の湯独自のルールもあるので、更衣室に記載されている十ヶ条をよく読み、それを守って入浴しよう。熊の湯は熱い事でも有名で、長時間湯船に浸かるとのぼせてしまう。だから湯船に浸かっているより湯船の周りで談笑している人の方が多いという、一風変わった温泉でもある。しかし男湯側の湯船には何の囲いもなく開放的で、まさに大自然の中の露天温泉に浸かっている雰囲気を楽しむ事ができる。
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相泊温泉 |
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知床半島の羅臼側からさらに知床岬側に進むと、道道87号線の終点に相泊という集落があり、そこの海岸沿いに無料の露天風呂がある。近くにはセセキ温泉という名の露天風呂もあるが、こちらは道道から丸見えで、しかも混浴なので、ほとんどの人が水着を着て入浴しているので裸で入るには勇気がいるし、水着を着て入るようでは趣がない。それに比べると相泊温泉は男女別の湯船で、湯船の上に簡素な小屋が建てられており、道道から見える事もない。昔は男湯と女湯を隔てる壁が気持ち程度だったので、女性が湯船に浸かるのには勇気がいったが、今ではしっかりした壁ができたので女性でも安心して入る事ができる。三方を小屋の壁で覆われているのでセセキ温泉のような開放感はないが、目の前には根室海峡が広がり、晴れていればその先には国後島も見え眺めはよい。まさに最果ての地にあるのと、熊の湯ほど有名でもないので入浴客は比較的少ない。4月末から9月末までの期間限定の温泉だが、知床半島に行ったらぜひとも訪れたい温泉だ。
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和琴温泉 |
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屈斜路湖の和琴半島に位置する混浴露天温泉が和琴温泉だ。気持ちばかり男女別に隔てられた更衣小屋があるだけで湯船はもちろん混浴。しかも囲いもほとんどなく、観光客が散策がてらに通りかかるのと、昼間は家族連れが水着を着て湯船で遊んでいたりするので水着なしで入るには勇気がいる。しかし夜になると街灯が一切ないので湯船や更衣室は真っ暗となり、月明かりだけで湯船に入る事になるので裸になっても見えないので女性でも恥ずかしくないだろう。湯船の片側半分は山になっているが、塀がないのと湯船からすぐそばに屈斜路湖も見えるので開放的で眺めはよい。この温泉は温度調節に特徴がある。つまり湯船と屈斜路湖とをつなぐ排水路をふさぐと温度は下がり、湯船のお湯を屈斜路湖に流すと温度が上がるのだ。逆のようにも思えるが、実際には湯船のお湯を屈斜路湖に流す事で、その分湯船の底から熱い源泉が湧き上がってくるとの事だ。
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びほろ温泉後楽園 |
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美幌から国道39号線を網走に向かって少し走ったところにあるのがびほろ温泉後楽園だ。外から見ると何やら怪しげなたたずまいで、高級ホテルの温泉に入りなれている人には逆に下町過ぎて入り辛いかもしれない。それもそのはず、ここは温泉だけでなく宿泊が可能なだけでなくプールやゴルフ練習場まであり、それぞれの建物が無計画に取って付けたような形をなしているので、初めて入る人には少々抵抗感がある。しかしその分だけ価格はリーズナブルで、温泉だけなら370円、プールも加えても390円しかしない。昔は370円という銭湯と同じ価格でシャンプー、リンスまで完備していたが、残念な事に2008年から廃止されてしまった。この温泉の特徴は33度のアルカリ性単純温泉と44度の塩化物泉の2つの泉源を持ち、両方とも循環、濾過、加熱をせずに100%掛け流している事にある。しかしそれ以上にいいのは、この温泉の露天風呂から見る景色の良さだ。一般的な温泉の露天風呂は塀で囲まれておりせっかくの露天風呂に入っても空しか見えないというのがほとんどだが、ここは塀がないので湯船に浸かりながら遠くの景色まで見渡す事ができるのだ。露天風呂の温度はかなり低いのでいつまでものんびりと湯船に浸かっていられる。この温泉には家族風呂があり、1000円で小さい湯船を貸し切る事もできる。いずれにせよリーズナブルなので、水着持参で来て、温泉とプールと休憩室を交互に回って一日時間をつぶすのもいいだろう。
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漁り火温泉 |
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島牧にある道の駅「よってけ島牧」の隣にある温泉が漁り火温泉だ。この温泉は更衣室は換気が悪くて蒸しているし湯船は狭いし体を洗う場所も3人でいっぱいになりそうな、かなり小さくてこじんまりとした温泉だ。しかしその露天風呂から見える日本海は絶景だ。湯船からは一切の障害物なしに日本海を見渡す事ができるので、いつまでも露天風呂に浸かっていたくなるほどだ。さらにこの露天風呂からは日本海に沈む夕陽まで見えるので、なおさら素晴らしい。露天風呂から海に沈む夕陽を見る事のできる温泉は多いだろうけど、露天風呂の湯船に肩まで浸かりながら海に沈む夕陽を見る事のできる温泉は少ないだろう。この漁り火温泉の名前も夜になると露天風呂から漁り火が見える事からそう名付けられたらしい。周囲にめぼしい観光地があるわけでもなく地元の人しか利用しないのかもしれないが、この露天風呂に浸かりながら日本海を眺めるのは、一度は経験しておくべきだろう。
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吹上露天の湯 |
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十勝岳に登る途中の吹上温泉の道を挟んだ向かいにあるのが吹上露天の湯だ。ここは無料の混浴露天風呂で、一応脱衣所はあるが、屋根がついているだけで囲いは一切なく、しかも脱衣所も湯船も観光客からは丸見えなので、入るには勇気がいる。上で紹介した同じ混浴露天風呂の和琴温泉でさえ湯船や脱衣所には気持ち程度の生け垣があるのに、ここはそれがまったくない。しかも「北の国から95秘密」で田中邦衛と宮沢りえが入っていた事から一躍有名になり、観光客が大挙して押し寄せるようになった。服を着たまま足湯だけ入っていく観光客が多い。しかしセセキ温泉のように道路から丸見えというわけではなく、一応駐車場から山奥に入っていったところにあるので、まだマシだろう。私が訪れた時には霧で景色はほとんど見えなかったが、それでも滝を見ながら入るワイルドな露天風呂は格別だ。
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伊藤温泉 |
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支笏湖の北の端、国道453号線から道道730号線に入り、アップダウンのある道道を2kmほど走って急な下り坂を下った先に伊藤温泉がある。この温泉には建物内に内風呂があるが、この伊藤温泉の最大の魅力は野性味あふれる露天風呂にある。一度建物から出て駐車場奥の細い階段を下ると岩風呂がある。この支笏湖湖岸のすぐ横に作られた露天風呂からは支笏湖が一望でき、しかも支笏湖側には塀がないのでとても開放的だ。残念な事に石垣がちょっと高いので湯船に肩まで浸かると支笏湖を眺める事はできないが、湯船の中で立ち上がると支笏湖がよく見える。この露天風呂は湯船がかなり深いので立って入るといいだろう。支笏湖を眺める事のできる休憩場所に椅子が用意されており、休憩しながら支笏湖を眺める事もできる。湯船の1m横には支笏湖があり、支笏湖の波の音を聞きながら全面に広がる雄大な景色を眺めつつ入る露天風呂は絶対にお勧めだ。なお伊藤温泉から道道730号線まで戻る道は勾配20%以上という北海道でも類を見ないほどの急坂なので、自転車で来たなら素直に自転車を降りて押して登った方がいいだろう。
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鹿の湯 |
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十勝平野の北の外れから道道1088号線を走ると、突き当たりに然別峡野営場がある。このキャンプ場からさらに奥に100mほど歩いた先に鹿の湯がある。この鹿の湯はシイシカリベツ川沿いにある温泉で、丸い湯船の横には清流が流れているという風情溢れる温泉だ。この温泉は混浴露天風呂で、簡単な脱衣場はあるものの囲いはまったくなく、また水着やパスタオルの着用は禁止されているので、女性にはハードルが高い。しかし野性味溢れる露天風呂は魅力的なので、ぜひとも挑戦してもらいたい。隣にはキャンプ場もあるし、この然別峡は人里離れた場所にあって、一番近いコンビニまで片道30kmも走らなければならないので、ここで宿泊しながら温泉を楽しむのがよいだろう。
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せいわ温泉ルオント |
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国道275号線の幌加内の町の少し北に、道の駅「森と湖の里ほろかない」があり、この道の駅にせいわ温泉ルオントがある。ここの温泉には内湯として4種類の湯船があって泉質を楽しむ事ができ、もちろんサウナも用意されている。そしてこの温泉の最大の特徴が露天風呂からの眺めだ。広大な景色を眺めるというわけではないが、庭園の中に露天風呂があるのでほとんど塀を見ることなく庭園の中の露天風呂を見ることができるのだ。ただの塀だけを見る露天風呂と違って、こうした庭園の中で浸かる露天風呂もなかなかのものだ。
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温泉(泉質) |
北海道には数多くの温泉が存在する。そしてそれら温泉の中にはユニークな特徴のあるものが多数存在する。ここではその泉質や温泉そのものに特徴のある温泉を紹介する。 |
豊富温泉 |
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豊富温泉は稚内の南にある北緯45度の町、豊富町にある温泉だ。豊富温泉は大正の末期に石油の試掘を行っていた時に、地下約800〜900mの地点から天然ガスと温泉が噴出したのが始まりだ。当初はこの石油臭ただよう油分が温泉には適さないと考えられていたが、皮膚病に効果的である事がわかり、浸かってみると肌触りがとてもよく、長時間入浴していても湯疲れしない事から、アトピーなどの皮膚病の湯治客が全国からやって来るようになった。温泉街なので10軒程の温泉宿があり、ふれあいセンターで日帰り入浴も可能。ふれあいセンターには湯治用の浴場と一般客用の浴場があり、湯治用の浴場がお勧め。源泉の油分が多いので一般客用の湯船の湯は油を濾過しており、湯船の表面に油が少し浮いている程度だが、湯治湯は源泉を濾過していないので湯船は油でこってりしており、全身油まみれになって、よく拭いても下着まで油がついてしまう程だ。石油臭が苦手な人にはお勧めできないが、そうでない人は一度は体験するといいだろう。施設内には食堂もあり、一日に何度でも入浴できるので湯治には最適だ。
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晩成温泉 |
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十勝平野の南の端の太平洋沿いにある温泉が晩成温泉だ。この温泉はヨード泉と呼ばれ、高濃度のヨウ化物イオンが含まれており、殺菌作用、皮膚病、高血圧に効く。これだけ高濃度のヨード泉は日本でもほとんど例がなく、同じくヨード泉で有名な青森県浅虫温泉の100倍のヨウ化物イオン濃度がある。よって湯船の湯は赤ワインのような色をしており、ヨードチンキの臭いがして湯船に浸かっていると全身消毒されているような気分に浸れる。晩成温泉は露天風呂こそないものの、内風呂からは太平洋を一望する事ができ、柵や塀などの邪魔物もないので眺めもすばらしい。これだけ立地条件がいいなら露天風呂を用意してほしいところだ。この晩成温泉は格安で宿泊できるだけでなく、温泉の広い休憩室には食堂もあるので、のんびりと休憩するにはいいだろう。
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神居岩温泉 |
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留萌の町から東の山裾に少し入ったところにあるホテル神居岩の温泉が神居岩温泉だ。この温泉の泉質は、慢性皮膚病や動脈硬化に効く単純硫黄冷鉱泉と、リウマチなどに効果があるナトリウム塩化物泉の二種類がある。しかしそれ以上にこの温泉を有名にしているのが漢方で使う八種類の薬草を配合した漢方皇源薬湯風呂だ。この薬湯は臭いがきつく、唐辛子成分が入っているので湯に浸かると体のあちこちに刺激を感じるが、その効能は抜群で、循環器系疾患や神経疾患に効くとされる。残念な事にこの温泉は内風呂だけで眺めがいいわけでもないが、風呂はホテルの規模の割には各種の湯船が用意されておりなかなかよい。ぜひとも漢方皇源薬湯風呂に浸かって刺激を味わってもらいたい。
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阿寒ビューホテル |
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阿寒湖畔にあるツアー客用の立派な観光ホテルが阿寒ビューホテルだ。温泉は一応、掛け流しの天然温泉だが、それほど泉質に特徴があるわけではない。その代わりにここの湯船はとてつもなく広いのだ。まるでプールと間違えてしまう程広い。残念な事に湯船が浅いので泳ぐ事はできないが、あまりの広さに泳ぎたくなる事は間違いない。湯船に隣接して温水プールもあるので、泳ぎたくなったらプールに行けば泳ぐ事もできるが、もちろんプールに行くには水着が必須となる。露天風呂もあるが露天風呂は1つしかないので時間帯によって男女を分けている。残念な事に2009年でホテルが閉館してしまい、今は温泉に入れなくなってしまった。早くどこかの会社が後を継いでくれる事が望まれる。
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永寿湯 |
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函館の湯の川温泉にある庶民向けの銭湯が永寿湯だ。銭湯と言っても掛け流しの天然温泉だ。ただの庶民向けの銭湯である永寿湯のどこに特徴があるのかと言うと、とてつもなく熱いのだ。そもそも湯の川温泉は温泉が熱いとされているが、永寿湯はその中でも飛び抜けて熱いのだ。湯船は「低温(43℃)」「中温(45℃)」「高温(47℃)」と書かれた3つの湯船があるが、低温と書かれた湯船でも熱くて長時間入る事はできない。なぜなら記載されている温度は目安に過ぎず、低温でも45℃程の温度があるのだ。高温は55℃程の熱湯風呂なので手を入れる事もできないほど熱い。この温泉は65.4℃の源泉を加水せずに屋外のパイプで空冷して、さらに「高温」の湯船で冷ましているそうで、「高温」の湯船は人が入るようには考えていないようだ。熱い風呂… いや、熱湯風呂が好きな人はぜひとも永寿湯でチャレンジしてもらいたい。
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施設 |
北海道には観光目的や研究保存、勉学等の為に様々な施設が存在する。これらの施設の中でも特にお勧めの施設を紹介しよう。 |
旭山動物園 |
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旭川の外れにある行動展示で有名な日本最北の動物園。1967年に開園し、その後は右肩上がりに入園者も増えたが、1983年を境に減少し、1996年には入園者がピーク時の4割近くまで落ち込み、閉園の危機に直面した。しかし旭山動物園では1997年から動物の姿形を見せる事に主眼を置いた形態展示ではなく、行動や生活を見せる行動展示を次々と導入し、その度に入園者を増やし、2004年にはとうとう夏期入園者が上野動物園を抜いて日本一を達成するまでになった。その偉業は奇跡とも言われ、ドラマ化や映画化、ドキュメンタリーなど、多くの作品化やメディアで取り上げられている。旭山動物園の特徴は行動展示にあり、その中でも特にあざらし館の円柱水槽やぺんぎん館の水中トンネルは普段見られない動物の泳ぐ姿が見られるとあって人気だ。 |
博物館網走監獄 |
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網走の天都山のふもとにある有名な博物館が網走監獄だ。この網走監獄は明治45年から昭和59年まで実際に使用されていた五翼放射状平屋舎房を中心とした網走刑務所の施設そのものを、そのままの形で現在の網走刑務所の場所から、天都山のふもとに移築し、博物館として公開したものだ。おそらく刑務所としてもっとも有名な網走刑務所の実際の施設を見られるとあって人気は高く、ツアーの観光バスの巡回先にもなっており観光客がひっきりなしに押し寄せてくるほどだ。さすがに有名なだけに展示内容はしっかりしている。一番のお勧めは監獄食だろう。安価で囚人と同じ物が食べられるとあって人気は高い。訪れたら一度は食べたい料理だ。 |
知床博物館 |
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斜里の町外れにある博物館が知床博物館だ。この知床博物館は斜里町開基100年を記念し、1978年に開館した博物館で、知床半島の動植物を中心とした自然と斜里の歴史を中心に資料の収集と展示している。小さな町の運営する博物館としてはかなり展示内容のしっかりした博物館と言えるだろう。じっくり見ていると半日は時間がつぶせそうなボリュームだ。すさまじい数の剥製があり、知床に住む剥製の動物を間近で見る事ができる。この知床博物館では傷ついたり病気になった鳥を保護する鳥類保護舎があり、その中にオオワシとオジロワシがいるので、滅多に見る事のできないこれらの生きた猛禽類を観察するのもよいだろう。入館料300円と無料ではないが、価格の割には展示内容のしっかりした好感の持てる博物館だ。知床に行って時間が余ったらぜひとも訪れる事をお勧めする。 |
池田ワイン城 |
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池田町にある中世ヨーロッパの古城を模したお城が池田ブドウ・ブドウ酒研究所、通称池田ワイン城だ。このワイン城の地下にはワインが静かに眠る地下熟成室、1階は土産物を取り揃えたショッピングエリア、4階にはレストラン、屋上には展望広場がある。このワイン城は入場料やワイン熟成室の見学料が無料なだけでなく、ショッピングエリアにはワインの無料試飲コーナーまであり、十勝ワインをタダで飲む事もできる。また、1日2回無料のガイドツアーが開催されており、ガイドの説明を聞きながらブドウ畑、地下熟成室などの他に通常の見学では見る事のできない場所まで案内してくれる。さらにこのワイン城は十勝平野を見下ろす清見の丘の上にあり、屋上から見る景色が素晴らしいだけでなく、ワイン城から見る十勝平野に沈む夕陽は素晴らしく、日本夕陽百選に選ばれている程だ。4階のレストランで十勝ワインを飲みながら、日本夕陽百選に選ばれた夕陽を楽しんではいかがだろうか。 |
風の館 |
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襟裳岬にある風をメインとした展示観光施設。世界中の天気から襟裳周辺の局地的な気象予報までを、気象協会から直接送られてくる最新の情報を画面を通して提供していたり、アザラシウォッチングと称して、肉眼では見えない襟裳岬のアザラシを高性能な望遠レンズを用いてモニターに映像を映し出している。そして一番の楽しみは「えりも風体験」だ。襟裳岬は風速10m以上の風の吹く日が年間290日以上もある日本屈指の強風地帯なので、「えりも風体験」では風速25m/sもの風を体験する事ができるのだ。風速25m/sともなると歩く事はもちろんの事、まっすぐ立っている事も難しく、そんな強風をぜひとも体験して頂きたい。 |
レ・コード館 |
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道の駅「サラブレッド・ロード新冠」にあるレコードに関する博物館がレ・コード館だ。このレ・コード館には全国から集まった65万枚のレコードを視聴できるコーナーや、蓄音機の歴史や、エジソンのフォノグラフ、グラハム・ベルのグラフォフォン、エミール・ベルリーナのレコードなど三大発明と、その蓄音機が展示されたミュージアムがある。レ・コード館の発端は、1990年冬、町内音楽サークル「一枚のレコード」が全国のレコード愛好家に「あなたのレコードを、いつまでも大切にお預かります」と呼びかけるアイディアから発展したもので、過疎の町「新冠」を活性化するユニークな発想であると町が認め、ふるさと創生資金を活用した町づくりとして1997年に、その中核施設となる「レ・コード館」がオープンしたそうだ。そして蓄音機を使った演奏会があり、そこでは歴史的な蓄音機4台を用いた演奏会が開催され、受付のお姉さんから親切丁寧に教えてもらえるのでぜひとも参加したい。 |
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キャンプ場(眺めの良さ) |
広大な北海道にはそのあり余る土地と自然を利用した数多くのキャンプ場が存在する。ここではキャンプ場からの眺めの良さを特徴としたお勧めのキャンプ場を紹介する。 |
かもめ島キャンプ場 |
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江差町にある鴎島の北の端にある無料のキャンプ場がかもめ島キャンプ場だ。このキャンプ場は車やバイクはもちろんの事、自転車でさえも本土側の駐車場に止めて、そこから木橋の架けられた砂州を渡り170段ほどの階段を登って、さらに歩いたところにキャンプ場はあるので、不便きわまりなく利用者は少ない。しかしこの鴎島から見る夕陽は夕陽百景に選ばれており、キャンプ場からも見事な夕陽を見る事ができる。しかも高台の上にあるので西側は日本海、東側は江差の町並みと風力発電機群を見渡す事ができ、眺望もよい。このキャンプ場は炊事場やトイレも最低限の物しかないので持ち運びも含めて、ここに泊まると決めた時点で不便さは覚悟しなければならないが、その不便な目に遭ってでも景色のすばらしさは捨てがたいものがある。鴎島には散策路がありキャンプ場内にも地元の人が散歩に来る事が多いし、下には海水浴場があるので、水着でキャンプ場内を歩き回る人もいるのでので、キャンプするには落ち着かないかもしれない。もちろん見所は夕陽だが、夕陽が沈んだ後、数百羽のウミネコが空を覆い尽くさんばかりに飛び回るのも壮観だ。
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霧多布岬キャンプ場 |
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霧多布岬の高台の上にある無料のキャンプ場が霧多布岬キャンプ場だ。このキャンプ場は遮る物のない高台の上にあるので、キャンプ場から太平洋に落ち込むアゼチ岬の断崖絶壁を見る事ができる。さらにキャンプ場から少し行けば霧多布岬があるので、そこからは太平洋を見渡す事もできる。しかしこの霧多布岬の最大の特徴は、その名が示す通り霧の多さにある。霧が多くて残念ながら景色を楽しめる日は少ないが、その霧ゆえに夏でも温度が上がらず、おそらく日本の平地にあるキャンプ場で一番夏涼しいのがこの霧多布岬キャンプ場ではないかと思えるほどだ。よって夏でも朝晩の防寒対策は欠かせないのと、海に面した遮る物のない高台の上にあるので風には注意する必要がある。無料のキャンプ場であるのと温泉やコンビニまでそれほど遠くないのでライダーが多く集まるキャンプ場でもある。トイレはくみ取り式でお世辞にもきれいとは言いにくいが、炊事場は屋根付きで広くてきれいだ。フリーサイトのスペースはそれほど広くはないので、シーズン中に行くとかなり密集してテントを張る事になる。
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浜小清水前浜キャンプ場 |
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浜小清水駅の裏手にあるピラミッドのようなフレトイ展望台の麓にあるキャンプ場が浜小清水前浜キャンプ場だ。あまり知られていないのか利用者は少ない。ここは一般的なキャンプ場とは大きく異なり、トイレや炊事場のある場所のスペースは非常に狭く、テントをいくつか張ったらそれでいっぱいになってしまう。しかしそこから海岸に降りたところにもテントは張れるので、海岸の砂浜を利用すればテントは張り放題だが、砂浜には炊事場やトイレもないので、ここにテントを張るとかなり不便を強いられるだろう。このキャンプ場の最大の特徴はすぐ隣にフレトイ展望台がある事だ。このフレトイ展望台まで登れば、昼間は目の前にオホーツク海が広がるだけでなく、濤沸湖や網走、そして遠く知床連山まで見渡す事ができる。そして夕方になるとオホーツク海に沈む夕陽を見る事ができるのだ。この景色の為だけにもこのキャンプ場に泊まる価値はあるだろう。トイレや炊事場は広くてきれいだし、雨が降ったら炊事場にテントを張る事もできる。道の駅が近いのでラーメン屋やスーパーも歩いて行ける距離にある。このキャンプ場は他のキャンプ場と違ってかなり特徴的なキャンプ場なので人によって好き嫌いがはっきりと分かれるだろう。ちなみに管理人さんは温泉までは近いと言うが、実際には2km以上あるので歩いて行くのはお勧めしない。キャンプ場が海のそばの高台の上にあるので風には注意する必要がある。風が強い時にはトイレを風除けとして使うのがベストだ。
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キムアネップ岬キャンプ場 |
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サロマ湖に突き出た半島がキムアネップ岬。そのキムアネップ岬の先端にある無料のキャンプ場がキムアネップ岬キャンプ場だ。ここに来るといつも思うのだが周りに人家はなく、最果ての荒野に来たような気にさせる。かつてはトイレも炊事場もボロかったが、2008年に炊事場とトイレが改修され一気にきれいになった。それでもだだっ広いフリーサイトは変わっておらず、シーズンになると家族連れが大挙して押し寄せるが、駐車場に近い場所が混雑するだけで、奥の方まで込む事はない。このキャンプ場はサロマ湖に突き出た半島の先にあるので朝日と夕陽の両方を楽しむ事ができる。キャンプ場は無料だし眺めもいいが、このキャンプ場をベースキャンプとする人は少ない。なぜならこのキャンプ場は蚊とブヨが異常に多く、少しでも立ち止まったり手を止めると、あっというまに刺されてしまうのだ。それと遮る物のない吹きさらしのキャンプ場なので、風は覚悟しておこう。他にもコンビニは15kmほど離れた常呂まで行かないとないし、5kmほど離れた場所に温泉ホテルはあるが、高級ホテルで入浴料がとても高いのでチャリダーにはお勧めできないなど、問題点も多いキャンプ場ではあるが、せっかくこのキャンプ場に泊まったなら朝日と夕陽は楽しんでおこう。
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和琴半島湖畔キャンプ場 |
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屈斜路湖に突き出た和琴半島の根元の屈斜路湖湖畔にあるキャンプ場が和琴半島湖畔キャンプ場だ。このキャンプ場の最大の特徴は屈斜路湖湖畔のすぐそばまでテントが張れる事だ。海ではないので満ち潮や波が荒れる心配もないし、せっかくこのキャンプ場に来たのなら、屈斜路湖のすぐそばにテントを張って暮れゆく屈斜路湖を楽しもう。この和琴半島湖畔キャンプ場はキャンプ場には珍しくファミリーとライダーのサイトが完全に分けられているのが評価できる。一般的にこういった湖畔のキャンプ場は眺めのよい湖畔沿いはファミリーのテントが足の踏み場もないほど所狭しと張られてしまい、ライダーは片隅に追いやられるのが普通だが、このキャンプ場はファミリーとライダーが分けられているので、シーズン中の遅い時間にキャンプインしても湖畔沿いにテントを張る事ができる。しかもライダー側のサイトであれば子供のうるさい叫び声も聞かなくて済むし、何より周りはライダーばかりなので、自然と仲間になって夕食を共にするなどキャンプを楽しむ事もできる。しかも歩いて行ける場所に無料の混浴露天風呂まであるのでライダーの利用者も多い。欠点はコンビニが遠い事と、チャリダーにとっては砂浜に自転車を持ち込む事ができず、テントそばにバイクを持ち込めないライダーの苦労を味あわなければならない事くらいだろう。ゴミ箱があるのは嬉しいがコインランドリーの料金が異常に高いのはいただけない。
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キャンプ場(ベースキャンプ) |
広大な北海道にはそのあり余る土地と自然を利用した数多くのキャンプ場が存在する。ここではライダー達がテントを張りっぱなしにして、そこをベースキャンプとして観光地を回りに行くような、そんなキャンプ場を紹介する。 |
呼人浦キャンプ場 |
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網走から国道39号線を美幌方面に走ると網走湖の湖岸に呼人浦キャンプ場がある。ここは網走に近くて2〜3km程走れば網走の街に出るし、温泉も国道と線路を越えて500m程歩けば立派な観光ホテルの温泉に入る事ができる。なによりこのキャンプ場の魅力は無料である事と、フリーサイトがとても広くアスファルトが敷いてあるので、バイクをテントの横まで持ち込む事が可能だ。ゆえにライダーがここにテントを張りっぱなしで、ここを拠点として活動する事が多く、おそらく道東のベースキャンプとしては一番有名だろう。欠点はキャンプ場の横に国道とJR石北本線が走っているのでうるさい事。国道はまだマシだが、早朝からJRの特急が汽笛を鳴らしながらキャンプ場の横を通過するのには閉口する。それと、せっかくキャンプ場は広いのに炊事場やトイレが中央に1つしかなく、どうしても中央にテントが集まってしまう事。せっかくこれだけ広いのだから2〜3ヶ所は用意してほしいところだ。キャンプ場内には無料の休憩舎があり、休憩ができるのはもちろんの事、雨が降った時にはここで炊事や食事も可能だ。網走湖に面したキャンプ場なので、網走湖に沈む夕陽を見る事も可能で、ロケーションも良いのも人気の一つだろう。無料のキャンプ場なのにゴミ箱まであるのもよい。
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国設知床野営場 |
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ウトロの街からホテル街の丘を登った外れにある有料のキャンプ場が国設知床野営場だ。ここは通路にも車の乗り入れができ、場所によってはオートキャンプも可能なので、比較的家族連れが多い。しかしウトロの街に近く、歩いて行ける場所に温泉もあり、知床の中心地としてライダー等も多く、シーズン中には家族連れ、ライダー、チャリダーなどが大挙して押し寄せる。かなり広いキャンプ場なのでテントを張る場所に困る事はないが、荷物の搬入の容易な通路のそばはすぐに埋まってしまう。チャリダーなら自転車を持ち込めるので中心付近の空いた場所にテントを張るのがいいだろう。森の中のキャンプ場で、あたかもキャンプをしていますという雰囲気を味わえる。すぐそばには夕陽台という展望台があり、その名の通りここから眺める夕陽はすばらしい。昔はトイレも炊事場も小さくて汚かったが、世界遺産登録の影響か、最近では徐々に改善されているようだ。1泊400円と有料だが長期滞在する人も多く、ここをベースキャンプとして知床五湖やカムイワッカ湯の滝、羅臼岳に行くのもよいだろう。サイトの奥には大きな炊事場もあり、雨が降ったらここで炊事する事もできる。
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国設羅臼温泉野営場 |
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羅臼の町から国道334号線を知床峠方面に少し登ったところにあるキャンプ場が国設羅臼温泉野営場だ。昔は無料のキャンプ場だったので、シーズン中はブルーシートの長期滞在者やライダーで溢れ返っていたが、2005年から1泊300円の清掃協力金を取るようになり、利用客は少し減ったように見えるが、それでもシーズン中はライダーが多数訪れる。人気の秘密は国道を挟んだ向かい側に無料の露天風呂「熊の湯」がある事。この熊の湯は早朝の清掃時間を除くと24時間無料で入浴でき、しかも露天風呂は開放的で雰囲気があるだけでなく、無料なのに管理が行き届いており、人気の秘密になっている。このキャンプ場の欠点は、テント床が20ヶ所ほど用意してあるが、シーズン中はここをベースキャンプとする人が多く、テント床はほとんど埋まっている。テント床以外の場所は水はけが悪い場所が多く、雨が降ったら水浸しになる事が多い。それでもこのキャンプ場をベースキャンプをする人は多く、ライダー仲間ではこの場所で毎年集まって語らう事も多いようだ。
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つるいキャンプ場 |
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鶴居村の町中にある無料のキャンプ場がつるいキャンプ場だ。鶴居村にはコンビニがないので、コンビニに行くには10kmも走らなければならないが、キャンプ場から歩いて行ける場所にAコープがあるので買い物で困る事はないし、温泉も歩いて行ける場所にグリーンパークつるいがあるので非常に便利だ。このキャンプ場は町中にあり、場所によってはオートキャンプも可能でありながら無料という事もあって地元民や家族連れだけでなく、ブルーシートの長期滞在者も多い。またサイト内にアスファルトの小道が走っているのでライダーもテントのそばまでバイクを持ち込める事もあり、ライダーのベースキャンプとしても利用されている。利用者は多くシーズン中は混んでいる事が多いが、サイト自体はかなり広くてフラットなので、場所を選ばなければテントを張る場所には困らない。4km程離れた所につるい村民の森オートキャンプ場があり、こちらもオートキャンプ場なのに無料なので家族連れには人気が高いが、ライダー、チャリダーにはつるいキャンプ場の方がお勧めだろう。
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開陽台キャンプ場 |
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開陽台の展望台裏にある無料のキャンプ場。正式にはキャンプ場ではないが、キャンプ場として黙認されている。その魅力はキャンプ場のすぐ隣にある展望台から見る根釧台地の360度の展望だ。しかも開洋台のまわりの道は防風林に囲まれた、どこまで走ってもまっすぐな道が続き、ライダー憧れの場所である事から、この開陽台キャンプ場はライダーの聖地とさえ言われている。しかし展望以外の条件は厳しく、まずサイトまでかなり荒れた道を走るので自転車を押していくかオフロードバイクでないとサイトに乗り付ける事ができない。オンロードバイクの人は下の駐車場から延々と階段を登る事になる。またコンビニや温泉は15km程離れた中標津の町まで行かないとない。さらにサイトは昼間観光客だらけの展望台から丸見えだし、風を遮るもののない吹きさらしのキャンプ場なので、風の強い日には設営にも困る事だろう。ゆえに利用者のほとんどが百戦錬磨のライダーとなっているが、その一部のライダーからは絶大な支持を集めている。
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キャンプ場(便利さ) |
広大な北海道にはそのあり余る土地と自然を利用した数多くのキャンプ場が存在する。ここではコンビニや温泉がすぐそばにある、極めて便利な立地条件のキャンプ場を紹介する。 |
月形皆楽公園キャンプ場 |
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月形の町外れの皆楽公園にあるキャンプ場が月形皆楽公園キャンプ場だ。有料のキャンプ場ではあるが費用が一泊100円と激安なので、シーズンともなると家族連れが押し寄せてくる。しかも通路沿いに車を止めれば事実上オートキャンプも可能となるので、なおさら利用者は多い。ここは月形の町に近い公園の中にあるキャンプ場なので隣に温泉ゆりかごやラーメン屋などがあり、歩いて行ける場所にコンビニまであるのでとても便利だ。サイトは通路沿いにフリーサイトが広がり、中州にも設営可能だが、中州にはトイレや炊事場がないので管理棟に近い通路沿いが便利だ。あくまで公園の中のキャンプ場なので昼間は公園に遊びに来た地元客も多く、昼間もずっとテントを張ったままどこかに出かけるというベースキャンプとしてはあまり向かないかもしれない。しかし24時間利用可能なコインランドリーや無料の休憩所、バーベキューハウスなどがあり、雨が降ったらそこに避難する事も可能で、チャリダーやライダーが1泊するなら便利な場所と言えるだろう。
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北村ふれあい公園キャンプ場 |
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北村の町中にあるふれあい公園の中にある無料のキャンプ場が北村ふれあい公園キャンプ場だ。このキャンプ場も便利な町中にありながら無料なので便利さはすこぶるいい。駐車場のそばにテントを張ればオートキャンプも可能だが、実際にはオートキャンプできる場所は限られている。サイト内にバイクの乗り入れはできないのでライダーには少し不便だが自転車は持ち込みできる。札幌に近い無料のキャンプ場とあってシーズン中には家族連れが押し寄せ、駐車場の近くは足の踏み場もないほどテントがひしめくので、チャリダーなら自転車でキャンプ場内に乗り込んで公園の奥の方の家族連れから離れた静かな場所にテントを張りたいものだ。町中の公園の中がキャンプ場になっており、昼間は地元民が公園として利用するので、ここに昼間テントを張ったまま出かけるというベースキャンプとしては向かないだろう。公園内には池もあるが、元々キャンプ場ではなく公園なので、トイレや炊事場が入り口の1ヶ所しかなく、ロケーションを求めて池のそばにテントを張るとトイレや炊事場に行くのが不便になるだろう。しかしキャンプ場の隣にホテル北村温泉ややすらぎ温泉があるし、道道6号線を挟んだ向かいにコンビニがあるので、何かにつけて非常に便利な場所にある。
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鏡沼海浜公園キャンプ場 |
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天塩の町外れにあるキャンプ場が鏡沼海浜公園キャンプ場だ。このキャンプ場はかつて、キャンプが無料なのはもちろんの事、温水シャワー、洗濯機だけでなく併設するライダーハウスまで無料で、有料なのはコテージと乾燥機だけという大盤振る舞いなキャンプ場だった。しかし無料のライダーハウスに長期滞在者が住み着くようになり、2005年からほとんどが有料となってしまったが、それでも一泊100円という良心的価格だ。このキャンプ場の裏にはてしお温泉夕映があり、500〜600mほど離れた所にはコンビニもある。さらに前述の通りキャンプ場には一泊100円のライダーハウスが併設されているので、雨が降った日にはライダーハウスに逃げ込むという手もある。欠点は海に近い吹きさらしのキャンプ場なので風が強い事と、ゴミ箱がない事、芝生がほとんどなく砂地のキャンプ場なのでペグの刺さりが悪い事くらいだろう。キャンプ場から海は見えないが、少し走れば日本海が見えるので夕陽を楽しむ事もできる。バイクなら風車の並ぶオトンルイ風力発電所まで15kmほど走って利尻富士をバックに夕陽を楽しむのもよいだろう。
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沙流川オートキャンプ場 |
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日高町の町外れにあるキャンプ場が沙流川オートキャンプ場だ。ここは基本的にはオートキャンプ場であるが、フリーサイトがとても広く、バイクもテントまで横付けできる。このキャンプ場も日高町に近いので500〜600mほど行けば沙流川温泉ひだか高原荘やコンビニ、そしてAコープまである。キャンプ場はオートキャンプ場らしく設備も整っており、トイレや炊事場も多く、適度に木立もあってキャンプしている雰囲気は満点だ。欠点はオートキャンプ場と同居しているので、夜中に帰ってきた車がテントの横をライトを付けたまま通り過ぎるので、寝ていても起こされる事が多い。ここは公園ではなくキャンプ場なのでベースキャンプとしても利用可能だが、料金が500円と少し高いのでライダー達がベースキャンプとして使う事は少ない。雨が降った時にはバーベキューハウスや炊事場にテントを張る事も可能だが、多少の雨程度であれば木立の下にテントを張れば雨は十分しのげるだろう。
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しべつ海の公園オートキャンプ場 |
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標津町の町中に2006年に完成したばかりのキャンプ場がしべつ海の公園オートキャンプ場だ。このキャンプ場は町中にあるので、すぐ近くにホテル川畑という日帰り入浴可能な温泉やコンビニがあり、しかもキャンプ場の入り口にはスナックまで何軒か並んでいるし寿司屋もある。北海道を旅するライダーやチャリダーが旅先でスナックを利用するとは考えにくいが、それくらい繁華街にあるのだ。なお、テントを張る場合はスナックのカラオケの音がうるさいので、できるだけ入口から離れた場所をお勧めする。サイトは海沿いの平坦な場所に設けられており、比較的広い事もあって強い風を除けば設営に困る事はないだろう。広い芝生の中にアスファルトの小道があるので、ライダーでもテントの横までバイクを持ち込む事が可能で、ライダーの利用客も多い。欠点はキャンプ場のすぐ隣に民家があるのであまり騒げない事と、町中のキャンプ場で自然といえば防波堤とテトラポットだらけの雰囲気のない根室海峡しかないので、あまりアウトドアをしている気にはなれない事だろう。釣り好きの人にはいいかもしれない。 |
女満別湖畔キャンプ場 |
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女満別の駅裏の網走湖湖畔沿いにあるキャンプ場が女満別湖畔キャンプ場だ。キャンプ場の正面に女満別駅があり、歩いて行ける範囲に温泉が2ヶ所、そして駅の反対側にはコンビニもあり便利さでは引けをとらない。何よりこのキャンプ場の最大の魅力はそのロケーションにある。木々に囲まれた静かな波打ち際にテントを張るとそれだけで日頃の喧騒を忘れてしまう。そして網走湖に夕陽が沈む頃には、その素晴らしい眺めにすっかりと虜になってしまう事だろう。ただしシーズン中の昼間はキャンプ場内でシジミ取りをする家族連れが多くて落ち着かない。このキャンプ場は通路に車やバイクの乗り入れができるの事からオートキャンプが可能で、また1泊300円と比較的リーズナブルな事からシーズン中には家族連れが押しかける。残念ながら10km程北に無料の呼人浦キャンプ場があるのでライダーはほとんど利用していないが、ロケーションはこちらの方がよいだろう。このキャンプ場は雨が降った時に逃げ込む場所がないだけでなく、水はけが悪くて雨が降ると地面が水浸しになるので、雨の日は利用しない方が無難だろう。
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キャンプ場(誰も来ない) |
広大な北海道にはそのあり余る土地と自然を利用した数多くのキャンプ場が存在する。ここでは誰にも邪魔されずひっそりと自分だけの世界を築きたいという人の為に、ほとんど人の訪れないキャンプ場を紹介する。 |
川汲公園キャンプ場 |
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函館の東側、亀田半島の北側の付け根に位置する無料のキャンプ場が川汲公園キャンプ場だ。ここはひっそりとした公園をキャンプ場にしたような感じで、キャンプ場としての設備はそれほど整っていない。どちらかと言えばワイルドなキャンプ場だろう。その証拠にキャンプ場の入り口には怖い熊の絵と「熊出没注意!」と書かれた看板があり、あまり足を踏み入れたくなる場所ではない。ゆえに訪れる人も少なく、シーズン中でも利用客はほとんどいない。ここにテントを張ればきっと広大なキャンプ場を独占できる事だろう。ただし、夜の森に一人でいるのがこんなにも寂しいという事も実感できる。公園の入り口には広大な駐車場があり、暴走族の集合場所になっているようなので、運悪く彼らに遭遇したら警察を呼ぶかあきらめよう。 |
かもめ島キャンプ場 |
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かもめ島キャンプ場はフリーサイトが2つある。1つは本土側の砂浜沿いにある。ここは駐車場の横にあるのでファミリーのテントが所狭しと張られている。しかしかもめ島側のキャンプ場は前述の通り、車やバイクはもちろんの事、自転車まで本土側の駐車場に止めて、そこから木橋の架けられた砂州を渡り170段ほどの階段を登って、さらに歩いたところにキャンプ場があるので、不便きわまりなく利用者は少ない。それでも高台から眺める景色はすばらしく、例え苦労してでも上まで登った方がよい。誰もいないキャンプ場で沈みゆく夕陽を眺めながら、のんびりと静かに時間を過ごすなら、このキャンプ場は最適だろう。鴎島には野生のキタキツネが住み着いているので、ゴミや食べ物の扱いには注意が必要だ。 |
雄冬キャンプ場 |
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国道231号線沿いの雄冬の町にあるバス停の横にある無料のキャンプ場。ここはキャンプ場と言うより国道沿いの海岸に面した駐車場といった感じで、とてもキャンプ場には見えないし、実際にキャンプをする人は少ない。キャンプ場も極めて小さく、ファミリー用のテントなら3〜4つも張れば限界だろう。国道に面したバス停横にフリーサイトがあり、キャンプ場と道路を隔てるものは何もないので、すぐ横の国道を走る車の音はうるさいし、道路から丸見えだ。上記の通りロケーションは悪いが、キャンプ場が海岸沿いにあるので日本海に沈む夕陽も見られるし眺めはいい。さらにトイレと炊事場はキャンプ場の規模に比べると立派だ。国道の隣なので静かにというわけにはいかないが、こんな場所でキャンプする人はほとんどいないので、国道を走る車からの視線が気にならなければ一人でのんびりできる事だろう。 |
来止臥野営場 |
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釧路と厚岸の間にある太平洋岸沿いの無料のキャンプ場が来止臥野営場だ。このキャンプ場に来ると地の果てに来たような気がする。近くに人家はまったく見えないし、海に面した高台の上の吹きさらしのキャンプ場は、何だが人跡未踏の僻地を探検しているような気分にさせてくれる。もちろんコンビニや温泉などは釧路まで10km以上走らないとないし、何より来止臥野営場に行くまでに山越えがあったりダートを1km程走らなければならず、なおさら訪問客を訪れにくくしている。こんな具合だから、このキャンプ場を訪れる人は極めて少ない。しかし高台から見下ろす太平洋は眺めがいいし、近くに遊歩道が完備していたり、予想外にトイレが立派だったりする。誰もいないキャンプ場で太平洋を眺めながら誰にも邪魔されずに静かにのんびりと過ごすなら、このキャンプ場は最適だろう。 |
大沼野営場 |
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苫小牧の20kmほど東にある大沼の畔の野営場で、案内板がほとんどなく、たどり着くのが非常に難しい野営場。設備は炊事場とトイレだけの最小限で、特にトイレは汲み取り式で外でした方がマシと思えるほど汚い。しかし大沼の湖畔の比較的広いサイトは車やバイクの乗り入れ可で、湖畔でも林間でもオートキャンプが好きなだけできる。訪れるキャンパーもほとんどいない事から気兼ねなくのんびりできる事だろう。料金は一泊520円と有料だが、平日は管理人が巡回に来ないのでタダでキャンプ可能。欠点はコンビニや温泉が近くにない事と、入り口には急なダートを走る必要があり、しかも案内板がほとんどないからたどり着くのが難しい事くらいか。
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