昨日、テントを設営した時には7〜8m/sの風が吹き荒れていたが、夜になると風もおさまり、幸いな事に朝まで穏やかなままだった。おまけに雨も降らなかったようだ。4時20分に起床。今日は晴れるのではないかと考え、天気次第では日の出公園展望台から日の出を撮るつもりでいたが、残念ながら空は一面の曇り空で日の出が見れそうにはなかった。天気予報を確認しても旭川の今日の天気は曇り一時雨、明日は晴れ一時雨になっている。これなら美瑛はあきらめて、今日はかなやま湖か日高まで走る事にしよう。 まだ朝早かったので、のんびりと朝食にラーメンを作り、昨日の夕食で食べそこねていたカップ野菜と一緒に食べる。それからテントの撤収を始めたが、のんびりし過ぎたようで出発は6時になってしまった。昨日のドイツ人のチャリダーはまだ寝ていたのて挨拶なしで出発する。
展望台の上まで登り自転車を絡めて写真撮影を繰り返す。太陽が出ていないのは残念だが、ここからの眺めはなかなかのものだ。今まで富良野といえば中富良野森林公園キャンプ場しか泊まった事がなかったが、そこは高台の上にあって自転車で行くのに苦労する割には眺めが良くない。それに比べるとこの日の出公園オートキャンプ場はキャンプ場までそれほど登りがあるわけではないのにすぐ隣に眺めの良い展望台があり、すっかりと私のお気に入りのキャンプ場になってしまった。 この日の出公園の駐車場にはキャンピングカーが2台ほど止まっていた。昨日私に話しかけてくれた人の車も止まっていたので、きっとこの公園で泊まったのだろう。日の出公園はタダだしトイレはあるし駐車場も眺めがいいのでキャンピングカーで泊まるには最適な場所に違いない。
キャンプ場から国道275号線に戻り中富良野を目指す。この国道275号線は昨日は強い追い風だったので、逆向きに走る今日は向かい風だろうと覚悟していたが、幸いな事に朝は無風だった。今日まず最初に行く場所は北21号道路、通称パノラマロード江花の北の端から富良野盆地を眺めるかみふらの八景だ。ここは私が昨年まで愛用していたツーリングマップル2003年度版の表紙の撮影場所だ。私はこの場所でどうしても撮影したかったが、ツーリングマップルには撮影場所が富良野としか書かれていなかったので、富良野のどこで撮影したのかわからなかった。しかし5年間も愛用した2003年度版があまりにもボロボロになって御臨終となったので、今年は新しい2008年度版のツーリングマップルを購入したら、地図上に撮影場所が記載されていたのだ。せっかく富良野に来たのだし、今回その場所へ行ってみる事にした。ちなみに2008年度版のツーリングマップルは、2003年度版で私が指摘していた地図上の観光地の場所の間違いはほとんど修正されていた。
ここからは坂を登って、7時ちょうどにようやく北の端の頂上に着いた。国道334号線の朱円にある天まで続く道ほどではないが、それでもここからの眺めは大したものだ。このパノラマロード江花は交通量は皆無なので、私は道路の真ん中に自転車を持ち出して撮影した。それだけではない、今回の北海道自転車ツーリングでは何と自分撮りをする為にゴリラポッドというフレキシブルな三脚まで持ってきていたのだ。私はさっそく三脚を取り出すとカメラをセットして道の真ん中に据え付け、セルフタイマーを使って自分が自転車に乗っている姿を撮影した。ただ、セルフタイマーで動いている自分の姿を撮影するのはなかなか難しいもので、何回かトライしないと満足できる写真は撮影できなかった。 15分ほど写真撮影し、眺めのいい景色を見ながら少し休憩し、今日はこれからどこに行こうかと考えようとした瞬間、ポツポツと雨が降り始めた。私はこの場所が少し標高の高いところにあるから雨が降り始めたのであって、国道275号線まで戻れば雨は止むだろうと考え、休憩なしでパノラマロード江花の急坂を下り、あっという間に国道275号線まで戻って来ると、案の定、雨は止んでいた。
本当は国道275号線と道道298号線との間に囲まれた農道を走りたかったのだが、コンビニに立ち寄る為、私は国道275号線を中富良野に向かって走り始めた。しかし中富良野まで行かなくても国道沿いにコンビニはすぐに見つかり、おにぎりとパンと牛乳を購入して店の前で食べる。ここからは国道を離れ、念願の農道に突入する。農道であれば交通量は皆無だから後方から迫りくる車に気を付ける必要もないし、何より景色がいい。私は富良野の農道を走りながら何枚も写真を撮った。 こういった農道を走る時、私は楽しみにしている事がある。それは畑に何が栽培されているか見ながら走る事だ。この富良野では畑の半分ほどが玉ねぎ畑て占められていた。残りの半分は人参、稲、とうきび、牧草などで、何が栽培されているのかよくわからない畑もいくつかあった。
富良野の農道を適当に走っていると、何やら万里の長城のような、どこまでも続く施設が目に入った。よくよく見ると、それは直径2.4mのパイプをいくつもつなぎ合わせて何kmにも延ばし、それをフェンスで覆っているものだった。しかし私にはこれが何なのか全くわからない。水道管や下水道にしては太すぎるし一体何を通しているのだろうと走りながら謎は深まるばかりだった。後でわかった事だが、これはどうやら水田灌漑用のパイプラインだそうだ。 やがて農道は終わりを迎え、道道298号線に入る。この付近には鳥沼公園があるので立ち寄る事にしてみた。鳥沼公園といえば数年前までここに無料のキャンプ場があり、長期滞在者が多い事で有名だった。住所をキャンプ場にして長期滞在者宛に郵便物を出したら届いたという伝説の残るキャンプ場だ。中に入っていくと、何となくそんな雰囲気の残る場所だ。不思議な事に沼から湯気のような霧が立ち上っており、神秘的だったので撮影する。
このハートヒルパーク展望台でのんびりと過ごし、30分休憩して9時10分に出発する。雨宿りしいる時はこれから向かう先は霧で雨が予想されたが、出発する時には霧は晴れ、雨も止んでいた。200m登らなければならないのに、まだ1/3しか登っていないので、ここからは気合いを入れて登る。2/3のところでもう一度休憩しようと考えていたが、あまり疲れる事なく頂上まで登ってしまった。 この道道253号線を登った先は、八幡丘と呼ばれる美瑛のような丘が続く景色のきれいな場所で、写真を撮りつつ走る。晴れていれば言う事なしだが、雨が降っていないだけでも満足すべきというものだろう。自転車で走っていると途中から路面が濡れ始めた。おそらくついさっきまで雨が降っていたという事だろう。これ以上スピードを上げると雨雲に追いついてしまいそうだったので写真を撮りながらのんびりと走る。さっきハートヒルパーク展望台で30分も休憩したおかげで雨に遭わずに済んだのかと思うと、運がまわってきたような気がする。
10時20分に麓郷に到着した。麓郷の町は幹線道路から外れているので麓郷に行く目的がない限り立ち寄る事のない町だけに、ひっそりとしていてかつ趣きがある。私は麓郷の町で五郎の石の家に行くつもりでいた。五郎の石の家とはTVドラマ「北の国から」で実際に使われた家だ。正直言うと私は北の国からをほとんど見た事がないのだが、せっかく麓郷まで来たのだから立ち寄る事にした。途中、拾って来た家−やがて町という、これも北の国からにまつわる家もあったが、あまりたくさん立ち寄っていると時間がなくなって日高までたどり着けなくなってしまうので、写真だけ撮って通過する。 この麓郷から五郎の石の家に向かう道は緩やかな登りのまっすぐな道で、まるで摩周湖に登っているのを想い出すかのようだ。そのまっすぐな道を走っている時、道のすぐそばに馬がつながれているのが目に入った。道から手を伸ばせば届きそうな距離だ。私は馬を撮影しようかと考えたがその時はそのまま素通りする。すると100mも走らないうちに、今度は道端に人参が落ちていた。どうしてこんなところに人参がと不思議に思いながら、この人参をさっきの馬にあげたら喜ぶかもしれないと考えた。しかし考えているうちに通り過ぎてしまい、帰りに同じ道を通るのだから、その時に考えようと通り過ぎてしまう。さらに走ると先程人参が道に落ちていた理由がわかった。すぐ近くに麓郷人参工場があり、人参をフォークリフトでトラックに積み込んでいる。きっとそこからこぼれたのであろう。
五郎の石の家はドラマ「北の国から」「‘89帰郷」の中で丸太小屋が火災で焼け落ちたあとに畑の中に埋まっていた石を使い、黒板五郎が一人で積み上げて作り、移り住んだ石の家である。家の中には石風呂や暖炉、ストーブまであり、井戸から水をくみ上げて風呂に水を送る為の風車まであったりする。もちろん井戸も黒板五郎が一人で掘ったそうだ。
帰りは下りなのでほとんどペダルを回す事なく麓郷まで下り、麓郷を通過。馬と人参の件はすっかりと忘れて通り過ぎてしまった。そして道道544号線に入って布部川沿いの快適な道を下る。不思議な事に布部川の真上2〜3mだけ霧のようなものがかかり、幻想的な雰囲気をかもしだしていた。さらに走るとおもしろい看板を見つけた。「ここが麓郷街道桜並木なわけでポイ捨てなし、きれいな景色きれいな道路できもちいい」と書かれた看板だ。いくら北の国からをほとんど見た事のない私でも、さすがにこれは理解できた。
大きな木の下で雨宿りしながらおにぎりを食べ旅の日記を書いて20分ばかり休憩する。11時50分頃、雨が小降りになってきたので、これならレインスーツなしで走れると考え出発する事にした。すぐにJR根室本線の踏切を越えて国道237号線に入り南に下る。ここから日高まであと55km。今がちょうど12時だから16時過ぎに日高に到着といったところか。頑張らなければと思うが、ここまでの走りでかなり体力を消耗しており辛い。ここまでの走りでも出発から6時間で70kmとカメ作戦の平均時速12.5km/hは下まわっているし、なかなか辛いところだ。おまけに国道237号線に入ってからは弱い逆風と若干の登りでさらに体力を消耗する。しかも小雨が降ったり止んだりを繰り返しているので、レインスーツこそ着ていないが地図をフロントバッグの上に出す事ができず、一本道とはいえ自分が今どこを走っているのかわからなくて困ってしまった。
山部を過ぎると国道237号線は国道38号線と分離する。すると交通量は一気に減って、田舎道を走るようになった。この国道237号線はJR根室本線と併走しているが、金山手前の空知川の崖沿いに鉄道の廃線跡を見かけた。これは80年近く前までJR根室本線として使われていたが、曲線緩和の為に新線に付け替え、廃線となったそうだ。それにしてもあまりに崖に這いつくばうように線路が引かれ、その何ヶ所かで崩落が起きているのだから月日の流れを感じてしまう。 そして13時ちょうどに金山通過。あと40kmだ。日高までたどり着けそうになかったら、ここから道道465号線に入って、かなやま湖畔キャンプ場に行くつもりでいたが、その必要もなさそうだったので、そのまま日高を目指して国道237号線を走り続けた。金山はまるで糠平のような小さな町だ。鉄道の駅があるだけ金山の方がマシのようにも見えたが、両方ともコンビニがない事には変わりない。 13時30分に88km走ったところでパーキングがあったので休憩する事にした。お腹が空いてきたので、おにぎりを食べ始めた途端、大粒の雨が降り始めた。私はレインスーツを着たかったが、片手におにぎりを持っているのでレインスーツを着る事もできず、おにぎりを食べ終わる頃にはずいぶん濡れてしまった。今日はこれまでどうにかレインスーツを着る事なく雨をやり過ごしてきたが、どうやらここが年貢の納め時のようだ。私は今日初めてレインスーツを着て、シューズカバーまで装着した。そしてフロントバッグで雨をしのぎながら旅の日記を書き、14時ちょうどに雨の中を出発する。 ここからは雨が降り続く中、レインスーツとシューズカバーという最強の装備だが、金山峠の急な登りで暑くてたまらず息が切れる。こんな事ならかなやま湖畔キャンプ場に泊まっておけばよかったと後悔したが、今さら遅い。しかし出発から20分かけて100mほど登っただけで標高490mの金山峠の頂上に到着。頂上で記念写真でも撮ろうと考えていたが、あいにく頂上には全長456mの金山トンネルがあるだけだった。金山トンネルを抜けると下りが続くが雨が激しくなり、もう大雨となってしまった。道が荒れていて怖かったのと、大雨だったのでブレーキを駆使してスピードを30km/hに保ち急坂を下る。雨の日の下りはブレーキのシューがすぐに磨り減ってしまうから困ってしまう。 金山峠を下ればすぐに占冠だと思っていたが、実際には金山峠から占冠まで15kmほどあった。フロントバッグに地図を出せないのだから距離を間違えても仕方ない。ただ占冠までの国道237号線は下りばかりだったので楽だった。やがて15時10分に雨の降り続く占冠に到着。JRの占冠駅が立派だったので驚いてしまう。 占冠の町中に道の駅「自然体感しむかっぷ」があったので、雨宿りと休憩を兼ねて立ち寄った。あいにく道の駅に東屋は見つからなかったが、道の駅の横の占冠ショッピングモールの軒下に自転車を止めて雨宿りし、パンを食べる。ここで凍らせたペットボトルを飲もうとするが、気温が低いせいかほとんど溶けておらず飲む事はできなかった。
予定通り16時10分に日高峠の頂上に到着。ここでも峠の頂上を示す標識はなく、写真撮影なしで素通りしてしまう。せめて頑張って登ってきたチャリダーへのご褒美に峠の頂上を示す標識くらい用意してほしいところだ。ここからは急な下りで雨の中、再びブレーキを酷使しながら下り、16時20分にようやく日高町に到着した。 キャンプ場に向かう前に今日の夕食と明日の朝食を買う為、Aコープに立ち寄る事にした。ここ日高町にはコンビニだけではなくAコープもあるのを2年前に来た時に知っており、今日はいつもと違ったメニューにしようとコンビニではなくAコープに行く事にしたのだ。ところがAコープに行ってみると店が閉まっているではないか。私はAコープが潰れたのではないかと玄関前に貼ってある貼り紙を読んでみたがそんな雰囲気ではなく、単に日曜日が定休日なだけのようだった。仕方なくコンビニに行き寝酒と弁当を購入する。こんな雨の日に自炊できるとは思えなかったので、今日はコンビニ弁当で我慢だ。 それからキャンプ場に向かい、16時30分に日高町沙流川オートキャンプ場に到着する。どうにかカメ作戦の平均時速12.5km/hを達成だ。受け付けのお姉さんに今日の日高町の天気を聞いてみると、昼頃に少し明るくなった時はあったが、一日中こんな雨降りとの事。この様子だと雨も止みそうにない。さすがにこんな天気の日にテントを張っている人など誰もおらず、管理棟裏のバーベキューのできる炊事場にファミリーテントが2つばかり張ってあるだけだった。私はどこにテントを張ろうかとキャンプ場の中を歩き回った。今日は1日雨なので水のたまらない高台がいいが、どこも地面はびしょ濡れで、とてもテントを張る気にはならない。私はキャンプ場入口近くの小さな炊事場に屋根があり、そこならどうにかテントが張るスペースがある事に気付いた。キャンパーが多い時には炊事場にテントを張るなどとてもできないが、今日のように誰もいない状況では問題あるまい。私は念の為に管理人のお姉さんに、炊事場にテントを張っていいかどうか尋ねると、快くOKしてくれた。とてもありがたかった。 16時50分から炊事場にテントを張る。ここは下がコンクリートなのでペグは使えないが、屋根の下なのでペグを使わなくても雨に濡れる事はないだろう。今日は自炊せずにコンビニ弁当を食べるつもりでいたが、こんな炊事場の屋根の下にテントを張ったのなら自炊は問題ない。私はコンビニ弁当は明日の昼に食べる事にして、今日は自炊しようと米を水にひたした。 そしてテントの中で着替えを済ませ、昨日と今日着た服を洗濯する。本当は昨日のうちに洗濯するつもりだったが、昨日の雨降りではとても乾くとは思えなかったので、洗濯を先送りしていたのだ。もちろん今晩洗濯してもこの天気では明日の朝までに乾くとは思えないが、さすがにそんな事を言っていたらいつまでたっても洗濯できずに着る服がなくなってしまいそうだったので、雨でも洗濯してしまう。炊事場にロープを張って屋根の下に干せるようにしたので、滴る水くらいは落せるだろう。明日晴れるようなら自転車の荷台に洗濯物を広げて干しながら走ればいいのだ。
入口近くにテントを張った事もあってよく見えたのだが、このキャンプ場では管理人が18時に帰ってしまう事もあり、それを狙ったかのように18時以降にキャンプ場にやってくる人が多数いた。普通のキャンプ場であれば18時以降にキャンパーがやって来る事などほとんどないので、彼らは管理人がいなければタダでキャンプができると思っているのであろう。ましてここはオートキャンプ場だから設備も整っており、タダでオートキャンプができてしまうのだ。雨の日でもこれだけやって来るのだから、晴れていれば18時以降に次々とキャンパーが押しかけて来るに違いない。 19時に雨が弱くなったので自転車で沙流川温泉ひだか高原荘に行く事にした。歩いてでも行けない事はないが、傘がないのでレインスーツを着て歩いていくと、レインスーツを置く場所がないのだ。自転車ならサイドバッグに詰め込んでおけるので、距離は近いが自転車で行く事にした。自転車で温泉への短いダートを走っていると、突然ガシャンという音がした。何かが落ちたに違いないと思って自転車をUターンして薄暗くなった道路を見ると、そこにはバックミラーが落ちていた。どうやら私の自転車は北海道自転車ツーリングの初日からバックミラーがグラグラしていてハンドルに巻いたバーテープまで緩んできていたが、ダートを走った衝撃で外れて落ちてしまったようだ。その場で直そうとするが、暗い雨の中で直すのは困難を極めたので、テントに戻ってから直す事にする。 沙流川温泉ひだか高原荘は宿泊も可能な比較的立派な温泉で、汚いチャリダーが入るには少し気が引けるが、気にせず玄関から入る。そして温泉に入って汗を流し、19時30分から休憩室で旅の日記を書き、20時10分には出発する。さすがに20時を過ぎると外は真っ暗だったが、HIDライトのおかげで安心して走る事ができた。テントに戻りバックミラーとバーテープを直す。無事に直す事ができた。天気予報では旭川や上富良野も日高と同様に雨だ。これなら日高まで来て正解だろう。外では北海道電力がダムを放流するから川の水が増えると延々放送しておりうるさくてたまらない。今日はF1ハンガリーGPのTV放送があるのでワンセグで見ようと思っていたが、残念な事にここ日高町はワンセグの電波が入らなかった。 明日の予定を立てようとしていた21時前に、突然雨と風が激しくなり、テントにもろに雨がかかるようになった。もともとテントはかなり屋根の内側に設営しており、30度くらい雨が斜めから吹き込んでも大丈夫なようにしていたはずなのだが、激しい風の為にそれ以上に吹き込んでいるらしい。フライシートをペグダウンしていないのでテントの端が水びたしになってしまい、激しい風にテントは揺れ動いた。昨日もそうだったが北海道の雨と風はきつい。まるで嵐のようだ。 明日は静内まで100kmちょっと走るだけなので、明日の朝はのんびりできるだろう。そんな事を考えながら21時30分にシュラフにも入らずに就寝するが、風雨が強くてなかなか眠れない。風は就寝と同時に弱まったが、雨は相変わらず降り続き、結局雨が吹き込まないか気になって、寝たのは22時30分になっていた。0時頃目覚めると雨は弱まっていたが、風は相変わらずだったし、テントの後ろが濡れていたので、テントを抜け出るとサイドバッグからペグを取り出し、後ろのフライシートだけペグダウンする。そしてシュラフに入って再び寝た。
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